こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
ホンダが本気で作った250ccスーパースポーツ、CBR250RR。
「ニダボ」の愛称で多くのライダーに愛され、サーキットでも街中でもその存在感は抜群ですよね。
私自身、その鋭いデザインと走りに魅了されている一人です。
しかし、購入を検討してリサーチを進めていると、「CBR250RR 売れない」という不穏な関連キーワードを目にして、不安になった方も多いのではないでしょうか。
「もしかして人気がないの?」「買ってから後悔する致命的な欠点があるんじゃ…」と心配になる気持ち、痛いほどよく分かります。
実はこの「売れない」という言葉、単なる販売不振を指しているわけではないんです。
そこには、市場のトレンド変化、ライバル車の台頭、そして何よりこのバイクが持つ「尖りすぎたキャラクター」が深く関係しています。
街乗りでは本当に辛いのか? 前傾姿勢ですぐに疲れてしまうのか?
そして、手放すときのリセールバリューはどうなのか?
今回は、市場データや実際に所有しているオーナーたちの生の声、そして私自身の知見を総動員して、その噂の真相を徹底的に解明します。
- 「売れない」と検索される本当の理由と、数字のマジック
- 所有者が直面する「疲れ」や「街乗りの辛さ」のリアルな実情
- 最強のライバルZX-25Rとの詳細比較と、2025年モデルの進化点
- 後悔しないために知っておくべき、驚異のリセールバリュー
CBR250RRが売れないと言われる理由

まず結論から申し上げますと、CBR250RRは決して「不人気車」ではありません。むしろ、熱狂的なファンを持つ名車です。しかし、ネット上で「売れない」と囁かれ、検索候補に出てきてしまうのには、現代のバイク事情を反映した明確な理由があります。
ここでは、なぜそのような評判が立ってしまうのか、ユーザー心理や市場の構造的変化から深掘りしていきましょう。
人気がないと誤解される原因
「最近、街であまりCBR250RRを見かけなくなった気がする…だから売れていないのでは?」と感じる方がいるかもしれません。確かに、数字だけを見れば、販売台数が爆発的に伸びていた数年前に比べると、落ち着きを見せているのは事実です。
しかし、ここで見落としてはいけないのが、比較対象となっているライバルたちの存在と、250ccクラス全体のトレンド変化です。現在の250cc市場は、はっきり言って「異常事態」と言えるほどの偏りを見せています。
Rebel 250という「怪物」の存在
最大の要因は、同じホンダのクルーザーモデル「Rebel 250(レブル250)」の爆発的なヒットです。年間1万台規模で売れ続け、もはや国民的バイクとも言えるシェアを誇っています。足つきが良く、ファッション性が高く、誰でも気軽に乗れるレブルと比較されれば、どんなバイクでも「売れていない」ように見えてしまうのです。
販売台数の実情(2023年データ参照)
二輪車新聞などのデータによると、CBR250RRの年間販売台数は約2,400台前後で推移しています。レブルの1万台には及びませんが、100万円近い価格帯の尖ったスポーツバイクが年間2,000台以上売れているというのは、実はものすごいことなんです。
「大衆車」から「専門車」へのシフト
かつての250ccクラスは「安くてそこそこ走る」のが正義でしたが、現在は「用途の細分化」が進んでいます。
- Rebel 250 / エリミネーター: 街乗り、ファッション、足つき重視(マス層)
- CBR250RR / ZX-25R: スポーツ走行、峠、サーキット、メカ好き(コア層)
つまり、CBR250RRは万人に売れる「大衆車」としての役割を降り、「本当に走りが好きな人」だけが選ぶ「専門車」へと進化したと言えます。街で見かける頻度が減ったのは、人気がないからではなく、ターゲット層がよりコアな方向へ絞り込まれた結果なのです。
前傾姿勢で疲れるという評判

CBR250RRのデザインは、MotoGPマシンを彷彿とさせるアグレッシブなもので、所有欲を強烈に満たしてくれます。しかし、そのカッコよさと引き換えに設定されたライディングポジションは、公道走行において「修行」とも呼ばれる過酷さを強いることがあります。「疲れる」というキーワードが検索される背景には、このスパルタンな設計思想があります。
トップブリッジ下のセパレートハンドル
CBR250RRのハンドルは、フロントフォークを固定するトップブリッジの下側に装着されています(いわゆる「トップ下」)。これにより、ライダーの上半身は深く前傾し、戦闘的な姿勢をとることになります。
この姿勢は、サーキットで風圧を避けたり、フロントタイヤに荷重をかけて旋回力を高めたりする上では理想的です。しかし、時速40km〜60kmで流す一般道や、姿勢を維持し続けるツーリングでは、以下の箇所に負担が集中します。
- 手首: 上半身の体重を腕で支えてしまい、腱鞘炎のような痛みに襲われる。
- 首と肩: 前傾姿勢で前を見るために常に首を持ち上げるため、強烈な肩こりを誘発する。
- 腰: ずっと前屈みの状態が続くため、腰痛持ちには辛い。
乗り方で変わる「疲れ」の質
ただし、ベテランライダーに言わせれば「手首が痛くなるのはニーグリップが甘い証拠」とも言えます。下半身(太ももと腹筋)で車体をしっかりホールドし、上半身の力を抜くことができれば、疲れは劇的に軽減されます。
疲れを軽減するポイント
信号待ちではタンクに手をついて休む、こまめに休憩をとってストレッチをするなど、スポーツバイク特有の「休み方」を覚えることも、CBR250RRと長く付き合うコツですね。
街乗りが辛いと感じる瞬間

「街乗り 辛い」という声も、オーナーの実感として非常によく聞かれます。私も試乗やレンタルで街中を走った経験がありますが、日本の交通事情、特に都市部の環境とCBR250RRの特性は、正直なところ相性が良いとは言えません。
低速域でのギクシャク感と熱気
CBR250RRのエンジンは高回転域で真価を発揮するようにチューニングされています。もちろん低速トルクもしっかり確保されていますが、渋滞路のような超低速走行では、アクセルワークに気を使います。
さらに深刻なのが「排熱」です。高性能な水冷エンジンは発熱量が多く、信号待ちが続くとすぐに水温が上昇し、冷却ファンが勢いよく回り始めます。カウルの隙間から上がってくる熱気は、夏場の街乗りではライダーの体力を容赦なく奪います。「コンビニに行くだけで汗だくになり、疲れてしまう」というレビューは、決して大げさではないのです。
積載性と取り回しのリアル
また、生活の足として使うには「積載性のなさ」もネックになります。リアシート下にはETC車載器と書類を入れたらもう満杯。ヘルメットホルダーも使いにくい位置にあったりして、ちょっとした買い物の荷物を積むのも一苦労です。
それでも街乗りする理由
ここまでデメリットを並べましたが、それでも街乗りする人がいるのはなぜか。それは、交差点を一つ曲がる、加速車線で合流する、そんな一瞬の挙動に「レーシングマシンの片鱗」を感じられるからです。その一瞬の快感のために、9割の苦痛を我慢できる。そういうドMな(失礼!)感性を持った人でないと、日常の足にするのは厳しいかもしれません。
おじさんライダーには厳しいか
CBR250RRの購入層を分析すると、10代・20代の若者に混じって、40代・50代の「リターンライダー」が大きな割合を占めていることに気づきます。経済的に余裕ができ、かつて憧れたレーサーレプリカ(NSR250RやCBR250RR MC22など)の再来として、このMC51型CBR250RRを選ぶのです。
「気持ち」と「身体」のギャップ
しかし、ここには切実な問題が発生します。頭の中では昔のように走れるイメージがあっても、数十年のブランクと加齢による筋力・動体視力の低下は隠せません。
「納車日は最高にテンションが上がったけど、100km走ったら翌日寝込んだ」「前傾姿勢でお腹がつっかえて苦しい」…そんな悲哀に満ちた書き込みが、SNSや掲示板で見受けられます。これが、「憧れで買ったものの、維持できずに早々に手放す」というサイクルを生み出し、結果として中古車市場に低走行車が溢れる=「売れていないように見える」一因となっています。
無理せず楽しむ「盆栽」という選択肢
ただ、私はおじさんライダーがCBR250RRに乗ることを全力で肯定したいです。無理に攻めたり、長距離を走らなくてもいいんです。ガレージで愛車を磨き、眺めながらコーヒーを飲む。たまに早朝の空いている道を軽く流す。
そんな「盆栽(見て楽しむ)」としての所有スタイルも、このクラス最高の質感を持つCBR250RRなら十分にアリです。「乗れないから売る」のではなく、自分に合ったペースで付き合えばいい。もしポジションが辛ければ、ハンドルアップスペーサーを入れたり、バーハンドル化するカスタムだってあります。周りの目なんて気にせず、自分の好きなバイクに乗るのが一番カッコいいおじさんだと私は思います。
買ってから後悔しないために
高い買い物ですから、「こんなはずじゃなかった」という後悔だけは避けたいものです。CBR250RRを買って後悔するパターンは、ほとんどが「用途のミスマッチ」です。
| こんな人にはおすすめしない(後悔リスク大) | こんな人には最高の相棒(満足度大) | 理由 |
|---|---|---|
| 通勤・通学がメイン用途 | 週末の峠やサーキット走行が目的 | 毎日乗るにはポジションと積載性が辛すぎる。 スポーツ走行なら最強。 |
| タンデム(二人乗り)デートをしたい | 基本はソロツーリング、孤高を楽しみたい | リアシートは「おまけ」レベル。 後ろの人は15分で限界を迎えます。 |
| 維持費やコスパを最優先する | 性能や質感、所有感にお金を払える | 乗り出し100万円は250ccとしては高額。 コスパならジクサー等が優秀。 |
もし、あなたが「通勤でも楽に使いたいし、キャンプも行きたい」と考えているなら、CBR250RRは茨の道です。しかし、「不便さを補って余りある、操る喜びと所有感」を求めているなら、迷わず契約書にハンコを押して大丈夫です。その選択は間違いではありません。
CBR250RRは売れない車種ではない

ここまで、CBR250RRのネガティブな側面や「人を選ぶ」理由について正直にお話ししてきました。ここからは視点を変えて、「売れない」という噂を真っ向から否定するポジティブな事実、すなわちCBR250RRが持つ圧倒的な実力と市場価値について解説します。
買取相場に見るリセール価値
バイクの人気を測る上で、最も嘘をつかない指標が「中古車買取相場(リセールバリュー)」です。本当に人気がない不人気車であれば、買取価格は暴落し、二束三文にしかなりません。
しかし、CBR250RRのリセールバリューは、250ccクラスの中でもトップクラスの高水準を維持しています。これは、「新車は高くて手が出ないけど、中古なら欲しい」という層が常に一定数存在し、需要が供給を上回っていることを証明しています。
具体的な買取相場のレンジ
| 車両状態(走行距離) | 買取相場の目安 | 解説 |
|---|---|---|
| 極上車(〜5,000km) | 約48万円 〜 52万円 | 高年式であれば、 新車価格の半値以上が戻ってくることも珍しくありません。 驚異的な数字です。 |
| 並上車(〜15,000km) | 約32万円 〜 40万円 | 最も取引が多いゾーン。 これだけの距離を走っていても、 30万円以上で売れるバイクはそう多くありません。 |
| 多走行車(25,000km〜) | 約20万円 〜 28万円 | 消耗品の交換時期と重なるため下がりますが、 それでも値段がつかないことはまずありません。 |
なぜ値崩れしないのか?
CBR250RRが高値を維持できる理由は、国内人気だけではありません。インドネシアなどの東南アジア諸国でも絶大な人気を誇っており、海外への輸出ルートが確立されていることも強みです。また、JP250などのレースベース車としての需要や、カスタムパーツとしての部品取り需要も旺盛です。
つまり、「CBR250RRを買うこと=資産を持つこと」と言っても過言ではありません。大切に乗っていれば、乗り換える際にも強力な頭金となってくれるはずです。
ライバルZX-25Rとの比較
CBR250RRの販売に最も影響を与えたライバル、Kawasaki ZX-25R。「250cc唯一の4気筒エンジン」という強烈な個性を持つZX-25Rと、2気筒最強のCBR250RR。どちらを買うべきか、永遠のテーマのように語られますが、実はこの2台、目指している方向性が全く異なります。
4気筒(ZX-25R)の魅力と弱点
ZX-25Rの最大の魅力は、なんといっても「音(サウンド)」と「高回転の伸び」です。17,000回転以上回るエンジンのF1のような甲高い音は、ライダーの脳内麻薬をドバドバ出させます。しかし、4気筒エンジンは部品点数が多く重いため、車重が重くなる(約184kg)という物理的なデメリットがあります。また、低回転のトルクは細く、街乗りでの俊敏さには欠ける場面もあります。
2気筒(CBR250RR)の武器は「軽さ」と「瞬発力」
一方、CBR250RRは2気筒エンジンの恩恵で車体が軽く(約168kg)、ZX-25Rより15kg以上軽量です。この「軽さ」は、コーナーの切り返しやブレーキング、そして立ち上がりの加速で圧倒的なアドバンテージになります。
- コーナーリング: ヒラヒラと舞うような軽快感はCBRの独壇場。
- 加速力: 中低速からのパンチ力があり、ストップ&ゴーの多い日本の峠道では実はCBRの方が速い場面も多い。
「官能的なサウンドに酔いしれたいならZX-25R」、「人馬一体となってマシンを操り、タイムを削りたいならCBR250RR」。このようにキャラクターが明確に分かれているため、ZX-25Rが出たからといってCBRの価値が消えることはないのです。
2025年の新型モデルへの期待
「売れないなら生産終了するのでは?」という噂を一蹴するように、HondaはCBR250RRの進化を止めません。2024年のミラノショー(EICMA)などで示唆されている通り、2025年モデル(新型)の投入が確実視されています。
さらなる熟成が進む「完成形」へ
2025年モデルでは、外観のデザイン変更(特にカウル形状やウイングレットの採用による空力特性の向上)に加え、エンジン内部にも手が加えられる見込みです。ピストンのフリクション低減や圧縮比の見直しにより、最新の排ガス規制(ユーロ5+等)に対応しつつ、出力を維持・向上させてくると予想されます。
これは、Hondaが「2気筒スポーツの頂点は譲らない」という強い意志表示です。モデルチェンジが行われるということは、メーカーが市場性を認めている証拠。部品供給やアフターサービスの面でも、今後長く安心して乗れるモデルであることは間違いありません。
意外とかからない維持費と燃費
車両本体価格は90万円〜100万円クラスと、大型バイク並みの価格になってしまったCBR250RRですが、購入後の「ランニングコスト」に関しては、しっかりと250ccクラスのメリットを享受できます。
お財布に優しい「レギュラー仕様」と燃費
まず大きなポイントは、これだけのハイスペックエンジンでありながら、基本的に「レギュラーガソリン仕様」であることです(※年式やECUチューンによりますが、純正はレギュラー対応)。ハイオク指定の多い輸入車や大型SSに比べ、ガソリン代の差は長く乗るほど効いてきます。
燃費に関しても、ツーリングペースであればリッター25km〜30km以上伸びることも珍しくありません。タンク容量は14リットルあるので、ワンタンクで350km〜400km近い航続距離を確保できます。「初期投資は高いけれど、日々の維持費は原付+αレベル」というのは、学生さんや若いライダーにとっても非常に心強い味方です。
タイヤ代や消耗品もリーズナブル
タイヤサイズも、フロント110、リア140という標準的な250ccサイズを採用しています。大型バイクの極太タイヤに比べれば、タイヤ交換の費用は半分〜2/3程度で済みます。オイル交換の量も少なく、車検もない。
「CBR250RRは金持ちの道楽バイク」と思われがちですが、実は「一度買ってしまえば、維持するのはとても現実的で経済的なバイク」なのです。
CBR250RRに関するよくある質問

最後に、これからCBR250RRオーナーになりたいと考えている方から、私のブログやSNSによく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。購入前の最後の不安解消に役立ててください。
- 免許取りたての初心者ですが、いきなり乗っても大丈夫ですか?
-
結論から言うと、全く問題ありません!むしろおすすめです。 CBR250RRには「ライディングモード」という電子制御が搭載されています。「Comfort」「Sport」「Sport+」の3段階でエンジンの出力特性を変えられるので、最初はマイルドな「Comfort」モードで練習すれば、急発進の怖さもなく安心して乗れます。車体が軽いので、立ちゴケのリスクも大型バイクよりずっと低いです。ただし、カウルを割ると修理費が高いので、最初はエンジンガードやスライダーの装着を強く推奨します。
- 自分でメンテナンスはできますか?整備性は悪いと聞きましたが…
-
正直にお答えすると、整備性は「悪い」部類に入ります。 フルカウル車の宿命ですが、プラグ交換やエアクリーナーの清掃をするだけでも、サイドカウルやタンクを外す大掛かりな作業が必要です。カウルの爪(ツメ)も繊細で、慣れていないとバキッと折ってしまうことも…。 オイル交換やチェーン清掃くらいなら初心者でも楽しめますが、カウル脱着を伴う整備は、信頼できるバイクショップにお任せするのが無難です。「整備はお店に任せて、自分は走ることに集中する」というスタイルが、このバイクには合っているかもしれません。
CBR250RRが売れない噂のまとめ
今回は、「CBR250RR 売れない」という検索キーワードの裏側にある真実について、かなり踏み込んで解説してきました。
結局のところ、「売れない」と言われる正体は、バイク自体の欠陥や不人気ではなく、「Rebel 250などの大衆向けモデルとの差別化が進み、よりコアなライダー向けのプレミアムな存在になった」という市場の変化でした。
- 通勤や買い物での快適性を求めるなら、CBR250RRは「不便で疲れるバイク」かもしれません。
- しかし、週末の峠道やサーキットで、自分の手足のようにマシンを操る喜びを求めるなら、これほど「濃密で刺激的なバイク」は他にありません。
「誰にでも勧められる優等生」ではありませんが、「ハマる人には一生モノの体験」を提供してくれる。それがCBR250RRというバイクです。もしあなたが、この記事を読んで「不便さも含めて愛せそうだ」「やっぱりあのスタイルが好きだ」と感じたなら、迷わず販売店へ足を運んでください。(出典:二輪車新聞『二輪車販売台数データ』)
2025年には新型も登場し、CBRの伝説はまだまだ続きます。周りの雑音や検索ワードに惑わされず、あなたの心が震える一台を選んでくださいね。きっとその先には、最高のバイクライフが待っています!
