こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
ホンダのGB350、本当に人気ですよね。クラシカルなデザインと空冷単気筒の鼓動感が魅力で、私もずっと気になっている一台です。
所有欲を満たしてくれる、あの普遍的な「バイクらしさ」が多くの人を惹きつけているんだと思います。
そんなGB350ですが、最近「値上げ」というキーワードが非常に目立っています。
2025年モデルや2026年モデルの登場で、価格がいくらになったのか? デビュー当時、あれほど「安い」と衝撃を与えた価格から、価格推移がどうなっているのか? そして何より、なぜこんなに値上げしたのか、その理由が気になりますよね。
特にGB350 Sや、新しくバリエーションに加わったGB350 Cの価格も知りたいところです。
新車がこれだけ値上げすると、今度は中古車相場がどうなっているのか、価格が高止まりしていないか、非常に気になります。
あるいは、この価格帯ならロイヤルエンフィールドやトライアンフといった競合比較も重要になってきます。
「GB350じゃなくても、他に良い選択肢があるのでは?」と考えるのは自然なことです。
この記事では、B350の値上げに関する皆さんのあらゆる疑問をスッキリ解決できるよう、最新情報を徹底的にまとめてみました。
- 2026年までの最新価格と価格推移
- 値上げの具体的な理由(なぜ高くなったか)
- ロイヤルエンフィールドなど競合との価格比較
- 新車値上げが中古車相場に与える影響
GB350:値上げの最新情報(2025年・2026年)

まずは、GB350シリーズの最新価格が「いくらになったのか」を、時系列で詳しく整理していきますね。2025年モデルのGB350/S、そして2026年モデルとして発表されたGB350 Cまで、デビュー当時からの価格の変化もあわせて詳しく見ていきましょう。このセクションだけでも、ホンダの価格戦略の変化が感じ取れるかと思います。
GB350の価格推移 2021年から現在
GB350が2021年に市場に与えた最大のインパクトは、その衝撃的な価格でしたよね。「このクオリティでこの価格!?」と誰もが驚いたはずです。
2021年のデビュー時、スタンダードモデルのGB350は550,000円(税込)という、本当にアグレッシブな価格設定でした。当時、生産終了間近だったヤマハ SR400のファイナルエディション(60万円台)や、直接的な競合と見られたロイヤルエンフィールド Classic 350(当時約63.5万円)と比べても、その安さは際立っていました。市場の空白を埋めるどころか、市場を破壊するほどの価格だったんです。
その後、2023年モデルで「令和2年排出ガス規制」に対応するため、全モデル一律で11,000円の値上げ(GB350で561,000円)がありました。これは触媒の変更やECUの再セッティングなど、法規制対応のための明確なコスト増が理由でしたし、値上げ幅も小さかったので、市場は順当に受け入れました。この時点では、まだまだ「安くて高品質」という印象は変わりませんでしたね。
問題は、そこからです。2025年モデルでは、なんと約8.8万円から最大11万円という、目を疑うような大幅な価格改定が発表されました。デビューからわずか4年で、スタンダードモデルは2023年モデル比で約16%〜20%、デビュー価格(55万円)と2025年ツートン(67.1万円)を比べると、12.1万円(約22%)もの価格上昇を遂げたことになります。
この価格推移を視覚的に理解できるよう、一覧表にまとめてみました。スマートフォンでご覧の方は、この表を横にスクロールして見てくださいね。
| モデルイヤー | モデル名 | メーカー希望小売価格(税込) | 従来比(値上げ幅) |
|---|---|---|---|
| 2021 | GB350 | 550,000円 | – |
| 2021 | GB350 S | 594,000円 | – |
| 2023 | GB350 | 561,000円 | +11,000円 (vs 2021) |
| 2023 | GB350 S | 605,000円 | +11,000円 (vs 2021) |
| 2024 | GB350 C | 668,800円 | (新規バリエーション) |
| 2025 | GB350 (単色) | 649,000円 | +88,000円 (vs 2023) |
| 2025 | GB350 (ツートン) | 671,000円 | +110,000円 (vs 2023) |
| 2025 | GB350 S (単色) | 693,000円 | +88,000円 (vs 2023) |
| 2025 | GB350 S (ストライプ) | 715,000円 | +110,000円 (vs 2023) |
| 2026 | GB350 C | 715,000円 | +46,200円 (vs 2024 C) |
2025年モデルはいくら? GB350の新価格
では、2025年8月28日に発売が予定されている、スタンダードなGB350(無印)の価格と仕様変更を詳しく見てみましょう。
2025年モデル GB350(スタンダード)
- 単色(マットバリスティックブラックメタリック、クラシカルホワイト) → 649,000円(税込)
- ツートン(パールホークスアイブルー) → 671,000円(税込)
なんと、塗装の複雑さ(デザイン性)で22,000円の明確な価格差が設定されました。これは今までにない戦略ですね。新色の「パールホークスアイブルー」は、ツートンカラーで非常に魅力的ですが、その分価格も上がる…悩ましいポイントかも。
価格上昇と同時に、所有満足感を高めるための仕様変更も行われています。
ヘッドライトの照射範囲見直し
両モデル共通の変更点として、ヘッドライトの照射範囲が見直され、夜間走行時の視認性が向上しました。これは安全性に直結する部分なので、地味ながらも非常に重要なアップデートだと思います。
メーターの質感向上
メーターの文字盤デザインが変更され、リム(ふち)がメッキ化されました。GB350はライダーが常に見る部分の質感が上がることで、乗っている時の満足感がグッと高まりますね。
テールランプのレンズ変更
スタンダードモデルでは、テールランプのレンズが従来のスモーク調に変更され、リア周りがよりスタイリッシュで引き締まった印象になりました。SNSなどでも「このスモークテール、好きかも」という声が見られますね。
GB350Cの2026年モデルの価格と変更点
2024年に、ディープフェンダーやキャブトンタイプのメッキサイレンサー、セパレートシートなどを採用したクラシックモデル「GB350 C」が登場しましたが、こちらも2026年モデルとして初めてのマイナーチェンジが発表されました。(発売予定日:2025年10月31日)
2026年モデル GB350 C
- 新色(マットサンドストームベージュ、マットビュレットシルバー) → 715,000円(税込)
2024年モデルの価格(668,800円)から、46,200円の価格アップとなっています。これは2025年モデルのGB350/Sの大幅値上げとは別軸で、機能向上(ヘッドライト照射範囲見直し)と新色開発に伴うコストが転嫁されたものと分析できます。
GB350 Cのよりトラディショナルなスタイルは魅力的ですが、価格も70万円の大台を超えてきました。この価格帯でどう評価されるか、非常に注目ですね。
GB350Sの新価格と仕様変更
スポーティな「GB350S」も、スタンダードモデルと同様に価格改定と仕様変更が行われました。
2025年モデル GB350 S
- 単色(ベータシルバーメタリック) → 693,000円(税込)
- ストライプ入り(ヘビーグレーメタリック-U) → 715,000円(税込)
こちらもスタンダードモデル同様、デザイン(タンクのストライプの有無)によって22,000円の価格差が設定されています。
ここで非常に興味深いのが、GB350Sのストライプ入り最上位モデルと、クラシックなGB35 Cの価格が、全く同じ「715,000円」に設定されたことです。
ホンダの新たな価格戦略? これは偶然の一致ではなく、「スポーティなS」と「クラシックなC」という、キャラクターが全く異なるバリエーションモデルに対し、ホンダさんが意図的に「71.5万円」という同一のプレミアム価格を提示したと考えられます。
これにより、ユーザーは価格ではなく純粋に「キャラクターやデザインの好み」で選択することになります。結果として、GB350シリーズ全体の平均販売単価(ASP)を引き上げる狙いがあるのかもしれませんね。
値上げの理由、なぜ高くなった?

さて、一番気になるのが「なぜこんなに大幅な値上げになったのか」という理由ですよね。2023年の11,000円の値上げは、「令和2年排出ガス規制対応」という明確なコスト増が理由でした。触媒の貴金属使用量の変更など、原価が上がるのは納得です。
しかし、2025年モデルの8.8万円~11万円という大幅な値上げは、ヘッドライトの改良やメーターのメッキ化といった「仕様変更」だけで説明するには、ちょっと大きすぎる気がしますよね。
この背景には、大きく分けて3つの要因が複合的に絡み合っていると私は考えています。
要因1:仕様変更と機能向上(きっかけ)
もちろん、前述した「ヘッドライトの照射範囲見直し」「メーターの質感向上」「新色・新デザイン(ツートンやストライプ)」といった仕様変更にはコストがかかっています。特にツートンカラーやストライプ入りの塗装は、単色よりも製造工程が複雑になります。これらが、価格改定の「きっかけ」となったのは事実でしょう。
要因2:外部環境によるコストプッシュ(主因)
しかし、値上げ幅の大部分を説明するのは、こちらの「外部環境」だと思います。
- 昨今の円安事情: GB350はインド市場向けの「ハイネスCB350」と多くの部品を共有するグローバルモデルです。たとえ製造が国内であっても、基幹部品や原材料(鋼材、アルミ、半導体、樹脂など)の多くは、世界的な価格高騰と急激な円安による調達コストの直撃を受けています。
- 物流費やエネルギーコストの高騰: パンデミック以降、世界的に物流費や工場の稼働に必要なエネルギーコストも上昇し続けています。
これらのコストプッシュ要因は、メーカーの企業努力だけでは吸収不可能なレベルに達していたと考えられます。
要因3:戦略的初期価格からの「適正化」(本質)
そしてもう一つ、これが本質かもしれませんが、2021年の55万円という価格は、市場を席巻するための「安すぎる」戦略的初期価格でした。ホンダさんとしては、「本当はもう少し高い価格を付けたかったけれど、まずは人気を確立するために出血サービスをした」という側面があったのではないでしょうか。
2025年大幅値上げの結論 2025年の大幅値上げは、これら累積したコスト増(要因2)を吸収し、2021年のデビュー以来、戦略的に「安価」に抑えられていた価格を、一気に「2025年時点での市場適正価格」へと修正(リキャリブレーション)する動きであったと分析できます。
仕様変更(要因1)は、あくまで新モデルイヤーとして価格を改定するための「大義名分(きっかけ)」であり、値上げ幅の主たる要因は、外部環境の激変にある。これが私の考察です。
GB350:値上げによる競合と中古への影響

これだけ新車価格が上がり、「安価な選択肢」から「プレミアム・ネオクラシック」へと移行したGB350。当然、ライバル車との関係や中古車市場にも大きな影響が出てきます。購入を検討している人にとっては、ここが一番悩ましいポイントかもしれませんね。詳しく見ていきましょう。
競合比較① ロイヤルエンフィールド

GB350のデビュー時から、最も直接的なライバルとされてきたのが「ロイヤルエンフィールド Classic 350」です。同じ空冷シングル、同じネオクラシックという土俵で戦ってきました。
2021年のデビュー時、両者の価格関係は明白でした。
- GB350(2021): 550,000円
- Classic 350(当時): 約63.5万円
→ GB350が約8.5万円も安く、明確な価格優位性がありました。「インドの伝統か、日本の信頼性と価格か」と言われれば、価格でGB350を選ぶ人が多かったのも事実です。
ところが、2025年の現在ではどうでしょう。
- GB350(2025単色): 649,000円~
- Classic 350(2025): 694,100円~
→ その価格差は約4.5万円にまで一気に縮まりました。
この価格差の縮小が意味するのは、GB350が持っていた最大の武器である「価格優位性」が、ほぼ失われたということです。ユーザーはもはや「安いからGB350」とは選べません。「インド本流の伝統とブランド」か「日本の高い信頼性とモダンな解釈」か、という、純粋に「ブランド」や「デザインの好み」「フィーリング」で比較検討する、本当のライバル関係に突入したと言えそうです。
競合比較② トライアンフ

GB350の値上げによって、新たに「価格的なライバル」として急浮上してきたのが、トライアンフのエントリーモデル「Speed 400」です。これはGB350のデビュー時には想定していなかった事態かもしれません。
両者の価格を見てみましょう。
- GB350 S / GB350 C(2025/2026): 715,000円
- Triumph Speed 400(2025): 752,000円
その価格差、わずか37,000円しかありません。
この37,000円の差は、ユーザーに全く異なる価値の選択を迫ることになります。
約70万円台で、あなたはどちらを選びますか?
GB350 S/C(71.5万円) エンジン: 空冷単気筒(SOHC2バルブ) 最高出力: 20PS 価値: クラシックなスタイルとエンジンの「鼓動感」、フィーリングを味わう。
Triumph Speed 400(75.2万円) エンジン: 水冷単気筒(DOHC4バルブ) 最高出力: 40PS(参考値) 価値: モダンなパフォーマンスと「Triumph」という強力なブランドを手に入れる。
GB350の値上げは、意図せずして「70万円台」というクラスで、「フィーリングとスタイルのホンダ(20PS)」と「パフォーマンスとブランドのトライアンフ(40PS)」が正面から衝突するという、異種格闘技戦ともいえる非常に面白い市場状況を生み出したんですね。3.7万円追加すれば、倍のパワーとトライアンフブランドが手に入る…これは悩みますね。
GB350の中古車相場の現状
「新車が高いなら中古車だ!」と考えるのは自然な流れですよね。私もそう思います。でも、ちょっと待ってください。私も調べてみて驚いたんですが、中古車市場も大変なことになっています。
2025年10月~11月時点での大手中古車情報サイトの平均価格(目安)は、以下のようになっています。
- GB350(スタンダード) 中古車平均価格: 約54.3万円
- GB350 S(スポーツ) 中古車平均価格: 約57.8万円
GB350 Cはまだデビューから日が浅く流通量は少ないですが、一例として車両価格66万円(支払総額70.4万円)という個体が見つかりました。これは従来のCの新車価格(668,800円)とほぼ同額であり、リセールが非常に高い(=中古が安くない)ことを示しています。
中古は安い? 新車との価格差
先ほどのスタンダードモデルの中古車平均価格(約54.3万円)を見て、「おや?」と思った方もいるかもしれません。
中古車市場の異常な「高止まり」に注意!
GB350(スタンダード)の中古車平均価格(約54.3万円)は、なんと2021年の新車価格(55万円)とほぼ同額なんです。
これは、通常であれば年式や走行距離に応じて発生するはずの減価償却(値下がり)が、GB350の市場ではほとんど機能していないことを示しています。その理由は明らかで、2025年モデルの新車価格が64.9万円~へと大幅に引き上げられたことで、市場に流通する2021年/2023年モデルの中古車価格(元々の新車価格55万~56.1万)が、新しい新車価格に引きずられる形で高騰・高止まりしていると考えられます。
実際に中古車情報サイトを具体的に見てみると、諸経費を含めた「支払総額」ベースで、走行1万km近い中古車と、最新の2025年スペック(ヘッドライト改良済み)の新車との価格差が、わずか1.6万円程度しかない…なんていう衝撃的なケースも見つかりました。
新車の大幅値上げから逃れるために中古車を探しても、「割安感」は極めて薄いのが現状です。「中古だから安い」という固定観念は一度捨てて、以下の点を冷静に比較検討する必要がありそうですね。
- 走行距離や年式はどうか
- カスタムパーツなどの付加価値はあるか
- 前オーナーの整備状況はどうか
- (新車なら付いてくる)メーカー保証が切れていないか
これらを考慮すると、価格差がわずかなら「最新の仕様とメーカー保証が付く新車」を購入する方が、結果的に合理的であると判断されるケースも多いと思います。
GB350:値上げと今後の購入判断

ここまで「GB350の値上げ」に関する最新情報、理由、そして競合や中古車市場への影響を徹底的に分析してきました。正直、2021年のあの衝撃的なデビュー価格を知っていると、現在の手の届きにくい価格帯になってしまったことに、戸惑いや残念さを感じている方も多いと思います。私もその一人です。
では、これからGB350を買いたい人は、この現実とどう向き合い、どう判断すればいいのでしょうか。
まず受け入れるべきなのは、「今買いたいこの時が、一番そのバイクが安い時期かもしれない」という市場の現実です。本レポートで分析した価格上昇の主因(円安、原材料高騰)は、2025年現在も根本的に解消されていません。将来的に、さらなる価格改定(値上げ)が行われる可能性は否定できません。
次に大事なのは、「比較の軸」を変えることかなと思います。もう二度と戻ってこないであろう2021年の価格(55万円)と現在の価格(64.9万~71.5万)を比較して「高い」と嘆くのではなく、
「現在の競合(Triumph Speed 400やRoyal Enfield Classic 350)と比較した上で、GB350の提供する『体験価値』に70万円前後の対価を支払えるか否か」
を、自分自身の判断基準とすべきです。
GB350の値上げは、私たちユーザーから「安価に買う権利」を奪ったかもしれませんが、同時に「70万円クラスの多様な選択肢の中から、GB350の持つ空冷シングルのフィーリングとホンダの信頼性を、積極的に選ぶ」という、より成熟した購入判断を促すものになったのかもしれませんね。
この記事で紹介した価格やスペック、中古車相場は、あくまで調査時点での情報であり、一般的な目安です。最新の正確な価格、納期、在庫状況、ローンの見積もりなどについては、必ずお近くのホンダドリーム店や正規販売店に足を運び、公式サイトで直接ご確認いただくようお願いします。
最終的な判断はご自身の責任において、じっくりと検討してくださいね。皆さんのバイクライフが最高のものになるよう願っています!
