「そのバイク、本当に新聞配達用ですか?」信号待ちで隣に並んだ高級バイクのライダーにそう聞かれた瞬間、私の優越感は頂点に達しました。
こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
街中で見かけるベンリィ110といえば、巨大なリアデッキに重そうな箱を積み、新聞配達やピザ屋さんの現場で酷使されている「働くバイク」の代名詞です。白と黒の無機質な車体、実用一点張りの装備。
そこには「かっこよさ」など微塵もないように思えます。
しかし、そんな固定観念を捨ててよく見てください。無骨なパイプフレーム、低く構えたフォルム、そして圧倒的な積載能力。実はベンリィ110こそ、現代のストリートやキャンプシーンに映える「最高のカスタム素材」なのです。
もしあなたが、「人とは違うバイクに乗りたい」「実用性も捨てたくないけれど、所帯じみた見た目は嫌だ」と悩んでいるなら、この記事がその解決策になります。商用車の皮を被ったモンスター、かっこいいベンリィ110カスタムの世界へようこそ。
- 商用車特有のチープさを完全に消し去り、軍用車のような重厚感を出す塗装テクニック
- ソロキャンプの道具一式を余裕で飲み込む、最強のリアボックスと積載術
- 110/80-10という特殊なタイヤサイズの中で、最もワイルドに見える選択肢
- 中古車選びで絶対に失敗しないための、エンジン異音の聞き分け方とメンテナンス知識
脱・商用車!かっこいいベンリィ110カスタムで自分だけの相棒を作る

ベンリィ110を「ただの仕事道具」から「ライフスタイルを彩る相棒」へと昇華させるためには、まずその外観から漂う「業務感」を徹底的に排除する必要があります。ここでは、視覚的なインパクトを劇的に変えるための具体的なカスタム手法と、実用性を損なわずにスタイルアップするためのパーツ選びについて、私の経験を交えながら深掘りしていきます。
全塗装とマットブラック化の魅力
ベンリィ110をカスタムする上で、避けては通れない最大の壁。それは純正色の「ロスホワイト」が放つ、逃れようのないデリバリーバイク感です。このイメージを払拭するために最も効果的であり、かつ車両の印象を180度変える魔法が「ブラックアウト(黒色化)」です。
足回りの引き締めが印象を決定づける
多くの方がボディカウルの塗装に目を向けがちですが、実は「かっこいいベンリィ」を作るキモは足回りにあります。フロントフォークのアウターチューブ、前後ホイール、ドラムブレーキのハブ。これら純正ではシルバーやグレーのパーツを、艶消しの黒(マットブラック)で塗りつぶしてみてください。驚くべきことに、それだけで車体全体の重心がグッと下がって見え、まるで装甲車のような重厚感が生まれます。これは、視覚的に膨張する明るい色を収縮色の黒に変えることで、メカニカルな密度感が強調されるためです。
DIY塗装の成功の鍵は「下地作り」にあり
プロに依頼すれば数万円〜十数万円かかりますが、DIYなら缶スプレー数本で挑戦できます。しかし、ただ塗るだけでは数ヶ月で塗装が剥がれ、みすぼらしい姿になってしまいます。成功の秘訣は、塗装前の「足付け」と「脱脂」に全精力を注ぐことです。
| 工程 | 内容 | 重要度 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 足付け | サンドペーパー(#600〜#800)で塗装面全体に細かい傷をつける。 | ★★★★★ | 光沢が完全になくなるまで磨くこと。塗料の食いつきが段違いになります。 |
| 脱脂 | シリコンオフで油分を完全に除去する。 | ★★★★★ | 手の脂も大敵。必ずゴム手袋を着用して作業しましょう。 |
| プライマー | ミッチャクロンなどのプライマーを薄く吹く。 | ★★★★☆ | 金属パーツや樹脂パーツへの密着力を高めます。 |
| 本塗装 | 薄く数回に分けて塗り重ねる。 | ★★★★☆ | 一度に厚塗りすると「液垂れ」の原因になります。焦りは禁物です。 |
おすすめの塗料
耐久性を求めるなら、少し高価ですが「2液ウレタン塗料」が最強です。ガソリンがかかっても溶けにくく、塗膜の強度がアクリル塗料とは比較になりません。
レトロな旭風防と風防効果
「風防なんておじさん臭い」そう思っていませんか?しかし、ベンリィ110のカスタムシーンにおいて、その「おじさん臭さ」こそが、逆に「渋い」「レトロでかっこいい」という評価に変わるのです。特に長距離ツーリングやキャンプを目指すユーザーにとって、風防は疲労を軽減する命綱とも言える装備です。
旭風防(AF-ASAHI)が選ばれる理由
数あるスクリーンの中で、なぜ多くのベンリィ乗りが旭風防(AF-ASAHI)を選ぶのでしょうか。それは、昭和の時代から変わらない「プレスライダー」のようなスタイルが、ベンリィの実用的なデザインと奇跡的な親和性を見せるからです。特に、スクリーンの下に付いているカーキ色の布、「タレ(風防垂れ)」が重要な役割を果たします。
このタレは、前方からの風を巻き込んで足元や腹部が冷えるのを防ぐ機能的なパーツですが、カスタムの文脈ではファッションアイテムとして機能します。ステッカーやワッペンを縫い付けたり、自分好みの生地(デニムや迷彩柄など)で自作のタレを作って交換したりと、オーナーの個性を表現するキャンバスになるのです。
リーゼント風カスタムの文化
さらにディープなカスタムとして、風防の取り付け角度を極端に後ろに倒す「リーゼント風」の取り付け方があります。空気抵抗を減らす効果も多少ありますが、何よりその攻撃的なルックスが、商用車特有の大人しいイメージを破壊してくれます。ただし、角度をつけすぎると視界が悪くなるため、安全性とのバランス感覚が問われるカスタムでもあります。
風防効果の実体験
私自身、真冬のツーリングで旭風防を装着していますが、胸元への風の直撃がなくなるだけで、体感温度は5度以上変わります。これがあれば、冬のキャンプ場までの道のりも苦になりません。
積載最強のJMSリアボックス
ベンリィ110を語る上で外せないのが、広大なリアデッキの活用法です。ここに何を載せるかで、そのベンリィが「何をするためのバイクなのか」が決定づけられます。ホームセンターのプラスチック箱も安くて良いのですが、「かっこよさ」と「プロスペック」を追求するなら、JMS(ジェイエムエス)のラゲージボックス一択です。
なぜJMSボックスなのか?
JMSのボックスは、FRP(繊維強化プラスチック)で作られており、軽量かつ非常に頑丈です。銀行員が営業バイクで使っているあの白い箱、と言えばイメージしやすいでしょうか。一見すると無機質ですが、そのスクエアで無駄のないデザインが、今のアウトドアギアのトレンドである「ヘビーデューティーな道具感」とリンクするのです。
一般的な丸みを帯びたトップケースは、どうしてもスクーターの延長線上のデザインに見えてしまいます。しかし、角ばったJMSボックスを載せたベンリィは、まるで過酷な任務を遂行する「輸送車両」のような佇まいを見せます。このギャップこそが、カスタムベンリィの魅力なのです。
サイズ選びの極意:MかLか、それともLLか
購入時、最も迷うのがサイズ選びです。用途に合わせて慎重に選ぶ必要があります。
- Mサイズ(約39L):街乗りメインで、ヘルメットとレインウェア+αが入れば十分な人向け。車体からはみ出さず、すっきりまとまります。
- Lサイズ(約65L):キャンプツーリングを目指すならこのサイズが標準。テント、シュラフ、マット、バーナーなどをパッキングしてもまだ余裕があります。ベンリィの車格に対してもバランスが良く、最も人気があります。
- LLサイズ(約93L):長期の旅や、ピザのデリバリー並みの積載が必要な人向け。圧倒的な存在感ですが、すり抜けなどは気を使うようになります。
ちなみに、JMSボックスの表面はゲルコート仕上げでツルツルしているため、ステッカーチューンには最適です。お気に入りのアウトドアブランド(Snow PeakやPatagoniaなど)のステッカーを貼るだけで、一瞬にして「業務用品」から「遊び道具」へと変貌します。
キャンプ仕様へのパーツ選び
ベンリィ110でキャンプに行く。それは単なる移動手段ではなく、積載そのものを楽しむ行為です。しかし、ノーマルのままではキャンプ場の未舗装路や、夜間の暗闇に対応しきれないこともあります。ここでは、実用性を高めつつ見た目もアドベンチャー仕様にするためのパーツ選びを紹介します。
フロント周りの「引き算」と「足し算」
まず行うべきは、純正の巨大なフロントバスケットの撤去です。あれは新聞や雑誌を満載にするには最高ですが、キャンプ仕様としては生活感が出すぎてしまいます。バスケットを外すと、ヘッドライト周りがスカスカになり、配線やステーが露出しがちです。ここをどう処理するかが腕の見せ所です。
おすすめは、ホンダ純正の「フロントキャリア」や、社外品のヘッドライトガードを装着すること。これにより、シュラフやマットなどの長物をフロントにくくりつけることが可能になり、積載のバランスが前後で均等化されます。見た目も一気にオフロードバイクのような顔つきになります。
サイドスタンドの強化と電源確保
キャンプ道具を満載したベンリィは、総重量がかなりのものになります。純正のサイドスタンドでは、地面が柔らかいキャンプ場ではめり込んで倒れてしまうリスクがあります。そこで、接地面を広げる「ワイドスタンドエンド」を装着するか、ニシモト製のパワースタンドのような強化品への交換を推奨します。
また、現代のキャンプにはスマートフォンやカメラの充電が欠かせません。フロントポケット内にUSB電源ポートを増設するのも定番カスタムです。キーオン連動で電源が取れるアクセサリー電源取り出しハーネスを使えば、配線加工なしでスマートに取り付けられます。
過積載の注意
(出典:本田技研工業株式会社『ベンリィ110 主要諸元』)によると、ベンリィ110の最大積載量は60kg(リアデッキ部)です。いくら積めるからといって、法的な制限とフレームの許容範囲を超えないよう注意しましょう。
110/80-10のブロックタイヤ
「足元をゴツくしたい」「オフロードタイヤを履かせたい」。カスタムの方向性が決まった時、誰もが最初にぶつかる壁。それがベンリィ110のタイヤサイズ問題です。前後ともに採用されている「110/80-10」というサイズは、スクーター界でもかなり特殊な部類に入り、選択肢が極端に少ないのです。
「ちょうどいい」ブロックタイヤが存在しない苦悩
多くのユーザーがインターネットの海を彷徨い、同じ結論に達します。「ポン付けできるブロックタイヤがない」と。モンキーやズーマー用の極太タイヤ(120/90-10や130/90-10)は、カッコいいのですが、ベンリィに履かせようとするとエンジンのケースやリアフェンダーに干渉してしまいます。
現実的な選択肢:TIMSUN(ティムソン)という救世主
そんな中、ベンリィ乗りの間で「これならいける」と支持されているのが、TIMSUN(ティムソン)というブランドのタイヤです。特に「TS600」シリーズなどは、ビジネス用タイヤでありながら溝が深く、パターンが比較的ゴツゴツしており、ちょっとした未舗装路なら食いついてくれます。
もちろん、完全なオフロードタイヤ(キャラメルブロックのような形状)ではありませんが、純正のダンロップD307などに比べると、明らかにワイルドな見た目になります。何より、純正サイズであるため、スピードメーターの誤差や干渉の心配をせずに安心して履ける点が最大のメリットです。
リスクを承知のサイズ変更
それでもどうしてもブロックタイヤがいい、というチャレンジャーな方は、IRCの「GP-110」などの他車種用サイズを流用することになります。ただし、タイヤの外径が変わるため、センタースタンドを立てても後輪が接地してしまったり、泥除けをカット加工する必要が出てきたりと、それなりの覚悟と加工技術が求められます。まさに、かっこよさと引き換えに利便性を犠牲にする、漢のカスタムと言えるでしょう。
憧れのかっこいいベンリィ110カスタム

ここまで外装や積載に関するカスタムを見てきましたが、ここからはバイクの心臓部、エンジンや走りに関する「中身」のカスタムとメンテナンスについて深掘りしていきます。見た目だけ仕上げても、エンジンがかからなかったり、異音がひどかったりでは、かっこいい相棒とは言えません。
マフラー交換による音と性能
純正のマフラーは、早朝の住宅街でも気兼ねなく走れるよう、驚くほど静かに設計されています。これは素晴らしい性能ですが、趣味で乗るには「味気ない」と感じるのも事実。マフラー交換は、単気筒エンジン特有の「トコトコ」という鼓動感を強調し、乗っている時の高揚感を何倍にも高めてくれる魔法のカスタムです。
サウンドが変われば、景色も変わる
社外マフラーに交換すると、スロットルを開けた時の「ダダダッ」という排気音が、ヘルメット越しに心地よく響いてきます。この音の変化だけで、いつもの通勤路がツーリングコースのように感じられるから不思議です。また、見た目においても、純正の黒くて重たい鉄のマフラーから、ステンレスやチタンの輝きを放つマフラーに変わることで、リア周りのカスタム感が一気に増します。
JMCA認証マフラーを選ぶべき理由
ただし、ここで注意したいのが「音量」と「法規制」です。オークションサイトなどで売られている激安の海外製マフラーの中には、爆音すぎて近所迷惑になるものや、公道走行不可のレース用部品が混ざっています。これらを装着して公道を走ることは違法ですし、何より「うるさいだけのバイク」は決してかっこいいとは言えません。
大人のカスタムとして選ぶべきは、JMCA(全国二輪車用品連合会)の認証プレートが付いたマフラーです。これらは厳しい騒音規制と排出ガス規制をクリアしており、性能アップと適度な音量を両立しています。警察の取り締まりに怯えることなく、堂々とカスタムライフを楽しむためにも、認証マフラーを選ぶことを強くおすすめします。
ウイルズウィンやビームスの評価
ベンリィ110のアフターパーツ市場はそれほど大きくありませんが、その中でも熱心に製品開発を続けてくれている2大メーカーが存在します。それが、WirusWin(ウイルズウィン)とBEAMS(ビームス)です。それぞれの特徴を知り、自分のスタイルに合った一本を選びましょう。
コスパとスタイルのWirusWin
ウイルズウィンの最大の特徴は、その圧倒的なラインナップの多さとコストパフォーマンスの高さです。「ロイヤルマフラー」をはじめ、出口の形状(ポッパータイプ、スポーツタイプ、ユーロタイプなど)を好みに合わせて選べるのが嬉しいポイント。価格も2万円台〜3万円台と比較的リーズナブルで、カスタム初心者でも手が出しやすい設定になっています。
また、多くのモデルに「バッフル(消音用の詰め物)」が標準装備されており、これを脱着することで音量を調整できるのも大きなメリットです。住宅街ではバッフルを付けて静かに、ツーリング先では外して元気な音を楽しむ、といった使い分けが可能です。
性能と美しさのBEAMS
一方、BEAMSのマフラーは「性能」と「質感」に徹底的にこだわっています。特に「SS300」シリーズなどは、単なるパイプの曲げ加工ではなく、内部構造まで計算し尽くされており、「ノーマルより出足が良くなった」「坂道での粘りが増した」といった実走性能の向上を実感するユーザーが多いのが特徴です。
さらに、チタンモデルに見られる美しいヒートチタンの焼き色は、芸術品のような輝きを放ちます。マットブラックの車体に、虹色に輝くチタンマフラー。このコントラストは、見る人を魅了する最強のドレスアップ効果を持っています。価格は少し高めですが、所有欲を満たしてくれることは間違いありません。
最高速を改善する駆動系パーツ
「荷物を積んで坂道を登るのは得意だけど、幹線道路の流れに乗るのが辛い…」。これはベンリィ110オーナー共通の悩みです。純正の駆動系セッティングは、重い荷物を運ぶことに特化してローギア寄りになっているため、時速50kmを超えたあたりからエンジンが唸りを上げ始め、最高速も頭打ちになりがちです。
ハイスピードプーリーの効果
この特性を変えるために有効なのが、プーリー(変速機)の交換です。キタコやカメレオンファクトリーから発売されている「ハイスピードプーリーキット」を組み込むことで、ベルトがプーリーの外側まで移動できるようになり、自転車で言うところの「より重いギア」が使えるようになります。これにより、同じエンジン回転数でもより高い速度が出るようになり、巡航時のエンジン音が静かになったり、最高速が5km/h〜10km/h程度伸びたりといった効果が期待できます。
ウエイトローラーのセッティング地獄へようこそ
ただし、駆動系カスタムは「ポン付けして終わり」ではありません。ライダーの体重やよく走る道の勾配に合わせて、「ウエイトローラー」の重さを微調整する必要があります。軽くすれば加速が良くなりますが最高速が落ち、重くすれば最高速は伸びますが加速が鈍くなります。このベストバランスを見つけるために、何度もカバーを開けてローラーを交換する作業、通称「セッティング地獄」にハマるのも、カスタム好きにとっては楽しい時間なのです。
エンジンの異音とトラブル対策
もしあなたがこれから中古のベンリィ110を購入してカスタムしようと考えているなら、ここが最も重要なセクションです。ベンリィ110は基本的には頑丈なバイクですが、商用車として過酷に使われてきた個体が多いため、特定の「持病」を抱えているケースが少なくありません。
恐怖の「ガラガラ音」の正体
エンジンをかけた時、アイドリングで「ガラガラガラ」「ゴーーー」という異音が聞こえませんか?もし聞こえるなら、その車両は避けた方が無難です。この音の正体は、多くの場合「クランクシャフトベアリング」の摩耗や破損です。ESPエンジン以前のモデルや、オイル交換をサボって酷使された車両によく見られる症状で、これを修理するにはエンジンを全分解(オーバーホール)する必要があり、5万円〜10万円コースの修理費がかかります。
カムチェーンテンショナーのへたり
もう一つの定番トラブルが、「チッチッチッ」や「ジャラジャラ」という音。これはカムチェーンの張りを調整する「テンショナー」という部品がへたっている可能性があります。こちらは比較的安価に修理可能ですが、放置するとチェーンが暴れてエンジン内部を削ってしまうため、早めの交換が必要です。
長くかっこよく乗り続けるための唯一の秘訣は、「こまめなオイル交換」に尽きます。空冷エンジンのベンリィにとって、エンジンオイルは血液であり冷却水でもあります。2,000km〜3,000kmごと、あるいは半年に一度は必ず交換してあげてください。
DIYや自家塗装にかかるコスト
最後に、夢のカスタムベンリィを実現するために必要な「お金」の話をしましょう。新車のCT125ハンターカブなどが総額45万円〜50万円することを考えると、ベンリィ110カスタムは非常にコストパフォーマンスの高い遊びと言えます。
予算30万円で実現するフルカスタム
具体的なシミュレーションをしてみましょう。まず、ベース車両となる中古のベンリィ110。状態によりますが、個人売買や安価なショップなら15万円〜20万円程度で手に入ります。
ここにカスタム費用を上乗せします。
- 自家塗装(缶スプレー、ペーパー、マスキングテープ等):約10,000円
- JMSリアボックス(Lサイズ):約25,000円
- マフラー(ウイルズウィン等):約30,000円
- タイヤ交換(前後ティムソン、自分で交換):約10,000円
- その他小物(グリップ、ミラー等):約5,000円
合計すると、車両代+約8万円=23万円〜28万円程度。なんと30万円を切る予算で、世界に一台だけのオリジナルアドベンチャーバイクが完成するのです。もちろん、工具を揃えたり失敗して材料を買い直したりする費用は含まれていませんが、それでも現行の新車を買うよりはずっと安く、そして何より「自分で作った」というプライスレスな愛着が手に入ります。
かっこいいベンリィ110カスタムのよくある質問(Q&A)

- 缶スプレーでの自家塗装は素人でもきれいにできますか?
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結論から言うと、可能です。ただし、成功の9割は「下地作り」で決まります。いきなり色を塗るのではなく、耐水ペーパーでしっかりと足付け(傷つけ)を行い、シリコンオフで油分を完全に除去してください。これをサボると、数ヶ月で塗装がパリパリと剥がれてきます。焦らず薄く塗り重ねる根気さえあれば、プロ顔負けのマットブラック仕様が作れますよ。
- ブロックタイヤを履かせたいのですが、おすすめのサイズは?
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ベンリィ110の純正サイズ「110/80-10」は非常に特殊で、完全なオフロード用ブロックタイヤはほぼ存在しません。無理にモンキー用などの太いタイヤ(120幅など)を履かせると、フェンダーやエンジンケースに接触する危険があります。加工なしでポン付けするなら、記事内でも紹介した「TIMSUN(ティムソン)」のビジネスタイヤなどが、溝が深くて比較的ワイルドに見えるのでおすすめです。
- マフラーを交換すると燃費は悪くなりますか?
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一般的に、抜けの良い社外マフラーに交換すると、ついつい楽しくてアクセルを開けすぎてしまい、結果として燃費が悪くなる傾向があります。また、低速トルクが若干痩せることで、発進時に回転数を上げがちになるのも原因の一つです。ただ、極端に悪化することは稀ですので、「音と見た目の代償」として割り切れる範囲かなと思います。
- ベンリィ110は二人乗り(タンデム)できますか?
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法的には51cc以上なので二人乗り可能です。ただし、純正状態ではリアが荷台(デッキ)になっているため、そのままでは人を乗せられません。ホンダ純正の「ピリオンシート」を装着する必要があります。ただ、今回紹介したようなカスタムではリアボックスを載せることが多いため、実質的には「ソロ専用のアドベンチャーマシン」として割り切って楽しんでいる方が多いですね。
かっこいいベンリィ110カスタムの総括
今回は「かっこいい ベンリィ110 カスタム」をテーマに、外装のブラックアウトからJMSボックスの積載術、そして走りを変えるマフラーや駆動系のチューニングまで、網羅的にお話ししてきました。
ベンリィ110は、完成されたパッケージのバイクではありません。むしろ、真っ白なキャンバスのような存在です。最初は商用車の匂いが残るその車体が、あなたの手で塗装され、パーツが組み付けられていくにつれて、徐々に「自分だけの相棒」へと変わっていく過程こそが、このバイクの最大の楽しみです。
失敗することもあるでしょう。塗装が垂れたり、ネジをナメたりするかもしれません。でも、そんな傷の一つ一つが、やがてそのバイクの味となり、かっこよさの一部になります。さあ、あなたも工具を手に取り、街ですれ違う人が二度見するような、最高にかっこいいベンリィ110を作り上げてみませんか?その先には、きっと新しい景色と、冒険が待っています。
免責事項
本記事で紹介したカスタムや整備は、車両の安全性や法律に関わる重要な内容を含みます。部品の取り付けや加工を行う際は、必ずご自身の責任において行い、不安な場合は専門ショップへご相談ください。また、道路運送車両法の保安基準に適合するよう十分ご注意ください。
