ホンダCB1300SF。
その威風堂々たる姿を目にするたび、ライダーなら誰もが一度は考えたことがあるはずです。
「この1300ccエンジンが秘める、本当の最高速はどれほどなのか?」と。
この記事では、多くのライダーが抱くその純粋な疑問に真正面からお答えします。
国内仕様のリミッターの壁、そしてそれを解除すべきか否かという究極の選択。
心臓の鼓動を高ぶらせる官能的なフルパワー加速の正体や、高速道路で発揮される盤石の安定性能の秘密も解き明かします。
さらに、白バイとして第一線で活躍するほどの絶対的な信頼性を持つ一方で、なぜ一部から「つまらない」と囁かれるのか、その真相にも深く切り込みます。
普段使いでのリアルな実力から、購入後に「後悔」しないための必須知識まで、CB1300SFの光と影を余すところなくお伝えします。
- CB1300SFの最高速とリミッターの実態
- フルパワー加速や高速道路での走行性能
- 普段使いでのメリットとデメリット
- 購入後に後悔しないための総合的な評価
CB1300SF. 最高速の実力とポテンシャル

- 国内仕様の最高速はどのくらい?
- SFとSBで最高速に違いはあるか?
- 高速道路での圧倒的な安定性
- 魅力的なフルパワー加速の性能
- リミッターカットした方が良いのか?
国内仕様の最高速はどのくらい?

CB1300SFの国内仕様における最高速は、公道での安全性を確保するため、速度リミッターによって電子的に制御されています。結論を先に述べると、その上限速度は180km/hに設定されています。
この数値は、かつて日本の二輪車メーカー間で存在した自主規制の名残であり、法律で定められたものではありませんが、現在もなお国内で販売される多くの大排気量モデルに採用されている基準です。実際の走行シーンでは、スピードメーターの指針が190km/h付近に達した段階で、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)が介入を始めます。具体的には、燃料の噴射量を調整したり、点火タイミングを遅らせたりすることで、エンジン出力の上昇を穏やかにし、それ以上の速度が出ないように制御する仕組みです。
そのため、ノーマルの状態では、1,284ccという強大なポテンシャルを秘めたエンジンを搭載していても、物理的に180km/hの壁を超えることはできません。しかしながら、誤解してはならないのは、この速度域でもエンジンにはまだ余力が十分に残されているという点です。リミッターが作動する領域までの加速は極めて力強く、特に高速道路の本線などでは、スロットルを開ければ瞬く間に到達してしまうほどの性能を持っています。
したがって、CB1300SFの最高速を語る上では、この180km/hリミッターの存在が絶対的な前提条件となります。ライダーはこの制限の中でバイクの魅力を味わうか、あるいは自己責任のもとでその封印を解き放つのか、という選択を迫られることになるのです。
SFとSBで最高速に違いはあるか?
ホンダCB1300シリーズには、伝統的なネイキッドスタイルの「SUPER FOUR(SF)」と、防風性能に優れたハーフカウルを装備した「SUPER BOL D’OR(SB)」という、個性の異なる2つのモデルがラインナップされています。これらのモデル間で最高速に違いが生じるのかは、購入を検討する上で非常に興味深いポイントです。
まず、前述の通り、国内で販売されている車両である限り、SFとSBのどちらも180km/hで作動する速度リミッターが標準で装備されています。このため、ノーマルの状態における最高速は、両モデルで全く同じです。
しかし、話はリミッターを解除し、サーキットのようなクローズドコースで車両本来の性能を100%引き出す場合に変わってきます。理論上、そして実際にも、ハーフカウルを持つSBの方がSFよりも最高速は伸びる可能性が極めて高いと考えられます。その最大の理由は、両者の空力特性の差にあります。
高速走行時、速度が上がれば上がるほど、空気抵抗は速度の二乗に比例して爆発的に増大します。SBに装備されたハーフカウルは、この強大な空気の壁を巧みに受け流し、車体とライダーへの抵抗を軽減する重要な役割を果たします。一方でカウルを持たないSFは、ライダーの上半身が直接走行風を受け止めるため、SBに比べて空気抵抗が格段に大きくなります。200km/hを超えるような超高速域では、このわずかな空力特性の差が、最高速の伸びとして明確に現れるのです。
| 比較項目 | SUPER FOUR (SF) | SUPER BOL D’OR (SB) | 備考 |
| スタイル | ネイキッド | ハーフカウル | デザインと機能性の選択 |
| リミッター作動時 | 180km/h | 180km/h | 国内仕様では差はない |
| リミッター解除後 | SBより劣る可能性 | SFより優れる可能性 | 空力特性が大きく影響 |
| 高速巡航 | 風圧が大きく疲労しやすい | 風圧が軽減され快適 | 長距離ツーリングで差が出る |
| 車両重量(2021年以降) | 266kg | 272kg | SBはカウル分やや重い |
| 中古市場価格 | SBより安価な傾向 | SFより高価な傾向 | 人気と装備が価格に反映 |
このように、リミッターが作動する公道走行においては両者に性能差はありませんが、潜在的な最高速ポテンシャルや長距離ツーリングでの快適性を重視するならば、空力特性に優れるSBに軍配が上がります。最終的にどちらを選ぶかは、デザインの好み、主な使用用途、そして快適性への要求度などを総合的に考慮して判断するのが賢明でしょう。
高速道路での圧倒的な安定性

CB1300SFが長年にわたり「キング・オブ・ネイキッド」として君臨し続ける理由は、単にパワフルだからというだけではありません。特に高速道路を走行する際にライダーが体感する、まるで路面に吸い付くかのような圧倒的な走行安定性も、このバイクを語る上で欠かせない大きな魅力です。この盤石とも言える安定感は、ホンダが熟成を重ねてきた緻密な車体設計の賜物です。
その安定性を支える最大の要因は、約270kg(モデルにより若干異なる)という堂々たる車両重量にあります。この重さは、低速での取り回しでは時にライダーを悩ませることもありますが、ひとたび速度が乗れば、車体を路面にどっしりと押し付ける力となり、絶大な安定感を生み出します。特に、高速道路で大型トラックを追い越す際に発生する乱気流や、橋の上などで遭遇する強い横風に対しても、車体のふらつきが少なく、ライダーは安心してスロットルを開け続けることができます。
また、エンジンを力強く抱え込む高剛性のダブルクレードルフレームと、1,520mmという比較的長めに設定されたホイールベースも、優れた直進安定性に大きく貢献しています。これにより、速度域が高まっても車体の挙動は常に落ち着いており、ライダーはまるでレールの上を滑るかのような感覚で、リラックスしたクルージングを楽しむことが可能です。
さらに、高品質な前後サスペンションの働きも傑出しています。路面の細かな凹凸や高速道路の継ぎ目といった外乱をしなやかに吸収し、タイヤが常に路面を捉え続けるよう巧みに制御します。特に、上級グレードの「SP」に標準装備されるオーリンズ社製の前後サスペンションは、その追従性がさらに高く、ワンランク上の上質な乗り心地と安定性を提供します。これらの要素が完璧なハーモニーを奏でることで、CB1300SFは長時間の高速走行でもライダーの疲労を最小限に抑え、どこまでも走り続けたくなるような快適な旅を約束してくれるのです。
魅力的なフルパワー加速の性能
CB1300SFの真の魅力は、静止状態から放たれる、胸のすくようなフルパワー加速にあると言っても過言ではありません。最高速の数値以上に、日常のあらゆるシーンで体感できるこの圧倒的な加速性能こそが、多くのライダーの心を掴んで離さないのです。
このバイクの心臓部である1,284cc水冷DOHC直列4気筒エンジンは、最高出力を追い求めるスーパースポーツのエンジンとは異なり、実用域である低中回転域から極めて厚いトルクを発生させることに主眼を置いて設計されています。その結果、スロットルグリップをわずかにひねるだけで、270kg近い巨体をものともしない、猛烈でありながらも紳士的な加速が即座に始まります。
例えば、街中の信号待ちからのスタートでは、ことさらにエンジン回転を上げる必要も、神経質なクラッチワークも一切不要です。アイドリングに少し毛が生えた程度の回転数からでも、クラッチを繋げば巨体は滑るように、そして力強く前へ進み始めます。高速道路への合流や追い越し加速といった場面では、その真価がさらに発揮されます。多くの場合、トップギアに入れたままでも、スロットル操作一つで周囲の車をあっという間に置き去りにするほどの、余裕に満ちた加速力を瞬時に引き出すことができるのです。
特筆すべきは、この加速感が単に暴力的でなく、極めて上質でコントローラブルである点です。2021年モデル以降に採用されたスロットルバイワイヤシステムにより、パワーの立ち上がりは非常にリニアで、ライダーの右手と後輪が直結しているかのようなダイレクトな操作感を実現しています。回転数の上昇に伴って奏でられる、集合マフラーならではの重厚かつ官能的な4気筒サウンドも相まって、加速する行為そのものが至上の喜びに変わります。この、いつでもどこでも意のままに引き出せる圧倒的なパワーと、それを支える洗練されたコントロール性能こそ、CB1300SFが提供する最大の価値の一つなのです。
リミッターカットした方が良いのか?
CB1300SFが秘める本来の性能を解放したいと考えたとき、避けては通れないのが180km/hで作動する速度リミッターの解除、いわゆる「リミッターカット」です。このカスタムは大きな魅力と同時に、それ以上のデメリットと重大なリスクを内包しており、実行には極めて慎重な判断が求められます。
リミッターカットのメリット
最大のメリットは、言うまでもなく180km/hという速度の壁を取り払い、バイク本来の最高速性能を引き出せる点にあります。リミッターを解除することで、CB1300SFは240km/hを超える最高速に到達するポテンシャルを持っています。これは、サーキット走行会などで自身のスキルとバイクの限界に挑戦したいライダーにとって、何物にも代えがたい魅力となるでしょう。また、エンジンをレブリミットまで淀みなく回し切れるようになるため、本来のパワーフィールを存分に味わうことが可能になります。
デメリットと重大なリスク
一方で、リミッターカットにはその魅力を上回るほどの多くのデメリットとリスクが存在します。これらを十分に理解せずに行うことは、絶対におすすめできません。
| リスクの種類 | 具体的な内容 |
| 技術的リスク | エンジンや駆動系、冷却系に想定以上の負荷がかかり、部品の摩耗や劣化が早まる。 最悪の場合、重大な故障につながる可能性がある。 ブレーキやタイヤも想定外の速度域での使用となり、フェード現象やバーストなど、命に関わる危険性が増大する。 |
| 法的リスク | リミッターカット自体は違法ではないが、公道で法定速度を超えて走行すれば重大な速度違反となる。 検挙されれば免許停止や取消しなどの厳しい行政処分は免れない。 |
| 経済的リスク | メーカー保証の対象外となるため、カスタム後の故障はすべて自己負担での修理となる。 エンジンブローなど高額な修理になる可能性も否定できない。 また、事故の際に任意保険の支払いが制限されたり、拒否されたりするリスクもある。 |
| 安全上のリスク | 最も重要な点として、公道での超高速走行はライダー自身だけでなく、 周囲の交通参加者を巻き込む大事故につながる可能性が極めて高い、 自殺行為にも等しい危険な行為である。 |
これらの理由から、リミッターカットはサーキット走行など、完全に管理されたクローズドコースでの使用を大前提としたカスタムであると断言できます。日常的に公道を走行する大多数のライダーにとっては、メリットよりもデメリットとリスクの方が比較にならないほど大きいと言わざるを得ません。CB1300SFは、リミッターがかかった状態でも十分にその魅力を堪能できるバイクです。安全で楽しいバイクライフを送るためにも、冷静な判断が不可欠です。
CB1300SF 最高速以外のリアルな評価

- 普段使いでの快適性と評価
- 「つまらない」という評価の真相は?
- 白バイ採用から見る信頼性
- 購入後に後悔しないためのポイント
- 総括:CB1300sf 最高速と総合性能
普段使いでの快適性と評価
CB1300SFは、その堂々たる風格とパワフルな性能から、週末のツーリング専用マシンと思われがちですが、驚くほど普段使いにも柔軟に対応できる懐の深さを持っています。その万能性は、日常の様々なシーンでライダーをサポートしてくれます。
快適性の根幹を成しているのは、やはりエンジンの柔軟なトルク特性です。前述の通り、極低回転域から実用的なトルクが湧き出るため、信号や渋滞でストップ&ゴーが連続する都市部の走行が非常に楽に行えます。頻繁なシフトチェンジを強いられることなく、スロットル操作に穏やかに追従するため、一般的な大型バイクにありがちなギクシャク感とは無縁です。この扱いやすさが、通勤や買い物といった日常の足としての使い勝手を格段に高めています。
また、人間工学に基づいて設計された自然なライディングポジションも、普段使いでの快適性に大きく貢献しています。過度な前傾姿勢を強いられないアップライトなハンドルポジションと、幅広でクッション性に富んだシートにより、短距離の移動でも身体への負担は最小限です。シート高も780mm(現行モデル)と、1300ccクラスのバイクとしては低めに抑えられており、良好な足つき性も停車時の安心感につながっています。さらに、シート下にはETC車載器に加えて小物を収納できる十分なスペースが確保されており、実用性への配慮も万全です。
もちろん、普段使いにおけるデメリットも存在します。最大の課題は約270kgという車両重量に起因する取り回しの重さでしょう。平坦な場所ではそれほど苦になりませんが、少しでも傾斜のある駐車場や、狭い場所での方向転換には相応の体力とコツが要求されます。また、夏場の渋滞路では、大排気量エンジンならではの熱気がライダーの足元を襲います。燃費に関しても、市街地ではリッターあたり15km前後まで落ち込むこともあり、経済性を最優先するライダーには厳しい側面があることも事実です。
しかし、これらの点を考慮してもなお、CB1300SFが持つ日常域での扱いやすさと快適性は、パワフルな非日常性と見事に両立されています。まさに、一台であらゆるシーンをこなせるオールラウンダーと言えるでしょう。
「つまらない」という評価の真相は?
CB1300SFのオーナーレビューや評判を調べていると、ごく少数ながら「優等生すぎてつまらない」という趣旨の意見に遭遇することがあります。これは一見ネガティブな評価に聞こえますが、その言葉の裏にある真意を理解すると、むしろCB1300SFというバイクのキャラクターと完成度の高さを浮き彫りにします。
この評価の背景にあるのは、CB1300SFが持つ圧倒的なまでの安定性、予測可能性、そして非の打ち所がない扱いやすさです。エンジンはどの回転域からスロットルを開けても暴れることなく、リニアかつ滑らかにパワーを供給します。頑強な車体は、路面の多少の荒れや速度の変化にも動じることなく、常にライダーに安心感を与え続けます。つまり、挙動にスリリングな部分や気難しい癖がほとんどなく、ライダーの操作に対して常に忠実に応えてくれるのです。
しかし、この完璧とも言える「乗りやすさ」が、一部の特定の嗜好を持つライダーにとっては刺激不足と感じられることがあります。例えば、高回転域でパワーが爆発するピーキーなエンジン特性を持つスーパースポーツや、車体全体で荒々しい鼓動を主張するビッグツインエンジン搭載モデルのような、「乗りこなす楽しさ」や「機械との対話感」を強く求めるライダーから見れば、CB1300SFの洗練された振る舞いが「おとなしい」「面白みに欠ける」と映ってしまう可能性があるのです。
| ライダーの志向 | CB1300SFに対する評価 |
| 刺激・スリルを求める | 「優等生」「つまらない」と感じる可能性 |
| 安定性・快適性を求める | 「最高の相棒」「信頼できる」と感じる可能性 |
| 所有感・万能性を求める | 「オールラウンダー」「完成度が高い」と感じる可能性 |
要するに、「つまらない」という評価は、バイクとしての性能や品質が低いことを意味するものでは断じてありません。むしろ、ホンダの技術の粋を集め、誰が乗っても安心してその性能を引き出せるほどに完成度を突き詰めた結果のキャラクターなのです。したがって、バイクに過激なパフォーマンスやじゃじゃ馬のような個性を求めるのではなく、絶対的な信頼性、快適性、そして大排気量エンジンがもたらす懐の深い余裕を重視するライダーにとって、CB1300SFは「つまらない」どころか、これ以上ないほどに満ち足りたバイクライフを提供してくれる最高の相棒となり得ます。
白バイ採用から見る信頼性
CB1300SFが、いかに信頼性と耐久性に優れたバイクであるか。その最も雄弁な証拠が、長年にわたり日本の治安を守る白バイ(交通取締用自動二輪車 CB1300P)として第一線で採用され続けている事実です。
白バイとして公式に採用される車両には、一般の市販車とは比較にならないほど厳格で多岐にわたる基準が設けられています。まず、あらゆる状況下で犯人を追跡し、安全に停止させるための卓越した動力性能と制動能力はもちろんのこと、隊員が意のままに操れる素直な操縦安定性が不可欠です。CB1300のパワフルで扱いやすいエンジンと、剛性と柔軟性のバランスに優れた車体は、これらの基本的な要求を高次元でクリアしています。
しかし、それ以上に白バイに求められるのが、過酷な使用環境に耐えうる絶対的な耐久性と信頼性です。白バイの任務は、通常のパトロール走行だけではありません。緊急走行での全開加速やフルブレーキングの繰り返し、Uターンやスラロームを多用する厳しい訓練、そして雨天時や炎天下での長時間にわたる運用など、車体にかかる負荷は一般ユーザーの比ではありません。そのような極限的な状況下でも性能を維持し続け、ミッションクリティカルな場面で決して音を上げないタフネスが絶対条件となります。
さらに、全国で数千台規模の車両を運用する警察組織にとっては、メンテナンス性の良さと部品供給の安定性も極めて重要な選定基準です。CB1300は基本設計がオーソドックスで整備しやすく、国内生産モデルであるため純正部品の入手も容易です。
これらの厳しい基準をすべて満たし、日本の交通の最前線で日夜活躍し続けているという事実は、CB1300シリーズがいかに優れた基本設計を持ち、高い品質管理のもとで製造されているかを何よりも力強く物語っています。我々一般ユーザーがこのバイクを手にする際、この「白バイに選ばれた」という背景は、何ものにも代えがたい安心感と、長く愛用できるという信頼の証となるのです。
購入後に後悔しないためのポイント

CB1300SFは、多くのライダーにとって最高のパートナーとなり得る素晴らしいバイクですが、その一方で、すべての人にとって最適な選択とは限りません。購入後に「イメージと違った」と後悔することを避けるため、事前にいくつかの重要なポイントを冷静に吟味することが不可欠です。
第一のポイント:「重さ」との向き合い方
繰り返しになりますが、CB1300SFを選ぶ上で最大の関門となるのが約270kgという車両重量です。走行中の安定感という絶大なメリットの裏返しとして、停止時や押し歩きの際には相応の体力が求められます。購入前には必ず販売店で実際に車両に跨り、可能であればエンジンをかけずに少し動かしてみるなどして、ご自身の体力で扱える範囲内かどうかを確かめることが極めて重要です。また、自宅の駐車スペースが傾斜している、あるいは非常に狭いといった環境の場合、日々の出し入れが大きなストレスになる可能性も考慮する必要があります。
第二のポイント:ライディングスタイルとの適合性
ご自身のバイクに求めるものが何かを明確にすることも大切です。CB11300SFは、ゆったりとした長距離ツーリングや、威風堂々とした存在感を楽しむことに長けたバイクです。
| バイクのキャラクター | CB1300SF | Z900RS | MT-09 |
| コンセプト | 王道・グランドツアラー | レトロスポーツ | ストリートファイター |
| 得意なステージ | 高速道路・ツーリング | ワインディング・街乗り | ワインディング・スポーツ走行 |
| 乗り味 | どっしり・安定 | 軽快・ヒラヒラ | 俊敏・エキサイティング |
| 車両重量(目安) | 約266kg | 約215kg | 約193kg |
もしあなたが、上表のZ900RSやMT-09のように、軽快なハンドリングで峠道をリズミカルに駆け抜けたい、あるいは俊敏な運動性能を活かしたアグレッシブな走りを楽しみたいという志向が強いのであれば、CB1300SFの持つ「どっしりとした乗り味」が、時に重さやもっさり感として感じられてしまうかもしれません。
第三のポイント:現実的な維持費の把握
大型バイクの所有には、車両価格以外にも継続的なコストがかかります。CB1三百SFも例外ではありません。
| 費用の種類 | 年間費用の目安 | 備考 |
| 軽自動車税 | 6,000円 | |
| 自賠責保険 | 約5,000円/年 | 24ヶ月契約の場合 |
| 任意保険 | 30,000円~ | 年齢・等級により変動 |
| 消耗品費 | 50,000円~ | タイヤ・オイル・パッド等。走行距離による |
| 車検費用 | 約30,000円/年 | 2年で6万円と仮定 |
| 合計(概算) | 121,000円~ | ガソリン代・駐車場代は別途 |
上記はあくまで一例ですが、排気量と車重がある分、特にタイヤなどの消耗品は高価になる傾向があります。これらの現実的なコストを事前に把握し、ご自身の予算内で無理なく維持できるか計画を立てることが、長くバイクと付き合っていく上で非常に大切です。
これらの点を総合的に検討し、CB1300SFの持つ「大人の余裕」と「絶対的な信頼感」に強い魅力を感じるのであれば、きっとあなたのバイクライフを豊かに彩る、後悔のない選択となるでしょう。
総括:CB1300sf 最高速と総合性能
- CB1300SFの国内仕様は180km/hで速度リミッターが作動する
- リミッターはメーター読み190km/h前後で穏やかに効き始める
- ノーマル状態ではSFとSBの最高速に性能差はない
- リミッター解除後は空力特性に優れるSBモデルが有利
- 約270kgの車重が高速道路で圧倒的な安定感を生み出す
- 高剛性フレームと高品質なサスが長距離での疲労を軽減する
- 真骨頂は低回転から湧き出るトルクフルで上質なフルパワー加速
- 街乗りから高速巡航まであらゆるシーンで余裕ある走りを実現
- リミッターカットは性能を解放するが多くの重大なリスクを伴う
- 安全性や法的観点から公道でのリミッター解除は推奨されない
- 普段使いでは扱いやすいエンジンと快適なポジションが大きな利点
- 取り回しの重さや夏場のエンジン熱はデメリットとなり得る
- 「つまらない」との評価は高い完成度と優等生な性格の裏返し
- 長年の白バイ採用実績が比類なき信頼性と耐久性を証明している
- 購入前には重さの許容、乗り方の適合性、維持費の確認が鍵となる
