こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
2022年に待望のモデルチェンジを果たし、型式がJA45からJA60へと進化したクロスカブ110。
ディスクブレーキの採用やキャストホイール化など、走りの性能が劇的にアップデートされましたよね。
新しい相棒との生活に胸を躍らせている方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ自分好みにカスタムしようとパーツを探し始めると、ふと手が止まってしまう瞬間があるはずです。
「前のモデル用のマフラーはそのまま付くのかな」「Amazonで売ってる安いキャリアはJA60にも対応してるの」といった、適合に関する不安です。
実は、JA60はエンジンの中身からフレームの細部まで刷新されているため、JA45用パーツとの互換性がないケースが多々あります。
せっかく買ったパーツが付かないなんて悲劇は絶対に避けたいですよね。
そこで今回は、JA60オーナーである私が、現在市場に出回っているカスタムパーツを徹底的にリサーチし、絶対に失敗しないパーツ選びの極意と、おすすめのアイテムを厳選してご紹介します。
- JA60専用設計のマフラーやシフトガイドなど愛車の性能を底上げするパーツがわかる
- キャンプツーリングや日本一周も夢じゃない最強の積載・電装系カスタムの正解が見える
- JA45(旧型)とのパーツ互換性や購入時に注意すべき型式確認のポイントを深く理解できる
- 実用派からルックス重視派まで自分のスタイルに合ったカスタムの方向性を明確にできる
性能向上!クロスカブ110(JA60)カスタムパーツ

まずは、クロスカブの持つポテンシャルを引き出し、走りをよりエキサイティングにする機能系パーツの世界をご案内します。JA60は新設計のロングストロークエンジンを搭載し、足回りもディスクブレーキ化されるなど、基本性能が大幅に向上しています。
だからこそ、そのバランスを崩さずに性能を伸ばすには、「JA60専用設計」のパーツを選ぶことが何よりも重要です。マフラーから操作系、足回りに至るまで、こだわりのアイテムを見ていきましょう。
政府認証マフラーの排気音と規制
オートバイのカスタムにおいて、最も満足度が高く、かつ最も慎重に選ばなければならないのがマフラーです。純正の静かなマフラーも近隣への配慮という意味では優秀ですが、やはり単気筒エンジン特有の「トトトッ」という歯切れの良い排気音を楽しみたいというのがライダーの性ですよね。しかし、JA60のマフラー選びには、旧型モデル以上に厳しいチェックポイントが存在します。
まず、最大の壁となるのがエンジンの仕様変更です。JA60に搭載されている「JA59E」型エンジンは、ボア×ストロークが47.0×63.1mmというロングストローク設定に変更されました。これにより、排気ポートの位置や排気ガスの流れる特性が、旧型のJA45とは別物になっています。
加えて、最新の「平成32年(令和2年)排出ガス規制」に対応するため、マフラー内部には高性能な触媒(キャタライザー)の装備が必須となりました。これらの理由から、JA45用のマフラーを無理やり装着することは物理的にも法規的にも不可能です。
「政府認証」がないと公道を走れません!
日本の公道で合法的に使用できる社外マフラーには、必ず「政府認証プレート(JMCAプレートなど)」が溶接されています。これがない競技用マフラーや、規制値をクリアしていない海外製マフラーを装着すると、整備不良で切符を切られるだけでなく、車検のない原付二種であっても取り締まりの対象となります。何より、環境や周囲への迷惑になりますので、必ず「JA60対応」かつ「政府認証」の製品を選びましょう。
では、具体的にどのメーカーの製品が良いのでしょうか。私がリサーチした中で特におすすめなのが以下の3大ブランドです。
| メーカー | 製品名・特徴 | 音質・狙い |
|---|---|---|
| SP武川 | P-SHOOTER (キャブトンスタイル) 往年の名車CL72をモチーフにしたレトロなデザイン。 JA60用は近接排気騒音が85dB(A)に設定されています。 | 純正よりも明確に元気なサウンド。 ツインテールパイプ構造によるパルス感が、カブの鼓動を強調してくれます。 |
| モリワキ | MONAKA (モナカ) 2枚の金属板を合わせた独特のモナカ構造。 レース活動からフィードバックされた技術が詰まっています。 | 低音が効いたジェントルな音質。 「モリワキ」というブランドの所有感が凄まじいです。 |
| ヨシムラ | GP-MAGNUM 性能至上主義のヨシムラらしい、ストレート構造のサイレンサー。 軽量化による運動性能アップも魅力。 | スポーティーで吹け上がりの良いサウンド。 高回転まで回した時の伸びが気持ちいい仕様です。 |
これらの製品はすべて、ホンダが公式に発表しているJA60のエンジン諸元や車体構造に合わせて専用開発されています(出典:本田技研工業『「スーパーカブ110」「クロスカブ110」をモデルチェンジし発売』)。特にSP武川のP-SHOOTERは、JA45用モデルよりもあえて音量を少し大きく設定するなど、規制の範囲内で最大限に「操る楽しさ」を演出しようという気概を感じます。「カブだから静かでいい」ではなく、「カブだからこそ、心地よい音と共に走りたい」。そんな願いを叶えてくれる一本を見つけてください。
評価が高いシフトガイドで操作改善
クロスカブに乗っていて、「信号待ちからの発進で1速に入らない」「シフトダウンでペダルがグニャッとして気持ち悪い」と感じたことはありませんか? これはあなたの操作が下手なわけでも、バイクが故障しているわけでもありません。実は、カブ系エンジンの構造的な宿命とも言える現象なのです。
カブのシフトチェンジシャフトは、エンジンのクランクケースから左側へ長く突き出した構造になっています。私たちが左足でシフトペダルを踏み込むたびに、この長いシャフトには「回転させる力」だけでなく、「下方向に曲げようとする力(たわみ)」がかかります。この「たわみ」が抵抗となり、力が逃げてしまうことで、ギアの入りが悪くなったり、曖昧な操作感を生んでしまうのです。特にJA60のような新型車であっても、この基本構造は変わっていないため、どうしても発生してしまうネガティブな要素と言えます。
そこで強くおすすめしたいのが、Gクラフト(G-Craft)製の「シフトガイド」というパーツです。これは、まさに「コロンブスの卵」的な発想のアイテム。アルミ削り出しの高精度なプレートに、高性能なニードルベアリングを圧入し、それをエンジンの外側に装着することで、長く突き出したシフトシャフトの中間地点を物理的に支えるのです。
シフトガイドの効果メカニズム
シャフトを「点」ではなく「2点(エンジン内部とシフトガイド)」で支えることになるため、ペダルを踏み込んだ時の「たわみ」が劇的に解消されます。結果として、踏力(足の力)がロスなく100%回転運動に変換され、ギアが吸い込まれるように入るようになります。
実際にこのパーツを導入したユーザーからは、「シフトフィールが激変した」「『カチャン』という硬い感触から、『スコッ』という小気味よい感触に変わった」「幻のニュートラルに入ることが減った」といった絶賛の声が多数上がっています。価格は数千円から1万円程度と、マフラー交換などに比べれば非常に安価ですが、その効果は走り出した瞬間に体感できるレベルです。
毎日の通勤やツーリングで何百回、何千回と繰り返すシフト操作だからこそ、そのストレスをゼロにすることは、バイクライフの質を大きく向上させてくれます。カスタム初心者の方が最初に手をつけるパーツとしても、これ以上のものはないと断言できます。
キャストかスポークかホイール選択
JA60へのモデルチェンジで最も議論を呼んだ変更点、それが「キャストホイール化」ではないでしょうか。メーカーとしては、チューブレスタイヤを採用することでパンク時の修理を容易にし(釘が刺さっても急激に空気か抜けない)、ホイール剛性を上げて走行安定性を高めるという、非常に合理的かつ実用的な進化を目指しました。実際、ツーリング先でパンクした時の安心感は段違いですし、コーナーでのカチッとした接地感は現代のバイクそのものです。
しかし、カブという乗り物には「実用性」と同じくらい、「情緒」や「歴史」を求めるファンが多いのも事実。「カブといえば、あの繊細に編み込まれたスポークホイールでしょ!」「キャストホイールはビジネスバイクっぽさが薄れてしまう」という声も根強くあります。また、スポークホイール特有の適度な「しなり」が、路面のギャップを吸収し、柔らかい乗り心地を生み出していた側面も見逃せません。
そんな「スポーク派」のJA60オーナーのために、アフターパーツ市場ではJA60専用のスポークホイール化キットや、アルミリムへの換装サービスが登場しています。ここで極めて重要なのが、前述した「ブレーキシステムの違い」です。
絶対にJA45用のホイールは流用できません!
旧型のJA45は前後ともドラムブレーキでしたが、JA60はフロントがディスクブレーキです。そのため、ホイールの中心にある「ハブ」の形状、アクスルシャフトの径、フォークの幅など、すべてが異なります。ネットオークションなどで安易に「カブ用ホイール」を入手しても、JA60には絶対に装着できません。
JA60をスポーク化する場合、純正のディスクブレーキシステムに対応した専用のハブ(多くは純正ハブを使用するか、専用設計の社外ハブ)を用いて、リムとスポークを組み上げる必要があります。これは高度な技術を要するカスタムですが、完成した時の姿は圧巻です。最新のディスクブレーキと、クラシカルなスポークホイールの組み合わせは、往年のスクランブラーバイクのような独特の色気を醸し出します。もちろん、タイヤはチューブタイプに戻ることになりますが、その「不便さ」すらも愛おしく思える、こだわりのカスタムと言えるでしょう。機能性を取って純正キャストで行くか、ロマンを求めてスポークへ回帰するか。あなたのカブ愛が試される選択です。
外装ガードとアンダーフレーム装着
クロスカブという名前が示す通り、このバイクのルーツは「クロスオーバー」、つまり街乗りとオフロードの融合にあります。実際に林道を攻めるかどうかは別として、そのタフなイメージを強調する「ガード系パーツ」は、カスタムの定番中の定番です。JA60においては、見た目のドレスアップだけでなく、実質的な保護機能を兼ね備えたパーツ選びが重要になります。
まず、JA60オーナーに真っ先に装着を検討してほしいのが「ABSセンサーガード」です。これはJA60特有の事情によるものです。フロントホイールの左側を覗き込むと、ブレーキディスクの内側に小さな黒いセンサーが付いているのが見えるはずです。これがABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の回転センサーなのですが、その位置が絶妙に低く、路面に近いのです。もし砂利道などで跳ね上げた石や、倒木などの枝がここにヒットすると、センサーが破損し、ABS警告灯が点灯してシステムが停止してしまいます。修理代も馬鹿になりません。
アウトスタンディングMCなどのメーカーからは、このセンサーを物理的に覆って守るアルミ製のガードが販売されています。価格は千円〜数千円と安価ですが、高価な純正部品を守る保険としては非常に優秀です。アルマイト加工されたレッドやブラックのガードは、足元のメカメカしさを強調するワンポイントアクセントにもなります。
次に人気なのが、SP武川の「アンダーフレームキット」です。エンジンの下部をぐるりと囲むパイプフレームで、本来はエンジンを岩などのヒットから守るためのものですが、クロスカブにおいては「車体のボリュームアップ」という視覚効果が絶大です。純正のままだと少し華奢に見えるエンジン周りが、これを付けるだけで一気にマッシブで強そうな印象に変わります。また、このフレームはフォグランプを取り付けるためのステーとしても非常に優秀です。キャンプ場の夜道や、街灯のない田舎道を走る際、低い位置から路面を照らすフォグランプは強力な武器になります。見た目のカッコよさと実用性を両立できる、満足度の高いアイテムです。
足つき改善のローダウンシート
「カブは小柄な人でも乗りやすい」というイメージがありますが、実はクロスカブ110のシート高は784mmと、意外に高めの設定になっています。スーパーカブ110(738mm)と比較すると約5cmも高く、サスペンションのストロークが長いことや、シート自体の厚みがあることが要因です。身長160cm前後の方や、女性ライダーの方の中には、「信号待ちでつま先立ちになってしまい、強風の日などが怖い」という悩みを持つ方も少なくありません。
そんな不安を解消するのが「ローダウンシート」への交換です。これは、シート内部のウレタンフォームを薄く削り込んだり、ベース形状を工夫することで、座面を2cm〜3cmほど下げるカスタムパーツです。たかが数センチと思うかもしれませんが、バイクの足つきにおける数センチは、安心感に雲泥の差を生みます。片足の指の付け根までしか着かなかったのが、土踏まずの手前まで着くようになれば、停車時の安定感は劇的に向上します。
デザイン面でも、ローダウンシートは薄型のスタイリッシュな形状をしているものが多く、クロスカブをより軽快でスポーティーなシルエットに変えてくれます。タックロール(横縞の模様)が入ったカフェレーサー風のものや、ダイヤステッチが入った高級感のあるものなど、選択肢も豊富です。
注意点:クッション性とのトレードオフ
シートを薄くするということは、当然ながらクッション材の厚みが減ることを意味します。そのため、ノーマルシートに比べて長距離走行でお尻が痛くなりやすくなる傾向があります。対策として、衝撃吸収素材「ゲルザブ」をシートの上に敷いたり、内部に埋め込む加工をするのも有効です。「足つきの安心感」を取るか、「長距離の快適性」を取るか。ご自身の利用シーンに合わせて選んでみてください。
ちなみに、シートの取り付けベース(ヒンジ部分)に関しては、JA60はJA45やJA44と共通の構造を持っていることが多いため、多くの社外シートがそのまま流用可能です。ただし、一部の製品では吸盤の位置やゴムの形状が合わない場合もあるため、購入前には必ず「JA60適合」の表記を確認するか、レビューをチェックすることをおすすめします。
旅仕様のクロスカブ110(JA60)カスタムパーツ

日常の足としてだけでなく、週末には満載の荷物を積んでキャンプへ行ったり、長期休暇には日本一周の旅に出たり。そんな「冒険の相棒」としてクロスカブを選んだ方も多いでしょう。ここでは、クロスカブの積載能力とツーリングの快適性を極限まで高める、「旅仕様」へのアップデート術を解説します。
最強の積載量にするリアキャリア
スーパーカブシリーズのアイデンティティとも言える巨大なリアキャリア。もちろんJA60の純正キャリアも十分に立派な作りですが、ヘビーユーザーにとっては「帯に短し襷に長し」となることがあります。例えば、40L以上の大型ボックスを積んだ上に、さらにテントや寝袋を入れた防水バッグを縛り付けたい場合、純正キャリアでは面積や強度が不安になる瞬間があるのです。
そこで私が「最強の積載装備」として推したいのが、エンデュランス製の「強化リアキャリア」です。この製品の凄さは、何と言ってもカタログスペックに堂々と記載された「最大積載量15kg」という数値にあります。一般的な社外キャリアや純正キャリアの積載許容重量が3kg〜5kg程度であることを考えると、この15kgという数字がいかに異常(褒め言葉です)かが分かります。
なぜこれほどの強度が出せるのか。その秘密は取り付け構造にあります。通常のキャリアは荷台部分のボルトだけで固定することが多いですが、エンデュランス製はリアショックアブソーバーの上部マウントボルトと共締めし、さらにフレームのメインパイプに近い強固な部分を利用して荷重を分散させる設計になっています。これにより、満載状態で悪路を走ってもキャリアが破断したり、フレームが歪んだりするリスクを最小限に抑えています。
また、「ソロキャンプも行くけど、たまにはパートナーを後ろに乗せてカフェにも行きたい」という方には、R-SPACEの「スライドキャリア」が最適解です。普段はキャリアを後ろにスライドさせておけば、タンデムシートのスペースを確保でき、ソロツーリングの時はキャリアを前に戻して重心を安定させる、といった使い分けが可能です。自分の旅のスタイルに合わせて、最適な「土台」を選んでください。
人気リアボックスの容量と選び方
強固なキャリアを手に入れたら、次はそこに載せる「箱(リアボックス)」選びです。クロスカブのリアボックス選びは、単なる収納道具選びではなく、オーナーの「世界観」を表現する重要な儀式でもあります。現在、クロスカブ界隈で人気を二分しているのが、「アルミ製アドベンチャーボックス」と「FRP/樹脂製ボックス」です。
| タイプ | 代表的な製品 | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| アルミ製 | GIVI OBKN58B / 各社アルミトップケース | メリット:圧倒的な堅牢性と高級感。四角い形状なのでデッドスペースができにくく、蓋の上にも荷物を積みやすい。 デメリット:本体重量が重く、重心が高くなるためハンドリングに影響が出やすい。価格が高い。 |
| FRP/樹脂製 | JMS 一七式特殊荷箱 / アイリスオーヤマ箱 | メリット:軽量でコストパフォーマンスが高い。「業務用」っぽい無骨なデザインがカブに似合う。加工が容易。 デメリット:アルミに比べるとセキュリティ面(鍵の構造)が簡易な場合がある。 |
特に最近のトレンドは、JMS(ジェイエムエス)の「一七式特殊荷箱」に代表される、ミリタリーテイストを取り入れたFRPボックスです。カーキやグレーのボディカラーはクロスカブの純正色とも相性が抜群で、ステッカーチューンで個性を出しやすいのも魅力です。容量に関しては、ヘルメット1個+レインウェアやグローブが余裕で入る45Lクラスが最も使い勝手が良く、バランスも取れています。
もしキャンプツーリングを頻繁に行うなら、銀マットや長尺物も飲み込める58L〜65Lクラスも視野に入りますが、すり抜け時の車幅感覚には注意が必要です。
必須のUSB電源とスマホホルダー
今やスマートフォンは、ナビゲーション、音楽プレーヤー、そして緊急時の通信手段として、ツーリングの生命線となっています。ロングツーリングに出かけるなら、走行中にスマホを充電できるUSB電源の確保は、もはやマフラー交換よりも優先順位が高い「必須カスタム」と言えるでしょう。
しかし、JA60のハンドル周りは樹脂製のカバーで覆われているため、一般的なパイプハンドル用のスマホホルダーやUSBポートをそのままポン付けすることができません。そこで必要になるのが、ミラーの根元などに共締めして取り付ける「マウントバー(マルチバー)」です。キタコやデイトナから発売されている車種専用ステーを使えば、見やすい位置にスマホをマウントできるバーを増設できます。
USB電源ユニット選びにもポイントがあります。数年前までは「USB Type-A(5V/2.1A)」が主流でしたが、最近のスマホは大容量バッテリーを搭載しており、ナビアプリを起動しながら画面を最大輝度で点灯させると、従来の充電器では「充電しているのに電池が減っていく」という現象が起きることがあります。これから取り付けるなら、間違いなくUSB Type-C(PD / Power Delivery)対応のモデルを選ぶべきです。デイトナの「スレンダーUSB」シリーズなどは、目立たないスリムなデザインでありながら高出力を確保しており、JA60のハンドル周りにもスマートに収まります。
電源はどこから取る?
「電気配線なんて難しくて分からない!」という方もご安心ください。JA60には、外装の内側(左サイドカバー内やヘッドライトケース内など)に、オプション品を接続するための「サービスチェックカプラー」やアクセサリ電源が用意されています。キタコなどが販売している「電源取り出しハーネス」を使えば、純正の配線を切ったり剥いたりすることなく、カプラーを割り込ませるだけでプラスとマイナスの線を取り出せます。これなら初心者でも安心してDIY作業が可能です。
ドライブレコーダーの配線と工賃
あおり運転の厳罰化や、万が一の事故の際の証拠保全として、二輪車へのドライブレコーダー装着率は年々急上昇しています。特に通勤などで毎日乗るクロスカブだからこそ、自分の身を守るための装備には投資すべきです。おすすめは、ミツバサンコーワの「EDR-21α」シリーズのように、前後2つのカメラで常時録画ができ、かつGPSで場所や速度も記録できる本格的なモデルです。
しかし、ここで大きな壁となるのが「取り付けの難易度」です。USB電源程度であれば外装の一部を外すだけで済みますが、前後2カメラのドラレコとなると話は別です。フロントカメラから本体への配線、リアカメラから本体への配線、そして電源コードを、エンジンの熱や可動部(ハンドルやサスペンション)を避けながら、車体の端から端まで通さなければなりません。クロスカブはレッグシールドやサイドカバー、リアフェンダー周りのカバーなど、外さなければならないパーツが非常に多く、それらを固定しているツメを折らずに作業するにはコツと根気が必要です。
実際、バイク用品店にドラレコ取り付けを依頼した場合、工賃だけで20,000円〜30,000円程度かかるのが一般的です。本体価格が3万円台とすると、総額で6万円〜7万円近い出費になります。「高いなぁ」と感じるかもしれませんが、配線がブラブラしないようにタイラップで美しく固定し、カメラの画角を調整し、電源を確実に確保するプロの仕事には、それだけの価値があります。もしDIYで挑戦する場合は、休日の丸一日を費やす覚悟と、サービスマニュアル(整備解説書)を用意して臨むことを強くおすすめします。苦労して取り付けた後の「守られている安心感」はプライスレスですよ。
風防スクリーンの効果とデザイン
カブといえば、出前機と共に「風防(ウインドシールド)」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。かつては「おじさん臭いアイテム」の代表格でしたが、最近のアウトドアブームやレトロスタイルの流行により、その評価は180度変わりました。今や風防は、クロスカブを「旅仕様」に仕上げるための最もクールなドレスアップパーツの一つです。
もちろん、見た目だけでなく機能面での恩恵も絶大です。クロスカブで時速60km巡航を続けると、胸やお腹に当たり続ける風圧が、知らず知らずのうちに体力を奪っていきます。また、冬場の冷たい走行風は体温を一気に奪います。適切な高さのスクリーンを装着することで、これらの風をヘルメットの上へと受け流し、疲労を大幅に軽減できるのです。
製品選びのポイントは「高さ」と「デザイン」です。
風防を付けると、走行中の風切り音が減り、エンジンの音がよりクリアに聞こえるようになるという副次的なメリットもあります。ロングツーリングを計画しているなら、ぜひ導入リストに入れてみてください。
JA45とのパーツ互換性Q&A
記事の締めくくりとして、JA60オーナーがカスタムパーツ選びで最も悩み、そして失敗しやすい「旧型JA45との互換性」について、カテゴリー別に詳しく解説します。ネットオークションやフリマアプリで「クロスカブ110用」として売られている中古パーツを買う際などは、この表の内容を必ず思い出してください。
| パーツカテゴリー | JA45との互換性 | 詳細解説・注意点 |
|---|---|---|
| マフラー | × 不可 | エンジンの行程変更、ステー位置の違い、そして認証型式の違いにより全く互換性がありません。 必ず「8BJ-JA60」対応品を選んでください。 |
| フロントホイール | × 不可 | JA45はドラムブレーキ、JA60はディスクブレーキです。 ハブ形状、アクスル径、フォーク幅、メーターギアの有無など、すべてが別物です。 |
| ブレーキレバー | × 不可 | 右側のブレーキレバーは、マスターシリンダーを押す構造のJA60と、ワイヤーを引く構造のJA45で全く異なります。 左側(クラッチ側ではないがリアブレーキ等に関係しない単なるグリップの場合など)もホルダー形状が違う場合があります。 |
| リアキャリア | △ 要確認 | リア周りのフレーム形状は酷似していますが、サスペンション上部の固定ボルト径や、純正キャリアの溶接位置に微細な違いがあるケースがあります。 「JA45/JA60共用」と明記されている製品以外は避けた方が無難です。 |
| シート | ○ 概ね可 | シートヒンジの位置や、キャッチ(ロック)部分の構造は、JA44/JA45/JA10/JA59/JA60で共通化されていることが多いです。 多くのカスタムシートが流用可能です。 |
| センターキャリア | ○ 概ね可 | レッグシールドの形状とフレームの基本骨格(アンダーボーン)は維持されているため、ベトナムキャリアなどは共用できる製品が多いです。 |
特に危険なのはブレーキ周りと足回りです。「なんとかなるだろう」で流用すると、最悪の場合、走行中にブレーキが効かなくなったり、ホイールがロックしたりする重大な事故に繋がります。カスタムは自己責任と言われますが、安全に関わる部分だけは、必ず適合確認の取れた専用品を使用してください。
理想のクロスカブ110(JA60)カスタムパーツ
ここまで、クロスカブ110 (JA60) のカスタムパーツについて、性能アップから旅仕様、そして適合の注意点まで、かなり深掘りして解説してきました。新型エンジンやディスクブレーキなど、進化したスペックに合わせてパーツ選びも少し知識が必要ですが、その分だけ「自分だけの一台」に仕上がったときの喜びはひとしおです。
JA60は、ノーマルのままでも十分に完成された素晴らしいバイクです。でも、そこにほんの少し、あなたのこだわりを足してあげることで、単なる工業製品から、かけがえのない「相棒」へと進化します。実用性を極めて日本一周の旅に出るもよし、メカニカルな機能美を追求してガレージで愛でるもよし、あえてレトロなスタイルに振って街の風景に溶け込むもよし。
カスタムに正解はありません。あるのは「あなたがどう楽しみたいか」という想いだけです。この記事が、あなたのクロスカブライフをより豊かで、ワクワクするものにするためのヒントになれば、これ以上の喜びはありません。まずは小さなパーツ一つ、たとえばシフトガイドやスマホホルダーからでも構いません。ぜひ、あなたらしいカスタムにチャレンジしてみてくださいね!
