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スーパーカブツーリング入門!快適な仕様カスタム、魅力と準備、疲労対策まで解説

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スーパーカブツーリング入門!快適な仕様カスタム、魅力と準備、疲労対策まで解説

独特の魅力を持つスーパーカブツーリングですが、いざ挑戦しようとすると多くの疑問が浮かびます。

50ccと110ccではどちらを選ぶべきか、やはり長距離は疲れるのではないか。

また、快適なツーリング仕様にするカスタム、揃えるべき必需品や服装、さらにはキャンプ積載の不安など、準備段階で悩む点は少なくありません。

この記事では、それらの疑問に対する具体的な長距離対策も含め、スーパーカブでのツーリングを後悔なく楽しむための情報を網羅的に解説します。

この記事でわかること
  • ツーリングにおける50ccと110ccの具体的な違い
  • スーパーカブで長距離走行が疲れるとされる理由とその対策
  • 快適なツーリング仕様にするためのカスタムポイント
  • ツーリングの必需品やキャンプの積載方法
目次

スーパーカブでのツーリングの魅力と基本

スーパーカブでのツーリングの魅力と基本
  • 50と110の違いと選び方
  • ツーリングで疲れると言われる理由
  • 疲労を減らすための長距離対策
  • 快適なツーリング仕様カスタムとは
  • 走行時の注意点と運転のコツ

50と110の違いと選び方

スーパーカブでツーリングを始めるにあたり、まず50cc(原付一種)と110cc(原付二種)のどちらを選ぶかが最初の分岐点になります。

結論から言えば、ある程度の距離を走行する一般的なツーリングを想定する場合は、110ccモデルが強く推奨されます。最大の理由は、走行性能と法的な制約の大きな違いにあります。

50ccは「原付一種」に分類され、法律上の制約が非常に多くなっています。具体的には、法定最高速度が時速30kmに制限されており、交通量の多い幹線道路では車の流れに乗ることが困難です。また、片側三車線以上の大きな交差点などでは「二段階右折」が義務付けられる場合があり、ルート選定や運転操作が複雑になります。

これに対して110ccは「原付二種」に分類されます。法定最高速度は時速60kmとなり、二段階右折の義務もありません。これにより、50ccで感じるような強いストレスや交通の妨げになるリスクを大幅に減らし、車の流れにスムーズに乗ることが可能となります。登坂路などパワーが必要な場面でも、50ccに比べて格段に余裕があります。

ただし、110cc(原付二種)であっても万能ではありません。高速道路や自動車専用道、そして多くのバイパスは走行できないため、長距離のルート計画時には、原付二種が走行可能な道かを事前に確認する作業が不可欠です。

もちろん、50ccでのツーリングが不可能というわけではありません。片道数十キロ程度の近場を、景色を楽しみながらゆっくりと走る「とことこツーリング」であれば、50ccの気軽さや、圧倒的な燃費の良さが大きな魅力となります。

しかし、目的地まである程度の距離があり、多様な道路状況(幹線道路、バイパスの側道、山道など)に対応する必要があるツーリングでは、パワーと法規制の両面で余裕のある110ccモデルが適していると考えられます。

50ccと110ccの主な違い(ツーリング関連)

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比較項目50cc(原付一種)110cc(原付二種)
必要な免許原付免許 または 普通自動車免許小型限定普通二輪免許(AT限定可)以上
法定最高速度30km/h60km/h
二段階右折原則必要(標識による例外あり)不要
二人乗り不可可(条件あり)
走行不可道路高速道路、自動車専用道など高速道路、自動車専用道など
税金・保険比較的安価50ccよりは高価だが、250ccクラスより安価
パワー非力(特に登坂路)50ccより余裕があり、交通の流れに乗りやすい

ツーリングで疲れると言われる理由

スーパーカブ:ツーリングで疲れると言われる理由

スーパーカブでのツーリングは「疲れる」という意見を耳にすることがあります。これは単なる印象ではなく、いくつかの明確な理由が挙げられます。

主な要因は、スーパーカブが持つ車体設計の根本的な思想に由来するものです。スーパーカブは元来、新聞配達や郵便配達、出前といったビジネスユースや、日常の近距離移動(コミューティング)を主眼に設計されています。そのため、長距離を高速で快適に移動することを最優先事項とする「ツアラー」と呼ばれるタイプのバイクとは、特性が大きく異なります。

具体的に疲労を感じる要因としては、まず標準シートの構造が挙げられます。ビジネスユースで頻繁な乗り降りを想定したシートは、必ずしも長時間の連続乗車における快適性を追求していません。そのため、長時間同じ姿勢で座り続けると、お尻の特定の部分に圧力が集中し、痛みが出やすくなります。

次に、サスペンションの性能です。標準のサスペンションは、コストと耐久性を重視したシンプルな構造のものが多く、路面からの細かな振動や、段差を越えた際の大きな衝撃を吸収しきれない場合があります。これらの振動や衝撃は、積載量が少ない状態でも腰や背中に直接伝わりやすく、長距離走行では疲労として蓄積していきます。特にキャンプ道具などで積載量が増えると、サスペンションが沈み込みすぎて機能しづらくなる「底付き」と呼ばれる現象が起こりやすくなり、乗り心地はさらに硬くなります。

また、スーパーカブの多くは、走行風をライダーから逸らすための大型カウル(風防)を標準装備していません。レッグシールドはある程度の風を防ぎますが、上半身は常に走行風を受け続けることになります。風圧に耐えることは想像以上に体力を消耗させ、特に気温が低い季節には体温を奪う大きな要因にもなります。

加えて、排気量が比較的小さいために起こるエンジンの振動も疲労の一因です。交通量の多い国道やバイパスの側道などで車の流れに乗ろうとすると、エンジンを高回転で維持し続ける場面が多くなります。登坂路も同様です。このような高回転域ではエンジンの振動が大きくなりがちで、ハンドルやステップを通じてライダーに伝わり、不快感や疲労につながります。

このように、スーパーカブは長距離・高速走行を前提とした設計ではないため、他の大型バイクと同じ感覚やスケジュールでツーリングを行うと、身体的な疲労を感じやすくなる傾向があるのです。

疲労を減らすための長距離対策

前述の通り、スーパーカブの設計思想上、長距離走行には疲労が伴いやすい側面がありますが、これは宿命ではありません。適切な対策を講じることで、疲れを大幅に軽減し、快適なツーリングを楽しむことが可能です。

最も手軽で、今日からでも実践できる効果的な対策は、運転方法の見直しです。スーパーカブは低回転域でのトルク(粘り強さ)があるため、必ずしも1速で目一杯引っ張る必要はありません。例えば、平坦な道であれば2速発進を試みるなど、頻繁で慌ただしいシフトチェンジを減らすことが挙げられます。

また、急加速や急減速(特にエンジンブレーキを強く効かせるようなシフトダウン)を避け、アクセル操作やブレーキ操作を滑らかに行い、なるべく一定の速度で走行することを心がけてください。車体の揺れやシフトショックが減ることで、身体への無用な負担が少なくなります。

特に重要なのが、スピードを意識的に抑えて走ることです。エンジンの振動が少なく、音が心地よいと感じる速度域(一般的には時速50km/h前後)を保つことが、結果として疲労軽減に最も大きく貢献します。

次に、装備面での対策も非常に有効です。多くのライダーが悩む「お尻の痛み」に対しては、複数の解決策があります。根本的な対策としては、社外品のクッション性が高いコンフォートシートに交換する方法があります。予算を抑えたい場合は、純正シートの上に取り付けるゲル内蔵のクッション(通称ゲルシート)を追加するだけでも、体圧が分散され、効果を実感できるでしょう。

路面からの衝撃対策としては、純正よりも性能の高い社外品のリアサスペンションに交換することも有力な選択肢の一つです。特にキャンプなどで積載量が多いライダーにとっては、乗り心地の改善に大きく寄与します。

さらに、走行風による体力消耗を防ぐためには、防風シールド(ウインドスクリーン)の装着が非常に効果的です。直接上半身に当たる風圧を減らすだけで、長距離走行時の疲労度は驚くほど変わってきます。これは冬場の寒さ対策としても絶大な効果を発揮します。

もちろん、最も基本的な対策として、無理のないツーリングスケジュールを組むことが大前提です。1日の走行距離を控えめに設定し、「疲れたな」と感じる前に、1時間に1回程度はバイクを降りて休憩を取り、軽いストレッチなどを行うことが、結果的により遠くまで楽しく走るための秘訣となります。

快適なツーリング仕様カスタムとは

スーパーカブ:快適なツーリング仕様カスタムとは

スーパーカブをツーリングで快適に使用するためには、いくつかのカスタムが非常に効果的です。これらのカスタムは、長旅の要求に応えるため、主に「積載能力の向上」と「ライダーの快適性の向上」という二つの目的に大別されます。

積載能力の向上

日帰りツーリングならまだしも、宿泊を伴うツーリング、特にキャンプなどを視野に入れる場合は多くの荷物が必要になります。スーパーカブの積載能力を飛躍的に高めるカスタムは、ツーリング仕様の基本と言えます。

  • リアキャリアの大型化・延長: 純正のリアキャリアはコンパクトな場合が多いため、より大きなシートバッグやリアボックスを安定して積載できるよう、大型のキャリアに交換したり、既存のキャリアに後付けできる延長キャリアを追加したりします。
  • リアボックスの設置: 荷物を雨やホコリから完全に守り、鍵をかけることで防犯性も高まるリアボックスは非常に便利です。ホンダ純正のビジネスボックスのような大容量のものから、デザイン性の高いものまで選択肢は豊富です。ただし、重量物を高い位置に積むことになるため、重心が上がり、走行安定性にやや影響が出る可能性も考慮に入れる必要があります。
  • サイドバッグサポートの追加: サイドバッグ(振り分けバッグ)を使用する際に、バッグが回転するタイヤやリアサスペンションに接触・巻き込まれるのを防ぐため、サポートステーの取り付けは必須です。
  • フロントキャリアやセンターキャリア: 積載スペースをさらに増やすために、フロントキャリア(いわゆる前カゴ)や、レッグシールドの内側(股下部分)に取り付けるセンターキャリア(通称ベトナムキャリア)も活用されます。積載箇所を分散させることで、重量バランスを取りやすくなります。ただし、フロントキャリアに重いものを載せすぎるとハンドリング(操縦性)に悪影響が出るため注意が必要です。

快適性の向上

前述の疲労要因を軽減し、長距離走行をより快適にするためのカスタムです。

  • 防風シールド: 走行風による疲労と寒さを大幅に軽減します。大型のものほど防風効果は高いですが、横風の影響を受けやすくなる側面もあるため、サイズ選びは重要です。
  • シートの変更: お尻の痛みを軽減するため、クッション性の高い社外品のカスタムシートや、純正シートの上にかぶせるタイプのシートカバーに変更します。
  • スプロケットの変更: これは少し専門的ですが、エンジンの回転力をタイヤに伝えるドライブスプロケット(エンジン側の歯車)の歯数を変更し、ギア比を調整する手法です。歯数を1つ増やす(ロング化する)と、同じ速度でもエンジン回転数が下がるため、巡航時の振動や騒音が低減され、燃費が向上する可能性があります。ただし、その代償として加速力や登坂能力は低下するため、自分の走行スタイルや主なルート(平坦路が多いか、山道が多いか)を考慮して慎重に検討する必要があります。

これらのカスタムを施すことで、スーパーカブは実用的なビジネスバイクから、長距離の旅にも対応できる快適なツーリング仕様のマシンへと大きく変化します。

走行時の注意点と運転のコツ

スーパーカブでツーリングする際には、その特性に起因する特有の注意点と、より安全・快適に走るための運転のコツがあります。

まず、スーパーカブ(特に110cc)は法規上「原付二種」に分類されるため、走行できない道路があることを常に意識しなくてはなりません。高速道路や自動車専用道はもちろんのこと、都市部や郊外に多いバイパス、立体交差のアンダーパスなど、多くの道が「自動車専用」または「125cc以下通行不可」となっています。

これを回避するため、スマートフォンのナビアプリを使用する際は、必ず「原付二種(125cc以下)」に対応したルート設定ができるもの(例:『ツーリングサポーター』など)を選んでください。一般的なカーナビアプリのままだと、意図せず通行不可の道に誘導される危険があります。

次に、車体が軽量であるという特性への理解が必要です。軽量なことは取り回しの良さにつながりますが、一方で横風の影響を受けやすいという弱点にもなります。特に風を遮るものがない橋の上、トンネルの出口、そして大型トラックに追い越される瞬間などは、急な横風で車体があおられることがあります。このような場所では速度をあらかじめ控えめにし、ニーグリップ(両膝で車体を軽く挟み込む)を意識してハンドルをしっかり保持することが求められます。

スーパーカブ特有の自動遠心クラッチとロータリー式ミッション(変速機)にも慣れが必要です。クラッチ操作がないため左手は楽ですが、シフトチェンジの際にはアクセルを少し戻す(スロットルオフ)ことで、変速時の「ガクン」という衝撃(シフトショック)を和らげ、滑らかに運転できます。また、ロータリーミッションは停車時にN(ニュートラル)から4速へ直接入る構造のものがあるため、操作ミスにも注意が必要です。

また、燃費は非常に優れていますが、燃料タンクの容量は比較的小さいという側面も持ちます(現行スーパーカブ110の燃料タンク容量は4.3L)。WMTCモード値(実走行に近い燃費測定法)での燃費(67.0km/L)から計算すると、航続距離は約280km程度となりますが、実際の走行状況では200km~250km程度が給油の目安となるでしょう。地方や山間部ではガソリンスタンドが少ない、あるいは日曜祝日や夜間は営業していない場合も多いため、燃料計のメモリが半分程度になったら早め早めに給油を心がけるか、次項で解説するガソリン予備タンクを携帯すると非常に安心です。

最後に、交通量の多い国道などでの立ち回りです。110ccであれば車の流れに乗ることは十分可能ですが、無理は禁物です。流れをリードする必要はなく、適度な車間距離を保ちつつ、もし後続車が詰まってプレッシャーを感じるようであれば、安全な場所(バス停や登坂車線など)で左に寄り、道を譲る余裕を持つことが、結果として自分自身の安全でストレスのないツーリングにつながります。

JAF:バイク編(危険予知・事故回避トレーニング)

スーパーカブでのツーリングの準備と実践

スーパーカブでのツーリングの準備と実践
  • ツーリングに欠かせない必需品
  • 季節や天候に合わせた服装ガイド
  • キャンプ道具の積載方法
  • スーパーカブでのキャンプの魅力
  • 安全なスーパーカブ ツーリングの総括

ツーリングに欠かせない必需品

スーパーカブでのツーリングを安全かつ快適に楽しむためには、一般的なバイク用品に加えて、スーパーカブ特有の事情を考慮した必需品を準備することが強く望まれます。

まず、他の多くのバイクと異なり、スーパーカブは「チューブタイヤ」を使用しています。チューブレスタイヤと違い、釘などが刺さると比較的急激に空気が抜ける可能性があり、パンク修理も現場で行うには手間がかかります。そのため、パンク対策は非常に重要です。最低限、パンク修理キット(パッチ、ゴムのりなど)、タイヤレバー(最低2本)、適合サイズの予備チューブ、関連するレンチ類(アクスルシャフトを緩める工具など)、そして携帯空気入れ(手動または電動)を携行することが強く推奨されます。特にソロツーリングや、バイクショップが近くにない山間部を走る際には、自分で応急処置ができる準備が、旅を中断させないための大きな安心につながります。

次に、前述の通り燃料タンク容量が比較的小さいため、ガス欠対策も考慮すべきです。1リットル程度のガソリン予備タンク(携行缶)を携帯するだけで、精神的な余裕が大きく変わります。ガソリンスタンドが見つからない、あるいは夜間・休日で閉まっているといった不測の事態にも対応できます。なお、ガソリンを携行する際は、消防法に適合した専用の携行缶を使用することが法律で義務付けられています。

現代のツーリングでは、スマートフォンをナビゲーションとして使用することが一般的です。そのため、スマートフォンホルダーは必需品です。ただし、スーパーカブはモデルによってエンジンの振動が伝わりやすいため、スマートフォンのカメラが故障するリスクを軽減できる、振動吸収機能(ダンパー)付きのホルダーを選ぶと良いでしょう。長時間のナビ使用はバッテリーを大きく消耗するため、大容量のモバイルバッテリーは必須です。あるいは、バイクのバッテリーから電源を取るUSBポートを設置するのも、充電切れの心配がなくなり便利です。

夜間走行の安全性を高めるため、後続車からの被視認性を上げる工夫も大切です。リアボックスやヘルメットの後部に、高輝度の反射シールや反射テープを貼ることは、低コストでできる有効な安全対策です。

その他、軽微なトラブルや装備の破損に備えて、布テープ(ガムテープ)や結束バンド(タイラップ)を少量持っておくと、応急処置に役立ち重宝します。

ツーリングシチュエーション別 必需品・推奨品リスト

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携行品日帰りツーリング(近~中距離)泊りがけ・キャンプツーリング備考
レインウェア◎(必須)◎(必須)天候予報に関わらず携帯
パンク修理関連○(推奨)◎(必須)ソロ・山間部では特に重要
(予備チューブ・工具・空気入れ)
ガソリン予備タンク△(ルートによる)○(推奨)山間部・過疎地走行時は特に有効
モバイルバッテリー◎(必須)◎(必須)容量の大きいものが望ましい
スマホホルダー◎(必須)◎(必須)振動対策タイプを推奨
工具類(車載以外)○(推奨)結束バンド、布テープなど
プロテクター◎(必須)◎(必須)特に胸部プロテクターは重要
反射シール等○(推奨)○(推奨)夜間走行の可能性がある場合

季節や天候に合わせた服装ガイド

スーパーカブでのツーリングにおいても、服装はライダーの安全性と快適性に直結する最も重要な要素の一つです。速度域が比較的低いスーパーカブであっても、公道を走る以上、万が一の事態への備えは大型バイクと何ら変わりません。

安全性の確保(プロテクター)

最も大切なのは、転倒時のダメージを最小限に抑えるための装備です。

バイク事故の死因の上位である頭部を守るヘルメットは当然として、次に重要なのが胸部です。胸部プロテクターは、万が一の際に内臓への致命的なダメージを軽減するものであり、必ず装着しましょう。

また、肘、肩、背中(脊椎)、そして下半身の膝や脛(すね)を守るプロテクターも、ジャケットやライディングパンツに内蔵されているものや、別途インナーとして装着するタイプを選んでください。

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グローブの重要性

グローブも必需品です。人間は転倒する際、反射的に手をつくため、素手では深刻な怪我につながります。手のひらの保護はもちろん、手の甲(くるぶし部分)を硬質素材で保護するナックルガード付きの、バイク専用グローブが強く推奨されます。素材は、摩擦に強い革製が定番です。

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天候・気温への対応

天候や気温の変化に柔軟に対応できる服装が、快適なツーリングの鍵となります。

  • レインウェア(カッパ): 天気予報が晴れであっても、必ず携帯してください。山間部では天候が急変しやすいためです。また、レインウェアは防水性だけでなく防風性も高いため、予想外に気温が下がった際の防寒着としても非常に役立ちます。蒸れにくい透湿防水素材で、上下が分かれたセパレートタイプが使いやすく推奨されます。
  • 防寒対策(冬): スーパーカブはレッグシールドがあるため、足元への風はある程度防げますが、上半身と指先の寒さは深刻です。指先の冷え対策として、グリップヒーター(ハンドルのグリップ自体が発熱する装備)や、ハンドルカバー(通称「おばちゃんカブ」スタイル)は非常に効果的です。これらに加えて、首元からの冷気を遮断するネックウォーマー、そして「重ね着(レイヤリング)」が基本となります。肌に近い順に、汗を素早く乾かすインナー、体温を保持するミドルレイヤー(フリースなど)、そして風を通さないアウター(防風ジャケット)を組み合わせることで、体温を効率的に維持します。
  • 暑さ対策(夏): 夏場は非常に暑いですが、安全のためにTシャツ一枚といった肌の露出は絶対に避けてください。転倒時のダメージが甚大になるだけでなく、直射日光による日焼けや体力消耗が激しくなります。夏場こそ、プロテクターを内蔵しつつ通気性を確保したメッシュ素材のサマージャケットを着用することが望ましいです。インナーには、汗をかいてもベタつかない速乾性・冷感機能のあるものを着用すると快適さが大きく向上します。もちろん、こまめな水分補給と休憩による熱中症対策は必須です。

キャンプ道具の積載方法

スーパーカブは、その出自であるビジネスバイクとしての素性を活かし、適切なカスタムを施すことで驚異的な積載能力を発揮するため、キャンプツーリングにも非常に適しています。ただし、多くの道具を積載する際は、バイクの走行安定性を損なわないよう、重量バランスと荷崩れ防止に細心の注意を払う必要があります。

積載の基本:リアキャリア

積載の土台となるのがリアキャリアです。最も一般的で大容量な積載方法は、このリアキャリア部分に大型のリアボックスやシートバッグを取り付けることです。

リアボックスは、防水性・防犯性に優れ、荷物の出し入れが容易という大きなメリットがあります。一方、シートバッグは、布製で柔軟性があるため、テントやマットなどの長物も形状に合わせて積載しやすいメリットがありますが、別途防水カバーをかけるなどの対策が必要になる場合があります。

テント、寝袋、マットといった比較的大きくかさばる道具は、防水性の高い大型シートバッグなどにまとめ、リアキャリアやタンデムシート部分にしっかりと固定します。

積載量の拡大:サイドバッグ

さらに積載量を増やすには、サイドバッグが非常に有効です。ただし、前述の通り、サイドバッグサポートの取り付けは必須です。このサポートなしで使用すると、バッグがタイヤに巻き込まれたり、サスペンションの動きを妨げたりして、重大な事故につながる危険があります。

積載のコツは、重量配分です。クッカー(調理器具)や燃料、工具類など、重いものを左右のサイドバッグに均等に振り分け、かつ可能な限り低い位置に入れることが重要です。これにより、バイク全体の重心が下がり、走行安定性が向上します。

積載の分散:フロント・センターキャリア

積載箇所を分散させることも有効です。フロントキャリア(前カゴ)には、比較的軽量なロールマットや、すぐに取り出したい小型のバッグなどを積載します。ただし、ハンドル部分に重量物を載せすぎると、操縦安定性(ハンドリング)に悪影響が出るため、積載するものの重量には注意が必要です。

センターキャリア(ベトナムキャリア)は、乗降時に足をまたぐ必要がありますが、レインウェアや地図など、走行中にすぐに取り出したいものを積むのに便利です。

固定方法と注意点

荷物の固定には、荷締めベルト、ツーリングネット、あるいは伸縮性と固定力に優れたROKストラップなどが使われます。特にシートバッグなどは、走行中の振動で緩まないよう、複数のベルトで前後左右からしっかりと固定することが大切です。

積載が完了したら、必ず出発前に近所を試走し、荷崩れや緩みがないか、また、極端にハンドリングが重くなっていないかなど、走行安定性に問題がないかを確認することが重要です。もちろん、法律で定められた積載重量(スーパーカブ110は最大積載重量30kg)を超過しないよう(過積載)、道具の軽量化・厳選も心がけてください。

スーパーカブでのキャンプの魅力

スーパーカブでのキャンプの魅力

スーパーカブでのキャンプツーリングには、大型バイクや車でのキャンプとは一味違った、独自の魅力と楽しさがあります。

スーパーカブの最大の強みである「積載能力」は、キャンプツーリングにおいて大いに発揮されます。前述のようなカスタムを前提としますが、大型のリアボックス、左右のサイドバッグ、フロントキャリアなどを組み合わせることで、ソロキャンプに必要なテント、寝袋、テーブル、チェア、調理器具といった道具一式を余裕を持って積載することが可能です。特に「スーパーカブ プロ」の各モデルは、大型のリアキャリアと頑丈なフロントバスケットが標準装備されており、購入した時点から高い積載性を誇り、まさにキャンプツーリング向きの仕様と言えます。

また、スーパーカブの「経済性」と「機動力」も大きな魅力です。圧倒的な燃費の良さは、長距離のキャンプツーリングにおいて、ガソリン代というコスト面で大きなメリットとなります。そして、静かな排気音とコンパクトな車体は、キャンプ場の静かな雰囲気にもよく馴染みます。

さらに、キャンプ場に到着してからの使い勝手の良さも見逃せません。小回りが利くため、キャンプサイト内の未舗装路や狭い通路でも取り回しが非常に容易です。近隣の温泉やスーパーへ買い出しに行く際も、カブの気軽さが最大限に活かされます。

「とことこ」と、決して速くはない速度で走りながら、道中の何気ない景色をじっくりと楽しみ、目的地に到着すれば、自分で運んできた道具で自分だけの空間を作り上げる。このような、移動の「過程」とキャンプという「目的」の両方を、ゆったりとした時間の流れの中で楽しめるスローなキャンプスタイルは、スーパーカブというバイクの牧歌的な特性と非常に相性が良いと考えられます。

安全なスーパーカブツーリングの総括

スーパーカブ ツーリングの魅力、準備、そして実践方法について解説してきました。この記事の重要なポイントを以下にまとめます。

  • ツーリングには110cc(原付二種)モデルが推奨される
  • 50cc(原付一種)は近場の「とことこ走り」に適している
  • 長距離走行では振動や標準シートによる疲労に注意が必要
  • こまめな休憩と速度を抑えた滑らかな運転が疲労を軽減する
  • 防風シールドやカスタムシートは快適性向上に効果的
  • 積載カスタム(キャリア、ボックス、バッグサポート)は用途に応じて選択する
  • パンク修理キット、工具、空気入れの携帯が推奨される
  • ガソリン予備タンクの携帯でガス欠リスクを回避できる
  • プロテクター(特に胸部)やバイク用グローブは安全のために必須
  • レインウェアは天候に関わらず常に携帯する
  • 冬場はグリップヒーターやハンドルカバーが防寒に有効
  • ナビアプリは「原付二種対応」のものを使用し通行不可区間を避ける
  • 荷物は重量バランスを考慮し、荷崩れしないよう確実に固定する
  • キャンプツーリングはスーパーカブの積載能力と機動力を活かせる
  • スーパーカブ ツーリングは無理のない計画と準備で独自の楽しさを満喫できる
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