スーパーカブに風防を付けたい。
でも、あの見た目がどうもダサい気がして踏み切れない。そんな風に感じていませんか。
純正品や旭風防に見られるタレ付きのクラシックな姿は、確かに好みが分かれるところです。
しかし、風防がもたらす疲労軽減や厳しい寒さを和らげる防寒効果は、一度体験すると手放せないほどの大きなメリットです。
この記事では、デザインと実用性を両立させる選び方を徹底解説。
スタイリッシュなショートタイプから機能的なモデルまで、おすすめ5選の紹介はもちろん、購入後に後悔しないための取り付けの注意点まで、あなたの疑問をすべて解決します。
- 風防の具体的なメリットとデメリット
- 「ダサい」という印象を解消する選び方
- 純正品や旭風防など主要メーカーの特徴
- タイプ別のおすすめモデルと取り付けの注意点
スーパーカブ:風防の必要性と効果

- 風防のメリット:疲労と寒さ軽減
- デメリット:視界と横風
- 風防はダサい?見た目の印象
- ショートタイプとロング比較
- 純正ウインドシールドの特徴
- 定番の旭風防を選ぶ理由
- 伝統のタレ付き風防の効果
風防のメリット:疲労と寒さ軽減
スーパーカブに風防を取り付けることによって得られる恩恵は多く、その中でも最大のメリットは、ライダーの疲労を大幅に軽減できる点と、高い防寒効果にあります。
バイクでの走行中は、ライダーの体全体が走行風にさらされます。特にスーパーカブが走行する速度域(時速40km~60km程度)であっても、風圧は想像以上に強く、長時間受け続けると体力を着実に奪っていきます。風防は、この風圧が最も強く当たる体幹部、特に胸元への直撃を防ぐ役割を果たします。これにより、風圧に対抗するために無意識に使っていた首や肩、背中の筋肉の緊張が和らぎ、長距離を走行した後の疲労感が大きく異なります。
また、風圧だけでなく、風切り音による精神的な疲労も軽減される効果が期待できます。
防寒面での効果は絶大です。冬場にバイクに乗ると、走行風によって体感温度は実際の気温よりはるかに低くなります。風防は、この冷たい風が体に直接当たるのを遮断する「壁」となり、体温が奪われるのを防ぎます。これはスーパーカブ標準装備のレッグシールドと組み合わせることで、下半身から上半身まで広範囲をカバーでき、防寒効果がさらに高まります。冬はもちろん、夏場でも早朝や日没後、標高の高い山間部などでは気温が急激に下がることがあり、一年を通してその恩恵を感じられるでしょう。
他にも、快適性や安全性を高める多くの利点が存在します。
その他の具体的なメリット
- 雨天時の防御:突然の小雨程度であれば、風防が雨をブロックしてくれるため、体が濡れるのを大幅に遅らせることができます。ヘルメットのシールドに当たる雨粒も減るため、視界確保にも貢献します。
- 虫や異物からの保護:夏場の夜間走行などで大量に飛んでくる虫や、前を走るトラックが跳ね上げた小石など、不快で危険な飛来物からライダーを物理的に守ってくれます。
- 燃費への影響:ライダー自身が受ける空気抵抗は、バイク走行時の大きな抵抗源の一つです。風防が走行風をスムーズに受け流すことで、体で風を受けるよりも車体全体の空力特性が改善し、結果として燃費の向上に寄与する可能性も考えられます。
デメリット:視界と横風
多くのメリットを提供する風防ですが、取り付けることによるデメリットや、運用上の注意点もいくつか存在します。
一つ目は、視界への影響です。風防(スクリーン)はライダーの視界の一部、あるいは視界のすぐ下に入り込むため、その状態には常に気を配る必要があります。ホコリや泥で汚れたり、経年劣化や洗車傷などでスクリーンに細かい傷が付いたりすると、視界が歪んだり、見えにくくなったりします。
特に問題となるのが雨天時の走行です。スクリーンに付着した水滴が視界を著しく妨げます。夜間になると、対向車のヘッドライトの光が水滴やスクリーンの傷に乱反射し、前方が非常見えにくくなることもあり危険です。この対策としては、ヘルメットのシールド同様、スクリーン用の撥水コーティング剤を定期的に塗布することが挙げられます。
二つ目は、風からの影響を受けやすくなる点です。高い防風効果を持つということは、裏を返せば風を受ける面積が広がることを意味します。そのため、走行中に強い横風を受けると、車体があおられやすくなる傾向があります。橋の上、トンネルの出口、ビルとビルの間、あるいは大型車の追い越し時などは、予期せぬ横風にハンドルを取られないよう注意が必要です。この傾向は、特にスクリーンの面積が大きいロングタイプで顕著になります。
三つ目は、風切り音の問題です。風防の形状や高さ、取り付け角度によっては、走行風がヘルメットの周辺で渦を巻き、風防がない状態よりもかえって風切り音が大きくなってしまうケースもあります。
最後に、駐車時の「集光」現象にも注意が必要です。スクリーンの湾曲した形状がレンズのように作用し、太陽光を一点に集めてしまうことがあります。この焦点がメーターパネルやハンドルカバー周辺に当たると、その熱で樹脂パーツが溶けたり、変形したりするトラブルが報告されています。これを防ぐためには、駐車時に直射日光がスクリーンに当たらない向きに停めるか、バイクカバーや風防専用のカバーをかけるといった対策が求められます。
風防はダサい?見た目の印象
スーパーカブの風防について調べると、「ダサい」「おじさんっぽい」といった否定的な意見を目にすることがあります。この印象は、どこから来るのでしょうか。
多くの場合、このイメージは過去の「実用性一辺倒」のスタイルに起因しています。新聞配達や郵便配達、銀行の営業などで使われてきたビジネスバイクとしてのカブには、防風・防寒性能を最優先した大型のスクリーンや、布製の「タレ」が付いたクラシックな風防が装着されていることが多くありました。これらのスタイルが、「仕事用のバイク」=「ダサい」というイメージに結びついていると考えられます。
また、スーパーカブのシンプルで小柄な車体に対して、風防が大きすぎると全体のバランスが崩れ、頭でっかちな印象を与えてしまうことも一因でしょう。
しかし、この印象はあくまで主観的なものであり、近年ではその価値観も大きく変化しています。一方で、そのレトロなスタイルこそが「味がある」「クラシックでかっこいい」と捉えるオーナーも増えています。
さらに重要なのは、風防のデザインが非常に多様化している点です。実用性重視の大型スクリーンだけでなく、デザイン性を追求したモデルも数多く登場しています。
例えば、メーター上部に取り付ける小型で精悍な「ショートバイザー(メーターバイザー)」、スポーティーな印象を与える「スモークスクリーン」、デイトナやキタコ、エンデュランスといったカスタムパーツメーカーが手掛けるアドベンチャーバイク風の多角的なデザインのものなど、選択肢は豊富です。
これらのモデルを選べば、風防の実用性を享受しつつ、スーパーカブをより現代的で個性的なスタイルに仕上げることが可能です。例えば、マットブラックの車体にスモークタイプのショートバイザーを合わせるなど、車体色とのコーディネートを楽しむオーナーも多くいます。
要するに、「風防がダサい」かどうかは、どのような製品を選び、どのようにカスタムするかにかかっているのです。
ショートタイプとロング比較
風防は、そのサイズ感によって大きく「ショートタイプ」と「ロングタイプ」の2種類に分類されます。どちらを選択するかは、ライダーが風防に何を一番求めるか(デザイン性か、防風性か)によって決まります。
ショートタイプは、一般的に「メーターバイザー」や「ショートバイザー」と呼ばれ、メーターの上部を覆う程度のコンパクトなサイズ感が特徴です。主な目的は、メーター周りへの風の当たりを軽減しつつ、車体デザインの一部としてドレスアップすることにあります。軽量でハンドリングへの影響がほとんどないのもメリットです。
一方、ロングタイプは、ライダーの胸元から顔のあたりまでを広くカバーする大型のスクリーンを指します。こちらはデザイン性よりも実用性を最優先しており、防風・防寒・防雨・防虫といった、風防本来の機能を最大限に発揮することを目的としています。純正品や旭風防の定番モデルの多くは、このロングタイプ、あるいは中間的なミドルタイプに分類されます。
それぞれのメリットとデメリットを、以下の表にまとめます。
タイプ別メリット・デメリット比較
| 項目 | ショートタイプ(メーターバイザー) | ロングタイプ(ウインドシールド) |
| 主な目的 | デザイン性、 ドレスアップ、 整流 | 実用性、防風、 防寒、疲労軽減 |
|---|---|---|
| 防風効果 | 限定的(主に胸元まで) | 高い(胸元から頭部まで) |
| メリット | スタイリッシュな外観 視界への干渉が少ない 軽量でハンドリングへの影響が最小限 横風の影響を受けにくい | 卓越した防風・防寒効果 雨や虫から顔まで守れる 長距離走行の疲労軽減効果が絶大 |
| デメリット | 防風効果は低い(顔や肩には風が当たる) 雨や虫は防ぎきれない | 視界に干渉しやすい(特に雨天時) 横風の影響を受けやすい デザインが重い印象になりがち 重量増によりハンドリングに僅かな影響 |
| おすすめの用途 | デザイン重視のカスタム 夏場の走行 短距離の街乗り中心 | 長距離ツーリング 冬場の通勤・通学 天候を問わず乗る実用性重視派 |
このように、ご自身のスーパーカブの利用シーン(街乗り中心か、ツーリングか)や、季節(夏中心か、冬も乗るか)、そしてデザインの好みを総合的に考えて、最適なタイプを選択することが後悔しないための鍵となります。
純正ウインドシールドの特徴

ホンダがスーパーカブの純正アクセサリーとして提供しているウインドシールドは、多くの社外品とは一線を画す、メーカー品質ならではの安心感が最大の特徴です。
何よりもまず、車種専用に完璧に設計されている点が挙げられます。スーパーカブのモデルごと(例えばJA59やJA44など)に専用品が用意されており、取り付けた際の車体との一体感、フィット感は抜群です。走行中の振動によるブレやガタツキが出にくいよう、強度計算や取り付け方法が最適化されています。
材質には、耐衝撃性に非常に優れたポリカーボネートを採用しているモデルが主流です。これはヘルメットのシールドにも使われる素材で、万が一転倒したり、小石が当たったりしても割れにくく、安全性が高く考慮されています。また、耐候性にも優れており、長期間の使用でも黄ばみや曇りが出にくいのも特徴です。
例えば、スーパーカブ110(JA59/JA44)用の純正シールドは、サイズが約470mm(高さ)× 約402mm(幅)と十分な大きさを持ち、非常に高い防風効果を発揮します。
取り付けに関しては、専用設計ゆえの安心感があります。丁寧な取り付け説明書と、必要なブラケットやボルト類がすべて同梱されています。ただし、モデルによっては取り付けが少々複雑になる場合もあります。例えば、JA44やJA59への装着にはハンドルアッパーカバーの取り外しと専用ブラケットへの交換が必要になるなど、社外品のミラー共締めタイプより手間がかかるケースもあります。
価格は社外品と比較して高価になる傾向がありますが、その価格に見合うだけの品質、耐久性、そして「HONDA」ロゴが入る(モデルによる)所有感を満たす満足感が得られます。品質に妥協したくない、最も信頼できる製品を選びたいというライダーに適しています。
定番の旭風防を選ぶ理由

「カブの風防」と聞いて、多くのベテランライダーが真っ先に思い浮かべるのが「旭風防(あさひふうぼう)」でしょう。旭風防(製造元:旭精器製作所)は、昭和30年(1955年)からバイク用のスクリーンを製造・販売している日本の老舗メーカーです。
長年にわたりスーパーカブオーナーから絶大な支持を受け続けるのには、確かな理由があります。
最大の理由は、その圧倒的な信頼性と、スーパーカブが持つノスタルジックな雰囲気に絶妙にマッチするクラシカルなデザインです。その品質の高さは、ホンダの純正カスタマイズパーツ(ホンダアクセス品)として採用されることからも証明されています。
製品のデザインは、華美な装飾を排したシンプルで丸みを帯びたものが多く、スーパーカブの伝統的なスタイルを一切損ないません。それでいて、計算された形状により防風性能は非常に高く、実用面でも申し分ありません。
また、材質にも選択肢があります。伝統的な硬質塩化ビニール樹脂を使用したモデルは、比較的安価ですが、耐衝撃性や耐候性(経年劣化)の面ではポリカーボネートに劣ります。そのため、スクリーンのフチに補強と安全のためのモールが付いているのが外観上の特徴です。一方で、近年は純正品と同様のポリカーボネートを採用した、フチなしのクリアなモデルも主流となっています。
ラインナップの豊富さも魅力で、「CUB-F3」のような定番のウインドシールドから、デザイン性を高めた「CUB-F8」のようなショートバイザー、さらにはC125専用設計の「C125-03」まで、現行モデルから旧型車まで幅広くカバーしています。
純正品に迫る品質と信頼性を持ちながら、比較的手に取りやすい価格設定である点も、多くのライダーに選ばれる大きな理由です。
伝統のタレ付き風防の効果
旭風防の製品ラインナップの中でも、特にクラシカルな印象を与えるのが、スクリーンの下部に装着された布製の「タレ」が付いたモデルです。このタレは単なる飾りではなく、明確な実用的な役割を持っています。
主な効果は、手元への防風・防寒性能を劇的に高めることです。
一般的なスクリーン本体だけでは、どうしてもハンドルの根元付近やスクリーンの下側から風が巻き込んでしまい、特にライダーの手元が冷気にさらされやすくなります。タレは、このスクリーンと車体の隙間を物理的に塞ぐことで、冷たい走行風が直接手に当たるのを防ぎます。
この効果は、気温が氷点下に迫るような厳冬期の走行において絶大です。別売りのハンドルカバーやグリップヒーターといった他の防寒アイテムと組み合わせることで、まさに「こたつ」のような最強の防寒装備を構築することが可能になります。
また、手元だけでなく、膝から胸元にかけて巻き上がってくる風も軽減する効果が期待できます。
一見すると古風で「おじさんっぽい」デザインの象徴とされがちですが、これ以上ないほど実用性に裏打ちされた、日本の知恵が生んだ伝統的な装備と言えます。
近年では、このタレ部分の素材やデザインも進化しています。従来のカーキ色だけでなく、ファッションアイテムとして楽しめるよう、デニム生地(濃淡2色があり、ダミーのポケットが付いたものも)や、起毛素材を使用したヒョウ柄など、遊び心のあるモデルも登場しています。一部のモデルでは、タレをクリップで簡単に着脱でき、季節や気分に合わせてスタイルを変えることも可能です。
スーパーカブ:風防のおすすめと選び方

- 用途別のおすすめ5選を紹介
- クランプバー付きモデルとは
- 風防の取り付け方法と調整
- 最適なスーパーカブ 風防選び
用途別のおすすめ5選を紹介
スーパーカブ用の風防は多種多様です。ここでは、用途やスタイルの異なる代表的な5つのモデルをピックアップして紹介します。ご自身のカブライフに最適な一点を見つける参考にしてください。
1. ホンダ 純正ウインドシールド
- 適合(例):JA59 / JA44 / AA09 など(モデルごとに専用品あり)
- サイズ(例):約470mm(高さ)× 402mm(幅)
- 材質:ポリカーボネート
- 特徴:メーカー純正品ならではの、圧倒的な品質と車体への完璧なフィット感が最大の魅力です。十分な高さを持ち、防風効果は非常に優れています。取り付けには一部モデルでカバーの取り外しや専用ブラケットへの交換が必要ですが、それを含めて専用設計の安心感があります。価格は高めですが、品質に妥協したくない方に最適です。
2. 旭風防 ウインドシールド (CUB-F3)
- 適合(例):JA59 / JA44 / AA09 など
- サイズ:約420mm(高さ)× 380mm(幅)
- 材質:ポリカーボネート
- 特徴:スーパーカブのレトロな雰囲気に最もマッチする定番中の定番モデルです。ホンダの純正カスタマイズパーツにも選ばれるほどの信頼性があります。純正品よりわずかにコンパクトですが、防風効果は十分です。「カブらしさ」を大切にしたいライダーの第一候補となるでしょう。
3. 旭風防 ショートバイザー (CUB-F8)
- 適合(例):JA59 / JA44 / AA09 など
- サイズ:約295mm(高さ)× 350mm(幅)
- 材質:ポリカーボネート
- 特徴:「風防のメリットは欲しいけれど、大きいのはダサい」と感じる方に向けた、スタイリッシュなショートタイプです。見た目を大きく変えずに、胸元への風当たりを和らげます。アウトスタンディングからOEMでスモークタイプも販売されており、カスタムの幅が広いのも魅力です。
4. Daytona(デイトナ) スクリーン RSシリーズ
- 適合(例):JA44 / JA10 / AA09 / AA04 など(※JA59など新しいモデルへの適合は購入時に要確認)
- サイズ(例):ロング 約345mm(高さ)× 360mm(幅)
- 材質:ポリカーボネート
- 特徴:アドベンチャーバイクを彷彿とさせる、現代的で多角的なデザインが特徴です。スクリーンは約10度の角度調整が可能。さらに、スマホホルダーなどを装着できるクランプバーが一体となっています。ロング(クリア)とショート(スモーク)から選べるのもポイントです。
>>AmazonDaytona(デイトナ) スクリーン RSシリーズ
5. ENDURANCE(エンデュランス) メーターバイザーセット
- 適合(例):JA59 など
- サイズ:メーターバイザー本体 + クランプバー(幅約8cm)
- 材質:アクリル樹脂(バイザー部)
- 特徴:こちらも多機能性が魅力のモデルです。コンパクトなメーターバイザー(クリア/スモーク選択可)と、一般的なハンドルと同じ直径22.2mmのマルチバー(クランプバー)がセットになっており、スマホホルダーやUSB電源の取り付けに便利です。ハンドル周りをすっきりさせたい現行カブオーナーに適しています。
>>AmazonENDURANCE(エンデュランス) メーターバイザーセット
>>Honda適合純正アクセサリー・カスタマイズパーツ / おすすめウェア・グッズ
クランプバー付きモデルとは
クランプバー付きモデルとは、風防を取り付けるためのステー(支柱)部分に、スマートフォンホルダーやその他のデバイスを固定できるバー(マルチバーとも呼ばれます)が一体化している製品を指します。
ご存知の通り、スーパーカブのハンドル周りは樹脂製のカバーで覆われています。そのため、一般的なパイプハンドルを持つバイクのように、ナビ用のスマートフォンやUSB電源、ドリンクホルダー、アクションカメラなどを後から追加しようとしても、取り付けるための場所(掴む場所=クランプする場所)の確保に困ることが少なくありません。
この問題を解決するために、デイトナ製やエンデュランス製の一部のスクリーンでは、風防の取り付けと同時に、これらのデバイスを装着するためのマウントスペースを確保できるようになっています。
このバーの太さは、多くの場合、一般的なバイクのハンドルと同じ直径22.2mm(7/8インチ)規格で作られています。これにより、市販されている多種多様なバイク用アクセサリーをそのまま流用できるため、カスタムの自由度が格段に上がります。
風防としての機能に加えて、ハンドル周りの拡張性も手に入れられるため、特にスマートフォンのナビアプリを多用するツーリング派のライダーにとって、非常に便利な「一石二鳥」のアイテムとして高い人気を集めています。
ただし、多くのデバイスを装着すると視界がごちゃつく可能性や、配線の取り回しに工夫が必要になる点は考慮しておきましょう。
風防の取り付け方法と調整
社外品の風防の多くは、スーパーカブのバックミラーを取り付けているネジ穴を拝借し、そこにステーを共締め(ともじめ)する方式を採用しています。これは、前述の通り、スーパーカブにはアクセサリーを固定できるような露出したパイプハンドルが存在しないため、最も合理的で強度の出せる固定場所がミラーの付け根となるからです。
基本的な取り付け手順
DIYで取り付ける場合、基本的な作業手順は以下のようになります。
- 工具(多くの場合14mmなどのスパナ)を使い、左右のミラーを緩めて取り外します。
- ミラーが元々付いていたネジ穴に、風防に付属しているステーを挟み込みます。この時、ミラーの高さを稼ぐための「ミラーアダプター(ゲタ)」が装着されている場合、一般的に車体本体とアダプターの間にステーを挿入します。
- ステーを挟み込んだ状態で、上からアダプターとミラーを戻し、ステーの位置を調整しながら仮止めします。
- 左右のステーが仮止めできたら、ステーにスクリーン本体を付属のボルトやナット、ワッシャー(傷付き防止のためナイロンワッシャーが使われることが多い)で固定します。
取り付け時の注意点
作業自体は比較的シンプルですが、安全で快適に使用するためにはいくつか重要な注意点があります。
第一に、いきなりすべてのネジを本締めしないことです。すべてのパーツを仮止めした状態で、スクリーンがヘッドライトやウインカー、ブレーキレバー、各種ワイヤー類に干渉していないか、ハンドルを左右いっぱいに切っても問題ないかを必ず確認してください。
第二に、スクリーンの角度調整です。角度を立てすぎると風圧をまともに受けてしまい、逆に寝かせすぎると防風効果が薄れます。一般的には、ライダーが実際に乗車した姿勢で、スクリーンの上端がちょうど目線より少し下に来る位置に合わせ、走行風がヘルメットの上をスムーズに抜けていくような角度に調整するのが理想とされています。角度によっては風切り音が悪化する場合もあるため、微調整が必要です。
第三に、増し締めです。取り付けが完了した後も、走行の振動でネジが緩むことがあります。取り付け直後や、数十キロ走行した後などに、各部のネジに緩みがないか再度確認(増し締め)することを強くおすすめします。
なお、ホンダ純正品など一部のモデルでは、前述の通りハンドルカバーの脱着や専用ブラケットの装着といった複雑な作業が必要になる場合もあります。DIYでの作業に少しでも不安がある場合は、無理をせず、専門知識のあるバイクショップに取り付けを依頼するのが賢明です。
【総括】最適なスーパーカブの風防選び
- スーパーカブの風防は疲労軽減に大きな効果がある
- 走行風による体温低下を防ぎ、防寒対策として非常に有効
- 雨や虫、道路からの飛び石などからライダーを物理的に保護する
- デメリットは雨天時の視界悪化と、スクリーンの汚れや傷の管理
- 横風にあおられやすくなる点、特にロングタイプでは注意が必要
- 駐車時の太陽光による集光現象でメーターパネルが変形するリスクがある
- 「ダサい」という印象は主観的なもので、デザイン選びで解消できる
- ショートタイプは見た目重視でスタイリッシュ、防風効果は胸元まで
- ロングタイプは実用性重視で防風効果が最も高いが、見た目は重くなる
- 純正品は車体との一体感、高い品質、耐久性が魅力だが高価
- 旭風防はカブに似合うクラシックなデザインと信頼性、コストバランスが魅力
- 「タレ」付きモデルは隙間風を防ぎ、手元の防寒性を劇的に向上させる
- 近年はタレのデザインもデニム生地やヒョウ柄など多様化している
- クランプバー付きモデルはスマホホルダーなどを同時に装着でき、一石二鳥
- 取り付けはミラーのネジ穴に共締めするタイプが主流でDIYも可能
- 自分の用途(街乗りかツーリングか)とデザインの好みで選ぶことが後悔しないコツ
