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バイク(ソロ)キャンプ用テントの選び方と人気おすすめ5選!!

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バイク(ソロ)キャンプ用テントの選び方と人気おすすめ5選!!

どこまでも続く道を走り抜け、たどり着いた静かな夜。

満点の星空の下、愛車の隣で焚き火を眺める――。

これこそが、ライダーだけが味わえるバイクキャンプ最高の瞬間です。

しかし、その至福の時間を左右するのが、たった一つの道具、「テント」の存在。

コンパクトさと軽量性を取れば窮屈さで後悔し、居住性を求めればパズルのような積み方で悪戦苦闘…。

特に初めてのソロキャンプでは、「失敗したくない」という想いが強すぎて、結局どのテントを選べばいいのか分からなくなってしまいますよね。

ご安心ください。この記事では、そんなあなたのための「失敗しないテント選び」の全てを詰め込みました。

法律も絡むシビアな積載のコツから、過酷な冬キャンプで頼りになるモデルの条件、ライダーの夢である「愛車がすっぽりバイクが入るテント」の実力、そして定番モンベルを含む、本当に使えるおすすめ5選まで。

あなたの旅のスタイルに寄り添う最高の相棒を見つけるための、確かな羅針盤となることをお約束します。

さあ、もう迷うのは終わりです。最高のテントを手に入れて、次の旅へと走り出しましょう。

この記事でわかること
  • 自身のツーリングスタイルに最適なテントの基準
  • バイクへの積載方法と法律に関する注意点
  • 目的や季節に応じたテントの具体的な選択肢
  • 人気モデルの特長とコストパフォーマンス
目次

失敗しないバイクキャンプのテント選びの要点

失敗しないバイクキャンプ テント選びの要点
  • コンパクト軽量なテントの重要性
  • バイクへの積み方をイメージする
  • ソロキャンプ テントのサイズの選び方
  • 設営のしやすさも確認しよう
  • ツーリング中の快適性を高める前室

コンパクト軽量なテントの重要性

コンパクト軽量なテントの重要性

バイクキャンプ用のテントを選ぶ上で、何よりもまず基本となるのがコンパクトさと軽量性です。四輪車と根本的に異なるのは、バイクの積載能力には物理的・法規的な制限があるという点です。安全な走行を維持し、ライディングの楽しさを損なわないためにも、荷物は可能な限り軽く、小さくまとめることが絶対的なセオリーとなります。

キャンプ道具の中でもテントは、シュラフ(寝袋)やマットと並んで比較的サイズが大きく、重量もあるアイテム群に分類されます。そのため、収納時のサイズと製品重量が、パッキングのしやすさはもちろん、バイクの走行安定性に直接的な影響を及ぼすのです。具体的な目安として、重量は2kgから4kg程度、どれだけ重くても5kg以内を上限として選ぶのが賢明でしょう。重量が増えれば増えるほど、バイクの重心が高くなり、カーブや低速走行時のふらつきの原因になり得ます。

加えて、収納時の「幅」は特に重要な指標です。現在市販されている多くのバイク用シートバッグやパニアケース(ハードケース)は、幅が40~50cm強で設計されています。したがって、テントの収納時幅が45cm前後に収まっていれば、これらのバッグにすっきりと収納でき、積載の自由度が格段に上がります。実際に、デイトナのようなバイク用品を専門に扱うメーカーの中には、バイクへの積載を前提とした「46cm以内」という独自のコンセプトを掲げて製品開発を行っているところもあり、こうした基準はテント選びにおいて非常に参考になります。

ただし、注意点もあります。軽量性やコンパクトさを過度に追求するあまり、テントの快適性や耐久性が犠牲になる「トレードオフ」の関係が存在することです。例えば、極めて軽量な生地(シルナイロンなど)は防水性に優れる一方で、摩擦に弱くデリケートな扱いが求められる場合があります。同様に、内部空間を切り詰めて軽量化を図ったモデルでは、居住性が損なわれる可能性も否定できません。軽さと丈夫さ、そして快適性の三つの要素を天秤にかけ、自分にとって最適なバランスを見極めることが、後悔しないテント選びの鍵を握っています。

バイクへの積み方をイメージする

バイクへの積み方をイメージする

テントのカタログスペックを眺めるだけでなく、実際に自分のバイクへどう積むのかを具体的にシミュレーションすることは、テント選びのプロセスにおいて不可欠です。荷物の積み方は、見た目のスマートさ以上に、走行中の安全性に深く関わってきます。

バイクの積載に関する法律

まず大前提として、バイクの積載には道路交通法および道路交通法施行令によって厳格なルールが定められていることを理解しておく必要があります。これを知らずに過積載を行うと、取り締まりの対象となり、違反点数の加算や反則金が科せられる可能性があります。

  • 積載物の重量: 排気量51cc以上の自動二輪車は最大60kgまで(50cc以下の原付は30kgまで)。
  • 積載物の大きさ(はみ出し制限):
    • 幅:積載装置(キャリアやシート)の幅に加えて、左右それぞれ15cmまで(合計30cm)。
    • 長さ:積載装置の長さに加えて、後方へ30cmまで。
    • 高さ:地面から測定して2mまで。

これらの規定を超えた積載は「積載物大きさ制限超過」や「積載物重量制限超過」といった違反になります。例えば、収納時の幅が45cm程度のテントであれば、幅15cmのリアキャリアに積載した場合、計算上は規定内に収まるため、法規違反の心配はほとんどありません。

安全な積載方法

法律を守ることはもちろん、安全に走行するための積載技術も大切です。物理の法則として、重いものをバイクの中心に近く、そして低い位置に積むのが鉄則です。テントは比較的重い部類に入るため、シートバッグの中でも最下層に入れるか、バイクの重心を意識して安定する場所に固定する必要があります。重心が高い位置にあると、カーブや段差、横風などで車体が大きく振られ、バランスを崩す原因となりかねません。

走行中の振動や風圧で荷物が落下することは、自身の危険だけでなく、後続車を巻き込む重大な事故に直結します。テント購入時に付属してくる固定ベルトだけに頼るのではなく、必要に応じてツーリングネットや伸縮性の高いストレッチコード(パワータイベルト)などを追加し、多方向から荷物を締め上げることで、ぐらつきを完全になくすよう心がけてください。購入を検討しているテントの収納袋に、ベルトを通しやすいループやDリングなどが付いているかを確認しておくのも、実践的なチェックポイントです。

ソロキャンプ テントのサイズの選び方

ソロキャンプツーリングが目的であっても、テントのサイズ選びを「1人用」と即決してしまうのは早計かもしれません。実際には、手狭に感じて後悔するケースが少なくないのです。

キャンプの達人たちの間でよく言われるのが、「使用人数プラス1名」を基準にサイズを選ぶという方法です。つまり、ソロキャンプであれば「1~2人用」あるいは「2人用」と表記されているテントが推奨されます。その理由は明快で、人間一人が寝るスペース以外に、ヘルメット、ライディングジャケット、パンツ、ブーツ、そして各種バッグといった、かさばる荷物を置くための空間が絶対に必要になるからです。

特に、ツーリング中に雨に降られた場合など、全ての荷物をテント内に避難させなければならない状況も十分に考えられます。そんな時に1人用のテントでは、荷物で就寝スペースが圧迫され、窮屈で快適な睡眠を確保することが難しくなります。ツーリングで疲れた体をしっかりと休ませ、翌日の安全なライディングにつなげるためにも、テント内にはある程度の空間的な余裕を確保することが大切です。

テントの「室内高」も、居住性の快適さを大きく左右する要素です。フロア面積が同じでも、高さが違うだけで体感的な広さは全く異なります。室内高が100cm程度あれば、中で胡坐(あぐら)をかいて座ることができ、荷物の整理がしやすくなります。これが120cm以上になると、立膝での移動や着替えなども比較的楽に行えるようになります。悪天候でテント内で過ごす時間が長くなる可能性も考慮すると、少し広めの2人用テントを選んでおくことで、キャンプ全体の満足度は格段に向上するでしょう。また、インナーテントに小物入れ用のメッシュポケットや、ランタンを吊るすためのフックが付いているかどうかも、地味ながら快適性を高める重要なポイントです。

設営のしやすさも確認しよう

一日のツーリングを終え、ようやくキャンプ場に到着した時、ライダーの体は想像以上に疲労しています。そんな状況で、複雑で時間のかかるテントの設営作業を行うのは、大きな肉体的・精神的ストレスになります。したがって、一人でも簡単かつスピーディーに設営できるかどうかは、ツーリングテント選びにおいて非常に重要な評価基準です。

自立式ドームテントがおすすめ

これからバイクキャンプを始める初心者の方に、特におすすめしたいのが「自立式」のドーム型テントです。自立式とは、その名の通り、ポールフレームを組み立ててスリーブ(ポールの通り道)に通したり、フックで吊り下げたりするだけで、ペグ(地面に打ち込む杭)で固定しなくてもテント本体が立体的に立ち上がるタイプを指します。

この方式の最大の利点は、設営場所の柔軟性にあります。ペグが打ち込みにくい硬い地面や、コンクリートの上でも設営が可能です。また、設営後に「もう少し風向きを考慮して角度を変えたい」といった場合でも、テントを持ち上げて簡単に移動させることができます。構造がシンプルで直感的に組み立てられるモデルが多く、慣れれば10分から15分程度で設営を完了できるでしょう。

ワンタッチ式テントの利点と注意点

設営の手間を極限まで省きたい、というニーズに応えるのが「ワンタッチ式」テントです。これは、傘を開くような要領で、骨組みと幕が一体化した本体を文字通り広げるだけで設営が完了する手軽さが最大の魅力です。到着からくつろぎ始めるまでの時間を大幅に短縮できます。

ただし、この手軽さには注意すべき点もあります。ワンタッチ式は構造が特殊なため、万が一ポールなどが強風で破損してしまった場合、部分的な修理が難しく、製品ごと買い替えなければならない可能性が高いというデメリットが存在します。また、一般的に組み立て式のテントに比べて収納サイズが大きくなる傾向があるため、自身のバイクへの積載性とのバランスを慎重に考える必要があります。

ツーリング中の快適性を高める前室

ツーリングテントの使い勝手と快適性を劇的に向上させる要素、それが「前室(ぜんしつ)」と呼ばれるスペースの存在です。前室とは、インナーテント(寝室)の入口前にある、フライシートによって覆われた空間、いわば玄関の土間のような役割を果たすエリアを指します。

この空間があることで、キャンプ中の様々な活動が格段にスムーズになります。最も分かりやすい例は、雨や朝露で濡れた靴、レインウェアの置き場所です。これらを寝室に持ち込むことなく、かつ雨風にさらされることもなく保管できます。これにより、インナーテント内を清潔でドライな状態に保つことが可能です。

また、調理器具や使用後の焚き火台、クーラーボックスなど、室内には入れたくないけれど、外に無防備に置きっぱなしにするには不安な荷物の一時保管場所としても、前室は絶好のスペースとなります。

特にその真価が発揮されるのは雨天時です。広い前室があれば、雨に濡れることなくバーナーで簡単な調理をしたり、コンパクトなチェアを置いてコーヒーを飲みながら読書をしたりと、簡易的なリビングスペースとして活用できます。急な天候の変化にも慌てず対応できるだけでなく、テント内で過ごす時間の質そのものを豊かにしてくれるのが前室の大きな役割です。

モデルによっては、この前室が非常に広く設計されており、大型のテーブルや複数のチェアを置けるほどの空間を持つものもあります。荷物が多くなりがちなバイクキャンプにおいて、前室の有無、そしてその広さや高さは、テントの快適性を測る上で極めて重要な判断基準の一つと言えるでしょう。

人気のバイクキャンプのテントと季節の知識

人気のバイクキャンプ テントと季節の知識
  • バイクが入るテントのおすすめは?
  • 厳選!人気のおすすめ5選を紹介
  • 定番ブランド「モンベル」のテント
  • 冬キャンプに挑む際のテント選び
  • 予算に合わせて選ぶポイント
  • 【総まとめ】あなたに合うバイクキャンプ テントを見つけよう

バイクが入るテントのおすすめは?

一部のツーリングテントには、その広い前室が大型バイクも格納できるほどに設計された、「バイクインテント」と総称されるユニークなモデルが存在します。単なる移動手段としてだけでなく、愛車を旅の相棒と考えるライダーにとって、これは非常に魅力的な選択肢となり得ます。

バイクインテントのメリット

最大のメリットは、言うまでもなく大切な愛車を雨や夜露、そして心ないイタズラや盗難のリスクから物理的に保護できる点です。これにより、タープやバイクカバーを別途用意する必要がなくなり、結果として荷物の削減とパッキングの簡略化につながります。

また、テントとバイクが一体となった空間は、まるで自分だけの秘密基地のような特別な満足感と高揚感を与えてくれます。就寝前に愛車を眺めながら一杯飲んだり、雨の日でもバイクのそばで簡単なメンテナンスを行ったりと、バイクキャンプの楽しみ方を大きく広げてくれるポテンシャルを秘めています。

デメリットと注意点

一方で、このユニークな機能にはいくつかのデメリットも伴います。バイクを収納できるほどの広い前室を持つテントは、必然的に全体のサイズが大きくなり、重量も一般的なツーリングテントより重くなる傾向があります。収納サイズも長くなりがちなので、自分のバイクの積載能力やシートバッグのサイズで、問題なく運搬可能かどうかを事前に厳しくチェックする必要があります。

さらに、設営にはより広いスペースが必要になる点も見過ごせません。区画が狭いキャンプサイトでは、設営自体が困難な場合もあります。そして最も重要な注意点が、キャンプ場側のルールです。全てのキャンプ場がテントサイトへのバイクの乗り入れを許可しているわけではありません。「バイク乗り入れ可」のキャンプ場を選ぶことが、バイクインテントの機能を最大限に活用するための絶対条件となります。

代表的なモデルとしては、DODの「ライダーズバイクインテント」や、ロゴスの「Tradcanvas ツーリングドゥーブル DUO-BJ」などが市場で人気を博しています。これらは、バイクツーリングならではの深いニーズに応える、非常に個性豊かで実用的な製品です。

厳選!人気のおすすめテント5選を紹介

厳選!人気のおすすめバイクテント5選を紹介

現在、市場には無数のツーリングテントが存在しますが、その中から特に人気が高く、機能性、携帯性、コストパフォーマンスのバランスに優れたモデルを5つ厳選して紹介します。それぞれのテントが持つ独自の特長とスペックを比較し、ご自身のキャンプスタイルに最も合った一張りを見つけるための参考にしてください。

スクロールできます
製品名メーカー定員(人)重量(kg)収納サイズ(cm)耐水圧(mm)ポール素材特徴
ツーリングドーム/STコールマン1~2約4.0約Φ21×49約1,500FRP圧倒的なコスパと設営のしやすさ。初心者の最初のテントとして最適。
ステイシーST-IIオガワ2~3約3.9約52×19×19約1,800アルミ広く快適な前室が最大の魅力。居住性を最重視するライダーに絶大な人気。
マエヒロドームデイトナ1約3.4約Φ18×44約1,500アルミバイク用品メーカーならではの視点。名前の通り非常に広い前室が特長。
ライダーズワンタッチテントDOD2約4.3約Φ20×65約3,000アルミ/スチール設営・撤収の手軽さは随一。ツーリングの時間を最大限活用したい人向け。
アメニティドームSスノーピーク3約5.0約58×18×23約1,800ジュラルミン高い品質と耐久性、風に強い設計。長く使える信頼性の高い一張。

コールマン ツーリングドーム/ST

コールマン ツーリングドーム/ST
引用元:コールマン公式

まさに「定番中の定番」であり、バイクキャンプ入門者の最初のテントとして絶大な支持を集めるモデルです。最大の魅力は、1万円台で購入できる手頃な価格でありながら、バイクキャンプに必要な基本性能をしっかりと押さえている点にあります。設営しやすいシンプルなポール構造、荷物を置くのに十分な前室スペースを両立しており、多くのライダーを満足させるコストパフォーマンスを誇ります。重量が約4kgとやや重めな点がデメリットですが、それを補って余りある魅力を持つ、信頼性の高い製品です。

>>コールマン ツーリングドーム/ST

オガワ ステイシーST-II

オガワ ステイシーST-II
引用元:オガワ公式

快適な居住空間を何よりも重視するソロキャンパーから、長年にわたり絶大な支持を集めるロングセラーモデルです。このテントを象徴するのは、コンパクトなチェアとテーブルを置いてもまだ余裕のある、広く設計された前室です。雨の日でも前室で調理をしたり、濡れずにくつろいだりと、天候に左右されない快適なキャンプを実現します。価格は高めですが、その品質と唯一無二の居住性の高さは、価格以上の満足感をもたらすでしょう。

>>オガワ ステイシーST-II

デイトナ マエヒロドーム

デイトナ マエヒロドーム
引用元:デイトナ公式

バイク用品メーカーのデイトナが、ライダーの視点で徹底的にこだわって開発したテントです。その名の通り、「前が広い」ことをコンセプトにしており、インナーテントの形状を工夫することで、コンパクトな設置面積でありながら驚くほど広い前室空間を生み出しています。ポールを差し込むスリーブが色分けされているなど、設営のしやすさにも配慮されており、まさにライダーによるライダーのためのテントと言えます。

>>デイトナ マエヒロドーム

DOD ライダーズワンタッチテント

DOD ライダーズワンタッチテント
引用元:DOD公式

ツーリングで疲れてキャンプ場に到着した後でも、本体を広げて紐を引くだけで素早く設営が完了するワンタッチ構造が最大の特長です。貴重なキャンプの時間を設営・撤収に費やすことなく、最大限に活用したいと考えるライダーに最適です。バイクに積載しやすいよう、収納時の幅が考慮されている点もポイントです。ただし、構造上、修理が難しい場合がある点には留意が必要です。

>>DOD ライダーズワンタッチテント

スノーピーク アメニティドームS

スノーピーク アメニティドームS
引用元:スノーピーク公式

日本を代表するアウトドアブランド、スノーピークが「初めてキャンプをする人が、最高の体験をできるように」という想いを込めて開発したエントリーモデルです。背を低く抑えた流線形のシルエットは、風を受け流す効果が非常に高く、悪天候下での安定性に優れています。初心者向けモデルでありながら、素材や縫製には一切の妥協がなく、長く安心して愛用できる高い品質を誇ります。収納サイズがやや長めな点に注意が必要ですが、信頼性を重視する方には最適な選択です。

>>スノーピーク アメニティドームS

定番ブランド「モンベル」のテント

定番ブランド「モンベル」のテント

日本が世界に誇る総合アウトドアブランド「モンベル」のテントも、多くのバイクキャンパーから支持されています。その理由は、もともと厳しい環境下での使用を想定した登山用に開発されたモデルが多いため、バイクキャンプに求められる軽量性・コンパクト性、そして悪天候に耐える高い性能を、極めて高いレベルで兼ね備えている点にあります。

代表的なモデルとして、居住性と軽量性のバランスに優れた「クロノスドーム」、月明かりの下でも設営できるほど簡単とされる「ムーンライトテント」、そして軽量性を突き詰めた山岳モデル「ステラリッジテント」などが挙げられます。これらのテントは、一般的なツーリングテントよりも軽量で、収納サイズも一回り小さいのが特長です。それでいて、居住性を極端に切り詰めた超軽量テントとは異なり、ツーリング用途にも十分耐えうる快適性を確保した、絶妙なバランス感覚で設計されています。

特に「クロノスドーム」は、モンベル独自の「バーティカル・クロス・システム(特許取得済み)」と呼ばれるポール構造を採用しています。これにより、テントの壁面が垂直に近い形で立ち上がり、スペック上の床面積以上に室内空間を広く有効に使えるように工夫されています。圧迫感が少なく、快適な居住空間は大きな魅力です。

価格帯は2万円台からと、入門モデルと比較すると少し高価になりますが、その分、軽量性、設営のしやすさ、そして長年の使用に耐える耐久性の全てにおいて高い満足感が得られます。積載能力に制約があるバイクだからこそ、軽量で高性能なモンベルのテントは、後悔の少ない非常に有力な選択肢になると考えられます。また、全国に直営店があり、修理などのアフターサポートが充実している点も、長く愛用する上での大きな安心材料です。

冬キャンプに挑む際のテント選び

冬キャンプに挑む際のテント選び

澄み切った空気と静寂、そして美しい星空。冬のキャンプツーリングには、他の季節にはない特別な魅力があります。しかし、それは厳しい寒さという自然の脅威と隣り合わせです。そのため、冬にキャンプを行う際のテント選びは、夏場とは全く異なる視点と、より慎重な判断が求められます。

ダブルウォール構造とスカートの有無

まず、テントの基本構造は、インナーテントとフライシートの二重構造になっている「ダブルウォール」であることがほぼ必須の条件となります。この二層の間に生まれる空気層が断熱材の役割を果たし、冷たい外気の影響を和らげてくれます。また、テント内外の大きな温度差によって発生する結露も、フライシートの内側に留まり、インナーテントやシュラフ(寝袋)が濡れてしまうのを防ぐ効果があります。これは、濡れが直接体温低下につながる冬場において、極めて重要な機能です。

さらに、フライシートの裾に「スカート」と呼ばれる泥除けが付いているモデルは、冬キャンプにおいて大変有効です。このスカートが地面との隙間をぴったりと塞ぎ、テント下からの冷たい風が内部に吹き込むのを大幅に軽減してくれます。

素材と換気の重要性

素材としては、一般的なポリエステル製のものが主流ですが、近年ではコットンとポリエステルの混紡素材である「ポリコットン(TC素材)」を使用したテントも人気を集めています。ポリコットンは、火の粉に強く燃え広がりにくいため、テントの近くで焚き火を楽しみたい場合に適しています。また、保温性や吸湿性にも優れているというメリットがあります。ただし、水分を含むと重くなり、乾きにくいというデメリットも理解しておく必要があります。

冬場は寒さ対策のためにテントを締め切りがちになりますが、テント内で暖房器具(特に燃焼系ストーブ)を使用する場合は、一酸化炭素中毒を防ぐための換気が何よりも重要です。ベンチレーション(換気口)がテントの上部と下部など、対角線上に複数設けられており、効率的な空気の通り道を確保できるモデルを選ぶことが、安全を確保する上で不可欠です。

予算に合わせて選ぶポイント

バイクテント:予算に合わせて選ぶポイント

バイクキャンプ用テントは、数千円で購入できるものから10万円を超える高級モデルまで、非常に幅広い価格帯で販売されています。価格は主に、使用されている素材、フレームの構造、ブランドの信頼性などによって決まります。自身のキャンプスタイルや頻度、そして何を重視するかを明確にすることで、適切な予算のモデルを選ぶことが賢明です。

1万円台:入門・高コストパフォーマンスモデル

1万円台で購入できるテントは、これからバイクキャンプを始めたい方や、とにかくコストを抑えたい学生ライダーなどに最適です。コールマンの「ツーリングドーム」シリーズに代表されるように、この価格帯でも基本的な性能(耐水性、設営のしやすさ、十分な居住性)をしっかりと備えた信頼できるモデルが多く存在します。バイクキャンプの楽しさを体験するには十分な性能を持っています。ただし、ポール素材が比較的重いグラスファイバーであったり、全体の重量が4kg前後であったりと、軽量性や収納時のコンパクトさでは、上位モデルに一歩譲る場合が多いです。

2万円~4万円台:バランスの取れた主力モデル

この価格帯は、最も製品数が豊富で、各メーカーが技術力を競い合う激戦区です。モンベルの「クロノスドーム」やデイトナの「マエヒロドーム」などがここに該当します。ポール素材が軽量で強度の高いアルミ合金(ジュラルミン)になることが多く、重量も2~3kg台のモデルが増えてきます。軽量性、耐久性、居住性、そして価格のバランスが非常に良く、ほとんどのライダーにとって満足度の高い選択ができます。素材や細部の作りにもこだわりが見られ、より快適で信頼性の高いキャンプが可能になります。

4万円以上:高品質・高性能モデル

オガワの「ステイシーST-II」やスノーピークの製品、そして本格的な登山用テントなどがこの価格帯に含まれます。ゴアテックスのような高機能素材を使用していたり、独自のフレーム構造によって卓越した耐風性と居住性を実現していたりと、随所にメーカーのフラッグシップたる技術力が投入されています。頻繁にキャンプへ行くヘビーユーザーや、厳冬期など過酷な環境での使用も想定する方、そして何よりも「所有する喜び」と長く使える一級品を求める方におすすめです。初期投資は大きくなりますが、それに見合うだけの性能と満足感、そして信頼性を得られるでしょう。

【総まとめ】あなたに合うバイクキャンプのテントを見つけよう

これまで解説してきたように、一口にバイクキャンプ用テントと言っても、その選択肢は実に多岐にわたります。そして、残念ながら「誰にとっても完璧な唯一のテント」というものは存在しません。軽量性を追求すれば居住性が犠牲になり、居住性を求めれば重くかさばる、というように、常にトレードオフの関係があるからです。

最適な一張りを見つけるための最も重要なステップは、まず自身のツーリングスタイルと、テントに何を最も求めるのか(優先順位)を明確にすることです。これが全てのスタートラインとなります。この記事で紹介した様々なポイントを参考に、あなただけの最高の相棒となるテントを見つけ、安全で快適な、素晴らしいバイクキャンプの旅に出かけてください。

  • バイクキャンプのテント選びはコンパクトさと軽量性が基本
  • 重量は2~4kg、収納時幅は45cm前後が一つの目安
  • 軽量性を追求すると耐久性や居住性が犠牲になる場合もある
  • バイクへの積載は法律で定められた範囲内で行う
  • 荷物は重心を低く、中心に寄せて確実に固定する
  • ソロキャンプでも荷物スペースを考慮し2人用サイズがおすすめ
  • 設営が簡単な自立式のドームテントが初心者には扱いやすい
  • 前室は靴や濡れたギアを置くのに便利で快適性を向上させる
  • バイクを格納できる大型前室を持つテントも存在する
  • バイクインテントは重く大きくなる傾向があるため積載に注意
  • コールマンのツーリングドームは圧倒的なコストパフォーマンスを誇る
  • オガワのステイシーST-IIは広い前室による居住性の高さが魅力
  • モンベルのテントは軽量・高性能でバイクキャンプとの相性が良い
  • 冬キャンプではダブルウォール構造とスカート付きが有効
  • テント選びは自分のスタイルと予算のバランスで決める
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