こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
ホンダのGB350、クラシックなデザインと心地よい鼓動感で、本当に魅力的なバイクですよね。
街で見かけると、ついつい目で追ってしまう一台です。私自身、あの「トコトコ感」にはすごく惹かれるものがあります。
ただ、GB350に乗りたいと思った時、多くの人が気にするのが「GB350の足つき」の問題かなと思います。
特に身長160cm前後の方は、シート高800mmというスペックを見て、「自分でも安全に乗れるんだろうか」「両足ツンツンだと立ちごけが怖い」「SモデルやCモデルとの違いは?」「ローダウンってどうなんだろう」といった不安や疑問を抱えているかもしれません。
この記事では、そうした足つきに関する不安を解消するために、身長160cmの視点でGB350の足つき性を徹底的に分析します。
スペックシートだけでは読み取れない、体重によるサスペンションの沈み込みや、重要な「シートの幅」といったリアルな情報、そして具体的な対策やインプレで確認すべきポイントまで、詳しくまとめてみました。
- 身長160cmのリアルな足つき感(両足・片足)
- GB350・S・Cの足つきと重量の違い
- 足つき不安を解消する4つの具体的な対策
- 立ちごけを防ぐための停止テクニックと練習法
GB350:足つきと身長160cmの現実

まずは、GB350のスペックと身長160cmのライダーが実際に跨った場合のリアルな足つき性について、詳しく見ていきましょう。「800mm」という数字が一人歩きしがちですが、実際には車体のスリムさやシート形状など、多くの要素が絡み合って「体感的な足つき」が決まってくるんですよね。
GB350シリーズ スペック比較(足つき・重量関連)
まず、基本となる公式スペックを比較してみましょう。
| モデル | シート高 (mm) | 車両重量 (kg) | 身長160cmライダーへの影響 |
|---|---|---|---|
| GB350 (標準) | 800 mm | 179 kg | 足つき分析の基準となるモデル。 |
| GB350 S | 800 mm | 178 kg | 重量差はほぼ無し。 ポジションの違いが影響。 |
| GB350 C | 800 mm | 186 kg | 最も重い。 同じ足つきでも支える不安が大きい。 |
※スペックは2025年11月現在の情報に基づいています。
身長160cmのリアルな足つき
結論から言うと、ホンダ公式のシート高は800mmです。(出典:ホンダ公式サイト「GB350」スペック)
身長160cm(股下を平均70cm~75cmと仮定)の方が、お尻をシートの真ん中に置いたまままっすぐ跨ると、「両足だと、つま先が地面に触れる程度(ツンツン状態)」になる可能性が高いですね。股下の長さによっては、両足だとつま先すら着かない、というケースもあるかもしれません。
ただ、ここで「あ、やっぱりダメだ」と諦めるのは早いかも。バイクの安全な停止って、実は「片足でどれだけ安定して車体を支えられるか」が重要なんです。「両足ベタ足」は、必須条件ではないんですよね。
GB350は車体がスリムな単気筒モデルなので、ステップやクランクケースの出っ張りが少なく、足を真下に降ろしやすいのが特徴です。なので、お尻を少しずらせば、片足なら母指球(親指の付け根)まではしっかり接地できるか、カカトが少し浮く程度で安定させられるケースがほとんどだと思いますよ。
シート高800mmは絶望的か?
「シート高800mm」という数字だけを見て判断してはいけない、と私(ゆう)は考えています。実際の足つき性(体感シート高)は、公表スペック以外の3つの物理的な要素に大きく影響されるんですよね。
1. シート形状(幅と角)
これが一番影響するかもしれません。GB350の標準シートは、快適性やクラシカルなデザイン(タックロール風)のために、ある程度の「幅」と「厚み」があります。特にシート前端の、内ももが当たる部分が幅広だと、足を真下に下ろしにくく、外側に「ハの字」に開かされてしまうんです。この「回り込み」の分、足つきが悪く感じてしまうんですね。
2. 車体のスリムさ(単気筒の恩恵)
先ほどのシート幅によるマイナス要因を一部相殺してくれるのが、GB350の「スリムさ」です。空冷の「単気筒」エンジンなので、並列4気筒エンジンのような多気筒モデルと比較して、エンジン幅(クランクケース幅)が圧倒的にスリムです。足を下ろすときに、ステップやエンジンカバーが邪魔になりにくく、足を比較的まっすぐ下に下ろしやすい。このスリムさが、身長160cmのライダーを助けてくれる大きなプラスポイントです。
3. サスペンションの沈み込み(1G)
スペック表の800mmは、誰も乗っていない「空車状態」の数値です。ライダー(例えば体重50kg~60kgと仮定)が実際に跨れば、その重みでリアサスペンションが沈み込みます。これは「1G(乗車サグ)」と呼ばれる現象です。
これによって、実質的なシート高は10mm~20mm程度下がるんです。つまり、ライダーが信号待ちで足を着く時は「実質780mm~790mm」の状態で支えることになるので、この「隠れたマージン」がスペックで見るより少し安心感を与えてくれるはずですよ。
GB350 Sの足つきとポジション
スポーティな「GB350 S」も気になりますよね。スペックを見ると、シート高は800mm、車両重量は178kgと、標準モデル(179kg)とほぼ同じです。足つきの高さ自体は、標準モデルと全く同じと考えていいですね。
ただ、Sモデルは標準モデルと異なり、やや低く幅の狭いハンドルと、わずかに後退したステップを採用しています。これにより、ライディングポジションが標準モデルのアップライトな姿勢と比べて、「わずかに前傾」になります。
ポジションの違いが停止時に影響?
標準モデルが「体を起こしたままスーッと足を出す」というリラックスした動作なのに対し、Sモデルは「前傾姿勢から体を起こして足を出す」という、ワンアクションが加わる感じですね。
足つきの高さ自体は同じでも、この停止時の動作に「少し気を使う」「標準モデルより停止時に忙しい」と感じる方もいるかもしれません。これはもう、好みの領域かなとも思います。
GB350Cは重さがネックか
新しくラインナップに加わった「GB350 C」は、クラシックなスタイルが本当に魅力的です。大型フェンダーや専用のシート、マフラーなど、所有感を満たしてくれるデザインですよね。
でも、足つきに不安がある方にとっては、ちょっと注意が必要かもしれません。シート高は同じ800mmなんですが、車両重量が186kgと、標準モデルより7kgも重いんです。
身長160cmの方が両足ツンツン、または片足で支える不安定な足場で、この「プラス7kg」の差は、特に車体が傾いた時にかなり大きいかなと思います。もし路面がわずかに傾いていたり(カント)、路面に砂利が浮いていたりして車体がグラッときた時、179kgの時とは比べ物にならない重さでのしかかってくるリスクがあります。
デザインは最高なんですけど、立ちごけのリスクという点では、3モデルの中で一番シビアな選択肢になると言えそうです。
シート形状と車体のスリムさ
しつこいようですが、もう一度「シート形状」と「スリムさ」について。足つきは「高さ(シート高)」だけでなく「足を下ろすライン」が重要です。
GB350は単気筒エンジンのおかげで、ステップ周りはスリムです。足を下ろしやすい。でも、シート、特に太ももの内側が当たる部分の「幅」と「角(かど)」が、足を外側に押し出す要因になっています。
逆に言えば、この「シートの角」の問題を解決できれば、シート高そのものを下げなくても、足つきは劇的に改善する可能性がある、ということですね。これは後の対策でも詳しく触れたいと思います。
GB350:足つき不安を解消する対策

スペックやモデルごとの違いは分かりましたが、「じゃあ、どうすればいいの?」というところですよね。スペックで不安になっても、具体的な対策を講じれば不安は解消できる可能性が高いです。身長160cmでもGB350に安心して乗るための、具体的な対策を4つご紹介します。
ローダウンカスタムの注意点
最も直接的な解決策が、リアサスペンションを短いものに交換する「ローダウン」です。社外品などで、シート高を物理的に20mm~30mm程度下げることが可能なパーツが販売されています。
足つきが劇的に改善され、両足の母指球がしっかり着いたり、片足がカカトまで接地したりする可能性が高まるので、信号待ちでの精神的な安心感は絶大だと思います。
ただ、ローダウンには専門的な知識が必要で、いくつかの注意点(デメリット)があります。
ローダウンカスタムの3大注意点
- 走行性能の変化: 車体の姿勢(キャスター角)が変わり、ハンドリングが重く(マイルドに)なる傾向があります。GB350本来の軽快感が少しスポイルされる可能性があります。
- 最低地上高の減少: バンク角が浅くなるため、コーナリングでステップやマフラーを擦りやすくなる可能性があります。
- サイドスタンドの加工が必須: これが一番重要です。ローダウンすると、ノーマルのサイドスタンドでは車体が直立しすぎてしまいます。その結果、駐車時に反対側(右側)に倒れやすくなるため、スタンドも短いものに交換するか、切断・溶接による加工が絶対に必要となります。
ローダウンを検討する場合は、必ず信頼できるバイクショップの専門家によく相談することをおすすめします。費用や安全、バイクの特性に関わることなので、慎重に判断してくださいね。
効果的なシートのあんこ抜き
シート内部のウレタンを削る「あんこ抜き」も定番の対策です。でも、これもやり方を間違えると快適性を損ねてしまいます。
非推奨な方法
シートの座面(お尻が乗る部分)のウレタンを上から均一に削る方法。これは座面が硬くなり、長距離での快適性も魅力のGB350なのに、お尻の痛みでツーリングが台無し…なんてことになるかもしれません。
推奨される方法
私がお勧めしたいのは、座面ではなく「シートの角を落とす」ことです。内ももが当たる部分(シート前端の側面)のウレタンを削り、丸みを持たせるんです。
これなら座面のクッション性を損なわずに、足をまっすぐ下に下ろせるようになります。数値(シート高)は変わらなくても、内ももへの圧迫が減ることで、体感的な足つきはかなり改善されるはずですよ。これも専門の業者さんに相談するのが確実ですね。
厚底ライディングブーツの効果

バイク本体をカスタムしなくても、ライダー側の装備で解決する方法もあります。それが「厚底」のライディングブーツを履くこと。
バイク用品メーカーから、安全性を確保しつつ(くるぶしを守るプロテクションなど)、ソール(靴底)で15mm~25mm程度かさ上げできるブーツがたくさん出ています。物理的に足が長くなるので、効果は絶大です。
バイクをカスタムする必要がないので、最も手軽で安価な対策かもしれませんね。オートバイを降りた後もスタイルが良く見える、という副次的な効果も(笑)。
例えば、「ローダウン(-20mm)」と「ブーツ(+20mm)」を組み合わせることで、合計40mm(例:実質760mm相当)という劇的な改善も夢じゃないです。
立ちごけを防ぐ片足停止テク
最後は、カスタムや装備ではなく「技術」で解決する方法です。これが一番重要であり、根本的な解決策かもしれません。
ベテランライダーや小柄なライダーは、信号待ちで両足をベタッと着くことにこだわらないんですよね。いわゆる「両足ベタ足神話」からは、早めに脱却するのがおすすめです。
安全な「左足停止」の作法
最も安全で確実な停止方法の一つが、お尻をずらして片足でしっかり支えるテクニックです。
- 停止する直前に、お尻を左側に半分ずらします。(左のお尻だけでシートに座るイメージ)
- 完全に停止する瞬間に、左足だけをステップから外し、地面に「カカトまでベタ足」で接地させます。(カカトまで着くことで、地面を蹴って車体を保持できます)
- 右足はリアブレーキペダルを踏んだままにします。これにより、坂道で車体が後退することを防ぎ、車体を安定させることができます。
この「片足ベタ足」の技術を習得すれば、両足のつま先(ツンツン)で179kgの車体 1をグラグラさせながら支えるよりも、何倍も安全かつ確実に停止できます。身長160cmでも、このテクニックさえ習得すれば、シート高800 mmのバイクを乗りこなすことは全く問題になりません。
安全のためのご注意
このテクニックは、いきなり公道で試すのではなく、必ずエンジンを切り、安全な平地で「立ちごけしても大丈夫な状態」で練習してください。「お尻をずらす→足を着く」の動作がスムーズにできるようになるまで、反復練習することが大切です。慣れないうちは、お尻をずらしすぎてバランスを崩さないよう注意してくださいね。
試乗インプレで確認すべき点
ここまで色々な情報をお届けしてきましたが、最終的には「あなた自身がどう感じるか」が一番大切です。
カタログスペックやインプレ記事を読むだけでなく、必ず販売店や試乗会で「実車にまたがる」ことを強く推奨します。ネットの情報だけで判断するのは、本当にもったいないですからね。
その時、ただ跨って「あ、両足ツンツンだ」で終わらせないでください。ぜひ、以下の点を意識してチェックしてみてください。
- 平地で「両足ツンツン」の状態を試し、車体をまっすぐ支えられるか確認する。
- 平地で、先ほど紹介した「お尻を半分ずらして片足をベタッと着く」動作を試してみる。(必ず店員さんの許可を得て、安全に配慮して行ってください)
- 可能であれば、少しだけ車体を左右に傾けてみて、179kg(標準/S)や186kg(C)の重さを「自分が支えられる範囲か」体感する。
- シートの「角」が、自分の内ももにどれくらい当たるか、圧迫感を確認する。
その時に「あ、これなら支えられるな」「この重さなら大丈夫そうだ」と直感的に感じることができれば、それがあなたの不安に対する最終的な答えになると思いますよ。
GB350:足つき不安の最終結論
結論として、身長160cmのライダーがGB350を選ぶことは「十分“あり”」だと、私は思います。
GB350がくれる「トコトコ」という心地よいエンジンの鼓動感や、立体エンブレム、美しい塗装といった所有感を満たすデザインは、他のバイクでは得難い唯一無二の魅力です。その魅力を、シート高800mmというカタログスペックの数値だけで諦めてしまうのは、本当にもったいない選択です。
分析の結果、身長160cmのライダーが直面する問題の本質は、800 mmという「高さ」そのものよりも、「高さ」と「179kg(標準モデル)という重さ」の組み合わせから来る「立ちごけの不安」にあります。
その不安は、本レポートで解説した以下の対策を組み合わせることで、ほぼ解消可能です。
不安解消のまとめ
- カスタム: 「あんこ抜き(角を落とす)」または「ローダウン(サス交換+スタンド加工)」(※要専門家相談)
- 装B_備: 「厚底ライディングブーツ」の着用
- 技 術: 「お尻をずらした片足ベタ足停止」の習得
スペックシートやインプレッションを読むだけでなく、ぜひ実車に触れて、「これなら乗れる!」という確信を見つけてみてください。あなたにとって最高のバイクライフがスタートできるか、じっくり確かめてみてくださいね。
