こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
かつてのバイクブームが生んだ伝説、CBR250RRの45馬力モデルについて気になっている方は多いのではないでしょうか。
規制前のフルパワーが生み出す最高速や0-100加速のスペック、そして現代のZX-25RやMC51と比較しても色褪せないその魅力は、私たちライダーの心を掴んで離しません。
しかし、中古市場での価格高騰や故障のリスク、見分け方など、購入前に知っておくべき現実があるのも事実です。
憧れのカムギアトレーンサウンドを手に入れるために必要な情報を、私なりの視点で整理してみました。
- 1990年式MC22型CBR250RRが持つ45馬力エンジンの凄さと加速性能
- 現代の最新モデルZX-25Rや現行MC51と旧型MC22の徹底比較
- 中古車価格が100万円を超える理由と購入時に注意すべき故障リスク
- 前期型45馬力モデルと後期型40馬力モデルの具体的な見分け方
CBR250RR:45馬力のスペックと加速性能

今では考えられないようなハイスペックなマシンが、普通に売られていた時代があったんですよね。CBR250RR(MC22)は、まさにその象徴と言える一台かなと思います。「45馬力」という数字が持つ意味と、実際に走らせたときに感じるポテンシャルについて、詳しく見ていきましょう。
MC22の最高速と0-100加速の実力
まず皆さんが一番気になっているのは、やっぱり「MC22は実際にどれくらい速いのか?」という点ではないでしょうか。1990年に登場したCBR250RR(MC22)は、当時のメーカー自主規制値の上限いっぱいである最高出力45PSを15,000rpmという超高回転域で叩き出す、まさに公道を走るレーサーのようなマシンでした。
この「45馬力」という数字は、現代の環境規制(ユーロ5など)に縛られたエンジン設計では実現が極めて困難な数値です。実際の加速性能についてですが、サーキットやクローズドコースでのテストデータによれば、ノーマル状態でもスピードリミッターが作動する180km/hまでは、淀みなく一気に加速していく実力を持っています。さらに、リミッターカットを行った車両であれば、条件次第で190km/h近くまで速度が伸びるという話も、当時のライダーたちの間では伝説として語り継がれています。
現代車を置き去りにする「軽さ」の魔法
しかし、MC22の真の凄さは最高速だけではありません。信号待ちからのスタートダッシュ、いわゆる0-100km/h加速においてこそ、その真価が発揮されます。その秘密は、現代のバイクでは考えられないほどの「軽さ」にあります。
MC22の乾燥重量は、驚異の142kg。燃料やオイルを入れた装備重量でも157kgしかありません。これを45馬力というパワーで割った「パワーウェイトレシオ」で計算すると、約3.48kg/psとなります。この数値がどれほど凄いかというと、現代の250ccスポーツモデルの多くが4kg/ps〜5kg/ps台であることを考えれば、その差は歴然です。
アクセルをガバッと開けた瞬間、重さを感じさせずに車体が前に弾き出されるような感覚。これは、電子制御やインジェクションで綺麗に整えられた現代の加速感とは全く異なる、野性的でダイレクトな加速フィールです。この「軽さ」と「パワー」のバランスが生み出す加速性能こそが、30年以上経った今でも多くのファンを惹きつけてやまない理由なんですね。
ここがポイント
ただ単に「速い」だけじゃなく、「軽さ」が加速の鋭さに直結しています。ライダーの意思に対してマシンが即座に反応する、人馬一体の加速感は、この時代の軽量4気筒バイクでしか味わえない特別な魅力です。
カムギアトレーンの音と規制前エンジンの魅力
「CBR250RR 45馬力」と検索してこの記事にたどり着いた方の多くが、あの独特の「音」に心を奪われているのではないでしょうか。私自身もその一人です。MC22に搭載されている水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジン(MC14E型)には、ホンダがレースで培った技術の結晶である「カムギアトレーン」が採用されています。
一般的なバイクのエンジンは、カムシャフトを回すためにゴム製のベルトや金属製のチェーンを使用しますが、MC22はこれを複数の「ギア(歯車)」を介して駆動させます。エンジンキーを回し、セルボタンを押した瞬間から聞こえる「ヒュルヒュル」「キュイーン」という独特の機械音(メカニカルノイズ)。これこそがカムギアトレーンの証です。
19,000rpmまで突き抜けるF1サウンド
そして、走り出した後に待っているのは、まさに快感の一言です。アクセルを開けて回転数を上げていくと、低回転域の野太い音から、中回転域の粒の揃った音へ、そしてレッドゾーンである19,000rpmに向けては、まるでF1マシンのような超高周波の金属的なエキゾーストノートへと変化していきます。
この「突き抜けるような高回転サウンド」は、現代の厳しい騒音規制や排ガス規制の中で設計されたロングストローク傾向のエンジンでは、構造的に再現することが非常に難しいものです。1万回転を超えてもまだ回ろうとするエンジンの伸び切り感と、それにシンクロして高まるサウンド。ヘルメットの中で思わず叫びたくなるような高揚感は、MC22オーナーだけが許された特権だと言えるでしょう。
また、このカムギアトレーン機構は、単に良い音がするだけではありません。高回転域でのバルブの開閉タイミングのズレを極限まで抑え、正確な燃焼を維持するための質実剛健なレーシングメカニズムでもあります。コストを度外視してでも「最高のエンジンを作る」という、当時のホンダエンジニアたちの情熱が、この音には詰まっているんです。
カムギアトレーンのメリット
高回転域でもバルブタイミングが狂いにくく、チェーン切れや伸びの心配もありません。フリクションロス(摩擦抵抗)も少なく、エンジンのレスポンス向上に大きく貢献しています。まさに「回すこと」を最優先に考えられた、ホンダの本気が詰まったメカニズムです。
ZX-25RとCBR250RRの徹底比較
「現代の4気筒か、伝説の4気筒か」。これは250ccクラスを検討するライダーにとって、永遠の悩みであり、最も白熱する議論のテーマかもしれません。現代において唯一、新車で購入できる250cc並列4気筒モデルであるKawasakiの「ZX-25R」と、かつての王者「MC22」。どちらが優れているのか、私なりの視点で徹底的に比較してみたいと思います。
まずは、両車の基本的なスペックを比較してみましょう。以下の表をご覧ください。
| 項目 | CBR250RR (MC22 1990) | ZX-25R (SE 2023~) |
|---|---|---|
| エンジン形式 | 水冷並列4気筒 (カムギア) | 水冷並列4気筒 (チェーン) |
| 最高出力 | 45ps / 15,000rpm | 48ps(ラムエア時49ps) / 15,500rpm |
| 最大トルク | 2.5kg-m / 12,000rpm | 2.2kg-m / 12,500rpm |
| 車両重量 | 157kg (装備重量) | 184kg (装備重量) |
| フレーム | アルミツインチューブ | 高張力鋼トレリス |
| 電子制御 | なし (アナログの極み) | トラコン、モード切替、QSなど満載 |
数値には現れない「乗り味」の決定的違い
カタログスペック上の馬力だけで見れば、ラムエア加圧時に49psを発揮するZX-25Rに軍配が上がります。しかし、私が注目してほしいのは圧倒的な「重量差」です。MC22の方が約27kgも軽いんです。バイクにおける27kgという差は、スーパーで売っている5kgのお米袋5つ分以上です。これが運動性能に与える影響は計り知れません。
実際に乗り比べてみると、その違いは走り出した瞬間に分かります。MC22は車体がコンパクトで軽く、コーナーへの進入やS字の切り返しで「ヒラリヒラリ」と舞うように走れます。ライダーの入力に対して車体が即座に反応する、ダイレクトでソリッドな操作感が魅力です。
対するZX-25Rは、大柄な車体と剛性感のあるフレーム、そして最新の電子制御によって「路面に吸い付くような安定感」があります。トラクションコントロールやクイックシフターのおかげで、誰が乗っても安全に、かつ速く走ることができる完成度の高さはさすが現代車といったところです。
結論として、「アナログでダイレクトな操作感と軽さを楽しみたい」ならMC22、「最新の技術に守られた安心感と所有感、そして絶対的なパワーを味わいたい」ならZX-25R。どちらが上かではなく、あなたがバイクに何を求めるかで選ぶべき正解は変わってくるはずです。
45馬力モデルと現行MC51の違い
「CBR250RR」という名前は同じでも、1990年のMC22と、2017年に復活し現在も販売されているMC51は、設計思想が全く異なる「別の乗り物」だと考えた方が良いかもしれません。最大の違いは、何と言ってもエンジンの気筒数です。MC22が4気筒であるのに対し、MC51は2気筒エンジンを採用しています。
「えっ、2気筒になっちゃったの?それってスペックダウンじゃない?」とガッカリされる方もいるかもしれませんが、実はそれは大きな誤解です。現代の技術で作られたMC51の2気筒エンジンは、めちゃくちゃ速くて実戦的なんです。
ロマンの4気筒か、実利の2気筒か
MC22のような高回転型4気筒エンジンは、パワーバンド(美味しい回転域)が高いところにあり、低回転ではトルクが細くなりがちです。発進時などは少し気を使って回転を上げてやる必要があります。一方で、MC51の2気筒エンジンは、低中速域から太いトルクが湧き出る特性を持っています。
この特性の違いは、ストリートでの走りやすさに直結します。信号の多い街中や、タイトなコーナーが続く峠道では、アクセルを開けた瞬間にドカンと加速するMC51の方が、実は扱いやすくて速い場面が多いのです。さらに、2023年モデルのMC51はエンジンの改良により最高出力が42馬力まで向上しており、サーキットのラップタイムで比較すれば、タイヤやサスペンション、フレーム剛性の進化も相まって、MC51の方が速いケースも少なくありません。
つまり、「19,000rpmまで回して音と雰囲気を楽しむ、感性重視のMC22」か、「あらゆるステージで速く、扱いやすく、維持も楽な、性能重視のMC51」か。ここは好みがはっきりと分かれるポイントです。ご自身のツーリングスタイルや、バイクに求める「刺激」の種類を想像しながら選んでみてください。
前期型45馬力と後期型40馬力の見分け方
もしあなたが「どうしてもMC22に乗りたい!」と決意したなら、次に直面するのは車両選びの難しさです。特にCBR250RR (MC22) は、生産期間中に馬力規制の変更があり、前期型と後期型でスペックが異なるため注意が必要です。1994年の自主規制強化に伴い、最高出力が45馬力から40馬力へと引き下げられているのです。
「せっかく買うなら、本来の設計値であるフルパワーの45馬力が欲しい!」という方のために、中古車市場で見分けるための具体的なポイントを解説します。
見分けるための3つのチェックポイント
- ヘッドライトスイッチの有無(※最重要): これが一番分かりやすい特徴です。前期型(45馬力モデル)の右ハンドルスイッチには、ヘッドライトのON/PO/OFFを切り替えるスイッチが付いています。一方、後期型(40馬力モデル)は法改正によりヘッドライトが常時点灯式になったため、このスイッチが廃止されています。
- 車体番号の確認: 書類やフレームの刻印を確認できる場合は、車体番号をチェックしましょう。一般的に、「MC22-100〜」から始まる番号が1990〜1991年の前期型、「MC22-105〜」が1992〜1993年の中期型(ここまでは45馬力)と言われています。40馬力になるのは1994年以降のモデルで、番号帯が異なります。(※過渡期のモデルや登録のズレもあるため、あくまで目安です)
- エンジンの仕様変更: 外観からは判別が難しいですが、後期型はキャブレターのメインジェット番手、インシュレーターの口径、カムプロフィール、イグナイターの点火時期などが変更され、中低速トルク重視のセッティングになっています。
購入時の注意点
中古車市場には、転倒などで壊れたパーツを他の年式から移植して修理した、いわゆる「ニコイチ」「サンコイチ」車両も存在します。「ヘッドライトスイッチがあるから45馬力だ!」と思っても、実はスイッチボックスだけ交換されていたり、逆にカウルだけ後期型になっていたりすることも考えられます。確実に見分けるためには、車体番号と年式の照合だけでなく、信頼できるショップでエンジンの仕様を確認してもらうことを強くおすすめします。
中古のCBR250RR:45馬力を買うリスク

ここまではCBR250RRの輝かしい魅力やスペックについてお話ししてきましたが、ここからは少しトーンを変えて、厳しい「現実」についてお話しなければなりません。30年以上前に製造されたバイクを所有するということは、単にお金を払えば済む話ではなく、それなりの「覚悟」と「知識」が必要になるからです。
中古価格の高騰と100万円の壁
大手の中古車情報サイトをご覧になったことがある方ならご存知かと思いますが、現在、状態の良いMC22の価格は異常とも言えるレベルまで高騰しています。車両本体価格で80万円〜90万円、諸費用を含めた支払総額で100万円、場合によっては120万円を超えることも決して珍しくありません。
CBR250RRの新車当時の価格が約62万円(1990年モデル)だったことを考えると、30年の時を経て倍近くのプレミア価格がついていることになります。この背景には、日本国内での現存数が減っていること(タマ数の減少)に加え、海外でのJDM(日本国内仕様車)ブームが影響しています。特にアメリカでは製造から25年が経過した車両の輸入規制が緩和される「25年ルール」があり、良質なMC22がどんどん海外へ流出しているのです。
「100万円払ってでも欲しいバイクか?」という問いに対して、即答で「YES」と言える人だけが、この世界に足を踏み入れるべきかもしれません。リセールバリュー(売却時の価格)も高い傾向にはありますが、購入時の初期投資が非常に大きいことは理解しておく必要があります。
維持費と燃費から見る所有の現実
「250ccクラスだから車検もないし、維持費は安く済むでしょ?」と考えているなら、それは少し甘い見通しかもしれません。確かに、軽自動車税や自賠責保険といった法定費用は、現代の250ccバイクと同じく安価です。しかし、実際に所有して走らせるための「ランニングコスト」は、現代車よりも高くなる傾向があります。
ガソリン代と油脂類のコスト
まず燃費についてですが、カタログ上の定地燃費(40.0km/L)はあくまで理想値です。高回転型のエンジン特性上、気持ちよく走ろうとすればどうしても回転数を上げることになり、実燃費はリッター15km〜20km程度になることが多いです。さらに、古いエンジン内部の洗浄効果やノッキング防止を期待して、レギュラー仕様であってもハイオクガソリンを入れるオーナーさんが非常に多いです。
また、エンジンオイルの管理もシビアです。高回転を多用するエンジンはオイルへの負担も大きいため、3,000kmごと、あるいは半年ごとのこまめな交換が推奨されます。古いバイクなので、フォークオイルやブレーキフルードなどの油脂類も、劣化していればすぐに交換が必要です。こうした日々の積み重ねが、じわじわとお財布を圧迫していくことは覚悟しておきましょう。
故障のリスクと純正部品の欠品問題
これがMC22オーナー、ひいては旧車オーナー共通の最大の悩みであり、壁です。はっきり言います。「部品が出ません」。ホンダは他のメーカーに比べて古いパーツの供給に努力している企業ではありますが、それでも生産終了から30年以上が経過したバイクの全ての部品を作り続けることは不可能です。
具体的にどのような部品が手に入りにくいのか、いくつか例を挙げてみましょう。
- 外装パーツ(カウル類): 立ちごけや転倒でカウルを割ってしまった場合、純正の新品カウルを手に入れることはほぼ不可能です。ヤフオクなどで中古を探すか、中華製の社外カウルセットを購入するしかありませんが、社外品はネジ穴の位置が合わなかったり、塗装の質が悪かったりと、取り付けに苦労することが多いです。
- CDI(イグナイター): エンジンの点火タイミングを制御する電子部品ですが、内部のコンデンサが経年劣化で液漏れし、故障するケースが多発しています。ここが壊れると火が飛ばず、エンジンがかからなくなります。純正新品はまず出ないので、修理業者に依頼するか、社外品を探す必要があります。
- キャブレター部品: ダイヤフラムなどのゴム部品は経年劣化で硬化・破れが発生します。アイドリングが不安定になったり、吹け上がりが悪くなったりする原因になります。
このように、「お金があっても直せないかもしれない」というリスクと常に隣り合わせであることは、購入前に必ず知っておくべき事実です。
レストア費用と専門店選びの重要性
ネットオークションなどで、「現状販売」「ベース車」として相場より安く売られている車両を見かけることがあるかもしれません。例えば車両価格が40万円〜50万円。「これなら買える!」と飛びつきたくなる気持ちは分かりますが、これは非常に危険な賭けです。
安く売られている車両の多くは、長期間放置されていた不動車や、大きな修理が必要な車両です。タイヤ交換、チェーン交換、キャブレターのオーバーホール、フロントフォークのシール交換、タンクの錆取り…。これらをバイクショップに依頼すれば、あっという間に30万円、40万円といった整備費用がかかります。結果として、最初から高いお金を出して整備済みの車両を買うよりも高くついてしまうのです。
信頼できるパートナーを見つけよう
MC22のような旧車を長く、安心して楽しむためには、「売って終わり」ではなく、納車後のメンテナンスやトラブルシューティングまでしっかり面倒を見てくれるショップを見つけることが何より重要です。一般的な大手チェーン店では、部品の入手難易度や整備のリスクから、旧車の整備を断られるケースもあります。
購入の際は、そのショップがMC22やNSR250Rなどの80〜90年代のホンダ車に詳しいか、独自の部品ルートを持っているか、整備実績があるかなどをチェックしましょう。多少価格が高くても、しっかりとした納車整備(キャブレター同調、消耗品交換など)を行ってくれる専門店で購入することが、結果的に一番の節約になり、楽しいバイクライフへの近道になります。
CBR250RRによくある質問Q&A
- 免許取りたての初心者が、最初のバイクとしてMC22を選んでも大丈夫ですか?
-
ライディング(運転)の面だけで言えば、車体が軽くて足つきも非常に良い(シート高725mm)ので、女性や小柄な方、初心者の方でも扱いやすく、むしろおすすめできるバイクです。ただし、前述した通り「故障や維持管理」の面ではハードルが高いのが現実です。メカに詳しい友人が近くにいるか、親身になってくれるショップを見つけられるかが鍵になります。何も知識がない状態で個人売買などに手を出すのは避けましょう。
- ロングツーリングには向いていますか?
-
レーサーレプリカという見た目ですが、ハンドル位置はそこまで極端に低くなく、ポジションは比較的マイルドです。慣れれば1日300km程度のツーリングなら問題なくこなせます。ただし、高速道路をずっと走るようなシチュエーションでは、カウルの防風効果はあるものの、高回転をキープすることになるので振動で手が痺れたり、やはり疲れは出やすいです。でも、あのF1サウンドを聞きながら走るツーリングは、疲れを忘れるほど最高に楽しい時間ですよ!あ、荷物はほとんど載らないのでリュックかシートバッグは必須です。
【総括】CBR250RR 45馬力は今こそ買いか
ここまで、CBR250RR (MC22) の魅力と、直面するであろう厳しい現実について包み隠さずお伝えしてきました。正直なところ、「失敗しない買い物」や「コストパフォーマンス」、「安心感」を第一に求めるのであれば、私は間違いなく現行モデルのCBR250RR (MC51) や ZX-25Rをおすすめします。それらは速くて、壊れにくく、部品の心配もいらない、現代の技術が生んだ素晴らしい工業製品だからです。
しかし、理屈や損得勘定を超えて、「19,000rpmまで突き抜けるカムギアトレーンの4気筒サウンドを自分の手で操りたい」という強烈なロマンを抱いているのであれば、MC22に代わるバイクはこの世に存在しません。今後、環境規制がさらに厳しくなり、ガソリンエンジンそのものが貴重になっていく中で、このような過剰なまでの情熱で作られたバイクが再び世に出ることは二度とないでしょう。
現存する車両の状態は年々悪くなり、価格は上がり続けています。「いつか乗りたい」と思っているその「いつか」は、もう来ないかもしれません。リスクやコストを十分に理解し、それでもなお「あの時代の熱狂を所有したい」という覚悟が決まったのなら、今が手に入れるラストチャンスなのかもしれません。
CBR250RRは、ホンダが世界に誇る「4ストローク・クォーターマルチ」の金字塔です。(出典:本田技研工業『CBR250RR 1990.03 ファクトブック』)
この記事が、あなたのバイクライフを左右する大きな決断の参考になれば、これ以上嬉しいことはありません。
最後に
中古車のコンディションは一台一台全く異なります。ネットの情報や画像だけで判断せず、必ず実車を確認し、できればエンジンをかけて音やレスポンス、アイドリングの安定性をご自身の目と耳でチェックしてください。最終的な購入判断は、信頼できるプロの意見もしっかりと聞きながら進めることを強くおすすめします。最高の相棒に出会えることを祈っています!
