こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
ホンダの人気モデル「GB350」が気になっているけれど、「GB350 燃費悪い」という検索候補が出てきて、ちょっと不安になっていませんか?
クラシカルな見た目でかっこいいのに、もし本当に燃費が悪かったら…と購入をためらってしまいますよね。
特に高速道路での走行や、街乗りでの実際の燃費、ライバルとされるSR400や250ccクラスのバイクと比較してどうなのか、具体的な数字が気になるところだと思います。
私自身、バイクを選ぶ上で燃費はかなり重要視するポイントです。
デザインがいくら気に入っても、お財布へのダメージが大きいとツーリングも心から楽しめない気がしますからね。
この記事では、GB350の燃費に関するそうした疑問や不安を解消するために、カタログ値だけでは分からないオーナーさん達の実燃費データや、特定の状況で燃費が悪くなると感じる理由について、データを交えながら詳しく掘り下げていきます。
- GB350のリアルな実燃費の平均値
- 「燃費が悪い」と言われる具体的な理由
- SR400や250ccクラスとの燃費比較
- 燃費を良くする簡単な運転のコツ
「GB350の燃費は悪い」の噂は本当か?

まず最初に、データを見ながら「GB350 燃費悪い」という噂がどこまで本当なのか、客観的にチェックしていきましょう。結論から言うと、この噂は「ほぼ誤解」だと私は考えています。その根拠を、カタログの数値と、実際に乗っているオーナーさんの「実燃費」から解き明かしていきます。
カタログスペック上の燃費は?
バイクの燃費を知る上で、まず基本となるのがメーカーが公表している「カタログ燃費」です。これは、統一された基準で測定された公式な数値ですね。
ホンダの公式サイトに掲載されている主要諸元表を見ると、GB350の燃料消費率は以下の通りです。((出典:ホンダ技研工業株式会社「GB350 主要諸元」))
- 国土交通省届出値(定地燃費値): 47.0km/L(60km/h走行時・2名乗車時)
- WMTCモード値(クラス2-1): 39.4km/L(1名乗車時)
特に注目すべきは「WMTCモード値」です。
WMTCモード値とは? WMTCモード値というのは、発進、加速、停止といった、実際の市街地走行や郊外路走行、高速道路走行などを想定した国際基準の測定方法で算出された燃費です。
昔よく使われていた「定地燃費値(時速60kmでずっと走り続けた場合)」よりも、私たちが実際にバイクに乗る環境に近いため、実燃費と近い数値が出やすいと言われています。
この時点で「39.4km/L」というのは、350ccの空冷エンジンを積んだバイクとしては、かなり優秀な数字だと言えます。GB350 Sもスペックは同様ですね。
オーナーが記録した実燃費の平均値
では、カタログ値ではなく、実際にGB350を所有しているオーナーさんたちの「実燃費」はどのくらいなのでしょうか?
バイクの燃費やメンテナンス記録を投稿するSNS「みんカラ」のユーザー投稿データを集計してみると、非常に興味深い結果が見えてきます。
- GB350(無印)の実燃費平均: 約37.19km/L
- GB350 S の実燃費平均: 約37.77km/L
(※2025年11月時点の「みんカラ」ユーザー投稿データ平均値)
どうでしょうか、この数字。WMTCモード値の39.4km/Lにはわずかに届かないものの、これは街乗りでのストップ&ゴー、峠道でのワインディング、高速道路走行など、オーナーさん達の多種多様な走り方全てを含めた平均値です。
それでいてリッター37km以上を叩き出しているのは、はっきり言って「驚異的に燃費が良い」バイクだと断言できます。
ちなみに、GB350Sの方がわずかに数値が良いですが、これは統計上の誤差の範囲かなと思います。リアタイヤが太い(Sは150幅、無印は130幅)ので、Sの方が若干燃費に不利かと思いきや、エンジンやミッションは共通なので、実用上は「どちらも同じくらい燃費が良い」と考えて問題ないでしょう。
ポイント GB350/GB350Sともに、オーナー平均実燃費は37km/Lを超えています。これは400cc以下のクラシックモデルとしては、間違いなくトップクラスの低燃費性能です。
なぜ「燃費悪い」という声があるのか?
平均実燃費がリッター37kmも走るのに、なぜ「GB350 燃費悪い」と検索する人がいるのでしょうか?
これは、GB350が持つ独特のエンジン特性と、一部のオーナーさんが感じる「期待値とのギャップ」が原因だと私は推測しています。
エンジン特性:生粋の「低回転型」
GB350のエンジンは、シリンダーの内径(ボア)70.0mmに対し、ピストンの上下運動の幅(ストローク)が90.5mmという、極端な「ロングストローク設計」を採用しています。
これは、エンジンの回転数を上げなくても、ピストンが一回上下するごと(一回の爆発)に大きな力(トルク)を生み出すことに特化した設計です。その結果、街乗りや下道を「トコトコ」と低い回転数で流して走るのが非常に得意です。
実際にオーナーさんのレビューを見ると、「下道ツーリングではリッター40kmや45kmを超えることも珍しくない」という声が多数あります。
苦手なシチュエーション:「高回転」での連続走行
しかし、このエンジンが最も苦手とするのが、「高回転を維持し続ける走り方」、つまり高速道路での高速巡航なんです。
時速100km以上で巡航しようとすると、低回転型エンジンのGB350はかなり頑張って回らなければならず、エンジンの最も効率の悪い(燃費が悪い)領域で走り続けることになります。
結果として、「街乗りではリッター40kmも走ったのに、高速に乗ったらリッター35kmまで落ちた」という事態が起こり得ます。この「期待していた数値からの落ち込み幅が大きい」ことが、「GB350は(高速だと)燃費が悪い」という印象につながっている可能性が非常に高いですね。
競合SR400との実燃費を徹底比較
GB350が登場するまで、日本の空冷シングルバイクの象徴といえば、間違いなくヤマハの「SR400」でした。この2台の燃費性能を比較することで、GB350の立ち位置がよりハッキリとわかります。
SR400(FI化されたファイナルエディション)のオーナー実燃費は、GB350のデータと同じく「みんカラ」で集計すると、平均で約25.77km/Lでした。
GB350の実燃費(約37.19km/L)と比較すると、その差はリッターあたり11km以上。計算上、GB350はSR400の約1.4倍も燃費が良いことになります。
| モデル名 | オーナー実燃費(平均) | エンジン設計 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| ホンダ GB350 | 約37.19km/L | 最新の空冷SOHC (2021年~) | PGM-FI、低フリクション技術 |
| ヤマハ SR400 | 約25.77km/L | 伝統の空冷SOHC (FI化は2010年~) | 基本設計は1978年、キック始動 |
もちろん、SR400には燃費という数値では到底測れない、キック始動の儀式や長年愛された歴史という唯一無二の魅力があります。ただ、純粋な「経済性」や「燃料効率」という面で見れば、GB350は最新の技術が投入された「次世代のクラシックバイク」であり、SR400のイメージ(燃費はあまり良くない)でGB350を語るのは間違いであることがわかりますね。
250ccクラスより経済的?
「350ccだから、当然250ccより燃費は悪いよね?」と思うかもしれません。特に車検のない250ccクラスは維持費の安さが魅力ですから、燃費も250ccの方が良いと思いがちです。
しかし、ここにも面白い「排気量と燃費の逆転現象」が起きています。
例えば、同じホンダの人気モデル「Rebel 250 (レブル250)」のオーナー実燃費平均は約32.86km/L、スクランブラースタイルの「CL250」は約35.52km/Lです。(※みんカラ調べ)
もう一度GB350の実燃費(約37.19km/L)を見てください。
そうなんです。排気量が約100ccも大きいGB350の方が、レブル250やCL250よりも実燃費が良いという結果が出ているんです。
| モデル名 | 排気量 | エンジン形式 | オーナー実燃費(平均) |
|---|---|---|---|
| ホンダ GB350 | 348cc | 空冷SOHC(低回転型) | 約37.19km/L |
| ホンダ CL250 | 249cc | 水冷DOHC(高回転型) | 約35.52km/L |
| ホンダ Rebel 250 | 249cc | 水冷DOHC(高回転型) | 約32.86km/L |
これは、レブル250やCL250が搭載しているのが、元々スポーツバイク(CBR250R)系の「水冷DOHC」という高回転でパワーを出すエンジンなのに対し、GB350は低回転の効率を徹底的に追求した「空冷SOHCロングストローク」エンジンであるという、設計思想の根本的な違いから来ています。
街乗りやツーリングで多用する「実用域」での燃費効率は、GB350が非常に優れているという強力な証拠ですね。「燃費を気にして250ccを選ぶ」という常識が、GB350の登場によって覆されたと言っても過言ではないかもしれません。
GB350の燃費が悪いのは走り方が原因か

データ上は文句なしに「燃費が良い」GB350ですが、それでも「燃費が悪い」と感じる瞬間があるのは事実です。それはGB350の車両特性と、ライダーの乗り方にミスマッチがあるからかもしれません。ここでは、燃費が悪化しやすい具体的なシーンと、その対策について詳しく見ていきましょう。
高速道路で燃費はどれくらい変わる?
先ほどから何度も触れていますが、GB350の燃費を語る上で「高速道路」は最大のカギとなるキーワードです。
オーナーさんのレビューを見ると、「街乗りや下道ツーリングではリッター40kmを割らない」という声が本当に多い一方で、「高速道路で100km/h巡航を続けるとリッター35kmくらいまで落ちる」といった報告も確かにあります。
GB350の高速燃費は、単純に「良い・悪い」ではなく、「何キロで走るかによって劇的に変わる」と理解するのが正しいです。
燃費天国:80〜90km/h巡航
GB350が最も気持ちよく、かつ最も燃費良く高速道路を走れる速度域。それが時速80km〜90kmあたりです。トップギア(5速)でエンジンの鼓動を感じながら、ゆったりとクルージングするのに最適化されています。
あるオーナーさんは「高速道路を時速90kmで走り続けたら、リッター59kmを記録した」という驚異的な報告もしています。これはGB350の「おいしい領域」を最大限に使った理想的な走り方ですね。
燃費悪化:100km/h〜巡航
一方、日本の高速道路の法定速度(100km/hや120km/h区間)で、流れに乗って走ろうとすると、GB350のエンジンはかなり高回転まで回す必要があります。この領域はエンジンの効率が悪く、振動も増えてくるため、ライダーの疲労も増えますし、燃費もガクッと落ち込みます。
注意点 GB350は、一般的なスポーツバイクのように「高速道路=燃費が伸びる」とは限りません。時速80km〜90km程度でゆったり流すのが最も効率が良く、それ以上の速度域は燃費が悪化する傾向にある、と覚えておきましょう。
パワー不足が燃費に与える影響とは
GB350のスペックを見ると、最高出力は20PS(馬力)/ 5,500rpmとなっています。これは現代の350ccバイクとしては非常に控えめな数値で、レビューでも「パワー不足」を指摘する声はあります。
しかし、同時に最大トルク(前に押し出す力)は29N・m(3.0kgf・m)/ 3,000rpmと、わずか3,000回転という低い回転数で発生します。これは、250ccスポーツバイクの最大トルク(約2.2〜2.4kgf・m程度)を大きく上回る力強さです。
つまり、GB350は「最高速度(パワー)はないが、発進や低速での力強さ(トルク)はめちゃくちゃある」という特性のバイクなんです。
この「パワー不足」が、特に高速道路での燃費悪化に拍車をかけます。
時速100km/hでの巡航や、追い越し加速、長い登り坂など、「もう少しパワーが欲しい」と感じる場面では、ライダーは無意識にスロットルを大きく開ける必要があります。エンジンを高回転で酷使する状態が続けば、当然ガソリンの消費量は増えてしまいます。
GB350は、もともとスピードやパワーを求めて競うバイクではない、ということを理解し、その豊かなトルク感を味わう走り方をすることが、燃費とストレスを悪化させない最大のコツかなと思います。
GB350のタンク容量と給油頻度
GB350の燃料タンク容量は15Lです。これはクラシカルなティアドロップ形状のタンクとしては、かなり大容量と言えます。
燃費が良くてもタンクが小さければ(例えば8Lとか)、結局200kmも走らないうちに給油が必要になり、ツーリングでは面倒に感じることもあります。しかし、15Lもあればその心配はかなり少ないですね。
経済的なレギュラー仕様 ちなみに、GB350の使用燃料はレギュラーガソリンです。燃料代が高騰している昨今、高性能バイクにありがちなハイオク仕様ではなく、レギュラー仕様なのは、お財布にも優しくて非常にありがたいポイントです。
満タンでの航続距離はどれくらい?
では、この大容量15Lタンクと、実燃費37km/Lをふまえて、満タンでどれくらい走れるのでしょうか?
単純計算(机上の空論)をすると 15L × 37km/L = 555km となりますが、これはあくまで理論値。実際には、ガス欠ランプが点いてもいないのに500km走るのは不安ですよね。
ここで重要になるのが、オーナーさんによる実際の航続距離レポートです。
- ある実走テストでは、「満タンから走行して496.8kmでガス欠した」という記録があります。
- 多くのオーナーさんが、「燃料警告灯(最後のひと目盛りが点滅)が点灯してから100km以上走れた」とレビューしています。
一般的なバイクは、警告灯が点くと「(ヤバイ、早くGS探さないと…)あと50kmくらいかな…」と不安になるものが多いです。しかし、GB350は警告灯が点いてからでも100km以上走れるという、驚異的な安心設計になっているようです。
驚異的な航続距離の安心感 実燃費37km/L × タンク容量15L = 航続距離500km超えも現実的です。 日帰りツーリングなら、朝満タンにすれば、まず無給油で帰ってこられるでしょう。この「給油のことを考えなくていい」という精神的な余裕は、ツーリングの楽しさを何倍にもしてくれますね。
今すぐできる燃費向上のコツ

GB350はもともと燃費の良いバイクですが、乗り方やメンテナンス次第で、さらにその性能(と経済性)を引き出すことができます。難しいテクニックは不要で、GB350の特性に合わせた「優しい運転」が基本です。
1. 「急」のつく操作を徹底的に避ける
燃費悪化の三大要因は「急発進」「急加速」「急ブレーキ」です。これはGB350に限りませんが、特にGB350はそうした操作が似合わないバイクです。
エンジンブレーキも活用しながら、先の信号を予測してじわっとスロットルを戻し、じわっとブレーキをかける。発進時も、豊かな低速トルクを信じて、スロットルをガバ開けせずとも早めにシフトアップしていく(低いギアで引っ張らない)。
GB350のトコトコとした鼓動を楽しむように、全ての操作を「じわっ」と行うのが、最もGB350に合った、最も燃費の良い走り方です。
2. 高速道路では「ゆったり」走る
前述のとおり、GB350は高速で飛ばすのが苦手です。追い越し車線を走るのではなく、走行車線を時速80km〜90kmでのんびりクルージングするのが、精神的なストレスも少なく、燃費も最も良くなる走り方だと思います。パワーを使い切る走り方は、燃費も使い切ってしまいます。
3. タイヤの空気圧を適正に保つ
これは燃費向上術の基本中の基本ですが、見落としがちなポイントです。タイヤの空気圧が低いと、路面との接地面積(摩擦抵抗)が増え、燃費が大きく悪化します。自転車で空気が抜けているとペダルが重くなるのと同じ原理ですね。
最低でも1ヶ月に1回、できればガソリンスタンドで給油するたびに、指定空気圧になっているかチェックする習慣をつけましょう。適正空気圧はスイングアームのステッカーなどに記載されています。
4. 定期的なメンテナンスを怠らない
燃費はバイクの健康のバロメーターでもあります。以下の基本的なメンテナンスを怠ると、燃費は確実に悪化していきます。
- エンジンオイル:汚れたり劣化したりしたオイルは、エンジン内部の摩擦抵抗を増やします。定期的な交換がエンジンの効率を保ちます。
- エアフィルター:汚れて目詰まりすると、エンジンが必要な空気を吸い込めず、不完全燃焼を起こして燃費が悪化します。
- ドライブチェーン:サビたり、張りすぎ・緩みすぎたりしていると、エンジンのパワーがスムーズにタイヤに伝わらず(駆動ロス)、燃費が悪化します。
安全のためのメンテナンス これらのメンテナンスは燃費だけでなく、バイクの寿命や安全な走行に直結します。ご自身での整備が不安な方は、購入した販売店や信頼できるバイクショップで、定期点検を受けることを強くおすすめします。
安全に関わる重要な部分ですので、正確なメンテナンス情報については、必ずお近くのホンダ正規取扱店にご相談ください。
結論:「GB350の燃費は悪い」は誤解
ここまで様々なデータやオーナーさんの声を見てきましたが、結論は明らかです。
「GB350 燃費悪い」という噂は、はっきり言って重大な誤解です。
実際には、オーナー平均実燃費がリッター37km/Lを超え、旧型のSR400(リッター約25km)や、格下のレブル250(リッター約32km)さえも上回る、クラス最高水準の低燃費バイクでした。
では、なぜ「燃費が悪い」という印象や検索ワードが生まれてしまったのか。その正体は、以下の3つの「誤解」が組み合わさって生まれたイメージに過ぎない、と私は結論付けます。
「燃費悪い」噂の正体
- 歴史の混同:「空冷シングル=SR400=燃費はそこそこ(リッター25km台)」という古いイメージを、最新設計のGB350に当てはめている誤解。
- 特性の誤解:GB350が最も苦手とする「高速・高回転走行」だけをピンポイントで体験し、「思ったより燃費が悪い」と感じてしまう誤解。
- 常識の罠:「排気量が大きい=250ccより燃費が悪いはず」という常識が、GB350の優れた低回転効率によって覆されていることを知らないことによる誤解。
GB350は、経済性をまったく犠牲にすることなく、バイクらしい豊かな鼓動感と所有感を満たしてくれる、現代の奇跡のようなバイクだと私は思います。燃費の心配は杞憂に過ぎませんから、ぜひ安心して、GB350との豊かなバイクライフを検討してみてくださいね。
