実は、Honda Dio110のリアキャリアには、たった「3kg」しか耐えられないという衝撃の事実をご存知でしょうか。
こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
通勤快速として人気の高いDio110ですが、実際に毎日使っていると「意外と荷物が入らない」という悩みに直面しますよね。
特に最近のヘルメットは大型化しており、シート下に無理やり押し込むと傷がついたり、最悪の場合はシートベースが歪んでしまったりすることも。
そこで救世主となるのがリアボックスですが、適当に選んでしまうとキャリアが折れる、走行バランスが崩れる、あるいはそもそもJK03型には付かないといったトラブルに見舞われることも少なくありません。
今回は、年間1万キロ以上をDio110と共に走る私が、構造上の弱点を踏まえた正しいボックスの選び方と、現行モデルを含む取り付けの極意を徹底解説します。
- Dio110のキャリア破損を防ぐための重量制限と素材選びの鉄則
- 毎日の通勤ストレスをゼロにするSHADとGIVIのロック機構の違い
- 現行JK03型オーナーが陥りやすい取り付けの罠と解決策
- コスパ、デザイン、機能性で厳選したおすすめリアボックス3選
Dio110のリアボックスでおすすめの選び方

Dio110は、14インチの大径ホイールが生み出す安定した走りと、スリムで軽量な車体が魅力です。しかし、この「軽量」という特性こそが、リアボックス選びにおける最大のハードルとなります。重厚な大型バイクと同じ感覚でボックスを選んでしまうと、ハンドリングが悪化するだけでなく、最悪の場合はフレームやキャリアに深刻なダメージを与える可能性があります。
ここでは、カタログのスペック表だけでは見えてこない、オーナーだからこそ分かる「失敗しない選び方」を5つの視点から深掘りして解説します。
フルフェイスが入る容量とサイズ
リアボックス選びで最初に直面するのが「どのサイズが良いのか?」という問題ですが、結論から言うと、Dio110の車格と使い勝手を両立させる最適解は「30L〜35L」のレンジにあります。
なぜこのサイズなのか、具体的にイメージしてみましょう。30Lクラスのボックス内寸は、一般的に幅40cm×奥行30cm×高さ30cm程度です。これは、ShoeiのZ-8やAraiのラパイド・ネオといった標準的なフルフェイスヘルメットを正立状態で収納できるギリギリのサイズ感です。これに加えて、ヘルメットの横や内部の空洞に、予備のグローブ、ウエス、ディスクロックといった小物を隙間なく収めることができます。
もしこれが27Lクラスになると、フルフェイスの収納は厳しくなり、半キャップやジェットヘルメットが限界となります。逆に40Lを超えると、収納力は増しますが、Dio110の横幅(約670mm)に対してボックスが大きくはみ出し、すり抜け時のリスクが増大します。さらに、重心位置が後方かつ高所になるため、横風を受けた時の挙動が神経質になり、Dio110の長所である軽快なハンドリングが損なわれてしまうのです。
30Lクラスの収納力の目安
日常の買い物シーンを想像してください。このサイズなら、牛乳パック(1L)を立てたまま収納でき、さらにスーパーのレジ袋(大)が1つ丸ごと入ります。仕事帰りのお使い程度なら、全く不自由しない容量ですよ。
重いアルミ製より樹脂製が良い理由
近年、キャンプツーリングブームの影響もあり、アドベンチャーバイクに似合う角張った「アルミ製リアボックス」が大流行しています。無骨でスタイリッシュな見た目は確かに魅力的で、Dio110をタフなイメージにカスタムしたいと考える方も多いでしょう。
しかし、私はDio110に対してアルミボックスの装着を強く反対します。その最大の理由は、「重量過多によるキャリア破断リスク」です。
Hondaが公式に定めているDio110のリアキャリアの最大積載量は、実はわずか「3.0kg」しかありません。これは、走行中の振動やG(重力加速度)を考慮した安全マージンを含む数値ですが、アルミボックスは45Lクラスの製品で、ベースプレートを含めると単体重量が6kg〜7kgに達することが珍しくありません。つまり、荷物を何も入れていない空っぽの状態ですら、メーカーの許容荷重を2倍以上オーバーしていることになるのです。
金属製のアルミボックスは剛性が高すぎるため、路面のギャップを越えた際の衝撃を吸収せず、そのままダイレクトにキャリアの溶接部分やフレームの末端に伝達します。これに対し、ポリプロピレンなどの樹脂製ボックスは素材自体に適度な弾性(しなり)があり、衝撃をいなしてくれる「ダンパー」のような役割を果たします。長く安全に乗り続けたいのであれば、軽量な樹脂製ボックスを選ぶのが賢明な判断です。
メーカーの公式見解
車両の設計限界を知ることは安全の第一歩です。取扱説明書にも積載制限について明記されていますので、一度確認してみることをおすすめします。
(出典:Honda『Dio110 取扱説明書』)
GIVIとSHADのロック機能を比較
リアボックスは「ただの箱」ではありません。毎日使う機能部品です。そのため、容量やデザイン以上に重要なのが「開け閉めのしやすさ」、つまりロック機構の使い勝手です。ここでは世界2大ブランドであるGIVIとSHADを比較してみましょう。
まず、イタリアの巨人GIVI(ジビ)の「モノロックシステム」は、セキュリティ意識の高い設計が特徴です。多くのモデルで、蓋を閉める際に「カチッ」と音がするまで押し込めば自動的に施錠される仕組み(または鍵を回してロックする仕組み)を採用しています。これは「鍵のかけ忘れ」を物理的に防げるという大きなメリットがありますが、裏を返せば「鍵がないと開けられない」「うっかり鍵を中に入れたまま閉めるとインロック(閉じ込め)してしまう」というリスクと隣り合わせです。
一方、スペインのSHAD(シャッド)が採用する「プレスロックシステム」は、コミューターとしての利便性に特化しています。このシステム最大の特徴は、「鍵をかけなくても蓋の開閉ロックができる」という点です。ノブを操作するだけで蓋が確実に固定されるため、走行中に開くことはありません。そして、バイクから離れる時だけ鍵を使ってシリンダーをロックすれば良いのです。
例えば、雨の日にカッパを取り出すシーンを想像してください。GIVIなら、濡れた手でポケットから鍵を探し、鍵穴に差し込み、回して開ける必要があります。SHADなら、ノブを引くだけで瞬時にアクセス可能です。この「数秒の差」が、毎日の通勤では絶大な快適差となって現れます。
純正トップボックスを選ぶメリット
社外品のボックスは安くて高機能ですが、フィッティングやデザインのマッチングに不安を感じる方もいるでしょう。そんな方にとって、最も確実で満足度の高い選択肢となるのが、Honda純正アクセサリーのトップボックス(35L)です。
純正品を選ぶ最大のメリットは、何と言っても「ワン・キー・システム」による統合運用です。これは、ボックスの鍵穴(キーシリンダー)の内部パーツを組み替えることで、バイク本体のエンジンの鍵でボックスも開閉できるようにする仕組みです。特にDio110のスマートキーモデルに乗っている場合、通常はスマートキー本体と、ボックス用の物理キーの2つを持ち歩くことになりますが、ワン・キー・システムなら非常用メカニカルキー1本でボックスも管理できるため、キーホルダーが嵩張らず非常にスマートです。
また、純正ボックスは車両デザイナーが関与していることも多く、Dio110のテールランプ形状や車体のラインに合わせたデザインが採用されています。装着した時の「後付け感」の無さは、やはり純正ならではの特権と言えるでしょう。価格は社外品の倍近くになりますが、数年使うことを考えれば、その利便性と安心感は十分に元が取れる投資です。
JK03型のキャリア構造と注意点
2021年にフルモデルチェンジを果たした現行モデル、JK03型Dio110にお乗りの方は、リアボックスの取り付けにおいて最も注意が必要です。なぜなら、先代のJF58型やJF31型とは、リアキャリアの構造が根本的に異なっているからです。
JK03型の純正リアキャリアは、スタイリッシュなグラブバー(同乗者が掴むグリップ)と一体化した、立体的で複雑な形状をしています。このデザインは見た目には美しいのですが、汎用のベースプレートを取り付けるための「平らな面」や「ボルトを通す隙間」が極端に少ないのです。無理やり汎用ステーを斜めに噛ませて固定しようとすると、接触面積不足でベースがガタついたり、振動でキャリアの塗装が剥げて錆びたりする原因になります。
特にGIVIのボックスを装着する場合、JK03型には「SR1106」という車種専用フィッティングキットの使用が強く推奨されています。これは純正キャリアの上に新たな土台を増設するようなパーツで、これを使うことでボックスを水平かつ強固に固定できるようになります。「汎用ベースが付いているから大丈夫だろう」と高を括っていると、取り付け作業中に「物理的に付かない!」と絶望することになりかねません。
自分のDio110の型式(車台番号の最初がJK03かどうか)を必ず確認し、適切なアタッチメントを用意してください。
Dio110におすすめのリアボックス製品と導入

理論武装が完了したところで、いよいよ具体的な製品選びに移りましょう。市場には数え切れないほどのリアボックスが存在しますが、Dio110の特性を考慮すると、自信を持っておすすめできるモデルはごくわずかです。ここでは、私が実際に使用したり、仲間のDio110ユーザーから高評価を得ている3つのモデルを厳選しました。
SHADのSH33はコスパと機能が最強
もしあなたが「とりあえず失敗したくない」「安くて使いやすいのが良い」と考えているなら、迷わずSHADの「SH33」を選んでください。これはDio110のためのボックスと言っても過言ではないほどのベストセラーモデルです。
容量は33Lで、丸みを帯びた有機的なフォルムが特徴です。Dio110も全体的に曲線を多用したデザインなので、装着した時のシルエットに違和感が全くありません。そして前述した通り、「キーレスでの開閉」が可能という圧倒的なアドバンテージがあります。朝の忙しい時間、グローブをしたままでもワンタッチで荷物を放り込める快適さは、一度味わうと病みつきになります。
さらに特筆すべきは、そのコストパフォーマンスです。ベースプレートや取り付け金具が全てセットになっていながら、実勢価格は1万円を切ることも珍しくありません。浮いたお金で、インナーマットやネットなどのオプション品を揃えることもできます。耐久性に関しても、無塗装のブラック樹脂は紫外線や擦り傷に強く、数年使い倒しても白化しにくいタフさを持っています。
四角いデザインならGIVIのB32N
「丸いデザインはちょっと野暮ったい」「もっとシャープでカッコいいのが良い」という方には、GIVIの「B32N BOLD」が強力な選択肢となります。これは近年のトレンドである「スクエア(四角)形状」を取り入れた意欲作です。
このボックスの素晴らしい点は、四角い形状がもたらす「積載効率の高さ」です。丸いボックスだと、A4サイズのファイルやノートパソコン、あるいはコンビニの四角いお弁当などを入れた時に、どうしても角が当たって無駄なスペース(デッドスペース)が生まれてしまいます。しかしB32Nなら、それらがテトリスのようにピタリと収まるのです。通勤で書類カバンを入れるビジネスマンや、タブレットを持ち運ぶ学生さんには、容量の数値以上の恩恵を感じられるはずです。
また、蓋の上部にはネットフックを掛けるためのポイントが4箇所設けられています。オプションのツーリングネットを使えば、ボックスに入りきらない濡れたレインウェアや、潰したくないお土産などをボックスの上に積載することも可能です。この拡張性の高さは、週末のちょっとした遠出やツーリングで大きな武器になります。
汎用ベースとリアキャリア取り付け
お気に入りのボックスを手に入れたら、次はいよいよ取り付け作業です。ここでは、最も一般的な「汎用ベースプレート」を純正キャリアに取り付ける際の手順とコツを伝授します。
まず必要な工具は、10mmまたは12mmのスパナやレンチ、そしてプラスドライバーです。作業の基本は、キャリアの格子(フレーム)を、ベースプレートと波型ステーで「サンドイッチ」することです。ここで重要なのが、「仮組み」と「本締め」の使い分けです。最初から一本のボルトを全力で締め込むと、ベースの位置がずれたり、歪んで固定されたりしてしまいます。
コツは、4本のボルトを全て軽く通し、ベースがキャリアの前後左右のセンターに来るように調整してから、対角線上のボルト(左上と右下、右上と左下)を交互に少しずつ締め込んでいくことです。これを「星型締め」と呼びます。また、樹脂製のベースは締めすぎると変形してしまいます。「グッ」と抵抗を感じてから、さらに4分の1回転〜半回転させる程度で十分な固定力が得られます。不安な場合は、ネジの緩み止め剤(低強度タイプ)を併用するのもプロのテクニックです。
走行中の振動対策とボルト締め付け
Dio110は空冷単気筒エンジンを搭載しているため、アイドリング中や加速時に特有の微振動が発生します。リアボックスを取り付けると、この振動がボックス内で共鳴し、「ガガガ」「カタカタ」という不快なノイズを発生させることがあります。これはストレスになるだけでなく、ボルトの緩みを誘発する危険なサインでもあります。
この問題を解決するためのDIYテクニックとして、ホームセンターで売っている1mm〜2mm厚のゴムシート(ゴム板)を用意してください。これをキャリアと波型ステーが接触する部分のサイズに合わせてカットし、間に挟み込んでからボルトを締めます。たったこれだけで、金属同士の接触音が消え、ゴムの弾力がスプリングワッシャーのような働きをしてボルトの緩みを劇的に防いでくれます。
また、ボックス内部で荷物が暴れる音も気になりますよね。専用のインナーマットは高価ですが、100円ショップで売っている滑り止めマットや、薄手のカーペットをボックスの底の形に合わせて切り抜いて敷くだけでも、防音・防振効果は絶大です。そして最後に、取り付けから1週間または100kmほど走行したら、必ず全てのボルトの緩みをチェックする「増し締め」を行ってください。初期なじみで緩んでいることが意外と多いものです。
定期点検のススメ
リアボックスは一度付けたら終わりではありません。特に冬場の温度変化や梅雨の湿気で樹脂や金属が収縮・膨張を繰り返すと、ボルトは自然と緩みます。洗車のついでにベースを揺すってみて、ガタつきがないか確認する癖をつけましょう。
よくある質問:Dio110のリアボックス、ぶっちゃけどうなの?

- カタログに「フルフェイス収納可」って書いてあれば、どんなヘルメットでも入りますか?
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正直に言いますね。「入らないこと、結構あります(笑)」
特に、後ろが尖ったエアロ形状のヘルメットや、インカムを横に付けている場合は、30Lクラスだと蓋が閉まらないことがザラです。無理やり押し込んで蓋を歪ませるのも嫌ですよね…。もしLサイズ以上のヘルメットを使っているなら、ネットの情報を鵜呑みにせず、用品店で「試着」ならぬ「試投函」させてもらうのが一番確実ですよ。 - 自分で取り付ける自信がありません。不器用でもできますか?
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できます!基本的にはネジを締めるだけなので、プラモデルを作るより簡単です。
ただ、JK03型に関しては専用ステーの組み合わせがちょっとパズルみたいになるので、説明書とにらめっこする根気は必要かも。もし工具を見て「どれを使えばいいの?」ってなるレベルなら、無理せずバイク屋さんに頼んじゃいましょう。工賃数千円で「安心」と「時間」が買えると思えば安いもんです。 - 大は小を兼ねるし、40L以上のデカいボックスを付けてもいいですか?
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止めはしませんが、Dio110の良さが死んじゃうのでおすすめしません。
Dioって車体が軽い(約96kg)のがウリじゃないですか。そこにデカくて重い箱を付けると、重心が後ろに引っ張られて、発進のときにフロントタイヤが浮くようなフワフワした感覚になります。特に風の強い日に橋の上とか走ると、横風でハンドル取られてマジで焦りますよ。見た目もキノコみたいになっちゃいますしね(笑)。 - ボックスの中にヘルメットを入れたまま走行しても平気ですか?
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絶対にやめたほうがいいです!
中でヘルメットがゴロゴロ転がって、内装と擦れて傷だらけになっちゃいます。どうしても運びたいなら、ヘルメットをタオルでぐるぐる巻きにするか、隙間にレインウェアをギチギチに詰めて動かないようにしてください。私は面倒くさがりなので、100均の滑り止めマットとスポンジを底に敷いて対策してます。
Dio110のリアボックスおすすめ総括
ここまで、Dio110のリアボックス選びから取り付け、運用のコツまでを長文で解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- Dio110のキャリア耐荷重は3kg。軽量な樹脂製ボックス(30L〜35L)を選ぶのが鉄則。
- 毎日の通勤を快適にするならSHADのキーレス、ビジネス用途で書類を運ぶならGIVIのスクエアタイプ。
- JK03型への取り付けは、汎用ベースの固定位置に注意し、必要なら専用フィッティングを導入する。
- 振動による「カタカタ音」とボルトの緩みは、ゴムシートと定期的な増し締めで封じ込める。
リアボックスを導入することは、単に荷物が入るようになるだけでなく、Dio110というバイクのポテンシャルを最大限に引き出し、あなたの生活範囲を広げることに繋がります。雨の日の買い物も、仕事帰りのジム通いも、週末の日帰り温泉ツーリングも、背中のボックスがあれば何の心配もいりません。
ぜひこの記事を参考に、あなたの相棒となる最適なリアボックスを見つけて、より自由で快適なバイクライフを楽しんでくださいね!
