こんにちは、デジタルバイクライブラリーのゆうです。
無骨で愛らしいデザインと、どこへでもトコトコ走っていけそうな頼もしさが魅力のクロスカブ110。
これから購入を考えているあなたや、免許を取ったばかりのライダーにとって、「クロスカブで高速道路は走れるの?」という疑問はとても気になるところですよね。
街中で車の流れにしっかり乗って走るクロスカブを見かけると、「これだけ元気よく走れるなら、ちょっとしたバイパスや高速道路もいけるんじゃないか」と思ってしまう気持ち、すごくよくわかります。
また、休日に遠くの観光地までロングツーリングに出かけたいと考えている方なら、高速道路が使えるかどうかで旅の計画がガラッと変わってきますよね。
今回の記事では、クロスカブと高速道路にまつわる法律上のルールから、意外とやってしまいがちな誤進入の罠、そして高速道路を使わずに100%楽しむための下道ツーリングのノウハウまで、私の視点で徹底的にわかりやすくまとめました。
この記事を最後まで読んでいただければ、クロスカブの正しい運用方法がスッキリと理解でき、安全で最高のツーリング計画を立てられるようになりますよ。
- クロスカブ110で高速道路や自動車専用道路を走行できない法的な理由
- 無料バイパスなどへの誤進入を防ぐ対策と通行禁止違反のペナルティ
- 驚異的な燃費を活かした下道ツーリングの特徴とガス欠を防ぐ給油戦術
- 長距離移動の疲労を劇的に減らすツーリング仕様のカスタムと保険の知識
クロスカブで高速道路は走れる?結論と法的理由

まずは一番気になる結論からお伝えしますね。
クロスカブ110で高速道路を走ることはできるのか、その答えと背景にある日本の法律の仕組みについて、順番にひもといていきましょう。
高速道路走行に関する基本ルールと排気量の壁
結論からハッキリ言うと、クロスカブ110(およびクロスカブ50)で高速道路や自動車専用道路を走ることは、法律で固く禁止されています。
これは道路交通法や道路運送車両法という法律によって、日本の道路を走れるバイクの区分がエンジンの「総排気量」で厳密に決められているからなんです。
高速道路走行に関する基本ルールとして、高速自動車国道(東名高速や名神高速など)や自動車専用道路を通行できるバイクは、法律上「総排気量が125ccを超える(つまり126cc以上の)車両」と定義されています。
現在の日本の二輪免許制度は、AT限定免許も含めると全部で7種類あり、その多くは16歳から取得することができますよね。
ただ、どの免許を持っているかだけでなく、「今乗っているバイクの排気量が何ccなのか」によって、走れる道路の環境に明確な境界線が引かれているんです。
排気量が125cc以下のバイクは、道路交通法上ではすべて「原動機付自転車」という大きな枠組みに分類されます。
具体的には、総排気量が50cc以下のバイクが「原付一種」、そして50ccを超えて125cc以下のバイクが「原付二種(小型限定普通自動二輪車)」として扱われる仕組みです。
原付二種に分類されるバイクは、一般道路においては自動車とまったく同じ法定速度(最高60km/h)で走ることが認められています。
さらに、50ccの原付一種に課せられている「時速30km制限」や「二段階右折の義務」といった窮屈なルールがすべて免除されるため、街乗りや普段の移動では抜群の機動力を発揮してくれるんですよね。
しかし、どれだけ一般道でキビキビ走れる高い性能を持っていたとしても、高速道路や自動車専用道路への進入・走行は一切認められていません。
高速道路という場所は、あくまで126cc以上の普通自動二輪車(いわゆる中型バイク)や大型自動二輪車だけに開放された特別なエリアだと覚えておいてくださいね。
高速道路での二人乗り(タンデム)に関する補足ルール
ちなみに、126cc以上のバイクで高速道路を二人乗り(タンデム)走行する場合には、「運転者の年齢が20歳以上」であり、かつ「普通二輪または大型二輪の免許を取得してから通算3年以上経過していること」という厳しい条件が設けられています。
もし免許を取ってから1年以内のライダーが高速道路で二人乗りをしてしまうと、「大型自動二輪車等乗車方法違反」となり、違反点数2点、反則金12,000円に加えて、10万円以下の罰金という重い処分が科せられます。
もっとも、クロスカブ110はそもそも高速道路に入ること自体ができないため、一般道での二人乗り条件(免許取得から1年以上経過)さえ守っていれば、この高速タンデムのルールを気にする必要はありません。
原付二種のクロスカブは高速に乗れない

では、あらためてクロスカブ110の車両としての立ち位置を見てみましょう。
現行モデルのクロスカブ110(型式:8BJ-JA60)は、ナンバープレートがピンク色になる「原付二種」に分類されるバイクです。
バイクの世界には、単気筒や直列4気筒、V型2気筒などさまざまなエンジンの形がありますが、クロスカブ110は「JA59E型」と呼ばれる空冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載しています。
このエンジンの総排気量は「109cc」です。
先ほどお伝えした通り、高速道路を走れるラインは「125ccを超える(126cc以上)」ことですので、109ccのクロスカブ110はどうやってもこの基準を満たすことができません。
バイクにあまり詳しくない方や、これから免許を取る方の中には、「クロスカブは車体も大柄でしっかりしているし、一般道で車の流れをリードできるくらいのパワーがあるから、区間によっては高速に乗れるんじゃない?」と誤解してしまう方もいらっしゃいます。
たしかに、最近のクロスカブ110は17インチの大きなホイールを履いていて、パッと見の迫力は50ccの原付とは比べものにならないほど立派ですよね。
あなたも街中でクロスカブを見かけたとき、「思ったより車体が大きくて立派だな」と感じたことはありませんか?
しかし、法律の境界線は「車体の大きさ」や「エンジンの出力(馬力)」ではなく、あくまで「125ccという絶対的な排気量の数値」だけでスパッと引かれています。
ホンダの公式サイトや、高速道路を管理するNEXCO各社の案内ページでも、125cc以下の二輪車は例外なく高速道路を通行できないことがハッキリと明記されています(出典:本田技研工業株式会社『クロスカブ110 公式製品情報』)。
つまり、クロスカブ110で高速道路へ乗り入れることは、法律上100%シャットアウトされているというのが揺るぎない事実なんです。
速度を上げる改造で高速道路は走れるのか
ここで、少しメカに詳しい方やカスタム好きな方からよく聞かれる疑問についても触れておきましょう。
「スプロケット(歯車)を交換して最高速度を上げる改造をしたら、高速道路を走れるようになるの?」あるいは「エンジンをボアアップして126cc以上に改造すれば、白ナンバー(軽二輪)として高速に乗れるんじゃない?」という疑問です。
まず前半の「速度を上げる改造」についてですが、マフラーやスプロケットを交換して仮に時速80kmや90kmがスムーズに出るようになったとしても、エンジンの排気量が109ccのままである以上、法律上の区分は「原付二種」から変わりません。
そのため、いくらスピードが出るように改造しても、高速道路を走ることは絶対に不可能です。
では、後半の「エンジンのボアアップ(シリンダーの直径を広げて排気量を126cc以上に増やす改造)をして、陸運局で軽二輪として登録し直す方法」はどうでしょうか。
書類上の手続きだけで言えば、126cc以上に排気量を上げる改造申請を行ってナンバープレートを「原付二種(ピンクナンバー)」から「軽二輪(白ナンバー)」に変更すること自体は、制度上できないわけではありません。
しかし、バイクメディアを運営する私個人の見解としては、クロスカブをボアアップ改造してまで高速道路を走らせることは、安全面からも経済面からもまったくおすすめできません。
なぜなら、クロスカブ110のフレーム強度、サスペンションの性能、ブレーキの制動力、そして細身のタイヤといった車体全体のバランスは、すべて「109ccのエンジンで一般道を安全に走るため」に設計されているからです。
エンジンだけを無理やり126cc以上に改造して、時速80km〜100kmで車がビュンビュン行き交う高速道路に飛び込むのは、車体にとって過度な負担がかかり、ハンドルが激しくブレたりブレーキが間に合わなかったりと、命に関わる大きなリスクを背負うことになります。
さらに、ボアアップを行うとメーカーの保証が受けられなくなるだけでなく、エンジンの寿命が短くなったり、故障したときにバイク屋さんで修理を断られたりするケースも珍しくありません。
改造で解決する問題ではありません
クロスカブ110が高速道路を走れないのは、単なるスピード不足ではなく、排気量区分と車体設計の根本的な違いによるものです。
もしあなたのバイクライフにおいて「どうしても高速道路を使った移動が必要だ」という場合は、クロスカブを改造して無理やり乗るのではなく、最初から高速道路の走行を前提に設計された126cc以上の別車種(たとえば250ccクラスのバイクなど)を選ぶべきですよ。
◆ゆうのワンポイントアドバイス
「クロスカブの見た目が大好きだけど、高速道路も走りたい!」と悩む方は本当に多いです。でも、バイク選びで一番大切なのは「自分がどんな道を走りたいか」と「そのバイクが得意とするステージ」を一致させることかなと思います。高速道路をかっ飛ばすなら250ccクラス、下道をトコトコ味わうならクロスカブ110というように、用途に合わせて選んであげると後悔しませんよ。
自動車専用道路への誤進入リスクと罰則

「クロスカブでは高速道路に乗れない」というルールを頭ではしっかり理解していても、実際のツーリング現場では思わぬ落とし穴が待ち受けていることがあります。
ここからは、原付二種ライダーが最も気をつけなければならない「自動車専用道路へのうっかり進入(誤進入)」のリスクと、もし入ってしまった場合のペナルティや危険性について詳しく解説します。
無料バイパスの罠とナビ設定の注意点
クロスカブに乗っていて一番ヒヤッとする瞬間が、一般道を普通に走っていたはずなのに、気づいたら「自動車専用道路」に迷い込んでしまいそうになるケースです。
東名高速や山陽道といった一般的な「高速自動車国道」には、入り口に立派な料金所ゲートやETCレーンがあるため、間違えて入ってしまうことはまずありませんよね。
しかし、本当に怖いのは、一般道から料金所なしでそのままスッと繋がっている「無料の自動車専用道路(バイパスなど)」なんです。
日本全国には、通行料金が完全に無料であるにもかかわらず、法律上は高速道路と同じ「自動車専用道路」に指定されている区間がたくさん存在します。
全国に潜む無料バイパスの具体例
たとえば、私の地元である山口県を例に挙げると、小郡萩道路(美祢東JCT〜絵堂IC間)や山口宇部道路といった幹線道路があります。
これらの道路は通行料金が無料なので一見すると普通の便利なバイパス道路に見えるのですが、実はしっかりと「自動車専用道路」に指定されているんです。
規制速度も一般道の60km/hとは違って「時速70km」などに設定されているため、歩行者や自転車はもちろん、125cc以下のクロスカブも絶対に通行することができません。
こうした道路の入り口には、青い背景に白い乗用車のイラストが描かれた「自動車専用」の標識や、「125cc以下通行止め」の看板が必ず立っています。
ただ、料金所のような物理的なゲートがないため、ツーリング中に景色に気を取られていたり、前の車に漫然とついていったりすると、標識を見落としたまま本線へ直進してしまうライダーが後を絶たないんですよ。
さらに、無料の自動車専用道路だけでなく、都市部の立体交差(アンダーパスやオーバーパス)、観光地の大きな橋、あるいは特定の峠道などでも、局所的に「二輪車通行禁止」や「原付通行止め」の規制が敷かれている場所がたくさんあります。
スマホのナビアプリが引き起こすヒューマンエラー
では、なぜこれほど多くのライダーが自動車専用道路に誤進入してしまうのでしょうか。
その最大の原因は、ハンドル周りに取り付けたスマートフォン用ナビゲーションアプリの「設定ミス」にあります。
Googleマップをはじめとする一般的な無料ナビアプリは、初期設定(デフォルト)が「四輪の自動車」を前提にしたルート検索になっています。
この設定のまま目的地を入力してスタートすると、ナビは当然のように「通行料金が無料で、信号もなくて早く着く自動車専用道路(無料バイパス)」を最短ルートとして案内してしまうんです。
アプリ画面の「有料道路を使わない(高速道路を使わない)」にチェックを入れていたとしても、無料の自動車専用道路は「有料道路」ではないため、容赦なくルートに組み込まれてしまうという恐ろしい罠があります。
これを防ぐためには、ナビの案内を鵜呑みにせず道路標識を自分の目でしっかり確認することはもちろん、排気量に合わせて自動車専用道路を自動で除外してくれる二輪車専用ナビアプリ(たとえば「ツーリングサポーター」や「Urban Rider」など)を活用することを強くおすすめします。
初めての土地へツーリングに行くときは、こうした専用アプリを入れておくだけで、精神的なゆとりがまったく違ってきますよ。
通行禁止違反の反則金と速度差による危険性
もし万が一、標識を見落としてクロスカブ110で高速道路や自動車専用道路に誤って進入してしまった場合、どのようなペナルティが待っているのでしょうか。
故意に入ったか、うっかり間違えて入ってしまったかを問わず、警察の取締りを受けた場合は道路交通法に基づく「通行禁止違反」が適用されます。
二輪車に関連する主な交通違反の反則金と違反点数の目安を、わかりやすい表にまとめてみました。
交通違反における反則金および基礎点数の比較データ(一般的な目安)
| 違反の種類 | 対象車両 | 基礎点数 | 反則金 | 主なケース・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 通行禁止違反 | 自動二輪・原付二種 | 2点 | 6,000円 | 自動車専用道路や二輪通行止め区間への進入 |
| 通行禁止違反 | 原付一種(50cc以下) | 2点 | 5,000円 | 自動車専用道路や原付通行止め区間への進入 |
| 通行区分違反 | 自転車・二輪等 | 2点 | 6,000円 | 右側通行などの逆走行為や歩道走行など |
| 定員外乗車違反 | 一人乗り専用車両等 | 1点 | 6,000円 | 50cc原付など一人乗り車両での二人乗り行為 |
※上記の数値は現行法令に基づく一般的な目安です。正確な情報は警察庁や各都道府県警察の公式サイトをご確認ください(出典:警察庁『交通違反の点数一覧表・反則金一覧表』)。
表を見ていただくとわかる通り、クロスカブ110(原付二種)で自動車専用道路などに入ってしまった場合、違反点数2点と反則金6,000円が科せられます。
さらに、高速道路や自動車専用道路の上で警察官に止められた場合、道路の端にある路側帯はあくまで「緊急車両の通行」や「故障車の避難」のためのスペースなので、そこにバイクを停めてやり過ごすことはできません。
パトカー等の誘導に従って、ただちに一番近いインターチェンジや出口から一般道へ出るように命じられるため、せっかくの楽しいツーリング計画も大幅に狂ってしまいます。
なお、参考までにお伝えしておくと、高速道路を走れる大型バイクなどが高速道路上で大幅なスピード違反(40km/h以上の速度超過)をした場合は、反則金で済む青キップではなく「赤キップ」が切られます。
一気に6点が加算されて一発で免許停止処分になるうえ、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金という非常に重い刑事罰が科せられることになり、交通ルールを守ることの大切さがよくわかりますよね。
違反キップ以上に恐ろしい「速度差」の物理的リスク
ただ、私があなたに一番お伝えしたいのは、6,000円の反則金や点数のこと以上に、「高速道路上での圧倒的な速度差がもたらす命の危険」についてです。
高速道路(高速自動車国道)を走行できるバイクや車の法定速度は、原則として最高速度100km/h(一部区間では120km/h)、最低速度50km/hと定められています。
周りの乗用車や大型トラックは、みんな時速80km〜100km以上の猛スピードで巡航しているわけです。
そんな大動脈のような流れの中に、一般道の60km/hで走ることを前提に作られたクロスカブ110が迷い込んだらどうなるでしょうか。
後ろから迫ってくる大型トラックや乗用車との間には、時速40km/h以上という巨大な速度差が生まれます。
高速道路を100km/hで走っている車のドライバーは、まさか自分の前方に60km/hでゆっくり走っている小さなバイクがいるなんて夢にも思っていません。
ドライバーが前方の小さなクロスカブに気づき、「あれっ、遅いぞ!」と危険を察知してブレーキを踏み、実際に車が減速を始めるまでには「空走距離」と呼ばれるタイムラグが必ず発生します。
この速度差と空走距離を考えると、後続車が間に合わずに追突してしまうリスクが跳ね上がり、生身の体で乗っているライダーにとっては致命的な大事故に直結してしまうんです。
もし自分のすぐ真後ろに、巨大な大型トラックが猛スピードで迫ってきたら……想像するだけでも背筋が凍りませんか?
法律で125cc以下のバイクの高速走行が厳しく禁止されている一番の理由は、意地悪で制限しているのではなく、こうした決定的な性能差から生じる悲惨な追突事故から、ライダー自身の命を守るための防波堤になっているからなんですよ。
下道ツーリングの特徴とクロスカブの基本性能

ここまで読んで、「高速道路に乗れないなら、クロスカブで遠くへ旅するのはやっぱり無理なのかな……」と少し残念な気持ちになった方もいるかもしれませんね。
でも、安心してください!
高速道路を使えないことは、クロスカブにとって決して欠点ではなく、むしろ「一般道を世界で一番楽しく走れるように特化した設計」という最大の強みの裏返しなんです。
ここからは、クロスカブ110が持つ優れた基本スペックを紐解きながら、下道ツーリングの特徴と、長距離を安全に走り切るための実践的なテクニックをご紹介していきます。
登坂力に優れたエンジンと驚異的な燃費性能

クロスカブで長距離ツーリングを快適にこなすためには、まず相棒となる車両のポテンシャルを知っておくことが大切です。
現行モデルであるクロスカブ110(8BJ-JA60型)は、エンジン内部の摩擦(フリクション)を徹底的に減らし、環境性能と力強さを両立させた新世代のエンジンと、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)を搭載しています。
まずは、クロスカブ110の基本スペックを表で確認してみましょう。
クロスカブ110(型式:8BJ-JA60)の主要諸元・スペック表
| 項目 | スペック・仕様(目安) |
|---|---|
| 全長 × 全幅 × 全高 | 1,935mm × 795mm × 1,110mm |
| 車両重量(装備重量) | 107kg |
| シート高 | 784mm |
| エンジンタイプ | JA59E型・空冷4ストロークOHC単気筒 |
| 総排気量 | 109cc |
| 最高出力 | 5.9kW (8.0PS) / 7,500rpm |
| 最大トルク | 8.8N・m (0.90kgf・m) / 5,500rpm |
| 燃料タンク容量 | 4.1リットル |
| フロント・リアタイヤサイズ | 80/90-17M/C 44P |
※数値はメーカー公表値に基づく一般的な目安です。正確な最新情報はホンダ公式サイトをご確認ください。
この「JA59E型」エンジンは、最高出力8.0馬力を7,500回転で、最大トルク0.90kgf・mを5,500回転で発生させます。
数字だけ見ると控えめに感じるかもしれませんが、このエンジンは高回転でスピードを競うのではなく、私たちが普段一番よく使う「中低速域でのトルク(前に押し出す力強さ)」に重点を置いてセッティングされているんです。
そのため、リアキャリアにキャンプ道具や着替えをたっぷり積んだフル積載の状態であっても、山間部のきつい上り坂をトコトコと粘り強く登り切る頼もしい登坂力を発揮してくれます。
また、変速機(トランスミッション)には、走行中はリターン式、停車時のみロータリー式になる4段ミッションを採用しており、1速の変速比が「3.181」、2速が「1.705」と低速からしっかり力が出るギア比になっています。
そして何より嬉しいのが、カブシリーズ伝統の「自動遠心クラッチ(湿式多板ダイヤフラムスプリング式)」です。
左手での重たいクラッチレバー操作が一切いらないため、渋滞に巻き込まれたときや何時間も走り続けるロングツーリングにおいて、左手の腱鞘炎や疲労を劇的に減らしてくれるんですよ。
足回りにも、路面からのゴツゴツした衝撃を吸収する「テレスコピック式フロントサスペンション」が採用されているので、荒れたアスファルトやちょっとした砂利道でも安定して走れますし、メインスイッチと一体になったハンドルロック機構(別売りのアラームにも対応)のおかげで、旅先での防犯面も心強い設計になっています。
タンク容量の小ささを帳消しにする圧倒的な低燃費
さて、スペック表を見て「あれっ、燃料タンクの容量が4.1リットルしかないの?」と不安に思った方は、かなり鋭い視点を持っていますね。
たしかに、15〜20リットルの大きなタンクを持つ大型バイクと比べると、4.1リットルという容量は数字の上ではとても小さく見えます。
しかし、このタンクの小ささというハンデを完全にひっくり返してしまうのが、クロスカブ110が誇る世界最高峰レベルの驚異的な燃費性能なんです。
国土交通省に届出されている定地燃費値(時速60kmで2名乗車時)はなんと「68.0km/L」、より実際の走行に近い基準であるWMTCモード値でも「67.9km/L」という桁違いの数値を記録しています。
実際の公道ツーリングで走ってみても、信号の少ない平坦な田舎道ならリッターあたり55〜65km前後、ストップ&ゴーが多少ある郊外路でも50km/L前後という素晴らしい実燃費データが数多く報告されています。
荷物を満載にして峠道を越えたり、強い向かい風の中を走ったりする厳しい条件が重なっても、リッター45〜50kmを下回ることは滅多にありません。
ホンダの同クラスの人気車種と、タンク容量や航続距離の目安を比較してみましょう。
ホンダ原付二種クラスの燃料タンク容量と航続距離の比較(一般的な目安)
| モデル名 | 代表型式 | タンク容量 | WMTCモード値 | 実燃費の目安 | 航続距離(理論上の目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| クロスカブ110 | JA60 | 4.1 L | 67.9 km/L | 約 60 km/L | 約 246 km 〜 278 km |
| CT125 ハンターカブ | JA65 | 5.3 L | 66.9 km/L | 約 60 km/L | 約 318 km 〜 355 km |
| スーパーカブ110 | JA59等 | 4.1 L | 67.9 km/L | 約 60 km/L | 約 246 km 〜 278 km |
※実燃費や航続距離は、走行環境、積載量、ライダーの運転操作によって変動する一般的な目安です。
いかがでしょうか。
4.1リットルのタンク容量に、実燃費の目安である60km/Lを掛け合わせると、満タンから約246km〜278kmも走れる計算になります。
もし丁寧なアクセルワークでリッター70km近くまで伸びれば、理論上はなんと280km〜300km近くまで無給油で到達できるポテンシャルを秘めているんです。
燃費がリッター15〜20km程度の大型アドベンチャーバイクの航続距離がだいたい300km前後ですから、クロスカブ110は小さなタンクでありながら、大型ツアラーに匹敵する足の長さを持っていると言えますよね。
快適に走れる一日の走行距離とルート選び
高速道路を使わないクロスカブの旅は、必然的に「すべて一般道(下道)で繋ぐツーリング」になります。
下道ツーリングの特徴は、目的地へただ早く着くための移動ではなく、「走っている途中の景色や空気そのものを楽しむ旅」になることです。
では、クロスカブ110で下道ツーリングに出かける場合、1日にどれくらいの距離を走るのがベストなのでしょうか。
一般道を走る場合、信号待ちやちょっとした渋滞、コンビニや道の駅でのトイレ休憩などをすべて含めると、バイクが実際に進む平均速度(アベレージスピード)は、だいたい「時速30km〜40km程度」に落ち着きます。
この平均速度をベースに考えると、景色を楽しみ、美味しいご当地グルメを食べて、笑顔で余裕を持って走れる1日の適正な走行距離は、「1日あたり200km〜250km程度」がひとつの黄金基準になります。
時速35kmペースで計算すると、200km走るのに必要な実走行時間は約5時間半〜6時間ほどになり、これに食事や観光の時間を足すと、ちょうど朝から夕方までの充実した1日スケジュールになりますよね。
もちろん、体力に自信がある方やベテランライダーなら、早朝に出発して夜まで走り続け、下道だけで1日500km以上を走破することも物理的には可能です。
ただ、日帰りで片道200km(往復400km)を超えてくると、お尻の痛みや集中力の低下で後半が「楽しいツーリング」から「ただの苦行」に変わってしまうリスクが高まります。
特に最初のうちは、往復で150km〜250kmくらいの無理のない距離設定からスタートして、少しずつ自分のペースを掴んでいくのがおすすめですよ。
車重107kgの軽さがもたらす圧倒的なルートの自由度
そして、下道ツーリングにおいてクロスカブ110が輝く最大の理由が、「装備重量107kg」という圧倒的な車体の軽さとコンパクトさです。
たとえば、車重が200kgを超える大型バイクでツーリングをしていると、走っている途中で「あ、あの細い路地の先に綺麗な海が見えそう!」と思っても、「もし行き止まりでUターンできなかったらどうしよう……」とためらって通り過ぎてしまうことがよくあります。
しかし、クロスカブ110ならどうでしょうか。
自転車に毛が生えたような軽快さで、狭い旧道や田んぼのあぜ道、ちょっとしたフラットな林道まで、何の不安もなくスッと入っていくことができます。
もし行き止まりに出くわしても、バイクから降りて押し歩きでクルッと向きを変えればいいだけなので、道選びで緊張することが一切ないんです。
ナビの案内通りに幹線道路を走るだけでなく、自分の直感に従って気になった脇道へふらっと寄り道できる自由度の高さ。
これこそが、高速道路を走るバイクでは絶対に味わえない、クロスカブならではの特権だと私は思います。
ガス欠を防ぐ給油戦術とガソリン携行缶の活用
さて、理論上は満タンで240km以上走れるクロスカブ110ですが、実際のツーリングで「ギリギリ240kmまで給油せずに引っ張る」のは絶対に避けてくださいね。
なぜなら、スピードメーターの中にある燃料計のメモリが減っていき、最後の「E(エンプティ)」が点滅し始めた瞬間から、ライダーの心には「どこかでガス欠になって止まったらどうしよう」という強い焦りと恐怖が生まれるからです。
ガソリンの残量を気にしながら走っていると、せっかくの美しい景色も目に入らなくなりますし、焦りから運転の集中力が落ちて思わぬミスに繋がりかねません。
一般的な目安として、クロスカブ110の燃料計の最後の1目盛りが点滅し始めるタイミングは、タンク内の残りのガソリンが「約0.68リットル〜1.0リットル程度」になった頃に設定されています。
実燃費をリッター60kmと仮定すれば、点滅が始まってからでも計算上は約40kmほど走れる余裕があります。
しかし、ツーリングでよく訪れる山間部や地方の田舎道では、「40km走ってもガソリンスタンドが1軒も見当たらない」なんてことは日常茶飯事です。
やっとの思いでスタンドを見つけたと思ったら、夕方の17時で閉まっていたり、日曜日が定休日でシャッターが下りていたりする「地方のガソリンスタンド問題」は、多くのライダーが一度は経験する洗礼なんですよ。
安心を生む「180kmルール」と携行缶の活用法
こうしたガス欠の恐怖から自分を解放するための鉄則が、「出発前に朝イチで満タンにし、走行距離が180km前後になったら早めに給油する」という給油戦術です。
トリップメーター(区間距離計)を給油のたびに「0.0km」にリセットする癖をつけておき、150km〜180kmを過ぎたら目についた大きめの街のガソリンスタンドへ早めに入るようにしましょう。
このルールさえ守っていれば、1日200km〜300kmの日帰りツーリングなら、出発時の満タンと途中の1回給油だけで、終始ニコニコしながら安心して走り切ることができます。
さらに、北海道の果てしない一本道や、ガソリンスタンドがまったくない深い山奥の酷道・林道へロングツーリングに出かける場合は、「ガソリン携行缶」を予備として積んでおくことが最強のお守りになります。
バイク用品店やネット通販を探すと、バックパックやサイドバッグにすっきり収まる1リットルサイズのコンパクトなガソリン携行缶(たとえばメルテック製のアルミボトルタイプ「FK-06」など、厚み0.8mmの頑丈なアルミ製で消防法に適合した製品)が販売されています。
もしこの1リットル携行缶を2本、リアボックスやサイドホルダーに積載しておけば、それだけで「2リットル分」の予備燃料が手に入りますよね。
クロスカブ本体のタンク(4.1L)と合わせれば合計6.1リットルになり、実燃費60km/Lなら単純計算で360km以上の圧倒的な航続距離を確保できることになります。
ガソリン携行缶を扱う際の注意点
ガソリンは非常に引火しやすい危険物です。携行缶を購入する際は、必ず「消防法適合品(UN規格取得品など)」のマークがある信頼できるメーカーの製品を選んでください。
また、近年の法改正により、ガソリンスタンドで携行缶にガソリンを入れてもらう際は、スタッフによる給油が原則となり、本人確認(免許証の提示)と使用目的の確認・記録が義務付けられています(出典:総務省消防庁『ガソリンの容器詰替え販売における本人確認等について』)。セルフスタンドで自分勝手に携行缶へ給油することは法律で禁止されていますので、必ず有人スタンドでスタッフの方にお願いしましょう。
クロスカブの長距離ツーリングを快適にする秘訣

ノーマルのままでも十分に魅力的なクロスカブ110ですが、下道で何時間も走り続ける長距離ツーリングをもっと快適で、もっとお財布に優しいものにするための「2つの秘訣」があります。
ここでは、身体の疲れを劇的に減らす「クロスカブ110のツーリング仕様カスタマイズ」と、125cc以下だからこそ使える最強の維持費節約術「ファミリーバイク特約」について深掘りしていきましょう。
疲労を軽減するクロスカブ110のツーリング仕様
丸一日クロスカブに乗って長距離を走ると、夕方頃にやってくる疲労の原因は大きく分けて3つあります。
それは、「ずっと体に当たり続ける走行風」「お尻や腰の痛み」、そして「荷物の積みづらさ」です。
裏を返せば、アフターパーツ(カスタムパーツ)を使って「走行風の遮断」「着座姿勢の改善」「積載能力の向上」という3つのポイントを整えてあげるだけで、クロスカブは驚くほど快適な本格グランドツアラーへと進化するんです。
1日の走行距離が50km伸びる!?ウインドシールド(風防)の威力
長時間のライディングで、知らず知らずのうちにライダーの体力を一番奪っている犯人は、実は「走行風」です。
時速50km〜60kmで走っているとき、胸元から顔にかけて常に強い風の圧力を受けており、それに耐えるために腹筋や背筋、首の筋肉をずっと緊張させている状態になります。
さらに、春先や秋口、あるいは雨上がりなどは、風が体温をどんどん奪っていくため、体力の消耗が一気に加速してしまうんですよね。
これを劇的に改善してくれるアイテムが、ハンドル周りに取り付ける「ウインドシールド(風防・スクリーン)」です。
胸元に当たる直接的な風圧をシールドが受け止めて逃がしてくれるだけで、呼吸がラクになり、ライダーの間では「ウインドシールドを付けるだけで、1日に元気に走れる距離が50km伸びる」と言われるほど絶大な効果があります。
クロスカブ110向けには、そのレトロでアウトドアな外観を崩さないおしゃれなシールドが各メーカーからたくさん発売されています。
たとえば、老舗の「旭風防(アサヒ風防)」からは、耐衝撃アクリル樹脂を使ったショートバイザー(高さ155mm×幅215mmなど)が出ており、見た目の軽快さを保ちつつメーター周りの整流効果を高めてくれます。
もっとしっかり風を防ぎたい方には、「デイトナ(DAYTONA)」のポリカーボネイト樹脂製ウインドシールドが人気で、防風効果の高い大型サイズ(高さ435mm×幅390mm×厚み2.5mm)や、スタイリッシュなミドルサイズ(高さ265mm×幅350mm×厚み2.5mm)など、好みに合わせて選べるのが魅力です。
また、「SP武川(スペシャルパーツ武川)」のスクリーンキットは、立体的な曲面デザインで風をきれいに受け流しつつ、頑丈なハンドルクランプステーでガッチリ固定できるため、前を走る車が跳ね上げる小石や虫、突然の通り雨からもあなたの体をしっかり守ってくれますよ。
お尻の痛みとサヨナラする「シート・背もたれ・リアボックス」の完成形
そして、走行風と並んでもうひとつの大きな悩みが、数時間走り続けたときに襲ってくる「お尻の痛み」と「腰のダルさ」ですよね。
クロスカブの純正シートも決して悪くはないのですが、2時間、3時間と座り続けていると、どうしてもクッションが沈み込んでお尻の骨が痛くなってきます。
この対策としては、クッションの厚みと反発力を高めた社外品のカスタムシートに丸ごと交換するか、純正シートの上から被せる「ゲル内蔵シートカバー(座布団のようなメッシュやゲル素材のカバー)」を取り付けるのがとても効果的です。
さらに、リアキャリアの上に「キタコ(KITACO)」や「GIVI(ジビ)」といった信頼できるメーカーの大容量リアボックス(トップケース)を取り付け、そのボックスの前面(ライダーの背中側)にクッション付きの「バックレスト(背もたれ)」を装着してみてください。
重い荷物をリュックで背負うのをやめてリアボックスにすべて放り込み、信号待ちや巡航中に背もたれへ軽く腰を預けられるようになると、上半身の負担が嘘のように軽くなります。
クロスカブ110 ツーリング仕様の黄金3点セット+α
1. ウインドシールドの装着(走行風と体温低下をシャットアウト)
2. シートの改善(ゲルザブやカスタムシートでお尻の痛みを解消)
3. 背もたれ(バックレスト)の追加(腰への負担を分散して姿勢をラクに)
+ 大容量リアボックス(荷物を体から離し、急な雨でも荷物を濡らさない)
この「風防・シート・背もたれ・リアボックス」が揃ったフル装備のクロスカブ110なら、週末のキャンプツーリングはもちろん、何週間もかけて日本一周を目指すような壮大な旅だって、頼もしい相棒として余裕でこなしてくれますよ。
◆ゆうのワンポイントアドバイス
カスタムパーツって、カタログを見ているだけでもワクワクしますよね!もし予算の関係で少しずつ揃えていくなら、私はまず「リアボックス」と「ウインドシールド」の2つから始めるのをおすすめしています。背中のリュックがなくなって、胸に当たる風が消えるだけで、「同じバイクなの!?」と驚くくらい長距離がラクになりますよ。
ファミリーバイク特約のメリットと注意点
最後に、クロスカブ110を所有してツーリングを楽しむうえで、お財布の面で絶対に知っておきたい「任意保険」の話をしましょう。
バイクに乗る際、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険(強制保険)」だけでは、万が一の事故で相手の車やガードレールを壊してしまったときの賠償(対物賠償)や、自分自身のケガの補償が一切出ないため、民間の「任意保険」に入ることが必須となります。
もしあなたが、高速道路を走れる「126cc以上のバイク」を買った場合、そのバイク専用に単独で任意保険を契約しなければならず、特に年齢が若い方や初めてバイク保険に入る方だと、年間で数万円〜十数万円というかなりの保険料がかかることも珍しくありません。
しかし、排気量109cc(125cc以下)のクロスカブ110には、なんと車(四輪自動車)の保険にオプションとして追加できる「ファミリーバイク特約(原付特約)」という、最強の節約制度が使えるんです!
圧倒的なコスパと「ノーカウント事故」の強み
ファミリーバイク特約とは、あなた自身や、同居しているご家族(親や配偶者など)が契約している「マイカーの自動車保険」に、年間わずか数千円〜1万円台程度の追加料金をプラスするだけで、クロスカブの運転中も自動車保険と同じ手厚い対人・対物賠償が受けられる仕組みです。
この特約のすごいところは、メインとなる車の保険に「35歳以上補償」や「本人・配偶者限定」といった厳しい制限がかかっていたとしても、ファミリーバイク特約には年齢条件や運転者限定が一切影響しないという点にあります。
たとえば、お父さんの車の保険が「35歳以上・本人限定」になっていても、そこにファミリーバイク特約を付けておけば、同居している20歳の大学生のお子さんや、一人暮らしをしている別居の未婚のお子さんがクロスカブに乗って事故を起こした場合でも、バッチリ補償の対象になるんです(※別居のお子さんは結婚すると対象外になります)。
さらに驚くべきメリットが、万が一事故を起こして保険を使ったときの「等級」の扱いです。
普通の自動車保険や単独のバイク保険では、事故で保険金を使うと翌年の「ノンフリート等級」が3等級ダウンなどになり、次の年からの保険料がグッと値上がりしてしまいますよね。
ところが、ファミリーバイク特約を使って対人・対物の賠償金を支払った事故は、メインの自動車保険において「ノーカウント事故」として扱われます。
つまり、クロスカブで保険を使ったとしても、ベースになっている車の保険の等級は1ミリも下がらず、翌年の車の保険料が高くならないという、家計にとってこれ以上ない心強い仕組みになっているんです。
しかも、補償される原付バイクの「台数制限」もありませんから、自宅にクロスカブ110と50ccのスクーターとハンターカブが3台あったとしても、あるいは友達の125ccバイクをちょっと借りて運転したときでも、たった1つのファミリーバイク特約ですべてカバーできてしまいます。
長距離ツーリング前に必ず確認したい「特約の死角」
ここまで聞くと「ファミリーバイク特約、無敵じゃないか!」と思えますが、長距離ツーリングに出かけるライダーにとって、絶対に知っておかなければならない「重大な死角(デメリット)」も存在します。
メリットとデメリットを整理した比較表を見てみましょう。
ファミリーバイク特約のメリットとデメリットの比較
| 比較項目 | ファミリーバイク特約のメリット | ファミリーバイク特約のデメリット(注意点) |
|---|---|---|
| 保険料の相場 | 非常にリーズナブル(年間数千円〜1万円台目安) | 何年無事故で乗っても等級割引が進まない |
| 対象者の範囲 | 車の保険の年齢条件・本人限定などの影響を受けない | 別居の未婚の子は、結婚した時点で対象外になる |
| 対象車両の数 | 125cc以下なら何台でもOK(借りたバイクも対象) | 126ccを超えるバイクは一切補償されない |
| 事故時の等級 | 保険を使っても車の保険等級は下がらない(ノーカウント) | 特約単体での契約は不可(ベースとなる車の保険が必須) |
| 車両本体の補償 | なし | 事故でクロスカブが壊れても自分のバイクの修理代は出ない |
| ロードサービス | なし(基本的に対象外) | 旅先でのパンクや故障時のレッカー代が自己負担になる |
※補償内容や保険料は契約する損害保険会社やプラン(人身傷害型・自損傷害型など)によって異なります。正確な情報はご契約の保険会社の公式サイトや約款をご確認のうえ、最終的な判断は保険代理店などの専門家にご相談ください。
表の下2行に注目してください。
1つ目の注意点は、ファミリーバイク特約には原則として「車両保険(自分のバイクを直すための補償)」が付いていないため、転倒や事故でクロスカブ本体が壊れた場合の修理代は自己負担になることです。
そして、長距離ツーリングをする人にとって一番怖い2つ目の死角が、「ファミリーバイク特約には、無料のロードサービス(レッカー移動など)が付帯していないケースがほとんど」という点なんです。
車の保険本体には立派なロードサービスが付いていても、特約でカバーしている原付バイクが旅先の山奥でパンクしたり、エンジントラブルで動かなくなったりしたときには、そのロードサービスは使えないことが一般的なんです。
もし自宅から150km離れた山の中でパンクして走れなくなり、民間のレッカー業者を実費で呼んだら、数万円〜十万円近い高額なレッカー代が飛んでいってしまいます。
このリスクを賢くカバーする方法は、とてもシンプルです。
基本の保険はコスパ最強の「ファミリーバイク特約」でしっかり固めつつ、「JAF(日本自動車連盟)」に個人会員として入っておくか、バイクのロードサービスが付帯するクレジットカードやチューリッヒ等の単独ロードサービスを別途組み合わせておくことです。
特にJAFは「車やバイク」ではなく「人」にかかるサービスなので、年会費4,000円(目安)を払っておけば、普段のマイカーはもちろん、クロスカブ110でのツーリング中のパンクやガス欠、バッテリー上がりにも24時間体制で駆けつけてくれますよ(出典:JAF(日本自動車連盟)『バイク・原付でも使えるJAFのロードサービス』)。
こうした保険とロードサービスの組み合わせを知っておくだけで、どれだけ遠くの下道へ出かけても「何かあっても大丈夫」という揺るぎない安心感が手に入ります。
クロスカブの高速道路走行やツーリングに関するよくある質問(FAQ)
- クロスカブ110で通行料金が無料のバイパスなら走っても大丈夫ですか?
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無料のバイパスであっても、入り口に緑色や青色の「自動車専用」の標識がある道路や、「125cc以下通行止め」の標識がある区間は絶対に走行できません。一方で、同じバイパスという名前でも、標識による規制がない一般国道のバイパスであれば走行可能です。必ず入り口の道路標識を確認し、二輪車対応のナビアプリを活用して判断してください。
- 間違えて自動車専用道路に入ってしまった場合、どう対処すればいいですか?
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絶対にやってはいけないのが、慌ててその場でUターン(逆走)したり、路側帯に急停車したりすることです。後続車に追突される危険が極めて高いため、まずはハザードランプやウインカー等で周囲に存在を知らせつつ、左側の車線を流れに合わせて慎重に走行し、一番最初のインターチェンジや出口から速やかに一般道へ退出してください。料金所がある場合は、一般レーンの係員に事情を伝えて指示に従いましょう。
- クロスカブ110とハンターカブ(CT125)なら、どちらが高速道路に乗れますか?
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結論から言うと、どちらも高速道路には乗れません。CT125ハンターカブも総排気量は123cc(125cc以下)の原付二種に分類されるため、法律上の扱いはクロスカブ110とまったく同じです。高速道路を走行したい場合は、126ccを超える排気量のバイク(例:レブル250やCL250、ADV160など)を検討する必要があります。
- クロスカブ110で一般道を二人乗り(タンデム)してツーリングすることはできますか?
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はい、一般道であれば二人乗りは可能です。クロスカブ110は純正でタンデムステップが装備されているため、リアキャリアに専用のピリオンシート(タンデムシート)を取り付け、小型限定普通二輪以上の免許を取得してから「1年以上」が経過していれば、法的に二人乗りが認められます。ただし、クロスカブ50(原付一種)は一人乗り専用のため二人乗りはできません。
- ファミリーバイク特約は「人身傷害型」と「自損傷害型」のどちらを選ぶべきですか?
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長距離ツーリングを楽しむのであれば、少し保険料が上がっても「人身傷害型(人身傷害あり)」を選ぶことを強くおすすめします。自損傷害型だと補償金額が低く、相手がいる事故で自分の過失分が十分にカバーされないケースがありますが、人身傷害型なら自分がケガをした際の治療費や休業損害が手厚く補償されるため、生身で乗るバイクの安心感が格段に高まります。詳細な条件は各保険会社の窓口でご確認ください。
まとめ:高速利用なら126cc以上を選ぼう
今回は、「クロスカブ110で高速道路は走れるのか?」という疑問を入り口に、法律上のルールや誤進入を防ぐ対策、そして下道ツーリングを120%楽しむための実践的なノウハウをお届けしました。
最後に、この記事の大切なポイントをもう一度振り返っておきましょう。
この記事のまとめ
- 高速道路や自動車専用道路を走れるのは総排気量126cc以上のバイクのみであり、109ccのクロスカブ110は走行不可
- スピードを上げる改造や無理なボアアップで解決する問題ではなく、高速道路の利用が必須なら最初から126cc以上の別車種を選ぶべき
- 料金所のない「無料の自動車専用道路(バイパス)」への誤進入を防ぐため、標識の確認と二輪専用ナビアプリの設定を徹底する
- 誤進入すると通行禁止違反(2点・反則金6,000円)になるだけでなく、時速40km以上の速度差による追突事故の危険が極めて高い
- クロスカブ110は実燃費60km/L前後の驚異的な低燃費を誇り、4.1Lタンクでも240km以上の航続距離を持つ下道最強ツアラー
- 下道ツーリングは1日200km〜250kmの行程を目安にし、走行180km前後での早めの給油と携行缶の活用でガス欠の不安をなくす
- ウインドシールド・シート改善・背もたれ・リアボックスの装着で、長距離の疲労を劇的に減らすツーリング仕様が完成する
- 維持費を大幅に抑えられるファミリーバイク特約を活用しつつ、弱点であるロードサービスはJAF等で補うのが賢い運用術
高速道路を使って、A地点からB地点へ一気にワープするような移動はクロスカブ110にはできません。
もしあなたのライフスタイルにおいて「限られた休日の時間で、高速道路を使って一気に遠くの県まで移動したい」という目的が一番にあるなら、迷わず126cc以上のバイク(150cc〜250ccクラス)を選んだほうが、間違いなく幸せなバイクライフを送れます。
でも、高速道路を走れないという制限を受け入れた瞬間、クロスカブ110はあなたに「下道だからこそ出会える豊かな旅の景色」をプレゼントしてくれます。
その土地の風の匂いを感じ、気になった小さな看板でバイクを止め、圧倒的な低燃費と安い維持費でどこまでもトコトコ走っていける自由さは、一度味わうと本当に病みつきになりますよ。
あなたは、バイクでどんな道を走り、どんな景色を見に行きたいですか?
ぜひ今回の記事やデジタルバイクライブラリーの他の記事も参考に、あなたの理想の旅のスタイルにぴったりの相棒を選んで、安全で思い出に残る最高のツーリングへ出かけてみてくださいね!
