こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
フルカウルスポーツの鋭いスタイリングと、400ccならではの扱いやすさを両立したCBR400R。
休日は山口県の角島や秋吉台へツーリングに出かけるのが私の楽しみなんですが、このバイクに乗っていると必ず直面する悩みがあります。それが、「荷物が全然積めない問題」です。
特にロングツーリングやキャンプを考えた時、サイドバックの導入を検討する方は多いはず。
でも、ネットで検索しても「マフラーに干渉して溶けた」「タイヤに巻き込んで怖かった」なんて怖い体験談が出てきて、二の足を踏んでしまいますよね。
それに、せっかくのカッコいいリア周りのデザインを、無骨なステーで崩したくないという気持ち、痛いほど分かります。
そこで今回は、私自身のリサーチと経験を元に、CBR400Rの年式ごとの適合情報から、スタイルを崩さないおすすめのバッグ選びまで、徹底的に解説していきます。
- CBR400Rでサイドバックを使う際の法的なリスクと安全マージン
- NC47、NC56、最新NC65型ごとの「適合ステー」の探し方
- デイトナ製サポートがなぜ市場で圧倒的に支持されているのか
- マフラー熱でバッグを溶かさないための具体的な50mmルールと対策
CBR400R用サイドバックの適合と選び方

CBR400Rにサイドバックを導入するプロジェクトは、単に気に入ったバッグを買ってくるだけでは完了しません。特にスーパースポーツの系譜を受け継ぐこのバイクは、リア周りの設計が極限までシェイプアップされているため、積載に関しては少し工夫が必要です。まずは、安全に、そして確実にバッグを取り付けるための「土台選び」から深掘りしていきましょう。
サイドバッグサポートやステーの必要性
結論から申し上げますと、CBR400Rにサイドバックを取り付ける場合、車種専用の「サイドバッグサポート(ステー)」の導入は絶対条件です。「たまにしか使わないから、汎用バッグをベルトで吊るすだけでいいや」という考えは、CBR400Rにおいては非常に危険な賭けになります。
なぜそこまで言い切れるのか。理由はCBR400R特有の「リアカウルの形状」にあります。ネイキッドバイクのようにリアショックが外側に出ていたり、シートレールが太かったりすれば、それが自然とバッグの支えになります。しかし、CBR400Rのリア周りは空力特性を考慮して逆三角形に絞り込まれており、バッグを内側から支える物理的な壁が存在しません。
この状態で走行するとどうなるか。コーナリング中のGや路面のギャップでバッグが内側へと振られ、高速回転しているリアタイヤやチェーンに接触します。布製のバッグがタイヤに巻き込まれると、一瞬で引きちぎられるだけでなく、最悪の場合は後輪がロックして転倒事故に繋がります。
法令遵守の観点からも重要
タイヤへの巻き込み防止措置は、道路運送車両法の保安基準においても重要なポイントです。また、固定が不十分で垂れ下がったバッグがリアウインカーやテールランプを隠してしまうと、整備不良として取り締まりの対象になる可能性があります。(出典:国土交通省『道路運送車両の保安基準』)
このように、サイドバッグサポートは単なる「固定具」ではなく、ライダーの命と愛車を守るための「安全装置」であると認識してください。数千円〜1万円程度のコストを惜しんで、数十万円の修理費や怪我のリスクを負うのは割に合いません。
NC56など年式別の適合情報を解説
CBR400Rは長い歴史の中でモデルチェンジを繰り返しており、特にリアフレーム周辺の構造は世代によって大きく異なります。ネットオークションや通販サイトでパーツを探す際は、自分の愛車がどの「型式」なのかを正確に把握しておくことが、買い間違いを防ぐ第一歩です。
NC47型(2013年〜2018年モデル)
初期〜中期のモデルであるNC47型は、スポーツツアラーとしての性格が強く、リアシートの座面も比較的広めに確保されていました。この世代は、まだリアカウルの絞り込みが穏やかだったため、汎用品の適合範囲も広めです。ただし、発売から時間が経過しているため、キジマ製などの専用サポートは既に廃番になっているケースが多く、新品での入手難易度は上がっています。中古パーツ市場や、在庫を持っている店舗を探すのが現実的なルートになるでしょう。
NC56型(2019年〜2021年モデル)
デザインが一新され、より「CBR」らしいアグレッシブな見た目になったのがこのNC56型です。リアカウルは跳ね上がり、マフラーの角度も鋭くなりました。この変更により、積載の難易度は一気に上がりました。この世代以降、汎用品のポン付けはほぼ不可能となり、専用設計のサポートが必須となりました。市場に出回っているサイドバッグサポートの多くは、このNC56型をメインターゲットに開発されています。
8BL-NC65型(2024年モデル〜)
最新の2024年モデルは、外装デザインが刷新されるとともに、クロスオーバーモデルの「NX400」と多くの部品を共有化しています。ここで注意したいのが、「NC56用のパーツがそのまま付くとは限らない」という点です。ボルト穴の位置が数ミリ違うだけで取り付けられないこともあります。基本的には「2024年〜対応」と明記された製品を選ぶか、NX400と共通品番になっている純正アクセサリーを選ぶのが確実です。
デイトナ製サポートが選ばれる理由
CBR400R(特にNC56型以降)のオーナーの間で、サイドバッグサポートといえば「デイトナ」というくらい、圧倒的なシェアを誇っています。私もいろいろ調べましたが、結局デイトナ製に行き着くのには、カタログスペックだけでは分からない「ユーザー心理を突いた理由」があるんです。
1. 左右「バラ売り」という神対応
通常、この手のサポートは左右セットで売られることが多いのですが、デイトナは「左側専用(品番28210)」「右側専用(品番28209)」として個別に販売しています。これが本当にありがたい!
CBR400Rは右側にマフラーがあるため、「熱対策が面倒だから右側にはバッグを付けたくない」「通勤のカッパ入れだけなら左側だけで十分」というユーザーが非常に多いんです。不要な右側を買わなくて済むので、コストを半分に抑えられます。
2. 「付けていない時」もカッコいい
週末ライダーにとって、サイドバッグを付けていない時間の方が圧倒的に長いです。デイトナのサポートは、シンプルな一本のバー形状で、マットブラック塗装が施されています。これがCBR400Rのフレームやフェンダーの色に馴染んで、バッグを外していても「いかにもステーが付いてます!」という野暮ったさがないんです。スポーツバイクの造形美を邪魔しないデザインは、所有欲を満たす上で重要なポイントですよね。
3. 確実な剛性と安全性
スチール製の極太バーは、推奨積載量こそ「片側3kg以下」と控えめですが、これは走行中の振動負荷を考慮した安全マージン込みの数値です。実際手に取ってみると分かりますが、かなり頑丈です。車種専用設計なので、ボルトオンでガッチリ固定でき、バッグが内側に振れるのを物理的にシャットアウトしてくれます。
マフラーへの干渉と巻き込みの対策
CBR400Rでサイドバッグを運用する上で、避けて通れない最大のハードルが「マフラーの排気熱」です。右出しのアップマフラーは、コーナリングでのバンク角を稼ぐためのレーシーな設計ですが、これがバッグにとっては最悪の熱源となります。
50mmルールの厳守
デイトナの取扱説明書にも記載されていますが、「マフラーとバッグ底面の間には、最低でも50mm(5cm)以上の隙間を確保する」ことが鉄則です。排気ガスは数百度の高温になり、直接当たらなくても、周囲の空気に対流して熱を伝えます。特にナイロンやターポリンといった化学繊維は熱に弱く、一度溶けると修復不可能です。
具体的な対策テクニック
では、どうやって50mmを確保するか。まず、バッグ選びの時点で「縦の長さが短いもの」を選ぶのが基本です。そして取り付け時、左右を繋ぐベルトの長さを調整して、バッグの位置を限界まで高くします。
それでも不安な場合は、物理的な断熱対策を行いましょう。ホームセンターのキッチン用品売り場やバイク用品店で売っている「アルミ蒸着の耐熱シート」を購入し、バッグの底面(マフラーに近い部分)に貼り付けます。これだけで輻射熱を反射し、バッグへのダメージを劇的に減らせます。1000円以下でできる、コスパ最強の保険ですよ。
純正品やNX400流用の可能性
「社外品のごちゃごちゃした感じが嫌だ」「もっとスマートに装着したい」という方には、ホンダ純正アクセサリーという選択肢も残されています。特に最新の8BL-NC65型やNX400向けには、メーカー純正のサイドバッグとアタッチメントが用意されています。
純正品の最大の強みは、その「フィッティングの完璧さ」です。車体のデザイン段階から同時開発されているため、カウルのラインにぴったり沿うように作られており、空力特性への影響も最小限に抑えられています。また、独自の「イージーロックシステム」のような機構が採用されている場合、ワンタッチで着脱できる利便性も魅力です。
純正品導入の注意点
- コストが高い:バッグ本体とアタッチメントを合わせると、10万円を超える出費になることもあります。デイトナ製+社外バッグの3倍以上の価格差です。
- 拡張性の制限:「純正リアシートバッグとの同時装着不可」といった制約がある場合が多いです。フルパニア化を目指す場合は、カタログの注意書きを熟読する必要があります。
また、兄弟車であるNX400のパーツ流用についても触れておきます。確かにフレームの一部は共通ですが、リアカウルの厚みやウインカーの位置が微妙に異なることがあります。「NX400用だから付くだろう」と安易に購入せず、必ず「CBR400R対応」の表記を確認するか、人柱覚悟で挑む必要があります。基本的には、適合保証のあるパーツを選ぶのが無難ですね。
CBR400Rにおすすめのサイドバック

サポートステーの準備ができたら、いよいよ主役であるバッグ選びです。市場には無数のサイドバッグが存在しますが、CBR400Rのスタイリングや用途にマッチするものは限られてきます。「防水性」「容量」「見た目」の3つの軸で、私が自信を持っておすすめできるモデルを厳選しました。
完全防水のハードシェルタイプ
「ツーリング中に雨が降ってきても、いちいちレインカバーを掛けるのは面倒くさい!」という方、あるいは「パソコンやカメラなどの精密機器を運びたい」という方には、ハードシェルやセミハードタイプのバッグが最適解です。
SHAD(シャッド)「SW42」
Webikeなどの用品ランキングでも常に上位に君臨しているのが、スペインのブランドSHADの「SW42」です。このバッグの凄いところは、ソフトバッグの手軽さとハードケースの堅牢さをいいとこ取りしている点です。
完全防水仕様なので中の荷物が濡れる心配がありませんし、何より「鍵によるロック機構」が付いているのがデカい!サービスエリアでの休憩中、バッグの中身を盗まれる心配をしなくて済むのは精神衛生上とても良いです。見た目もパニアケースに近いので、CBR400Rが欧州のスポーツツアラーのような重厚な雰囲気に変わります。
タナックス「ツアーシェルケース2」
日本のツーリングバッグ界の王者、タナックスが送る「ツアーシェルケース2」も外せません。こちらはポリカーボネート製の硬質素材を使っており、角張ったデザインが特徴です。この「四角さ」が実は重要で、キャンプ用のバーナーやコッヘルといった箱状の道具を、デッドスペースなくきっちり詰め込めるんです。
従来のモデルは専用テーブルが必要だったりしましたが、現行モデルは「イージーベース」というシステムで、シートに巻きつけるだけで強固に固定できます。CBR400Rの細いリアシートでも安定感は抜群です。
キャンプツーリング向きの大容量モデル
「CBR400Rでキャンプに行きたい!」という夢を持っているなら、片側20Lクラスの大容量バッグが必要です。キャンプ道具はかさばるものが多く、特にシュラフやマットを収納するにはそれなりのサイズが求められます。
このカテゴリーでは、やはりタナックスの「モトフィズ」シリーズや、ゴールドウインのスポーツシェイプサイドバッグが優秀です。これらのモデルの多くは「容量可変機能」を持っています。ファスナーを一つ開けるだけで、バッグの幅が広がり、容量が数リットル増えるんです。
行きは食材や薪がないのでスリムな状態で走り、帰りは現地の道の駅で買った野菜やお土産を拡張スペースに詰め込んで帰る。そんなフレキシブルな使い方ができるのが魅力です。CBR400Rのリアシートに大型のシートバッグを載せ、左右にこのサイドバッグを装備すれば、合計100L近い積載も夢ではありません。
スポーティな見た目のソフトバッグ
「あくまでCBR400Rはスポーツバイク。ゴツゴツした箱を付けて、軽快なイメージを壊したくない」という美学をお持ちの方もいるでしょう。そんな方には、デイトナの自社ブランド「Henly Begins(ヘンリービギンズ)」のDH-725などがベストマッチです。
このバッグの最大の利点は、記事の前半で紹介した「デイトナ製サイドバッグサポート」との相性が、世界で一番良いということです(同じメーカーですから当然ですが)。
サポートのバーを通すためのスリット位置や、固定ベルトの長さが完璧に計算されており、取り付けに迷うことがありません。デザインもカーボン調やブラック単色などシンプルで、CBR400Rの尖ったテールデザインに自然に溶け込みます。「純正オプションです」と言われても違和感がないレベルの一体感を出せるので、カスタムの完成度を高めたい方におすすめです。
サイドバッグの付け方と固定のコツ
素晴らしいバッグを手に入れても、取り付け方が甘いと走行中にズレたり、車体を傷つけたりして台無しになってしまいます。ここでは、失敗しない取り付けのノウハウを共有します。
1. 左右のバランスと「遊び」の排除
まず、左右のバッグを繋ぐフラップ(面ファスナー)の長さを調整し、バッグの高さが左右均等になるようにします。この時、シートの上で仮置きして位置を決めますが、実際に荷物を入れた時の沈み込みも考慮して、気持ち高めに設定するのがコツです。
そして固定ベルトですが、ただ締めるだけでなく、余ったベルトが風でバタつかないように処理することも重要です。バタついたベルトがホイールに巻き込まれると大惨事になります。ウェブドミネーターなどのベルトまとめ具を使うか、ビニールテープでしっかり束ねておきましょう。
2. プロテクションフィルムは必須
これは声を大にして言いたいのですが、「バッグと車体が触れる部分には、必ず保護テープを貼ってください」。
どんなにしっかり固定しても、走行中のバイクは微細に振動しています。バッグの裏地やベルトがカウルと擦れ続けると、まるでヤスリがけをしたように塗装が曇り、最悪の場合は塗装が剥げて地が出てしまいます。
専用のプロテクションフィルムも売っていますが、100円ショップの養生テープや、家具の傷防止フェルトなどでも代用可能です。見た目は隠れてしまう部分なので、なりふり構わず厚めに貼って、愛車の塗装を守り抜きましょう。
フェンダーレス時の装着などQ&A

最後に、サイドバッグ導入にあたってよく聞かれる質問や、カスタム車両ならではの悩みについて、Q&A形式で回答していきます。
- フェンダーレスキットを付けているけど、サイドバッグは付く?
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残念ながら、基本的には併用不可と考えてください。フェンダーレス化するとウインカーの位置が内側に引っ込んだり、前方に移動したりするため、バッグ本体と干渉します。また、サイドバッグサポートの取り付け基部がフェンダーレスキットと共締めできないケースも多々あります。積載を取るか、見た目を取るか、究極の二択になります。
- 社外マフラーに交換していても大丈夫?
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マフラーの形状次第です。純正と同等の角度・太さなら問題ありませんが、さらにカチ上げているタイプや、サイレンサーが太いタイプは要注意。50mmのクリアランスが確保できなければ装着は諦めるか、左側のみの運用に切り替えましょう。現車合わせでの確認が必須です。
- サポートを掴んでタンデムしたり、取り回しをしてもいい?
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絶対にNGです!サイドバッグサポートは、あくまでバッグが内側に入らないようにする「つっかえ棒」です。人間が体重をかけるような強度は想定されていません。アシストグリップ代わりに使うと、溶接部分からポッキリ折れたり、取り付けボルトがせん断したりします。取り回しの際は、必ず車体の本来の場所を持ってください。
CBR400Rのサイドバック導入まとめ
CBR400Rへのサイドバック導入について、技術的な適合からおすすめ製品まで長々とお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事の要点まとめ
- CBR400Rの積載には、年式に合った「サイドバッグサポート」が絶対に必要。
- NC56型以降なら、左右別売りでスタイリッシュなデイトナ製が最適解。
- マフラー熱によるバッグ溶解を防ぐため、「50mmルール」と耐熱シート活用を徹底する。
- 用途に合わせて、完全防水のSHADや、拡張性の高いタナックスなどを選ぶ。
- 車体の傷防止(プロテクション)は、納車直後やバッグ取り付け前に必ず行う。
スポーツバイクであるCBR400Rに荷物を積むことは、一見すると矛盾しているように思えるかもしれません。しかし、適切なパーツを選び、正しい知識で取り付ければ、そのスポーティな走りはそのままに、どこまでも走っていける「最強のツアラー」へと進化させることができます。
私も最初は「せっかくのCBRがダサくなるんじゃないか…」と不安でしたが、実際にサイドバックを付けて角島までキャンプツーリングに行った時の感動は忘れられません。お土産も買えるし、雨具もすぐに取り出せる。この利便性を手に入れたら、もう元には戻れませんよ。
この記事が、あなたのCBR400Rライフをより豊かにするきっかけになれば嬉しいです。それでは、安全運転で良い旅を!
