こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
クロスカブに乗ってどこまでも走っていきたい、そんな時に気になるのが体にあたる「風」の存在ですよね。
特に時速60km近くで幹線道路を走っていると、風圧で予想以上に疲れてしまったり、冬場の寒さが身に沁みたりすることはありませんか?
実は私も、納車当時は風を全身で受け止めて走っていましたが、ウインドシールドを導入してからは世界が変わりました。
「でも、どれを選べばいいの?」「自分で取り付けられるかな?」そんな疑問や不安をお持ちの方に向けて、今回は私の経験も交えながら、クロスカブ用ウインドシールドの選び方や活用術を詳しくご紹介します。
- 走行風による疲労や雨の影響をどれくらい軽減できるか理解できる
- JA60とJA45など型式による適合の違いと正しい選び方がわかる
- デイトナや旭風防など主要メーカー製品の特徴と違いを比較できる
- 取り付け後のビビリ音対策や長く使うためのメンテナンス法がわかる
クロスカブのウインドシールド導入効果

まずは、そもそもクロスカブにウインドシールド(風防)をつけることで、走りがどう変わるのかについてお話しします。見た目の好みは分かれるパーツですが、機能面では「一度つけたら外せない」という声が多いのも事実です。具体的なメリットや、自分のクロスカブに合う製品を選ぶための基礎知識を整理してみましょう。
防風効果による疲労軽減と雨対策
クロスカブに乗っていて「今日はなんだか疲れたな」と感じる一番の原因、それは間違いなく「風圧」です。普段何気なく走っていると気づきにくいかもしれませんが、私たちは走行中、常に空気の壁を突き破って進んでいます。
街中を時速30kmくらいでトコトコ走っている分には心地よい風も、バイパスなどで時速60kmを出した途端に、体を押さえつける強力な「抵抗」へと変貌します。特にクロスカブのようなアンダーボーンフレームのバイクは、ニーグリップ(膝でタンクを挟むこと)ができず、乗車姿勢も直立(アップライト)に近いため、ライダーの体はまさに「帆」のように風を正面からまともに受け止めてしまうんですよね。
この風圧に耐えるために、ライダーは無意識のうちに腹筋や背筋、そしてハンドルを握る腕に力を入れ続けて姿勢を維持しようとします。これが、長距離ツーリングでの「ドッとくる疲れ」や、翌日の肩こりの正体です。数百キロ走った後に「なんだか体が重い…」と感じるのは、実は風と戦い続けた証拠なんですね。
ウインドシールドの「整流効果」とは?
ウインドシールドは単に風をブロックするだけでなく、空気の流れを整えてライダーの頭上や脇へと受け流す「整流効果」を持っています。
これにより、体幹(コア)に当たる風圧が劇的に減少し、まるで誰かに背中を押されているかのような軽快な走行感覚を得ることができます。
私自身の体感ですが、お腹や胸に当たる風がなくなるだけで、体力の消耗が半分くらいになるイメージです。向かい風の強い日や、高速で流れる幹線道路を走る際の安心感が段違いになります。
また、地味に嬉しいのが「雨」と「寒さ」への対策です。通勤や通学でクロスカブを使っている方なら分かると思いますが、冬場の冷たい風や、突然の雨は本当に辛いですよね。走行風による体感温度の低下(ウインドチル効果)は強烈で、気温が5度でも時速60kmで走れば、体感温度は氷点下まで下がると言われています。
シールドがあれば、この冷気が直接ジャケットの隙間から入り込むのを物理的に防げます。また、雨天時には雨粒がウェアのお腹部分に染み込むまでの時間を稼ぐことができ、レインウェアを着るほどではない小雨程度なら、シールドだけで凌げることも多々あります。まさに「全天候型コミューター」としての実力がワンランクアップする感覚ですね。
JA60やJA45への適合と選び方
ウインドシールド選びで、絶対に失敗してはいけないポイントがあります。それは「自分のクロスカブの型式に合っているか」という点です。クロスカブは見た目のイメージが統一されていますが、実はモデルチェンジごとに構造が大きく変化しており、パーツの互換性がないケースが多々あります。
【要注意】JA60とJA45は別物です!
2022年以降のモデル(JA60)と、それ以前のモデル(JA45/JA10)では、ハンドル周りの構造が決定的に異なります。
特に注意が必要なのが、2022年に登場した現行モデル「JA60」に乗っている方です。JA60はフロントブレーキが従来のドラム式からディスクブレーキへと進化し、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が標準装備されました。これに伴い、ハンドルの右側に「マスターシリンダー」というブレーキオイルが入った四角いタンクが新設されています。(出典:本田技研工業『「スーパーカブ110」「クロスカブ110」をモデルチェンジし発売』)
このマスターシリンダーの存在が、ウインドシールド選びにおける最大のハードルとなります。従来のJA45用(ドラムブレーキモデル)として設計されたウインドシールドのステーは、ハンドルミラーの取り付け穴から低く水平に伸びる形状が多く、これがJA60のマスターシリンダー本体や、そこから伸びるブレーキホースのバンジョーボルトと物理的に干渉(衝突)してしまうのです。
「カブ用なら何でも付くだろう」と思って安価な汎用品や、中古で出回っているJA45用の製品を買うと、ステーがブレーキ周りに当たって取り付けられない……なんて悲劇が起きます。無理に取り付けようとすると、ブレーキホースを圧迫して危険な状態になる可能性すらあります。
さらに、ミラー取り付け部のネジ仕様にも注意が必要です。基本的にはM10の正ネジが採用されていますが、シールドを取り付けるために嵩上げ用のアダプターが必要になったり、JA60では純正のアダプター形状が変わっていたりと、一筋縄ではいきません。
これから購入される方は、必ずパッケージやWebサイトの商品説明に「JA60対応」「8BJ-JA60適合」と明確に記載されているかを確認してください。「全モデル対応」と謳っている怪しい汎用品には手を出さないのが賢明です。JA45やJA10にお乗りの方は、比較的選択肢が広く、中古市場でも多くのパーツが見つかりますが、それでも「JA45対応」と書かれた専用設計のものを選ぶのが、取り付けのストレスを減らす一番の近道です。
素材はポリカーボネートが最強か
デザインや価格だけでなく、シールドの「素材」にも注目してみましょう。市場に出回っているウインドシールドの素材は、主に「ポリカーボネート(PC)」と「アクリル樹脂(PMMA)」の2種類に大別されます。どちらも透明なプラスチックに見えますが、その特性は天と地ほど異なります。
結論から言うと、クロスカブで使うなら、私は断然ポリカーボネート製をおすすめします。少し価格は高くなりますが、それだけの価値がある理由を解説します。
| 特性 | ポリカーボネート (PC) | アクリル (PMMA) |
|---|---|---|
| 耐衝撃性 | 極めて高い (ガラスの約200倍以上) | 普通 (ガラスの約10倍程度) |
| 透明度 | 高い (透過率85〜90%) | 非常に高い (透過率93%以上) |
| 傷つきにくさ | 低い(柔らかい) ※ハードコート必須 | 高い(硬い) |
| 割れ方 | 粘って変形する (安全性が高い) | 鋭利に割れやすい (二次被害のリスク) |
ポリカーボネートの最大の特徴は、「圧倒的な強度と粘り」です。ハンマーで叩いても割れないほど頑丈で、防弾ガラスの材料や機動隊の盾などにも使われています。クロスカブは、林道を走ったり、キャンプ場の砂利道を走ったりと、タフな環境で使われることが多いバイクです。前走車が跳ね上げた小石が飛んできたり、林道で木の枝がバシッと当たったりした時、アクリル製のシールドだと「パリーン」と割れてしまうリスクがあります。
もっと怖いのは、万が一の転倒事故の際です。アクリルは割れるとガラスのように鋭利な破片になりやすく、それがライダーの体や顔を傷つける「二次被害」を招く恐れがあります。対してポリカーボネートは、強い衝撃を受けてもグニャリと変形して衝撃を吸収し、簡単には砕け散りません。この「安全性の担保」こそが、私がポリカーボネートを推す最大の理由です。
ただし、ポリカーボネートには「表面が柔らかく傷つきやすい」という弱点があります。タオルで乾拭きしただけで細かい傷が入ってしまうことも。そのため、デイトナや旭風防などの信頼できるメーカーの製品は、表面に「ハードコート加工」という特殊な処理を施しています。これにより、ガラス並みの傷つきにくさと、ポリカーボネートの強靭さを両立させているのです。選ぶ際は、「ハードコート付きのポリカーボネート」かどうかをチェックしてみてくださいね。
おすすめのデイトナや旭風防を比較
素材や適合の重要性がわかったところで、具体的にどのメーカーの製品を選べば良いのでしょうか。クロスカブユーザーの間で特に人気が高く、信頼できる4つの主要ブランドをピックアップして、その特徴を徹底比較してみましょう。
| メーカー | 製品名 | 素材・仕様 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| DAYTONA (デイトナ) | ウインドシールドRS | ポリカ (ハードコート) | 【バランス重視】 街乗りからツーリングまで万能。スマホをナビとして使いたい人に最適。 |
| 旭風防 (af) | CUB-F3-C など | ポリカ または樹脂 | 【防風性能重視】 通勤・通学で毎日乗る人。冬の寒さを極限まで減らしたい人に。 |
| ZETA (ジータ) | アドベンチャー ウインドシールド | ポリカ | 【オフロード重視】 林道ツーリング派。タフな見た目と強固なマウントを求める人に。 |
| World Walk (ワールドウォーク) | WS-39 | アクリル (要確認) | 【コスパ重視】 とりあえず風防の効果を試してみたい人。手軽に導入したい人に。 |
私が個人的に「迷ったらこれを選んでおけば間違いない」と思うのは、やはりデイトナの「ウインドシールドRS」です。
この製品の凄さは、スクリーンの上端がスポイラー状に反り返っている点にあります。この形状のおかげで、スクリーンの物理的な高さ以上に風を上空へ跳ね上げる効果があり、視界を妨げない適度なサイズ感ながら、ロングスクリーンに近い防風性を発揮します。さらに、シールドを支えるステー自体が「φ22.2mmのアクセサリーバー」になっており、スマホホルダーやUSB電源をメーター上の見やすい位置にスッキリ装着できるのが本当に便利なんです。
一方で、「とにかく冬の寒さをなんとかしたい!」「雨の日も濡れたくない!」という実用派の方には、旭風防(af)が最強の選択肢です。郵便配達のカブで長年採用されている実績は伊達ではありません。体を覆う面積が広く、正面からの風をシャットアウトします。視界の歪み(景色が波打って見える現象)が極限まで抑えられているので、長時間乗っていても目が疲れにくいという、「プロの道具」としての品質の高さも魅力です。
オフロードにも合うカスタムの魅力
「ウインドシールドをつけると、どうしても『おじさん臭く』なったり、『ビジネスバイク感』が出てしまうのでは?」と心配される方もいるかもしれません。確かに昔ながらの風防はそういったイメージがありましたが、最近のクロスカブ用製品はデザイン面でも大きく進化しています。
特に注目したいのが、ZETA(ジータ)の「アドベンチャーウインドシールド」です。オフロードパーツブランドらしく、直線基調の角ばったデザインを採用しており、丸みを帯びたカブのイメージを一新してくれます。これを装着すると、クロスカブが一気に「アドベンチャーバイク」や「SUV」のようなタフな雰囲気を纏うようになります。マウントバーもアルミ削り出しのような重厚感があり、ガジェットを満載してもビクともしない剛性感があります。
また、防風効果よりもスタイリングを優先したい方には、「ショートバイザー」という選択肢もあります。デイトナの「ウインドシールドSS」や、キタコの「エアロバイザー」などが代表的です。これらはスモークがかった小ぶりなスクリーンで、ヘッドライト周りを引き締めるアクセントとして機能します。
正直なところ、ショートバイザーの防風効果は「胸元の風が少し減るかな?」程度ですが、見た目のカッコよさは抜群です。「街乗りメインで、たまにプチツーリング」というスタイルなら、愛車の顔つきをキリッとさせるドレスアップパーツとして導入するのも、立派なカスタムの楽しみ方だと思います。自分のクロスカブを「旅仕様」にするのか、「街乗り快速仕様」にするのか。目指すスタイルに合わせてシールドを選ぶ時間は、取り付け作業以上にワクワクする瞬間ですよ。
クロスカブのウインドシールド取付術

お気に入りのウインドシールドが見つかったら、次はいよいよ取り付け作業です。基本的には車種専用設計のものを選べば、特別な加工なしで「ボルトオン」装着が可能ですが、単気筒エンジンを搭載するクロスカブならではの注意点や、取り付け後に発生しがちなトラブルへの対策を知っておくことが、快適なカブライフへの第一歩です。
取り付け時の手順と振動への対策
一般的なウインドシールドの取り付け手順は、まず左右のバックミラーを一度取り外し、ミラーのネジ穴にシールド用のステーを共締めし、最後にシールド本体をステーに固定するという流れになります。スパナや六角レンチなどの基本的な工具があれば、DIY初心者の方でも十分に作業可能です。
しかし、ここで一点だけ強く注意していただきたいのが、ボルトやナットの「締め付けトルク(締める強さ)」です。バイクの整備に慣れていないと、走行中に外れるのが怖くて「これでもか!」と力一杯締め込んでしまいがちですが、これはウインドシールドにおいては逆効果どころか破損の原因になります。
シールド本体は樹脂製であり、固定部分には振動吸収用のゴムブッシュ(ゴムの輪っか)が使われていることが多いです。ボルトを強く締めすぎると、この樹脂部分に過度な圧力がかかって「ピキッ」とヒビ(クラック)が入ってしまったり、ゴムブッシュが潰れきって振動を吸収できなくなったりします。感覚としては、「ギュッ」と締めるのではなく、ゴムが適度に変形して抵抗を感じたところで止める、いわゆる「寸止め」のような締め加減がコツです。
また、クロスカブはエンジンの振動がハンドルに伝わりやすいバイクです。シールドを取り付けることでハンドル周りの重量バランスが変わり、振動が増幅されることがあります。この対策として有効なのが、「ヘビーウェイトバーエンド」への交換です。ハンドルの端っこ(バーエンド)を純正よりも重いものに変えることで、ハンドルの固有振動数を変化させ、ビリビリとした不快な振動を抑え込むことができます。シールドのブレも減り、一石二鳥の効果が期待できますよ。
気になるビビリ音を消す方法
ウインドシールドを取り付けて意気揚々と走り出した瞬間、「ジジジ…ビリビリ…」という不快な音が聞こえてきてガッカリした…という経験、実は多くのライダーが通る道です。これが通称「ビビリ音」です。
原因の多くは、クロスカブのエンジンの鼓動(パルス感)とシールド全体が共振してしまい、ステーと車体の接触部分や、シールドとステーの接合部が微細に振動してぶつかり合うことにあります。この音は一度気になりだすと、せっかくのツーリング中ずっとストレスになりかねません。
ビビリ音を消すための徹底対策3ステップ
- 接触部の確認と絶縁:
まず、ヘッドライトガードやメーターカバーと、シールドのステーが微妙に触れていないかチェックします。もし触れそうな場所があれば、ホームセンターで売っている薄いゴムシートや、スポンジ状の「隙間テープ」を挟み込み、物理的な接触を断ちます。 - ウェルナットの活用:
スクリーンをステーに固定するボルト穴に、「ウェルナット」を使用するのが非常に効果的です。これはゴムチューブの中に真鍮のナットが埋め込まれた部品で、ボルトを締めるとゴムが膨らんで固定されます。金属同士が直接触れず、間にゴムが介在するため、振動を劇的に吸収してくれます。キタコ製品などで標準採用されていますが、他社製品でもサイズが合えば流用可能です。 - シリコンスプレーの塗布:
樹脂パーツ同士が擦れて「キシキシ」と鳴っている場合は、接合部分にシリコンスプレーを少量吹いておくと、潤滑性が高まり音が消えることがあります。ただし、ブレーキ周りに飛ばないよう注意してください。
風切り音を抑える角度調整のコツ
ビビリ音の対策ができたら、次に気になるのが走行中の「風切り音」です。時速40km〜50kmあたりから、ヘルメットの耳元や頭頂部付近で「ゴー」「ボボボ」という低い轟音や、「ヒュー」という高い音が聞こえることはありませんか?これは、ウインドシールドによって跳ね上げられた空気の流れ(気流)が乱れ、ちょうどライダーのヘルメット周辺で渦(タービュランス)を巻いていることによって発生します。
風切り音が大きいと、インカムで音楽やナビの音声が聞こえにくくなるだけでなく、長時間聞き続けることで聴覚的な疲労感にも繋がります。「せっかく風を防いでいるのに、音がうるさくて疲れる」なんて本末転倒ですよね。
この問題を解決するカギは、「スクリーンの角度調整」にあります。デイトナのRSシリーズなど、取り付け角度を調整できる機能を持った製品ならではのメリットですが、わずか数度の角度変更で、空気の流れ方は劇的に変化します。
角度調整のセオリー:身長と座高に合わせて微調整
- スクリーンを立てる(垂直に近づける):
防風効果(無風エリア)が最大化されますが、抵抗が増えて最高速が落ちたり、スクリーンの背後に負圧が発生して背中を押される感覚が出ることがあります。風切り音が頭の上を通り越すようになる場合もあれば、逆に巻き込み音が大きくなる場合もあります。 - スクリーンを寝かせる(水平に近づける):
空気抵抗が減り、スポーティーな見た目になります。風をスムーズに受け流す「整流効果」が高まり、ヘルメットのシールド表面を綺麗に空気が流れることで、風切り音が静かになるケースが多いです。
最適な角度は、ライダーの身長、座高、使用しているヘルメットの形状、そして好みのライディングポジションによって千差万別です。「これが正解」という絶対的な角度はありません。面倒に感じるかもしれませんが、工具を持って近所を試走し、「少し立ててみる」「次は少し寝かせてみる」といった微調整を繰り返して、自分だけの「スイートスポット(静かな位置)」を探し出すのが一番の近道です。ピタッとハマると、まるで防音室に入ったかのように走行音が静かになる瞬間があり、その時の感動はひとしおですよ。
収れん火災や劣化を防ぐ管理法

ウインドシールドを長く、安全に使い続けるために、絶対に知っておかなければならない「管理上のリスク」が2つあります。それは「収れん火災」と「ケミカルクラック」です。これらを知らずに放置すると、愛車を傷つけるだけでなく、大きな事故に繋がる可能性があります。
まず、最も警戒すべきなのが「収れん火災」です。これは、曲面状の透明なウインドシールドが虫眼鏡(凸レンズ)や凹面鏡の役割を果たし、太陽光を一点に集中させてしまう現象のことです。焦点となった場所は短時間で超高温になり、プラスチック製のメーターパネルをドロドロに溶かしたり、シートを焦がしたり、最悪の場合は車両カバーが発火してバイクが燃えてしまうことさえあります。
太陽を背にして停めるのはNG!
特に冬場や朝夕など、太陽の位置が低い時間帯は、光が横から差し込みやすく危険度が増します。東京消防庁も、鏡やガラス玉などによる収れん火災について注意喚起を行っており、条件が揃えば数分で発火に至ることもあります。(出典:東京消防庁『収れん火災に注意を!』)
対策はシンプルですが徹底が必要です。駐車時は「太陽光がスクリーンの裏側(ライダー側)から入らない向き」、つまり建物の壁に向かって停めるなどの工夫をしましょう。また、長時間駐車する際は、スクリーンにタオルや専用のカバーを掛けて、光を遮断するのが最も確実な予防策です。
次に注意したいのが、メンテナンス時の「ケミカルクラック(薬品による割れ)」です。ポリカーボネートは衝撃には最強ですが、実は薬品には非常に弱いという性質を持っています。
ガソリンスタンドで給油中にガソリンが飛んでしまったり、汚れを落とそうとしてパーツクリーナーやアルコール除菌スプレーを吹きかけたりするのは厳禁です。また、雨を弾きたいからといって、自動車ガラス用の強力な撥水剤(ガラコなど)を塗るのもNGです。これらの成分が付着すると、樹脂の分子構造が破壊され、白く変色したり、ある日突然バキバキにヒビが入ったりします。
汚れた時は、たっぷりの水で砂埃を洗い流してから、薄めた中性洗剤(食器用洗剤など)と柔らかい布で優しく拭き上げてください。仕上げには、プラスチック専用のクリーナー兼保護剤である「プレクサス」や「バリアスコート」などを使用すると、細かい傷を埋めて透明度を保ちつつ、静電気防止効果でホコリの付着も防げるのでおすすめですよ。
スマホマウント活用の利便性向上

ウインドシールド導入のメリットとして、防風効果と同じくらい私が恩恵を感じているのが、「スマホマウント環境の劇的な改善」です。
クロスカブを含むカブシリーズは、ハンドルパイプが樹脂製のカバーで覆われているため、一般的なパイプハンドル用スマホホルダーをそのまま取り付けることができません。ミラーの根元に共締めするタイプのアダプターもありますが、位置が低くて視線移動が大きくなったり、振動でブレやすかったりと、なかなか決定打がありませんでした。
しかし、デイトナのウインドシールドRS/SSシリーズや、ZETAのアドベンチャーウインドシールドは、スクリーンを支えるステー自体が「φ22.2mmのマウントバー」を兼ねています。これが本当に「神設計」なんです。
メーターのすぐ上、ライダーの視界に自然に入る高い位置にスマホをセットできるため、ナビを確認する際の視線移動が最小限で済み、安全性が飛躍的に向上します。「あと何百メートルで右折かな?」とチラッと見るだけで情報が入ってくるので、運転への集中を削がれません。
また、このマウントバーは強度もしっかりしているので、スマホホルダーだけでなく、USB電源ポートを並べて装着したり、GoProなどのアクションカメラを設置して走行動画を撮影したり、ドリンクホルダーを付けたりと、自分好みのコックピットを作り上げるベース基地として大活躍します。クロスカブの積載性や拡張性を諦めていた方にとって、このマウントバーの存在だけでもウインドシールドを導入する価値があると私は断言できます。
クロスカブのウインドシールドに関するよくある質問

最後に、ウインドシールドの購入を検討している方からよく頂く質問をQ&A形式でまとめました。細かい点ですが、実際に使い始めると気になるポイントばかりですので、ぜひ参考にしてください。
- 夜間の走行が多いのですが、スモークとクリアどちらが良いですか?
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夜道を走る可能性があるなら、迷わず「クリア(透明)」をおすすめします。
スモークタイプは見た目が引き締まってかっこいいのですが、夜間やトンネル内では視界が暗くなり、路面の落下物やマンホールの段差を見落とすリスクが高まります。特にロングスクリーンの場合、視線の先に常にフィルターがかかった状態になるので、安全性最優先ならクリア一択です。逆に、視界に入らないショートバイザーであれば、スモークでも運転への影響は少ないですよ。 - ウインドシールドをつけると、燃費は悪くなりますか?
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私の経験上、ほとんど変わらないか、長距離巡航では逆に良くなることもあります。
理屈としては前面投影面積が増えるので空気抵抗は増すはずですが、ライダーの体という「凹凸のある物体」に当たる風を綺麗に整流してくれるため、トータルでの抵抗はそこまで増えないようです。むしろ、体に受ける風圧に逆らってアクセルを開け続ける必要がなくなる分、スムーズに走れて燃費が安定する傾向すらあります。 - 今使っているバイクカバーはそのまま使えますか?
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ここが意外な落とし穴で、サイズが合わなくなる可能性が高いです。
ウインドシールドをつけると、フロント周りの高さが30cm〜40cmほど高くなります。カブ専用のジャストサイズなカバーを使っている場合、前が突っ張ってタイヤまで隠れなくなったり、ミラー部分がパツパツになったりします。導入の際は、ワンサイズ大きなカバー(Lサイズやリアボックス対応品など)への買い替えもセットで検討しておくと安心ですね。 - Amazonなどで売っている2,000円くらいの安い汎用品でも大丈夫ですか?
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「お試し」ならありですが、JA60への取り付けはおすすめしません。
格安の汎用品は、ステーの強度が弱くて振動が激しかったり、スクリーンの透明度が低くて視界が歪んだりすることが多いです。特にJA60の場合、ブレーキ周りとの干渉を避けるためにステーを曲げるなどの高度な加工が必要になるケースがほとんどです。「安物買いの銭失い」になりかねないので、長く安全に乗るなら専用設計品への投資をおすすめします。
快適なクロスカブとウインドシールド
たった一枚の透明な板ですが、ウインドシールドがあるだけで、クロスカブは「近所の便利な足」から、「どこまでも行ける頼れる相棒」へと驚くべき進化を遂げます。
今まで時速60kmで走るのが辛くて避けていたバイパスも、余裕を持って流れに乗れるようになります。寒くて億劫だった冬の朝も、シールドが冷たい風を受け止めてくれると思えば、エンジンをかける勇気が湧いてきます。体の疲れが減れば、目的地に着いてから遊ぶ体力も残りますし、もっと遠くの景色を見に行きたくなるはずです。
JA60の方は適合確認を慎重に行う必要がありますが、主要メーカーからはしっかり対応品が出ていますし、ビビリ音対策やメンテナンスもポイントさえ押さえれば決して難しくありません。ぜひ、あなたのスタイルに合った一枚を見つけて、風の抵抗から解放された新しいクロスカブの走りを体感してみてください。きっと、「なんでもっと早くつけなかったんだろう!」とヘルメットの中でニヤリとしてしまうはずですよ。
それでは、風に負けず、安全で楽しいカブライフを!最後まで読んでいただきありがとうございました。
