こんにちは。デジタルバイクライブラリー、運営者の「ゆう」です。
「維持費が安くて機動力が高いDio110で、もっと遠くへ行ってみたい」。そう考えたことはありませんか?
街乗り最強のスクーターと言われるDio110ですが、いざロングツーリングとなると「110ccのエンジンで長距離は疲れるのではないか」「ガソリンタンクが小さすぎてガス欠が怖い」といった不安が頭をよぎりますよね。
特に原付二種という排気量制限がある中で、どこまで快適に旅ができるのかは未知数です。
この記事では、実際にDio110で数々の長距離ツーリングを経験してきた私が、そのリアルな実態と、旅を成功させるための具体的なノウハウを包み隠さずお伝えします。
- 14インチホイールがもたらす長距離走行時の疲労軽減効果
- 実測リッター54kmを超える驚異的な燃費性能とコストメリット
- 4.9Lというタンク容量の制約を克服する具体的な給油戦略
- 積載不足を解消し快適な旅を実現するための装備とパッキング術
Dio110のロングツーリング性能と燃費の実力を徹底検証

カタログスペックだけを眺めていても、そのバイクの本当の旅性能は見えてきません。ここでは、実際に数百キロ単位のツーリングに出かけた際にDio110がどのような挙動を示し、ライダーにどのような恩恵(あるいは試練)を与えるのか、走行性能と経済性の両面から徹底的に深掘りしていきます。
Dio110は疲れる?14インチホイールの恩恵
「原付二種のスクーターで1日200kmも走ったら、振動とふらつきでヘトヘトになるんじゃないか?」
多くのライダーが抱くこの懸念に対し、私は自信を持って「Dio110なら想像以上に快適だ」と答えることができます。その最大の理由は、このバイクのアイデンティティとも言える大径14インチホイールの存在です。
日本のスクーター市場では、取り回しの良さを重視して10インチや12インチの小径タイヤを採用するのが主流です。しかし、Dio110はあえて一回り大きい14インチを採用しています。これは元々、石畳などの荒れた路面が多い欧州市場での使用を想定して設計された背景があると言われています。この「タイヤの大きさ」が、ロングツーリングにおいて絶大な威力を発揮するのです。
まず挙げられるのが、強力なジャイロ効果による直進安定性です。タイヤは回転することで車体を垂直に保とうとする力(ジャイロ効果)を生み出しますが、径が大きいほどこの力が強く働きます。その結果、幹線道路を巡航している際に、ハンドルを強く握りしめなくても車体がビシッと安定し、横風や路面のわだちにハンドルを取られにくくなります。無意識のうちに行っている微細な修正舵(ハンドルのブレを抑える操作)が激減するため、長時間を走った後の「精神的な疲れ」が段違いに軽いのです。
走破性の違い
小径ホイールが路面の小さな穴や段差に「ガタン!」と落ちて衝撃を拾うのに対し、14インチホイールはそれらを「トン」と軽やかに乗り越えていきます。サスペンションの性能だけでなく、タイヤの大きさそのものが衝撃吸収装置として機能しているのです。
一方で、車両重量が96kg(現行JK03モデル)とクラス最軽量レベルであることは、諸刃の剣でもあります。この軽さは、駐輪場での取り回しやUターン、狭い路地への進入においては最強の武器となります。重いバイクなら躊躇するような場所でも、自転車感覚で入っていける気軽さはDio110ならではの特権です。旅先で「あ、いい景色!」と思った瞬間に気軽に停まれる機動力は、旅の解像度を一気に高めてくれます。
しかし、その軽さゆえに、海沿いの橋の上や大型トラックの横を通過する際の「突発的な横風」には脆弱です。車体が軽い分、風圧で物理的に流されそうになる瞬間があります。こればかりは物理の法則ですので、風の強い日は無理に速度を出さず、ニーグリップ(スクーターですが、足首や太ももでセンタートンネルやフロアを挟む意識)をしっかり行い、上体を低くして風をやり過ごすテクニックが求められます。
実測リッター54kmを超える驚異の燃費性能
Dio110をロングツーリングの相棒に選ぶ最大の合理的理由、それは常識外れの燃料経済性にあります。多くのバイクが「燃費が良い」と謳いますが、Dio110のそれは次元が異なります。もはや「移動にお金がかからない」と錯覚するレベルです。
メーカーが公表しているWMTCモード値(実走行に近い基準)でも55.6km/Lという高い数値を示していますが、信号の少ない地方の国道や広域農道を淡々と流すツーリングシーンでは、この数値をさらに上回ることが珍しくありません。
私自身の実測データをお話ししましょう。ある晴れた日に、アップダウンの少ない郊外ルートを約200km走行した際の給油量は、わずか3.7リットルでした。これを計算すると、リッターあたり約54.05kmとなります。これは、仮にガソリン単価が170円だとしても、200kmの移動コストがわずか629円で済むことを意味します。東京から名古屋まで(約350km)走ったとしても、燃料代は1,100円でお釣りが来る計算です。新幹線なら1万円以上かかる距離を、ランチ代程度のコストで移動できる。この圧倒的なコストパフォーマンスこそが、Dio110ツーリングの真骨頂です。
| 走行シーン | エンジン負荷 | 予想燃費傾向 | ツーリングへの示唆 |
|---|---|---|---|
| 市街地走行 | 頻繁な加減速、アイドリング待機 | 低下傾向(45〜50km/L) | 信号の多い国道を避け、バイパスや農道を選ぶことで燃費は劇的に向上する。 |
| 郊外巡航 | 一定回転数(中速域)の維持 | 最大化(54km/L超) | 時速50〜60kmでエンジンの「美味しい回転域」をキープし続けるのがコツ。 |
| 山岳登坂 | 高負荷・高回転の連続 | 大幅低下(40km/L前後) | 登り坂で全開にしても速度は知れている。無理に開けず、6割程度の開度で淡々と登る。 |
この驚異的な低燃費を支えているのが、ホンダが誇る空冷4ストローク単気筒「eSP」エンジンです。フリクション(摩擦抵抗)を徹底的に低減し、アイドリングストップシステムを組み合わせることで、一滴のガソリンも無駄にしない設計思想が貫かれています。特にツーリング中は信号待ちが少ないためアイドリングストップの恩恵は薄いと思われがちですが、実際には「一定速度での燃焼効率の良さ」が際立ちます。
ただし、いくら燃費が良いと言っても、アクセルをガバっと全開にするような走り方をすれば数値は悪化します。Dio110のパワーを最大限に活かしつつ燃費を伸ばすコツは、「ふんわりアクセル」ではありません。むしろ、希望の速度(例えば60km/h)までスムーズに加速したら、一度アクセルを少し戻し、そこからは速度維持に必要な最小限の開度を保つ「パーシャル操作」を意識することです。これにより、エンジンはおいしい部分だけを使い続け、結果としてリッター54km超えの世界が見えてきます。
詳細なスペックについては、メーカーの公式サイトも併せてご確認ください。
(出典:本田技研工業株式会社『Dio110 製品情報』)
タンク容量4.9Lで航続距離はどこまで伸びるか
燃費が「化け物」である一方で、Dio110にはツーリングライダーを悩ませる致命的な弱点が存在します。それが、4.9リットルという極小の燃料タンク容量です。競合するLead125が6.0リットル、PCXが8.1リットルであることを考えると、この数値がいかに心許ないかが分かります。
単純な算数で言えば、燃費54km/L × タンク4.9L = 約264kmの航続距離があることになります。「250km以上走れるなら十分じゃないか」と思われるかもしれません。しかし、現場のリアルは違います。ギリギリまで走ることは、ガス欠という致命的なリスクを背負うことと同義だからです。
Dio110の燃料計は、デジタル表示のセグメント方式を採用していますが、最後の1メモリが点滅を始める(Eマーク点滅)タイミングでの残量は、取扱説明書によると約0.9リットル程度とされています。つまり、警告が出た時点で残りの走行可能距離は、計算上わずか48km程度しかありません。
恐怖の「残り50km」
都会なら48kmの猶予は十分ですが、北海道や山間部のツーリングでは話が別です。「次のガソリンスタンドまで55km」という看板を見た瞬間に、警告灯が点滅し始めたときの絶望感は筆舌に尽くしがたいものがあります。しかも、地方のガソリンスタンドは日曜定休だったり、夕方18時や19時で閉店したりすることも珍しくありません。
こうしたリスクを回避するために、私は「150km給油ルール」を強く推奨しています。タンク容量の半分〜3分の2程度を消費した段階、距離にして150kmから160kmを走ったら、まだ余裕があるように見えても、目についたガソリンスタンドで必ず給油するのです。これにより、常にタンク内に1.5リットル以上の予備を残した状態で走り続けることができ、予期せぬ通行止めや迷子による距離延長にも対応できます。
また、精神安定剤として「携行缶」の導入も検討すべきでしょう。消防法適合のUN規格を取得したガソリン携行缶(1リットル程度)をリアボックスの片隅に入れておくだけで、「最悪の場合でもあと50kmは走れる」という安心感が生まれ、ツーリングの質が劇的に向上します。たった1リットルですが、この1リットルが天国と地獄を分けることもあるのです。
高速道路は不可!下道ルート選びのコツ
Dio110は原付二種(125cc以下)に分類されるため、法律上、高速自動車国道および自動車専用道路を走行することはできません。これは絶対的な制約であり、長距離移動における最大のボトルネックとなります。
ナビゲーションアプリを使ってルート検索をする際、「高速道路を使わない」設定にするのは基本中の基本ですが、それだけでは防げない「罠」が日本の道路には潜んでいます。それは、無料のバイパス道路の中に混在する自動車専用区間です。
例えば、国道1号線のバイパスや、名阪国道のような高規格道路は、原付二種で走れる区間と走れない区間が複雑に入り組んでいることがあります。ナビが「無料だから」という理由で、うっかり自動車専用道路(緑色の看板)へ誘導してしまうケースも少なくありません。道路標識の「青色(一般道)」と「緑色(専用道)」を常に見極め、もし緑色の看板に「125cc以下通行禁止」の標識があれば、迷わず側道へ逃げる判断力が必要です。
さらに注意したいのが、観光地における有料道路の規制です。ツーリングライダーの聖地とも言える「箱根」エリアを例に挙げると、絶景で有名な「箱根ターンパイク」や「芦ノ湖スカイライン」、そして便利に山を登れる「箱根新道」も、すべて125cc以下の通行は禁止されています。これを知らずに現地へ行くと、料金所の入り口で係員に止められ、Uターンを余儀なくされる悲しい結末が待っています。
通れない道と、通れる道
しかし、悲観することはありません。有料道路が使えないということは、逆に言えば「無料で楽しめる味わい深い旧道」を開拓するチャンスでもあります。
箱根であれば、有料道路の代わりに「国道1号線(東海道)」の七曲りを攻めたり、「椿ライン」でテクニカルなカーブを楽しんだりすることができます。これらは全て無料で通行可能です。高速道路を一瞬で通り過ぎるだけでは見えない、地元の商店街やふとした路地裏の風景に出会えるのが、下道ツーリング(Shitamichi Touring)の醍醐味なのです。
1日の走行距離の限界と休憩のタイミング
高速道路を使わず、全て一般道で移動する場合、1日に移動できる距離には物理的・体力的な限界があります。信号待ち、渋滞、一時停止、そして休憩時間を含めた「平均移動速度」は、私の経験上、おおよそ時速30kmから40kmに収束します。
つまり、朝8時に出発して夕方18時に宿に着くまでの10時間(休憩含む)で走れる距離は、計算上300km〜400kmとなります。しかし、これはあくまで「走り続けた場合」の理論値です。実際には、観光をしたり、美味しいランチを食べたり、写真を撮ったりする時間が必要です。
現実的に、Dio110で苦行にならずに楽しめる1日の走行距離の上限は、200km〜250km程度だと考えてください。250kmを超えると、移動そのものが目的化してしまい、「早く着かなきゃ」という焦りが生まれ、事故のリスクも高まります。余裕を持った計画を立てるなら、1日200kmを目安にするのがベストです。
また、疲労管理も重要です。Dio110はポジションがコンパクトで自由度が高くないため、長時間同じ姿勢で座り続けると、腰や膝、そしてお尻へのダメージが蓄積します。特に14インチホイールで衝撃が少ないとはいえ、小排気量エンジン特有の微細な振動は、じわじわと手のひらやお尻を痺れさせます。
「疲れたな」と感じる前に休むのが鉄則です。「1時間に1回」または「50km走行ごと」に必ずバイクを降り、ヘルメットを脱いで屈伸運動をするなどの休憩を取り入れてください。道の駅スタンプラリーなどを活用して、強制的に休憩する理由を作るのも賢い戦略です。
Dio110のロングツーリングを快適にする装備と積載術

Dio110は「通勤快速」としての側面が強く、純正状態のままでは数日間にわたるロングツーリングに対応できるだけの積載能力や快適装備が不足しています。しかし、ここを適切なアフターパーツで補強することで、Dio110は驚くほど優秀な「旅バイク」へと進化します。
積載不足を解消する45Lリアボックスの必要性
Dio110のシート下トランクは容量が少なく、形状も浅いため、フルフェイスヘルメットが入らない場合が多いだけでなく、レインウェアと工具を入れたらもう満杯……ということも珍しくありません。この積載能力の欠如は、着替えや宿泊セットを必要とするロングツーリングにおいて致命的です。
この問題を一発で解決する必須アイテムが、社外製のリアボックス(トップケース)です。それも、原付だからといって遠慮した小さなサイズではなく、思い切って45L〜50Lクラスの大容量ボックスを選ぶことを強くおすすめします。
なぜ45Lなのか。その理由は、ツーリングにおける「余白」の重要性にあります。30Lクラスのボックスだとヘルメット1個で満杯になってしまいますが、45Lあればヘルメットに加え、レインウェア、防寒用のインナージャケット、そして旅先で衝動買いしたお土産(例えば道の駅の野菜や地酒など)まで、全てを飲み込んでくれるからです。特に最近流行しているアルミ製の角型ボックスは、防水性が高くセキュリティも万全で、何よりDio110のスタイリングを「アドベンチャースクーター風」に引き締めてくれるカッコよさがあります。
重心変化への対策と「シミー現象」
ただし、ここで一つ重要な注意点があります。それは「重心の変化」です。車重96kgと非常に軽いDio110の車体最後部に、重いアルミボックスと荷物を満載すると、物理的に重心が大きく後ろに移動します。これにより、フロントタイヤの接地感が薄くなり(ハンドルが軽くなりすぎる)、特定の速度域でハンドルが小刻みに振れる「シミー現象」が発生しやすくなります。
パッキングの鉄則
この現象を防ぐためのパッキング術として、「重いものはシート下、軽いものはリアボックス」を徹底してください。水筒、工具、ディスクロックなどの重量物は、車体の中心に近いシート下トランクへ。衣類、寝袋、カッパなど、かさばるけれど軽いものはリアボックスへ。この「重量配分」を意識するだけで、Dio110のハンドリングは驚くほど安定します。
風防スクリーンなどの装備で快適性をアップ
「たかが時速60km程度の風でしょ?」と侮ってはいけません。ツーリングでは、その風を数時間にわたって浴び続けることになります。走行風は、ライダーの体温を奪うだけでなく、常に風圧に逆らって姿勢を維持しようとするため、腹筋や背筋に無意識の緊張を強います。これが、夕方にどっと押し寄せる「謎の疲労感」の正体です。
この問題を解決するために、私が強く推奨するのがウインドスクリーン(風防)の導入です。純正オプションのビジネスライクな風防も効果絶大ですが、最近ではスポーティーなデザインのミドルスクリーンも数多く販売されています。
スクリーンが一枚あるだけで、胸元やお腹に当たる風が遮断され、ライダーの前には無風に近い「空気の壁」が生まれます。体感としては、走行距離が1.5倍に伸びても疲れが変わらないほどの効果があります。特に冬場のツーリングでは、冷たい風を遮ることで防寒性能が劇的に向上し、夏場は熱風による脱水を防ぐ効果も期待できます。
また、併せて検討したいのが「ナックルバイザー(ハンドガード)」です。手元への風を防ぐことで、雨天時のグローブへの浸水を遅らせたり、冬場の手指のかじかみを防いだりすることができます。Dio110のような小排気量車こそ、こうした「空力を味方につける装備」が旅の質を左右するのです。
お尻の痛みを軽減するシート対策と工夫
ロングツーリングにおける最大の敵、それは「尻痛(けつつう)」です。Dio110のシートは街乗りでの足つき性を重視して設計されているため、クッションの厚みはそれほどありません。私の体感では、連続走行1時間を超えたあたりから、お尻の骨(坐骨)周辺に鈍い痛みを感じ始めます。
この痛みと戦いながらでは、せっかくの絶景も楽しめません。そこで、以下の3つの対策を講じることをおすすめします。
1. ゲル状クッションの導入
最も手っ取り早い解決策は、シートの上に後付けする「ゲルザブ(GEL-ZAB)」などのゲル入りシートカバーを装着することです。数千円から1万円程度の投資になりますが、医療用具にも使われるエクスジェルなどの衝撃吸収素材が圧力を分散してくれるため、お尻の寿命が飛躍的に延びます。「魔法の座布団」と呼ぶライダーもいるほどの実力派アイテムです。
2. ライディングポジションの微調整
同じ姿勢で座り続けると血流が滞り、痛みが加速します。走行中は、シートの前のほうに座ったり、一番後ろに腰を引いて座ったりと、数センチ単位で着座位置をこまめに変える癖をつけましょう。Dio110はフロアがフラットなので、足の位置を前後させることでも体重のかかり方を変えることができます。
3. 信号待ちでのストレッチ
これが最も効果的かもしれません。赤信号で停止したら、必ず一度立ち上がる(ステップに立ったまま伸びをするのではなく、足を着いてお尻を浮かせる)。これだけで血流が回復します。「痛くなってから」では遅いのです。「痛くなる前に」ケアをするのが、ロングツーリングを完走する秘訣です。
宿泊ツーリングに必要な荷物のパッキング術
日帰りではなく、1泊2日以上のツーリングとなると、着替えや洗面用具、充電器などで荷物は一気に増えます。ここでDio110ならではの「構造上の落とし穴」に注意しなければなりません。
それは、給油口がシートの下にあるという点です。
一般的なバイクのように「リアシートの上に大きなツーリングバッグを括り付ける」という積載方法をとると、給油のたびに(つまり150kmごとに!)、荷物を固定しているゴム紐やバックルを全て外し、バッグを降ろしてシートを開けなければなりません。これは想像を絶するストレスであり、時間ロスにも繋がります。
給油アクセスを最優先に
Dio110で宿泊ツーリングをする際は、「シートを開けずに給油できる状態」を維持することが鉄則です。基本的には大容量のリアボックスに全ての荷物を収めるスタイルが理想ですが、どうしても入り切らない場合は、以下の方法を検討してください。
- フロアに置く:足元のフラットスペースに防水バッグを置き、コンビニフックに掛ける(足の置き場が狭くなるので注意)。
- リュックを背負う:身体への負担は増えますが、最も確実な方法です。
- ワンタッチ着脱式のシートバッグ:給油の際に、バックル4つを外すだけで「パカッ」と跳ね上げられるタイプのシートバッグを選ぶ。
出発前のオイル交換とタイヤ空気圧チェック
最後に、無事に家に帰るためのメンテナンスについて触れておきます。Dio110のエンジン(空冷eSP)は非常にタフで壊れにくいエンジンですが、その代償としてエンジンオイルの容量が極端に少ない(交換時約0.7L)という特徴があります。
たった0.7リットルのオイルで、高回転・高負荷の連続走行による熱と汚れを受け止めるわけですから、オイルの劣化スピードは想像以上に早いです。ロングツーリングに出発する前には、走行距離に関わらず、新しいオイルに交換しておくことを強く推奨します。数百円のオイル代をケチってエンジンを壊しては元も子もありません。
また、タイヤの空気圧チェックも必須です。空気圧が規定値より低い状態で走ると、燃費が悪化するだけでなく、タイヤがたわんで熱を持ち、最悪の場合はバースト(破裂)する危険性があります。特に荷物を満載した状態では、タイヤへの負担は普段の比ではありません。
タイヤトラブルのリスク
JAF(日本自動車連盟)の調査によると、ゴールデンウィークやお盆休み期間中のロードサービス救援依頼のうち、タイヤのパンクやバーストなどのトラブルは常に上位を占めています。その多くが「空気圧不足」に起因するものです。
(出典:一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)『よくあるロードサービス出動理由』
Dio110ツーリングの「ここだけの話」Q&A

- 流れの速いバイパスで、車に煽られたりして怖くないですか?
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正直に言うと、制限速度が高いバイパス(特にトラックが多い道)はちょっと怖いです(笑)。やっぱりパワーに限界があるので、周りが80km/hとかで流れているとついていけません。そういう時は無理に流れに乗ろうとせず、左端をキープして「お先にどうぞ」の精神で走るのが一番です。あまりに怖いなら、Googleマップで「自転車ルート」を参考にして、あえて裏道をトコトコ走るのも楽しいですよ!
- 山道の登り坂、やっぱり遅くてイライラしますか?
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ぶっちゃけ、激坂だとアクセル全開でも40km/hくらいしか出ないこともあります。「頑張れー!」って応援したくなりますね(笑)。でも、それがDio110の可愛げだと思って割り切っちゃいましょう。後ろから速い車やバイクが来たら、意地を張らずにウインカーを出して道を譲ればOK。むしろ「景色をゆっくり見る時間ができた」とポジティブに捉えるのが、小排気量ツーリングを楽しむコツです。
- 1日で300km走るのって無謀ですか?
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物理的には可能ですが、翌日お尻と腰が悲鳴を上げる覚悟が必要です(笑)。私も若気の至りでやったことがありますが、後半はもう「移動」じゃなくて「苦行」でした。楽しく観光して、美味しいご飯を食べて…というツーリング本来の目的を果たすなら、やっぱり200kmくらいで抑えておくのが幸せかなと思います。
- 結局、Dio110で日本一周とかできるの?
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時間さえあれば、絶対にできます!しかもガソリン代が激安なので、おそらく「日本一お財布に優しい日本一周」になるはずです。エンジンもタフなので、オイル交換さえサボらなければ壊れる気配もありません。ただ、高速ワープが使えないので、北海道まで行くだけでも結構な日数がかかります。そこを「贅沢な時間」と捉えられるなら、最高の相棒になりますよ!
Dio110のロングツーリングで新しい旅の形を発見
Dio110でのロングツーリングは、大型バイクのような「圧倒的な加速」や「快適なクルージング」はありません。高速道路も使えず、峠道では登坂車線をゆっくり登ることになるでしょう。
しかし、その「不自由さ」こそが、この旅の最大の魅力なのです。
高速道路で一瞬で通過してしまう町に立ち寄り、地元の定食屋で会話を楽しむ。細い路地裏で見つけた絶景に息を呑む。そして何より、リッター54kmという驚異的な経済性が、「もっと遠くへ行ってみようか」という冒険心を後押ししてくれます。「移動にお金がかからない」という事実は、ライダーの心に真の自由を与えてくれるのです。
タンク容量や積載の制約も、工夫次第で乗り越えられます。そのプロセス自体を楽しむことができれば、あなたはもう立派な「旅人」です。
「Dio110だから無理」ではなく、「Dio110だからこそ面白い」。そんな新しい旅の形を、ぜひ次の休日、あなた自身の肌で体感してみてください。きっと、今まで見えていなかった日本の風景に出会えるはずですよ。
