スーパーカブの二人乗りは、多くの方が一度は考える活用法です。
しかし、そもそも違法ではないか、免許の条件は何か、といった法律面の不安がつきまといます。
過去にアニメの描写が炎上した件もあり、正しい知識は不可欠です。
また、快適なシートの選び方や、便利なボックスと両立させるカスタムの方法、子供を安全に乗せる際の注意点など、実践的な疑問も多いでしょう。
この記事では、スーパーカブで二人乗りをするための正確な法的条件から、必要な装備、安全な実践方法までを網羅的に解説します。
- スーパーカブで二人乗りが違法になるケースと合法なケース
- 二人乗りが可能なモデルと必要な運転免許の条件
- タンデムに必要なシートや装備、カスタムパーツの種類
- リアボックスの積載と二人乗りを両立させる具体的な方法
スーパーカブ二人乗りの条件と法律

- スーパーカブで二人乗りはできる?違法?
- 二人乗りが可能な車種と排気量
- 運転者に求められる免許の条件
- 二人乗りに必要な装備とは
- アニメで二人乗りが炎上した背景
スーパーカブで二人乗りはできる?違法?
スーパーカブでの二人乗りは、定められた条件を全て満たしていれば違法ではありません。しかし、乗るモデルや運転者の免許状況によっては明確な法律違反となり、罰則の対象となるため、正確な知識を持つことが不可欠です。
まず、二人乗りが絶対に許可されないのは、排気量が50cc以下のモデル(原付一種)です。道路交通法において、原付一種のバイクは乗車定員が1名と厳格に定められています。これは、車体の設計やブレーキ性能が一人乗りのみを想定しているためです。たとえ後付けで二人乗り用のシートやステップを装備したとしても、50ccモデルで二人乗り走行を行えば「定員外乗車違反」となり、違反点数1点と反則金(二輪車6,000円、原付車5,000円 ※2025年時点)が科されます。
一方で、排気量が51cc以上のモデル(原付二種以上)であれば、法律上の条件を満たすことで二人乗りが認められます。この場合の「条件」とは、第一に車両自体が「乗車定員2名」として運輸局に届け出られ、登録されていることです。第二に、後述する二人乗りに必要な装備が車両に正しく備わっていることが求められます。
このように、スーパーカブと一言で言っても、排気量と車両の登録内容によって二人乗りの可否が根本的に異なります。所有している、あるいは購入予定のカブがどちらに該当するのかを、まず確認することが重要です。
二人乗りが可能な車種と排気量
二人乗りが法律上認められているスーパーカブは、排気量が51cc以上(原付二種)であり、かつ乗車定員が2名として設計・登録されているモデルに限られます。
現行モデル(2025年時点)で代表的なのは、「スーパーカブ110」や、より上質なモデルである「スーパーカブC125」です。これらは原付二種に分類されるため、二人乗りが可能であることに加え、法定速度が時速60km(原付一種は時速30km)となり、二段階右折の義務からも解放されるなど、走行上のメリットも大きくなります。また、同様に原付二種の「クロスカブ110」も二人乗りが可能です。
過去に販売されていたモデルでは、「スーパーカブ90」や「スーパーカブ70」も原付二種にあたるため、二人乗りが可能な車種に含まれます。
| 車種名 | 排気量 | 二人乗りの可否 | 補足 |
| スーパーカブ50 | 50cc | 不可 | 原付一種のため定員1名 |
| クロスカブ50 | 50cc | 不可 | 原付一種のため定員1名 |
| スーパーカブ110 | 109cc | 可能 | 要ピリオンシート等 |
| クロスカブ110 | 109cc | 可能 | 要ピリオンシート等 |
| スーパーカブC125 | 123cc | 可能 | 標準で二人乗り仕様 |
| スーパーカブ110プロ | 109cc | 不可 | 業務用のため定員1名 |
| スーパーカブ90 | 85cc | 可能 | (生産終了モデル) |
注意が必要なのは、同じ110ccの排気量であっても「スーパーカブ110プロ」のように、新聞配達や配送などの業務用に特化されたモデルです。これらは大型のリアキャリアやフロントバスケットを標準装備していますが、設計上、乗車定員は1名と定められています。したがって、排気量の条件を満たしていても二人乗りはできません。
要するに、二人乗りを希望する場合は、購入を検討している、あるいは所有しているスーパーカブの排気量と、車体に貼付されたラベルや標識(例:タンデムステップの有無)、または届出書類に記載されている「乗車定員」を必ず確認する必要があります。
運転者に求められる免許の条件
二人乗りが可能なスーパーカブ(51cc以上)を用意しても、運転者が特定の免許条件を満たしていなければ、二人乗り走行は許可されません。この条件は、走行する道路が「一般道」か「高速道路(自動車専用道路)」かによって異なります。
一般道での条件
国道や都道府県道などの一般道で二人乗りをするためには、運転者が「小型限定普通二輪免許(AT限定含む)」「普通二輪免許(AT限定含む)」「大型二輪免許(AT限定含む)」のいずれかを取得してから、その免許の取得期間が通算で1年以上経過している必要があります。
この「通算」というのがポイントで、例えば普通二輪免許を取得して半年後に大型二輪免許を取得した場合、大型二輪免許自体は取得から1年未満であっても、先に取得した普通二輪免許の期間と合わせて1年を経過していれば、大型二輪車での二人乗りも可能になります。
免許を取りたての1年間(初心運転者期間)は、たとえ51cc以上のバイクであっても二人乗りは固く禁止されています。もし免許取得後1年未満で二人乗り走行を行うと、「大型自動二輪車等乗車方法違反」が適用されます。
高速道路での条件
まず前提として、スーパーカブ110やC125(排気量125cc以下)は、高速道路や自動車専用道路を走行すること自体が法律で禁止されています。
仮に、排気量が126cc以上のバイク(例:大型バイク)で高速道路を二人乗りする場合には、一般道よりも厳しい条件が課せられます。具体的には、「運転者の年齢が20歳以上」であり、かつ「二輪免許(普通二輪または大型二輪)の取得から通算3年以上」が経過している必要があります。
これらの条件を満たさない場合も、同様に違反として取り締まりの対象となります。
| 道路区分 | 免許取得からの期間 | 運転者の年齢 | 罰則(違反した場合) |
| 一般道 | 通算1年以上 | 制限なし | 大型自動二輪車等乗車方法違反 ・違反点数:2点 ・反則金:12,000円 |
| 高速道路 | 通算3年以上 | 20歳以上 | ※スーパーカブ(125cc以下)は走行不可 |
二人乗りに必要な装備とは
51cc以上の排気量と運転者の免許条件をクリアしていても、車両側に二人乗りに対応した装備が整っていなければ、安全に走行することはできず、法律違反ともなり得ます。安全かつ合法的に二人乗りを行うためには、以下の3つの装備が車両に備わっていることが求められます。
- 同乗者用の座席(タンデムシート)
同乗者が安全に座るための専用のシートです。運転者用のシートとは別に、リアキャリア上に取り付けるタイプや、運転席と一体になった長いタイプがあります。 - 同乗者用のステップ(タンデムステップ)
同乗者が足を乗せて体を支えるためのステップです。これがなければ同乗者は足が不安定になり、バランスを崩す原因となります。 - 同乗者が掴まるための装置(グラブバーまたはタンデムベルト)
同乗者が加速時や減速時に体を支えるために掴まる部分です。シート後方や横に取り付けられた金属製の「グラブバー(タンデムグリップ)」か、シートに装着された「タンデムベルト」のいずれかが必要です。
現行モデルで比較すると、スーパーカブC125はこれら全て(シート、ステップ、グラブバー)を標準で装備しているため、購入後すぐに二人乗りが可能です。
一方、スーパーカブ110(非プロモデル)は、タンデムステップは標準で装備されていますが、座席は運転者のみのシングルシートが標準仕様です。また、大きなリアキャリアはありますが、同乗者が掴まる専用のグラブバーはありません。このため、スーパーカブ110で二人乗りを行うには、リアキャリアに取り付ける「ピリオンシート」や、運転席と一体になった「ダブルシート」を別途装着する必要があります。ピリオンシートを装着した場合、リアキャリアの後部が掴まる場所として機能する場合もありますが、より安全性を高めるために専用のタンデムグリップを追加することも推奨されます。
アニメで二人乗りが炎上した背景

過去に、山梨県を舞台にスーパーカブと出会った女子高校生の日常を描いたアニメ作品(『スーパーカブ』)で、特定の二人乗りシーンが「法律違反ではないか」と視聴者から指摘され、インターネット上で炎上する事態がありました。
問題となったのは、第6話で描かれたシーンです。主人公が小型限定普通二輪免許を取得した直後と思われるタイミングで、修学旅行先の湘南海岸において同級生を後ろに乗せ、二人乗りで走行する描写がありました。前述の通り、二輪免許の取得から1年が経過していなければ、一般道での二人乗りは道路交通法違反(大型自動二輪車等乗車方法違反)にあたります。
原作のライトノベルでは、この行為が法律違反であることを主人公が自覚しつつ、特別な状況下で行うという心情が丁寧に描写されていました。しかし、アニメ版では時間の制約などからか、そうした内面の葛藤や法律に関する言及が省略されてしまいました。
このアニメは、バイクのエンジン音や操作感をリアルに再現するなど、現実のバイクライフに寄り添った描写が評価されていた一方で、全体としては穏やかで、主人公が法律やルールを遵守しながら少しずつ世界を広げていく「ほのぼのとした優しい物語」というイメージが視聴者に定着していました。
だからこそ、そのイメージと相反するように見える「免許取得直後の二人乗り(の疑い)」という描写が、法律違反の可能性という点だけでなく、作品の世界観やキャラクターイメージとの大きなギャップを生み、一部の視聴者から強い批判や戸惑いの声が上がったと考えられます。この出来事は、フィクションの世界の描写とはいえ、スーパーカブの二人乗りという行為がいかに法律と密接に関わっているかを、多くの人に再認識させるきっかけとなりました。
スーパーカブ二人乗りの実践ガイド

- 二人乗りにおすすめのシート紹介
- リアボックスと両立させる方法
- タンデム向けカスタムパーツ色々
- 子供と二人乗りする際の注意点
- 安全なタンデム走行のコツ
- スーパーカブ二人乗りの総まとめ
二人乗りにおすすめのシート紹介
スーパーカブ110やクロスカブ110などで二人乗りを快適に行うためには、標準のシングルシートから同乗者用の座席を追加・変更する必要があります。この方法は主に「ピリオンシート」の追加と「ダブルシート」への交換の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
ピリオンシート
ピリオンシートは、既存のリアキャリアの上に取り付けるタイプの、比較的小さな同乗者用シートです。
最大のメリットは、その手軽さとコストパフォーマンスにあります。多くの場合、リアキャリアにボルトやベルトで固定するだけで装着でき、専門的な知識がなくても取り付けが可能です。価格もダブルシートに比べて安価な傾向にあります。また、不要な時は比較的簡単に取り外せるモデルも多く、「普段は積載性を重視し、必要な時だけ二人乗りをしたい」といった柔軟な使い方にも対応できます。
ただ、デメリットとしては、座面が小さく、クッション性も最低限の製品が多いことが挙げられます。短距離の移動であれば問題ないかもしれませんが、長距離の走行になると同乗者がお尻の痛みや疲れを感じやすい可能性があります。
ダブルシート
ダブルシートは、運転席から後部座席までが一体となった、長い形状のシートです。純正のシングルシートとリアキャリア(または一部のパーツ)を取り外し、丸ごと交換して装着します。
メリットは、デザインの一体感です。車体全体のシルエットがすっきりとし、カスタムバイクのような印象を与えます。また、ピリオンシートに比べて座面が広く、クッション性も考慮された製品が多いため、同乗者の快適性が格段に向上する傾向にあります。
一方で、デメリットとしては価格がピリオンシートより高くなることや、取り付けに手間がかかる点が挙げられます。さらに重要な点として、純正のリアキャリアを取り外す必要があるモデルの場合、荷物の積載性が大幅に低下する可能性があります。
| シートタイプ | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
| ピリオンシート | ・安価で導入しやすい ・取り付け/取り外しが簡単 ・積載性を維持しやすい | ・座面が小さく疲れやすい ・デザインの一体感は薄い | ・たまにしか二人乗りしない人 ・コストを抑えたい人 ・積載性も重視したい人 |
| ダブルシート | ・同乗者の快適性が高い ・デザインの一体感がある | ・価格が高め ・取り付けに手間がかかる ・積載性が低下する場合がある | ・二人乗りの頻度が高い人 ・デザイン性を重視する人 ・快適な乗り心地を求める人 |
リアボックスと両立させる方法
スーパーカブの最大の魅力である「積載性(リアボックス)」と、「二人乗り」を両立させることは可能です。特にスーパーカブ110などでピリオンシートを使用する場合、この問題に直面します。一般的な解決策は、「延長キャリア(オーバーリアキャリア)」と呼ばれるカスタムパーツを使用することです。
延長キャリアは、既存のリアキャリアの後方に、さらに積載スペースを延長するための追加キャリアです。このパーツを装着する(または既存のキャリアと交換する)ことにより、車体前方のリアキャリア部分にピリオンシートを装着し、後方に延長されたキャリア部分にリアボックスを設置するというレイアウトが可能になります。
この方法により、同乗者のスペースを確保しつつ、ヘルメットや荷物を収納するリアボックスも諦めずに済みます。
ただし、このカスタムにはいくつかの注意点があります。最も大きな点は、重量物であるリアボックスが車体の最後端に移動することによる「重心の変化」です。重心が通常よりも高く、後方に移動するため、運転感覚が一人乗りの時と大きく変わることがあります。特に、ボックスに重い荷物を入れた状態では、発進時やカーブ、低速走行時にバランスを取りにくくなったり、ふらつきやすくなったりする可能性があります。
また、車体の全長が物理的に長くなるため、駐輪場での取り回しやUターン時などにも、以前より多くのスペースが必要になる点を考慮しなくてはなりません。延長キャリアの耐荷重を厳守し、運転感覚に慣れるまでは、より慎重な運転を心がける必要があります。
タンデム向けカスタムパーツ色々
二人乗りをより安全で快適なものにするためには、シートやキャリア以外にもいくつかのカスタムパーツが役立ちます。必須ではありませんが、二人乗りの頻度が高い場合や、走行の質を高めたい場合には、これらの導入も検討の価値があります。
強化リアサスペンション
最も効果的なカスタムの一つが、リアサスペンションの交換です。二人乗りをすると、バイクには単純に二人分の体重がかかります。純正のサスペンションは基本的に一人乗り(+少々の積載)を想定して設計されているため、二人分の荷重がかかると沈み込みが大きくなり、底付き(サスペンションが最も縮んだ状態)しやすくなります。
底付きが起こると、段差などで強い衝撃がライダーと同乗者に伝わるだけでなく、車体の安定性も損なわれます。強化リアサスペンションに交換することで、この沈み込みを抑え、走行中の安定性を増し、二人乗り時でも快適な乗り心地を維持しやすくなります。
タンデムグリップ(グラブバー)
前述の通り、同乗者が安全に体を支えるためには、掴まるための装置が不可欠です。スーパーカブC125には標準で装備されていますが、スーパーカブ110にピリオンシートを装着した場合、リアキャリアの後部を掴むことになり、形状によっては掴みにくいことがあります。
この場合、同乗者がより確実に、楽な姿勢で掴まれるように設計された専用の「タンデムグリップ」を追加することが非常に有効です。これにより同乗者の安心感が大きく増し、ライダーも運転に集中しやすくなります。
これらのパーツは、二人乗り時の「安定性」と「安心感」を直接的に向上させるため、安全性への投資として非常に有効なカスタムと言えます。
子供と二人乗りする際の注意点
子供とスーパーカブで二人乗りをすること自体は、法律で「何歳から」といった明確な年齢制限によって禁止されているわけではありません。ただし、法律とは別に、安全面から守るべき実質的な条件がいくつか存在します。
第一に、最も重要な条件として、子供の足が同乗者用のステップ(タンデムステップ)に確実に届くことが求められます。足が届かず宙に浮いた状態では、子供は体を安定させることができず、カーブや加減速の際に非常に危険です。もし足が届かない場合は、「チャイルドステップ」と呼ばれる補助ステップを取り付ける方法もありますが、まずは安定して座れる体格であることが前提となります。
第二に、子供の頭のサイズに合ったオートバイ用のヘルメットを正しく装着できることです。サイズが合わないヘルメットでは、万が一の際に頭部を保護できません。
第三に、子供自身が、運転者の腰やタンデムベルト、あるいはグラブバーに、走行中もしっかりと掴まっていられることです。
これらに加えて、子供との二人乗りで特に注意したいのは、子供はバイクの心地よい振動で非常に眠ってしまいやすいという点です。走行中に子供が眠ってしまうと、掴まる力が緩んで体が傾き、最悪の場合、バイクから転落する重大な事故につながります。
この対策として、運転者と子供が走行中に常に会話できるようにインカム(無線通話機)を使用し、眠気を覚ます工夫をするライダーもいます。また、より積極的に安全を確保するアイテムとして、運転者と子供の体を専用のベルトで連結する「タンデムツーリングベルト(チャイルドハーネス)」といった製品を活用することも強く推奨されます。
なお、自転車用のチャイルドシートをスーパーカブのキャリアに固定して使用する例も見られますが、これらはオートバイの速度や振動を想定して設計されておらず、非常に危険です。また、法律的にもグレーゾーンであり、推奨される方法ではありません。
安全なタンデム走行のコツ
二人乗りは、一人で運転する時(ソロライディング)と比べて、バイクの重量、重心、操作感覚が大きく変わります。安全に走行するためには、ライダー(運転者)と同乗者(パッセンジャー)の両方が、二人乗りの特性を理解し、いくつかのコツを実践する必要があります。
ライダー側の心構え
二人分の体重がかかることで、バイクは顕著に重くなります。これにより、以下のような変化が起こることを常に意識してください。
- 加速が鈍くなる: いつも通りのアクセル操作では、思ったように加速しません。
- 制動距離が長くなる: バイクを停止させるまでに、より長い距離が必要になります。
- 重心が高く、後ろ寄りになる: バランスが変化し、特に低速時やカーブで不安定になりやすくなります。
これらの変化に対応するため、車間距離はソロライディングの時よりもはるかに多く取り、ブレーキ操作は「早め」かつ「穏やか」に行うことを徹底してください。
発進時、停止時、そしてスーパーカブ特有のギアチェンジ(変速ショック)の際は、同乗者が前後に揺さぶられて不安にならないよう、できるだけ滑らかでショックの少ない操作が求められます。
また、走行前には必ずタイヤの空気圧をチェックし、二人乗りに適した高めの設定(指定空気圧は車両の取扱説明書や車体のステッカーで確認)に調整することが不可欠です。可能であれば、リアサスペンションのプリロード(初期荷重)を強めに調整することも安定走行に寄与します。
同乗者(パッセンジャー)側の心構え
同乗者の動きは、バイクのバランスに直接影響を与えます。最も大切なのは、基本的にライダーの動きに体を合わせ、一体となることです。
特にカーブで曲がる際、同乗者が怖がって体を起こしたり、曲がる方向とは逆側に体重をかけたりすると、バイクのバランスが即座に崩れ、転倒の原因となり非常に危険です。ライダーの背中越しに進行方向を見るようにし、ライダーの傾きに合わせて自然に体を傾けるようにします。
また、加減速時に体が前後に大きく揺さぶられるのを防ぐため、両膝でライダーの腰やシートの側面を軽く挟む「ニーグリップ」を意識すると、体が安定しやすくなります。掴まる場所は、グラブバーやタンデムベルトが基本ですが、ライダーの腰に手を回す場合は、急ブレーキ時にライダーの体に強く体重をかけすぎないよう注意が必要です。
乗り降りする際は、必ずライダーがバイクを安定させ、合図を出してから行うように徹底してください。
【総括】スーパーカブ二人乗り
- スーパーカブでの二人乗りは条件を満たせば合法
- 50cc以下の原付一種モデルでの二人乗りは違法
- 51cc以上の原付二種(スーパーカブ110やC125など)は二人乗り可能
- スーパーカブ110プロは定員1名のため二人乗り不可
- 二人乗りには同乗者用シート、ステップ、グラブバー(ベルト)が必要
- スーパーカブC125は標準で二人乗り装備が整っている
- スーパーカブ110はピリオンシートなどの追加が必要
- 一般道での二人乗りは二輪免許取得から通算1年以上が必要
- 免許取得1年未満での二人乗りは違反となる
- アニメの炎上は免許取得1年未満の二人乗り描写が原因の一つ
- 快適なシートにはピリオンシートとダブルシートがある
- リアボックスとの両立には延長キャリアの使用が一般的
- 子供との二人乗りは年齢制限ないがステップに足が届くことなどが条件
- 子供は眠りやすいためタンデムベルトなどのアイテムが有効
- 二人乗り走行時は急操作を避け、タイヤ空気圧を高めに調整する
