衝撃的な事実をお伝えしなければなりません。もしあなたが、「カブと同じホンダのビジネスバイクだから、壊れなくて燃費も良くて万能だろう」という軽い気持ちでベンリィ110の購入を考えているなら、その契約書にサインをする前に一度手を止めてください。
その選択は、あなたのバイクライフにおいて「取り返しのつかない後悔」の入り口になるかもしれません。
こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
仕事の頼れる相棒として、あるいは無骨なデザインに惹かれて日常の足としてベンリィ110を検討している方は多いでしょう。しかし、検索窓に「ベンリィ 110 欠点」と入力したあなたの直感は正しいです。
実際に調べてみると、期待外れな燃費、坂道での絶望的な遅さ、高速道路に乗れない法的制約、そして予期せぬ故障リスクなど、カタログスペックからは読み取れないネガティブな情報が次々と出てきます。
安い買い物ではないからこそ、「こんなはずじゃなかった」と嘆く未来だけは回避したいですよね。
- ビジネス特化設計ゆえに発生する乗り心地や加速の構造的な弱点
- スーパーカブ110と比較した際の明確なデメリットとコストの違い
- 実際に所有したユーザーが直面しがちな故障リスクや使い勝手の悪さ
- どのような用途ならベンリィ110の欠点を許容して満足できるかの基準
走行性能に潜むベンリィ110の欠点

ベンリィ110は、新聞配達やピザの宅配といった「プロの現場」で、過積載に近い状態でも壊れずに走り続けることだけに特化して開発された特殊な機材です。そのため、我々一般ユーザーが「普通のスクーター」と同じ感覚で乗ると、その特殊な設計思想がそのまま強烈な「欠点」として牙を剥くことがあります。まずは、走りの面で多くのユーザーが口を揃えて指摘するポイントについて、物理的な根拠とともに詳しく見ていきましょう。
乗り心地が悪いサスの硬さと振動
ベンリィ110に初めてまたがり、走り出した瞬間に感じる違和感。それは間違いなく「乗り心地の異常な硬さ」かなと思います。これを単なる「スポーティーな硬さ」などとポジティブに解釈してはいけません。これは明確に、積載性を最優先した結果の犠牲であり、快適性を切り捨てた証拠なのです。
このバイクのリアサスペンションは、荷台に30kg、あるいは60kgといった重い荷物を満載した状態でも車体が沈み込みすぎないよう、極めて高いバネレート(スプリングの硬さ)と、伸び縮みを強力に抑制する減衰力設定になっています。設計上の「想定体重」が、ライダー+重量物になっているんですね。
そのため、通勤やちょっとした買い物など、荷台が空に近い状態(ライダーの体重のみ)で走行する場合、サスペンションは本来の仕事をし始めません。ほとんどストロークせず、ただの鉄の棒(リジッドサス)がついているかのような挙動を示します。
路面の衝撃がダイレクトに腰を破壊します
マンホールのわずかな段差、道路の継ぎ目、点字ブロックなどを越えるたびに、「ガツン!」「ドスン!」という鋭い突き上げが、シートを通して直接あなたの尾てい骨と腰椎に響きます。これを毎日、何十分も続けるとどうなるか。実際に腰痛を悪化させてベンリィを手放したユーザーの話も珍しくありません。長時間の配送業務や、のんびりツーリングを夢見ているなら、この「拷問に近い振動」は覚悟する必要があります。
さらに追い打ちをかけるのが、フロント12インチ、リア10インチという小径ホイールの採用です。タイヤの外径が小さいということは、それだけ路面の穴(ポットホール)やうねりに対してタイヤ全体が落ち込みやすくなることを意味します。スーパーカブのような17インチの大径ホイールなら何事もなく通過できるギャップでも、ベンリィの10インチタイヤはまともに拾ってしまい、車体を激しく揺さぶります。
特にリアタイヤは原付スクーターとしても最小クラスなので、悪路での走破性や衝撃吸収性は物理的に期待できないのが現実です。「クッションを敷けばいい」というレベルを超えた、構造的な乗り心地の悪さがそこにはあります。これは疲労の蓄積に直結するため、毎日の使用を考えている方にとっては無視できない重大な欠点と言えるでしょう。
加速が遅い車重とエンジンの限界
「排気量が110ccもあるんだから、50ccの原付よりは圧倒的に速いだろう」「車の流れには余裕で乗れるはずだ」と思って乗ると、その出足の鈍重さに愕然とするかもしれません。
ベンリィ110が「遅い」と言われる最大の原因は、エンジンの非力さではなく、その過剰なまでの車両重量にあります。頑丈さを追求したフレーム、巨大な燃料タンク、堅牢なキャリアなど、プロ仕様の装備を満載した結果、乾燥重量は約110kg〜120kgにも達します。
これは同クラスのスーパーカブ110と比較しても約20kg以上重い数値です。常に20kgの米袋を背負って走っているか、あるいは常に二人乗りをしているような状態で、俊敏なダッシュができるはずがありません。慣性の法則に従い、重い物体を動かすには莫大なエネルギーが必要となるため、物理的に「初速」が出ないのは宿命なのです。
加えて、採用されているCVT(無段変速機)のセッティングも、加速性能より「荷崩れ防止」を優先したマイルドな仕様になっています。これがまた、ライダーにストレスを与えます。
CVTの特性によるストレスと危険性
信号待ちで青になった瞬間、アクセルを全開にしても、ベンリィは一瞬の間を置いてから「ヌル〜ッ」と動き出します。これは急発進で荷台の荷物が落ちないようにするための配慮なのですが、公道ではこれが仇となります。隣に並んだ50ccスクーターや、後ろから迫る軽自動車にあっという間に先行され、追いつかれるプレッシャーを感じながら走ることになります。
特に交通量の多い幹線道路での右折待ちや、合流が必要な場面では、この「瞬発力のなさ」が安全性にも関わってきます。「行ける!」と思ってアクセルを開けても、バイクが思ったように前に出ない。このラグは、毎日の通勤において地味ながら確実なストレスとして蓄積されていくでしょう。
さらに、走行距離が伸びてくると、駆動系のセンタースプリングがへたり、変速タイミングが早まってしまうことで「加速が必要な時にエンジンの回転数が上がらない」という症状も出やすく、遅さに拍車をかけることになります。
坂道で登らない動力性能の低さ

個人的にベンリィ110の欠点の中で最も深刻だと感じているのが、坂道における絶望的な登坂能力の低さです。
平坦な道であれば、時間はかかりますが60km/h程度まではスムーズに加速します。しかし、ひとたび急な勾配に差し掛かると、景色は一変します。重い車体に対してエンジンのトルクが完全に負けてしまい、速度がみるみる低下していくのです。
スーパーカブなどのギア付きバイクであれば、1速や2速にシフトダウンして、エンジンを高回転まで回してグイグイ登ることができますが、ベンリィのCVTは負荷がかかると変速比のコントロールが難しく、パワーバンド(力が一番出る回転数)を外してしまいがちです。構造上、任意にローギアを選択できないオートマチックの弱点が露呈する瞬間です。
具体的なイメージをお伝えしましょう。例えば、住宅街にあるような急な坂道で、一度停止してから再発進しようとすると、フルスロットルでも時速15km〜20kmしか出ない、なんてことがザラにあります。「エンジンは悲鳴を上げているのに、自転車に追い抜かれそうな速度しか出ない」という状況を想像してみてください。背後にはイライラした後続車の列。煽られる恐怖。これは精神衛生上、非常によくありません。
よくあるQ&A
Q. ウエイトローラーを軽くすれば改善しますか?
A. 多少のマシにはなりますが、劇的な改善は期待できません。軽くしすぎると最高速が落ち、燃費が悪化し、エンジンが高回転で回り続けるため騒音も増すという別のデメリットが発生します。物理的な重量と非力なエンジンのバランスはどうにもならないのです。
もしあなたの生活圏に「心臓破りの坂」がある場合、あるいは山越えを含むルートを通勤路に設定している場合、ベンリィ110を選ぶことは「遅刻」と「ストレス」を選ぶことと同義かもしれません。配送業務においても、坂の多いエリア担当になると、効率がガタ落ちすることは覚悟しておく必要があります。これは「慣れ」で解決できる問題ではないからです。
実燃費がカブより劣る経済性
ビジネスバイクといえば「燃費が良い」「維持費が安い」というのが世間の常識ですが、ベンリィ110に関してはその期待値を少し下げる必要があります。もちろん、リッター10kmしか走らない車に比べれば十分エコですが、絶対王者であるスーパーカブ110と比較すると、明確な劣位性が浮き彫りになります。
なぜ同じ110ccのエンジンを積んでいるのに、ここまで差が出るのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。
- 駆動ロスの差:カブはチェーン駆動でダイレクトに動力を伝えますが、ベンリィはゴムベルトとプーリーによるCVT駆動です。この仕組みは摩擦によるエネルギーロスが大きく、特に発進停止を繰り返すたびに無駄な燃料を消費します。
- 車重の差:前述の通り、20kg重い車体を動かすには、より多くのガソリンを燃やす必要があります。物理法則には逆らえません。
実際のユーザーデータを集計すると、以下のような残酷な現実が見えてきます。
| 車種 | カタログ値(WMTC) | 実燃費の目安(市街地・配送) |
|---|---|---|
| ベンリィ110 | 50.7km/L | 約30km/L 〜 40km/L |
| スーパーカブ110 | 67.0km/L | 約50km/L 〜 65km/L |
「ベンリィは燃費が悪い」と言われる所以は、この「カブの6割〜7割程度」という実績値にあります。ストップ&ゴーの多い配送業務では、さらに燃費が悪化し、リッター20km台後半になることも珍しくありません。これは最近のアイドリングストップ付き125ccスクーター(PCXやアドレスなど)と比較しても、決して褒められた数字ではありません。
また、ベンリィ110は「10リットルの大容量タンク」を売りにしていますが、これは裏を返せば「燃費の悪さをタンク容量でカバーしている」とも言えます。実燃費30km/Lで10Lタンクなら航続距離は300km。
対してカブは実燃費60km/Lで4.3Lタンクなら約258km。実は、一回の給油で走れる距離はカブとそこまで大差がないのです。「巨大タンクだから無給油でどこまでも行ける」という幻想は捨てた方が良いでしょう。さらに、燃料計の精度があまり良くなく、まだ2リットル残っているのにエンプティを指すといった癖もあり、タンク容量をフルに活かしきれないという声も多く聞かれます。
高速道路は走行不可という制限

これはベンリィ特有の欠陥というよりは法的な区分による制限ですが、購入検討者が最も誤解しやすいポイントの一つなので、あえて強調しておきます。
ベンリィ110は、排気量が110ccあるため、ナンバープレートはピンク色になります。しかし、道路運送車両法における区分は「原付二種」です。日本の法律では、高速道路(自動車専用道路を含む)を走行できるのは「125ccを超える(126cc以上)」車両に限られています。125cc「以下」であるベンリィ110は、どんなに急いでいても、どんなに便利なルートがあっても、高速道路に乗ることは許されません。
絶対に走行できません
たとえETC車載器を無理やり付けたとしても、料金所のゲートは開きませんし、本線に入った時点で道路交通法違反となります。バイパスなどでも「125cc以下通行禁止」の標識がある区間は通れません。
「110ccあれば高速も乗れると思ったのに!」という後悔は、事前のリサーチ不足以外の何物でもありません。さらに言えば、仮に法律が許したとしても、最高速度が80km/h〜90km/h(下り坂で頑張って)程度のベンリィ110で、時速100kmで流れる高速道路を走るのは自殺行為です。風圧をもろに受けるポジション、横風に弱い小径タイヤ、余裕のないエンジン。すべてにおいて高速巡航には向いていません。
あくまで「一般道をトコトコ走るバイク」だと割り切る必要があります。「たまには遠出して高速に乗りたい」と考えているなら、150ccクラスのバイク(例えばPCX150/160やマジェスティSなど)を選ぶ必要があります。この区分けを理解せずに購入すると、ツーリングの行動範囲が大きく制限され、後悔することになります。
購入後に気づくベンリィ110の欠点

ここまではカタログや試乗である程度分かることでしたが、本当の「後悔」は納車され、日常的に使い始めてからやってきます。維持管理の面倒くささ、予期せぬ故障、そして用途とのミスマッチ。オーナーになって初めて気づく、リアルな欠点を深掘りしていきます。
用途を間違えて後悔するケース
ベンリィ110を購入して最も深く後悔するのは、このバイクを「便利な普通のスクーター」だと誤解して購入した層です。
例えば、「通勤通学を楽にしたい」という動機。PCXやアドレスのような「通勤快速」と呼ばれるスクーターは、信号ダッシュが速く、すり抜けもしやすく、シートもふかふかです。対してベンリィは、遅く、重く、すり抜けもしづらい(ハンドル幅やミラーの位置関係で)。毎朝の通勤ラッシュで、キビキビ走る他のバイクに置いていかれながら、「なんでこれを選んだんだろう」と自問自答する日々が待っています。
また、「ファッションで乗る」というケース。無骨なデザインやベージュのカラーリングは確かにお洒落で、女子キャンプやカフェスタイルに映えるかもしれません。しかし、その代償として支払う「乗り心地の悪さ」は想像以上です。硬いシートでお尻が痛くなり、ちょっとした段差で跳ねる。デートで後ろに誰かを乗せようものなら(一応タンデム可能ですが)、パッセンジャーからは二度と乗りたくないと言われるでしょう。ベンリィはあくまで「働く車」であり、「楽しむ車」ではないのです。
寿命に関わる故障やリコールの話
「ホンダのバイクだから頑丈だろう」という神話を過信してはいけません。確かにホンダ車は信頼性が高いですが、ベンリィ110には、設計上の弱点や、過去に重大なリコールが発生した経緯があります。
最も有名なのが、燃料ホースの配索不良によるリコールです。これは、エンジンの振動によって燃料ホースが他の部品(ブリーザーチューブのクランプ)と干渉し続け、最終的にホースに穴が開いてガソリンが漏れ出すという、車両火災に直結しかねない極めて危険なものでした。
中古車選びの落とし穴
2011年〜2013年頃に製造されたモデルが主な対象です。もし中古で購入を検討しているなら、車台番号を確認し、対策済みかどうかを必ずチェックしてください。未対策のまま放置された車両をつかまされると、命に関わるリスクがあります。
さらに、過走行車両(5万キロ〜)においては、エンジンのクランクシャフトベアリングが破損するという報告も散見されます。カブのエンジンはオイル管理さえしていれば10万キロでも余裕で走りますが、ベンリィのエンジン(特にスクーター用ユニット)は、重い車体を高回転で回し続ける酷使環境にあるため、消耗が早い傾向にあります。
クランクベアリングが逝くと、異音が発生し、最終的にはエンジンがロックします。修理にはエンジンの全分解(オーバーホール)が必要となり、工賃含めて10万円コースになることも。これは実質的な「廃車宣告」です。
その他、テールランプのアース不良で電球が点灯しなくなるトラブルも持病と言われています。単純な球切れだと思って交換しても直らず、配線加工が必要になるケースも多く、電気系に詳しくないユーザーを悩ませる要因となっています。「壊れないバイク」を求めているなら、やはりカブに軍配が上がります。
カスタムでも解消できない遅さ

「遅いのが欠点なら、カスタムして速くすればいい」と考えるポジティブな方もいるでしょう。しかし、ベンリィ110におけるカスタムは、かけた費用に見合う効果が得られにくい「泥沼」になりがちです。
駆動系のカスタム(ハイスピードプーリーへの交換、ウエイトローラーの軽量化)を行えば、多少は加速を良くしたり、最高速を伸ばしたりすることは可能です。しかし、それはあくまで「特性を少しずらす」程度の変化に過ぎません。根本的な原因である「重すぎる車体」を解決できない限り、物理的な限界は超えられないのです。ボアアップ(排気量アップ)という手段もありますが、耐久性が著しく低下し、ビジネスバイクとしての信頼性を失うことになります。
むしろ、無理に回転数を上げてパワーを搾り出すセッティングにすることで、ただでさえ悪い燃費がさらに悪化し、エンジンの寿命を縮めるリスクが高まります。「3万円かけてパーツを組んだけど、結局ノーマルのPCXに信号ダッシュで負けた」という悲しい結末を迎えるのが関の山です。速さを求めるなら、最初から速いバイクを買うのが正解です。ベンリィは「いじるベース」としても、あまり適していないと言わざるを得ません。
キャンプなどのレジャーへの不向き
SNSなどで、ベンリィの巨大なリアデッキにこれでもかとキャンプ道具を積載した写真を見かけます。「積載量最強!キャンプに最適!」というキャッチコピーに惹かれるのも無理はありません。確かに、積むだけなら最強です。ホームセンターの巨大なボックスも余裕で安定して積めます。
しかし、「積める」ことと「快適にキャンプ場まで行ける」ことは別問題です。キャンプ場への道のりを想像してください。その多くは、人里離れた山奥、急な峠道の先にあります。ここで前述の「登坂力のなさ」が致命傷となります。満載状態で重くなったベンリィは、急坂でさらに速度が落ち、時速10km台で這うように登ることになるでしょう。
未舗装路(ダート)の恐怖
さらに恐ろしいのは、キャンプ場入り口付近の砂利道やぬかるみです。小径10インチタイヤは、砂利にハンドルを取られやすく、腹下(最低地上高)も低いため、石や轍(わだち)にエンジン底部を強打するリスクがあります。カブなら大径ホイールで走破できる道でも、ベンリィではスタックして動けなくなる可能性があるのです。
「平地のキャンプ場しか行かない」と割り切れるなら良いですが、アドベンチャー気分で林道に入り込むと、重い車体を支えきれずに転倒し、引き起こしも重くて大変…という地獄を見ることになります。レジャー用途での過度な期待は禁物です。
スーパーカブと比較した際の劣位性

結局のところ、多くの人がベンリィ110を検討リストから外し、最終的にスーパーカブ110(あるいはクロスカブ、ハンターカブ)を選ぶのには、合理的な理由があります。最後に、この2台を比較した際のベンリィの劣位性をはっきりとさせておきましょう。
| 比較項目 | ベンリィ110 | スーパーカブ110 | 勝敗(ユーザー目線) |
|---|---|---|---|
| 変速操作 | オートマ(楽だが退屈) | ギアチェンジ(楽しい) | 操る楽しさはカブの圧勝 |
| タイヤサイズ | 12/10インチ(不安定) | 17インチ(安定・高走破性) | 乗り心地・悪路走破性はカブの圧勝 |
| ブレーキ性能 | 重いため止まりにくい | 車体が軽くよく止まる | 安全性もカブが有利 |
| 資産価値 | 中古相場は低め | リセールバリューが高い | 手放す時の価格もカブが有利 |
ベンリィがカブに勝っている点はただ一つ、「足元に荷物が置けること(フレーム形状)」と「広大でフラットな荷台の安定感」のみです。もしあなたが「絶対にピザのLサイズを水平に30枚運ばなければならない」という任務を負っていない限り、スーパーカブを選んだ方が、走る楽しさ、経済性、耐久性、すべての面で幸せになれる確率は高いと言わざるを得ません。多くのバイク便や郵便配達がカブを採用し続けているのには、それなりの理由があるのです。
購入前に解決しておきたい!ベンリィ110のよくある質問(Q&A)

最後に、ベンリィ110を検討されている方から頻繁に寄せられる疑問について、正直な回答をQ&A形式でまとめました。「こんなはずじゃなかった」を避けるための最終確認としてご活用ください。
- ベンリィ110の寿命はどれくらいですか?スーパーカブのように10万キロ走れますか?
-
結論から言うと、スーパーカブほどの耐久性は期待できません。
もちろん、オイル交換などのメンテナンスを徹底すれば長く乗れますが、ベンリィ110(特に空冷エンジンのスクーターモデル)は、重い車体を動かすために常にエンジンに高負荷がかかっています。配送業務などで過酷に使われた車両の場合、5万キロ〜6万キロ付近でエンジンの主要部品(クランクシャフトベアリングなど)や駆動系に寿命が来ることが多いようです。10万キロをノントラブルで目指せるカブとは、設計思想が異なると考えたほうが良いでしょう。 - 50ccのベンリィと110ccで迷っています。どちらが良いですか?
-
免許をお持ちなら、迷わず110ccを選んでください。
50cc(原付一種)には「30km/hの速度制限」と「二段階右折」という法的な縛りがあります。特にビジネス用途において、30km/h制限は業務効率を著しく低下させるだけでなく、交通の流れに乗れないため幹線道路では命の危険すら感じます。110ccも「速い」バイクではありませんが、少なくとも60km/hで車の流れに乗って走れるため、ストレスと安全性には天と地ほどの差があります。 - ベンリィ110で二人乗り(タンデム)は快適にできますか?
-
法的には可能ですが、快適性は皆無です。あくまで「緊急用」と考えてください。
ベンリィ110は標準では一人乗り仕様(リアは荷台)となっており、二人乗りをするにはオプションの「ピリオンシート」を荷台に装着する必要があります。しかし、このシートは薄くて硬く、サスペンションも突き上げが激しいため、後ろに乗る人にとっては苦行に近い乗り心地となります。パートナーと楽しくツーリングデート、といった用途には全く向いていません。 - 自分でメンテナンスや整備をするのは簡単ですか?
-
スクータータイプなので、カブに比べると整備性はやや劣ります。
エンジン周りや駆動系にアクセスするためには、ボディを覆っている樹脂製のカバー(カウル)を外す手間が発生します。これが意外と面倒で、爪を割ってしまうリスクもあります。オイル交換程度なら簡単ですが、ベルト交換やプラグ交換などは、慣れていないと時間がかかる作業になります。 - 冬場のエンジンのかかり具合はどうですか?
-
寒さには比較的強いですが、バッテリー管理は必須です。
ベンリィ110は電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)を採用しているため、冬場でもセル一発で始動することがほとんどです。ただし、キックスターターも装備されていますが、バッテリーが完全に上がってしまうと燃料ポンプが動かず、キックでもエンジンがかからない場合があります(年式や仕様による)。グリップヒーターなどを多用する冬場は、バッテリー上がりに特に注意が必要です。
ベンリィ110の欠点を許容できる条件
ここまでベンリィ110を徹底的に酷評してきましたが、私はこのバイクが嫌いなわけではありません。用途がピタリとハマれば、これほど頼もしい道具はないからです。重要なのは「適材適所」です。
結論として、以下の条件に全て、あるいは多く当てはまる方だけが、ベンリィ110の欠点を「許容範囲」として受け入れ、購入して満足できるユーザーです。
- 平坦なエリアでの重量物運搬が絶対条件:坂道の少ない都市部で、Uber Eatsや新聞配達など、とにかく量を積むことが利益に直結する仕事をしている。
- カブの荷台では不安定なものを運ぶ:幅の広い箱、水平を厳密に保ちたい精密機器や料理などを運ぶ必要がある。
- 頻繁な乗り降りが必須:1日に100回以上乗り降りするような業務で、カブのように足を上げてまたぐ動作が苦痛、あるいはスカート等で乗りたい。
- 「遅さ」を愛せる余裕がある:飛ばすことに興味がなく、トコトコと景色を見ながら走るのが好きで、後続車に抜かれてもイライラしないメンタルを持っている。
逆に、「通勤時間を短縮したい」「休日は遠くへツーリングに行きたい」「維持費を極限まで安くしたい」という動機が少しでもあるなら、悪いことは言いません。スーパーカブ110、あるいはPCXを選んでください。それが、あなたが「後悔」という名の落とし穴に落ちないための、唯一の回避策なのです。あなた自身の用途と、ベンリィの特性が本当にマッチしているか、購入前にもう一度じっくりと考えてみてくださいね。
