スーパーカブ110のオーナーになったら、次に考えるのは自分だけのカスタムではないでしょうか。
世界中で愛されるスーパーカブだからこそ、その楽しみ方も無限大です。
スーパーカブ110 カスタムパーツを探し始めると、国内外のメーカーから驚くほど多くの製品がリリースされており、その種類の多さに驚くかもしれません。
定番のマフラーやシートの交換による乗り心地の改善から、印象をガラリと変えるレッグシールドのカラー変更、さらには未舗装路の走行も可能なオフロードスタイルへの挑戦まで、オーナーの想像力次第でどのような姿にも変貌します。
人気のクラシカルホワイトの車体に合わせて、レトロなパーツを選んだり、逆にブラックパーツで引き締めたりするのも楽しい時間です。
また、専門ショップが手掛けるコンプリートカスタムを参考にして、全体の方向性を決めるのも良いでしょう。
しかし、パーツ選びには失敗や後悔もつきものです。
「想像していた音と違った」「足つきは良くなったけれど長距離が辛い」といった事態を避けるため、この記事では、かっこいいおすすめカスタムパーツの選び方や、知っておくべき基本情報を分かりやすく解説します。
- スーパーカブ110の主要なカスタムパーツの種類と特徴
- マフラーやシートなど定番パーツの選び方の基本
- オフロードやクラシカルといったスタイル別の方向性
- カスタムパーツ選びで失敗しないための注意点
スーパーカブ110:カスタムパーツの基本

- 定番の交換パーツマフラー
- 乗り心地を左右するシート
- カブらしさを残すレッグシールド
- 積載量を増やすリアキャリア
- 足回りの印象を変えるホイール
定番の交換パーツマフラー
スーパーカブ110のカスタムにおいて、マフラー交換はスタイルや乗り味に最も大きな影響を与える、非常に人気のあるメニューです。多くのオーナーが最初に着手する部分かもしれません。その理由は、交換によって「見た目」「音質」「走行性能」という3つの要素を一度に大きく変化させられる点にあります。
たとえば、クラシカルな雰囲気を高めたい場合、SP武川のP-SHOOTER(キャブトンスタイル)やキタコのミニキャブトンマフラーのような、伝統的なデザインの製品が人気です。これらはカブ本来のレトロな魅力を一層引き立てます。一方で、モリワキのSHORT MONSTERのように短く切り詰められたデザインは、車体全体をスポーティーで軽快な印象に変えます。さらに、ヨシムラのGP-MAGNUMサイクロンのような、本格的なレーシングマシンを彷彿とさせるデザインも存在し、選択肢は多岐にわたります。
マフラー交換のメリットは、まずデザインの向上と、好みの音質への変更が挙げられます。純正の静かな排気音から、歯切れの良いシングルエンジンらしいサウンドになることで、乗る楽しさが増すと考えられます。また、素材が純正のスチールからステンレスやチタンに変更されることで、大幅な軽量化も期待できます。排気効率が向上することで、特にエンジンが高回転まで回る際の「伸び」が良くなる場合もあります。
ただし、カスタムには注意点も伴います。特にマフラーは排気効率、つまり「抜け」が良くなりすぎると、スーパーカブの得意とする低速域のトルク(発進時や低速での力強さ)が犠牲になり、スカスカとした加速感になる可能性が指摘されています。また、音量が大きくなりすぎると、早朝や夜間の住宅街で迷惑になったり、長距離運転でライダー自身が疲れてしまったりすることもあります。
最も重要な注意点として、公道を走行するためには国の定める保安基準に適合している必要があります。そのため、政府認証(JMCA認証など)を受けた製品を選ぶことが、安心してカスタムを楽しむための鍵となります。
| マフラーの主なスタイル | 見た目の特徴 | 音質の傾向(一般例) |
| キャブトン | 魚の尾びれのような形状の排気口 | 歯切れが良く、ややマイルドな低音 |
| メガホン | 排気口に向かって徐々に太くなる形状 | 重低音が効いた、迫力のあるサウンド |
| ショート管 | 短くストレートなデザイン | 高音域が強調され、スポーティーな印象 |
| アップタイプ | 車体の上部(横側)を通る形状 | スタイルにより様々(オフロード感が強い) |
乗り心地を左右するシート
シートは、運転中ライダーの体が常に触れているパーツであり、その形状やクッション性が乗り心地、操作性、そして疲労度に直結します。スーパーカブ110には、オーナーの用途や体格に合わせて、非常に多くの種類のカスタムシートが用意されています。
主な種類としては、まず標準の一人乗り用「シングルシート」のカスタム品があります。次に、二人乗りを可能にする「ダブルシート(ロングシート)」、そして純正のリアキャリアに後付けして二人乗りを実現する「ピリオンシート」が挙げられます。また、足つき性を改善したい方向けの「ローダウンシート」も人気のカテゴリーです。さらに、SP武川のエアフローシートカバーのように、純正シートの上から被せるだけで通気性やクッション性を改善できる便利なアイテムも広く支持されています。
シート交換のメリットは、第一にデザインの劇的な変更です。例えば、キジマのダブルシートやTWRのビンテージシートなどは、タックロールやダイヤモンドステッチが施されており、装着するだけで車体全体の雰囲気をクラシカルかつ個性的に変える力があります。
機能面でのメリットも大きいです。アウトスタンディングのS38Tや東京堂の薄型シングルシートのようなローダウンシートは、シート高が数センチ下がることで信号待ちなどでの足つき性を向上させ、小柄な方や初心者の方に大きな安心感をもたらします。
一方で、デメリットも存在します。特にローダウンシートは、デザインと足つき性を優先するあまり、内部のクッション(通称:アンコ)が大幅に薄くなっている製品が多いです。そのため、スーパーカブ110の純正シートが持つ優れたクッション性に比べて、路面からの衝撃が伝わりやすく、長距離走行時にお尻が痛くなりやすくなる傾向があります。純正シートでも疲労を感じる場合は、シート自体を交換するのではなく、ゲル素材を内蔵したシートカバー(例:バイク座シートDr.モペット)などで対策するほうが、快適性を損なわずに問題を解決できる可能性も考えられます。
| シートの主な種類 | 主な目的・特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
| ローダウンシート | 足つき性の向上、スタイルの変更 | 信号待ちなどで安心感が高まる | クッション性が低下し、長距離で疲れやすい |
| ダブルシート | 二人乗り(タンデム)の実現 | 一体型でデザイン性が高い、乗車位置の自由度UP | 製品により純正キャリアが使えなくなる場合がある |
| ピリオンシート | 二人乗りの実現 | 純正キャリアに装着でき、脱着が比較的容易 | ダブルシートに比べ一体感は薄れる |
| シートカバー | 快適性の向上、純正シートの保護 | 手軽に装着でき、通気性やクッション性を改善 | 被せるタイプのため、デザインの根本的な変更は難しい |
カブらしさを残すレッグシールド
レッグシールドは、スーパーカブのデザインを世界的に象徴する、最も特徴的なパーツと言えます。これは単なる飾りではありません。このパーツの最大のメリットは、走行中の風や雨、そして前輪が跳ね上げる泥水などからライダーの足元(特に膝周り)を強力に守るという、非常に高い機能性にあります。また、走行風を効率よく空冷エンジンに導く役割も担っているとされています。
カスタムの方向性としては、主に3つのアプローチが考えられます。
一つ目は、純正品や精度の高い社外品(NBSなど)への交換です。これは、立ちゴケなどによる転倒で傷がついてしまったり、長年の使用による紫外線での日焼けや黄ばみが発生したりした場合に、新車時の美しい状態に戻す「リフレッシュ」を目的として行われます。最新のJA59用クラシカルホワイトの純正品なども入手可能です。
二つ目は、色や素材の変更によるドレスアップです。アウトスタンディングなどから販売されているブラックやカーボン柄のレッグシールドに交換すると、車体全体の印象が引き締まり、スポーティーなイメージを演出することができます。
三つ目は、スタイルを最優先する小型化、あるいは取り外しです。実例にもあるようなチョッパースタイルや「ダートカブ」といったオフロードスタイルでは、あえて純正のレッグシールドをカット加工したり、デイトナから出ているFRP製の小型なものに交換したりする例が見られます。
ただし、この三つ目のカスタムには大きな注意点があります。レッグシールドを小型化したり、完全に取り外したりすると、前述したスーパーカブが持つ卓越した防風・防寒・防汚性能は、ほぼ全て失われてしまいます。特に通勤や通学、長距離ツーリングなどで毎日乗る場合、冬場の膝の冷えや、雨の日のズボンの汚れは、想像以上に快適性を損なう要因となります。実用性をどれだけ重視するか、デザインとのバランスを慎重に考える必要があります。
積載量を増やすリアキャリア

スーパーカブ110が持つ「実用性」という側面を飛躍的に高めるパーツが、各種キャリアです。純正状態でも堅牢なリアキャリアが標準装備されていますが、より多くの荷物を積載したり、大型のボックスを取り付けたりするために、キャリアを交換・追加するオーナーは少なくありません。
最も一般的なカスタムは、リアキャリアの大型化です。キタコのファッションリアキャリアーのように、純正よりも天板が大幅に広い製品や、アウトスタンディングのB-45改のように、純正キャリアの後方にステーを追加して積載スペースを延長するタイプのキャリアがあります。これらは、アイリスオーヤマの密閉RVBOXのような、通称「ホムセン箱」と呼ばれる大型のリアボックスを安定して設置するための土台として、非常に重要な役割を果たします。
また、リアだけでなく、車体中央のスペースを活用する「センターキャリア(通称:ベトナムキャリア)」の追加も定番カスタムの一つです。SP武川、キタコ、エンデュランスといった主要メーカーからJA59対応品が販売されています。センターキャリアは、股下のスペースにレインウェアや地図、小さなバッグなどを積載できるほか、ニーグリップ(膝で車体を挟む動作)の補助となり、走行時の安定感を増す効果も期待できます。さらに、乗り降りの際にレッグシールドを靴で擦ってしまうのを防ぐガードとしての役割も果たします。
キャリア増設のメリットは、言うまでもなく積載量の大幅な向上です。しかし、特に注意すべき点もあります。リアの延長キャリアに重い荷物を積みすぎると、車体の重心が極端に後方へ移動してしまいます(オーバーハング)。これはテコの原理で前輪の接地感が薄れることにつながり、操縦の安定性が悪化したり、カーブで曲がりにくくなったりする恐れがあります。各メーカーが定める許容積載量を厳守し、荷物の重量バランスに常に配慮することが安全運転のために求められます。
足回りの印象を変えるホイール

ホイールのカスタムは、交換に専門的な知識や工具が必要となる場合が多いため上級者向けとなりますが、成功すれば見た目の印象と機能性を大きく変えることができます。スーパーカブ110は、モデルの年式によってホイールの仕様が根本的に異なるため、パーツ選びには細心の注意が必要です。
2022年モデル以降のJA59型は、標準で「キャストホイール」と「チューブレスタイヤ」を採用しています。この組み合わせの最大のメリットは、パンクの際に一気に空気が抜けにくく、安全性が高い点です。また、もし釘などを踏んでしまっても、修理が比較的容易であるという利点もあります。JA59のカスタムとしては、この利点を活かしつつデザインを変更する方向性になりますが、あえてレトロな「スポークホイール」に変更しようとしても、JA59が採用するフロントディスクブレーキに対応するキットはまだ少ないのが現状です。
一方、JA44型以前のモデルは、「スポークホイール」と「チューブタイヤ」が標準装備です。チューブタイヤは、パンクすると一気に空気が抜けてしまい、走行が困難になるリスクがあります。そのため、こちらのモデルでは、RCB(レーシングボーイ)製などの社外品キャストホイールに交換し、JA59と同様の「チューブレス化」を実現するカスタムが非常に人気です。
また、別の方向性として、D-MAXのアルミリムのように、ホイールのリム(外周部)自体を軽量なアルミ製に交換するカスタムもあります。これは「バネ下重量」(サスペンションのスプリングよりも下にある部品の重さ)の軽量化に直結します。バネ下重量が軽くなると、タイヤが路面の凹凸に追従しやすくなり、ハンドリングがより軽快になる効果が期待できます。
ただし、キャストホイールへの交換が必ずしも軽量化につながるとは限りません。製品によっては、純正のスポークホイール一式よりも重くなる場合もあります。軽量化を主な目的とする場合は、導入前に製品の重量をよく確認することが大切です。
スタイル別スーパーカブ110カスタムパーツ

- オフロードスタイルへの挑戦
- クラシカルホワイトの車体
- コンプリートカスタムの実例
- かっこいいおすすめカスタムパーツ
- スーパーカブ110 カスタムパーツの選び方
オフロードスタイルへの挑戦
スーパーカブ110をベースに、未舗装路(ダート)も臆せず走れるようにするオフロードカスタムも、近年非常に人気を集めています。兄弟車であるクロスカブとはまた違った、よりスリムでワイルドなスタイルを構築できるのが魅力です。
このスタイルの基本となるのは、まず何といっても「ブロックタイヤ」の装着です。ゴツゴツとしたトレッドパターンのタイヤは、見た目の迫力を格段に増すだけでなく、砂利道や土の上でのグリップ力を高めます。次に重要なのが「アップマフラー(スクランブラーマフラー)」です。マフラーの取り回しを車体の上部に変更することで、路面の障害物や轍(わだち)との干渉を避けることができます。SP武川などからJA59対応の政府認証マフラーも販売されており、スタイルと規制対応を両立することが可能です。
その他、前輪が跳ね上げる泥を防ぐためのアップフェンダーや、ハンドルポジションの自由度を高め、メーター周りをすっきりさせるバーハンドル化、転倒時のダメージを軽減するヘッドライトガード(SP武川など)の装着も定番メニューです。タイのK-SPEEDが手掛けるような、車体全体をマットカラーで統一したカスタムも、オフロードテイストを一層強めます。
メリットは、唯一無二の個性的な外観と、実際の悪路走破性の向上です。林道ツーリングなど、行動範囲が広がります。しかし、デメリットも明確に存在します。ブロックタイヤは、舗装路(オンロード)での走行音が大きくなりがちで、路面との抵抗が増えるため燃費も悪化する傾向にあります。また、舗装路でのグリップ性能は純正タイヤに劣る場合が多いです。アップマフラーは、種類によって右足のふくらはぎ付近が熱くなりやすかったり、サイドバッグの取り付けに大きな制限が出たりする場合もあるため、積載性とのバランスも考慮する必要があります。
| オフロードカスタムパーツ | 主なメリット | デメリット・注意点 |
| ブロックタイヤ | ワイルドな外観、ダートでのグリップ力向上 | 舗装路での走行音増大、燃費悪化、グリップ低下の傾向 |
| アップマフラー | 路面との干渉回避、スタイル向上 | 右足への熱害、サイドバッグ取り付け制限の可能性 |
| バーハンドル化 | ポジション自由度UP、ハンドル周りの機器増設 | 配線処理の複雑さ、レッグシールドとの干渉確認が必要 |
| ヘッドライトガード | 転倒時のレンズ保護、ドレスアップ | 光量を僅かに遮る可能性、重量増 |
クラシカルホワイトの車体

スーパーカブ110(JA59)の現行カラーラインナップの中でも、「クラシカルホワイト」は、カスタムのベース車両として非常に高い人気を誇っています。
その理由は、女優の小野木里奈さんが愛車に選んだ理由としても挙げているように、何色にも染まっていないシンプルさがありながら、どのようなカスタムも映える懐の深さにあります。クラシカルホワイトの車体は、カブ本来が持つレトロで普遍的な造形美を最も素直に引き立ててくれます。
例えば、マフラーやリアキャリア、シートといった主要なパーツをブラックで統一すれば、全体の印象がグッと引き締まり、モダンで精悍な雰囲気になります。逆に、メッキパーツやブラウンのタックロールシート(KEPSPEED タイプTUなど)を合わせれば、60年代のポスターに出てくるような、上品でレトロなスタイルを演出することも可能です。
このように、合わせるパーツの色やテイストを選ばず、オーナーが目指すどのような方向性にも柔軟に対応できる点が、クラシカルホワイト最大のメリットと言えます。差し色としてビビッドなカラーのパーツ(リアショックなど)を取り入れてもよく映えます。
一方で、注意点としては、当然ながら白系の車体は汚れが目立ちやすいことが挙げられます。特に雨上がりの走行後に跳ね上げた泥水や、ドライブチェーンから飛び散ったチェーンオイルなどは、こまめに清掃しないとシミになってしまう可能性があります。美しい白さを維持するためには、ガラスコーティングなどを施工して汚れをつきにくくしたり、こまめな洗車や拭き掃除をしたりする手間が必要です。この手入れの手間も含めて愛車との対話として楽しめるかどうかが、この色を選ぶ上での一つのポイントになるかもしれません。
コンプリートカスタムの実例

カスタムの楽しみ方として、パーツを一つひとつ自分で選んで組み上げていく方法のほかに、カスタムショップが製作した「コンプリートカスタム」車両、あるいはそれに準ずるパッケージを手に入れるという選択肢もあります。
この方法の最大のメリットは、プロのビルダーが全体のデザインや走行性能のバランスを熟慮して仕上げた「完成形」を、購入後すぐに楽しめる点です。例えば、群馬県にあるスーパーカブ専門店「GARAGE521」では、バーハンドル化や太いタイヤを装着し、独自のスタイルを確立した「STANDARD」モデルなどを提供しています。また、京都の「18motorcycle(大西輪業)」は、キャブレター車をベースにした本格的なダート仕様の「ダートカブ」を手掛けるなど、ショップごとに得意とするスタイルが明確です。
タイの「K-SPEED」のような海外ブランドのパーツをふんだんに取り入れたカスタム(Dopeなどで取り扱い)も、日本のカスタムとは一線を画す独特の雰囲気を持っており、注目を集めています。
これらのコンプリートカスタムは、購入後にパーツ選びで悩んだり、取り付けに失敗したりするリスクがなく、プロが仕上げた統一感のあるスタイルにすぐ乗れるという大きな魅力があります。ただし、デメリットとしては、当然ながら一から自分でパーツを集めて組むよりも、工賃やデザイン料が含まれるため費用は高額になりがちです。また、ショップが提案するスタイル(チョッパー、ダート、カフェレーサーなど)が、自分の好みや用途と本当に合致しているか、購入前にしっかりと見極める必要があります。
かっこいいおすすめカスタムパーツ
これまでに紹介してきたマフラー、シート、キャリアといった実用性も兼ね備えた定番パーツ以外にも、スーパーカブ110の「かっこよさ」をひたすらに追求するためのパーツは数多く存在します。これらは実用性よりも、いかに他にはない個性を出すか、いかに目指すスタイルに近づけるかという点に重きを置いたものが多いです。
例えば、実例にあるような「ヴィンテージレーサー」カスタムでは、カフェレーサースタイルの象徴であるロケットカウルや、低い姿勢を作り出すセパレートハンドルが装着されています。「アメリカン」カスタムでは、フロントフォークを通常よりも長く延長し、ハンドル位置を高くしたいわゆるチョッパースタイルを築いています。
また、「MADMAX」風カスタムに見られるような、縞鋼板模様の無骨なヘッドライトガード(SP武川からJA59対応品あり)や、3連LEDライトなども、装着するだけでノーマルとは全く異なる強烈な個性を放ちます。
さらに、カスタムペイントショップが手掛けた「漫画カブ」のように、二次元のイラストのように見せる特殊な塗装(ペイント)そのものをカスタムの中心に据えるという、非常にアーティスティックな方法もあります。
これらのパーツは、装着するだけで車体の印象を劇的に変える力を持っています。しかし、その多くはJA59への単純なボルトオン装着が難しく、取り付けには専門的な知識や、ステーの製作といった加工技術(ワンオフ製作)が必要な、上級者向けのカスタムとなる場合がほとんどです。また、ハンドル形状の大幅な変更や車体寸法の大きな変化は、実用性や快適性を大きく損なうだけでなく、国の定める保安基準に適合しなくなる可能性も伴います。導入には、法令遵守と安全性を確保した上で、十分な検討が求められます。
【総括】スーパーカブ110カスタムパーツの選び方
スーパーカブ110のカスタムパーツ選びは、選択肢が非常に豊富で、まさにオーナーの個性を映し出す奥深い世界です。最後に、これまでのポイントをまとめます。
- スーパーカブ110のカスタムはパーツが豊富で自由度が高い
- まずは自分が目指すスタイル(実用性重視、オフロード、クラシカルなど)を決めることが大切
- マフラー交換は音質や見た目を大きく変える定番カスタム
- マフラーによっては低速トルクが低下する可能性に注意が必要
- シート交換は乗り心地と足つき性に大きく影響する
- ローダウンシートは足つき性が向上する反面、クッション性が犠牲になる場合も
- レッグシールドは防風・防寒・防汚効果が高いカブの象徴的なパーツ
- レッグシールドの小型化や撤去は快適性を大きく損なう可能性がある
- リアキャリアは大型リアボックスの設置や積載量アップに必須
- リア延長キャリアへの過積載は操縦安定性を悪化させるため注意
- センターキャリア(ベトナムキャリア)は小物の積載やニーグリップ補助に便利
- JA59以降のモデルは純正でキャストホイールとチューブレスタイヤを採用
- JA44以前のモデルはキャストホイール化でパンク修理の容易さを得られる
- オフロードカスタムはブロックタイヤやアップマフラーが基本となる
- ブロックタイヤはオンロードでの燃費や騒音に影響が出やすい
- コンプリートカスタムはプロの仕上がりを手軽に得られるが費用がかかる
- 保安基準(政府認証マフラーなど)の適合確認は必ず行う
- スーパーカブ110 カスタムパーツで自分だけの特別な一台を仕上げましょう
