こんにちは、デジタルバイクライブラリーのゆうです。
「以前より給油の間隔が短くなった」「スーパーカブなのに思ったほど走らない」と感じると、エンジンに大きな不具合があるのではないかと不安になりますよね。
ただ、燃費が悪化する原因はエンジン内部だけではありません。タイヤの空気圧、チェーンの状態、荷物、走る距離、気温、運転の仕方など、身近な条件が重なっていることも多いです。
この記事では、スーパーカブの燃費が悪いときに、どこから確認すればよいのかを順番に整理します。高価な部品や添加剤を買う前に原因を切り分ければ、余計な出費を抑えながら本来の燃費へ近づけられますよ。
- スーパーカブの燃費が悪くなる主な原因
- 満タン法で実燃費を正しく測る方法
- 自分でできる点検と燃費向上策
- 整備店へ相談すべき症状と判断基準
先に結論を言うと、空気圧、車輪、チェーン、積載、走行条件、オイルやプラグの順に確認するのが近道です。一度の給油結果だけで故障と決めつけず、同じ条件で数回測ってから判断しましょう。
スーパーカブの燃費が悪い主な原因

燃費は「エンジンが使った燃料」と「後輪へ届いた力」の釣り合いで決まります。燃焼が良好でも、タイヤやチェーンの抵抗が増えれば、同じ距離を走るためにアクセルを余分に開けることになります。
まずは、故障と決めつける前に走行抵抗、使い方、消耗品の3方向から見ていきましょう。複数の小さな変化が重なり、燃費が大きく落ちたように見える場合もあります。

空気圧不足とブレーキの引きずり
最初に確認したいのはタイヤの空気圧です。タイヤの空気は、穴が開いていなくても少しずつ抜けます。空気圧が不足するとタイヤの変形が大きくなり、その変形で失われる力が増えるため、転がりが重くなります。
空気圧不足は燃費だけの問題ではありません。曲がるときの感触が鈍くなる、タイヤが偏って減る、発熱しやすくなるといった変化にもつながります。見た目だけでは判断しにくいため、冷えている状態で空気圧計を使って測ることが大切です。
指定空気圧は型式、タイヤ、乗車人数によって異なります。車体の表示ラベルまたは、その型式の取扱説明書を確認してください。「燃費を伸ばしたいから」と指定値を大きく超えて入れると、接地感や乗り心地が悪くなり、濡れた路面などで危険になるおそれがあります。
次に確認したいのがブレーキの引きずりです。ブレーキを戻しても部品が完全に離れず、車輪へ抵抗がかかり続ける状態を指します。押し歩きが以前より重い、片方の車輪付近だけ熱い、こすれる音が続く、加速が鈍いといった変化が手がかりです。

走行直後のブレーキやホイール周辺は高温になることがあります。素手で触れて温度を確かめるのは避けてください。燃料のにおい、強い発熱、車輪の固着を感じた場合は走行を続けず、整備店へ相談しましょう。
センタースタンドを使える車両なら、安全で平らな場所に立て、車輪の回り方や異音を確認できます。ただし、ディスクブレーキではパッドがわずかに触れることもあり、「何回転すれば正常」という一律の基準はありません。判断に迷うときは分解せず、プロに見てもらうのが確実です。
チェーンの汚れと張りの異常
スーパーカブは、エンジンの力をチェーンで後輪へ伝えます。チェーンが乾いている、さびている、動きの固い部分があると、金属同士の摩擦が増え、せっかくの力が後輪へ届く前に失われます。
「たるんでいると力が逃げるから、強く張ればよい」と考えるのは危険です。張りすぎたチェーンは、前後の歯車や軸受けに大きな負担をかけます。反対に緩すぎると、騒音、外れ、チェーンケースへの接触につながる可能性があります。
点検するときは、目に見える一か所だけではなく、後輪を少しずつ動かしながら複数の位置でたるみを見ます。摩耗したチェーンには、場所によって張り具合が変わる「偏った伸び」が出ることがあるためです。歯車の歯が細く尖っている、チェーンを調整してもすぐ緩む場合は、注油だけでなく交換を考える段階かもしれません。
清掃にはチェーンの種類に適合するクリーナーを使い、注油には二輪車用のチェーン潤滑剤を選びます。吹き付けすぎると周囲へ飛び散り、汚れを集める原因になります。少量ずつ塗布し、余分な油を拭き取るのが基本です。
◆ゆうのワンポイントアドバイス
チェーンの調整は燃費だけでなく、安全性と部品寿命にも関わります。工具に慣れていない場合は、清掃と注油までにとどめ、張り調整や後輪の位置合わせは整備店へ任せると安心ですよ。
積載・短距離・急加速の影響
スーパーカブは荷物を運ぶのが得意ですが、荷物が重くなれば加速や登り坂で必要な力も増えます。普段使わない工具、飲料、キャンプ用品などをリアボックスへ積みっぱなしにしていないでしょうか。
重量だけでなく、荷物の大きさや積み方も燃費に影響します。車体から大きくはみ出す箱や荷物は空気の流れを乱し、速度が上がるほど抵抗を増やします。積載上限を守り、重い荷物はできるだけ低く、車体の中心に近い位置へ安定して固定してください。

短距離走行の繰り返しも、燃費が悪く見えやすい条件です。冷えたエンジンでは燃料供給が暖機中の状態になり、オイルも温まっていません。数キロで停止する使い方が続くと、効率のよい温度で走る時間が少ないまま一回の移動が終わります。
冬に燃費が落ちやすいのも同じ理由です。低い気温、冷えたタイヤ、向かい風、厚着による空気抵抗などが重なります。季節が変わった直後の低下なら、故障ではなく使用環境の差も疑いましょう。
急発進では、短い時間に多くの燃料を使います。その直後にブレーキをかければ、燃料で得た運動エネルギーを熱として捨てることになります。信号の間隔を見ながら滑らかに加速し、前方の赤信号が見えたら早めにアクセルを戻すだけでも、無駄は減らせます。
燃費を比較するときは、同じ通勤路でも気温、渋滞、風、荷物、乗車人数が違えば結果も変わると考えてください。数値だけでなく、その日の条件を一緒に記録すると原因を見つけやすくなります。
オイルやプラグなど消耗品の劣化
タイヤやチェーンに問題がなければ、次はエンジンまわりの消耗品を確認します。エンジンオイルは内部の摩擦を減らし、冷却、洗浄、防錆などを担っています。量が少なすぎても多すぎても、本来の働きを保てません。
オイルが古い、指定より極端に粘度が高い、量が規定範囲から外れていると、回転の重さや変速の感触に影響する場合があります。確認方法は車種ごとに異なるため、平らな場所での車体の立て方、暖機の有無、停止後の待ち時間を取扱説明書に合わせてください。

スーパーカブは湿式クラッチを採用するモデルが中心です。エンジンオイルを選ぶときは、価格や「低摩擦」という宣伝だけで判断せず、取扱説明書に記載された粘度、品質規格、容量に適合する製品を選びましょう。推奨内容は年式や型式で異なるため、別モデルの情報をそのまま当てはめないことが大切です。自分の車両がどのモデルに当たるか迷う場合は、スーパーカブの種類と型式ごとの違いも参考にしてください。
プラグが摩耗したり汚れたりすると、始動しにくい、アイドリングが不安定、加速時に息つきする、力が出ないといった症状が現れることがあります。燃料が十分に燃えなければ、同じ速度を保つためにアクセルを余分に開けることになり、燃費も悪化しやすくなります。
交換するプラグは、ねじ径が合うだけでは不十分です。指定された品番、熱価、電極の種類を確認してください。似た形の製品を誤って取り付けたり、締め付けが弱すぎたり強すぎたりすると、エンジンを傷めるおそれがあります。
そのほか、エアクリーナーの目詰まり、バルブすき間のずれ、燃料噴射装置や各種センサーの不調、古いキャブレター車の調整ずれも候補です。オイル管理を含む長期的な整備については、スーパーカブの寿命と走行距離の考え方でも詳しく整理しています。
バルブ調整、燃料系統の分解、ブレーキの分解は、誤ると故障や事故につながります。整備経験や必要な工具がない場合は無理に作業せず、最終的な判断は専門家にご相談ください。
燃費悪化を切り分ける確認手順

原因を切り分けるには、感覚だけではなく「いつから、どのくらい変わったか」を数値にします。そのうえで、お金がかからず安全に確認できる項目から順番に進めます。
一度にオイル、プラグ、添加剤、運転方法をすべて変えると、何が効いたのか分からなくなります。急を要する異常がなければ、一項目ずつ確認して記録するのが遠回りに見えて一番確実です。
満タン法で実燃費を正しく測る
燃費計がないスーパーカブでも、満タン法なら実燃費を計算できます。前回満タンにしてから走った距離を、次に満タンへ戻すために入った燃料の量で割ります。
実燃費(km/L)=走行距離(km)÷給油量(L)
例として210.4km走り、3.45L給油した場合は、210.4÷3.45で約61.0km/Lです。小数点以下の扱いでわずかな差が出るため、あくまで一般的な目安として見てください。

測定を始める給油時に、トリップメーターをゼロにします。次の給油で、走行距離と給油量を記録して計算します。トリップメーターがない車両は、総走行距離の前回値を控え、今回値との差を使えば大丈夫です。
ここで注意したいのが給油誤差です。スーパーカブのタンクは小さいため、わずか0.1Lの差でも計算結果が動きます。毎回できるだけ同じスタンド、同じ給油機、同じ車体の立て方で、同じ高さまで入れると誤差を抑えやすくなります。給油口ぎりぎりまで無理に入れるのは、燃料の膨張や漏れにつながるため避けましょう。
一回だけ悪い数値が出ても、給油量の誤差や渋滞の影響かもしれません。少なくとも3回程度、できれば数回分の平均と過去の自分の数値を比較すると、変化の傾向をつかみやすくなります。
記録には日付、走行距離、給油量に加え、街乗りと長距離の割合、荷物、二人乗り、気温、空気圧、整備内容も残しておくと便利です。「オイル交換後に戻った」「冬だけ下がる」といった関係が見えてきますよ。
低コストな項目から順に点検する
実燃費の低下を確認できたら、次の順番で点検します。優先したいのは、費用が少なく、発生しやすく、安全にも関わる項目です。
| 順番 | 確認項目 | 見るポイント | 主な対応 |
|---|---|---|---|
| 1 | 測定条件 | 給油誤差、渋滞、気温、風、走行距離 | 数回測って平均を比較 |
| 2 | タイヤ | 冷間時の空気圧、摩耗、異物、ひび | 指定値へ調整し異常なら交換相談 |
| 3 | 車輪とブレーキ | 押し歩きの重さ、異音、片側の発熱 | 異常があれば整備店で点検 |
| 4 | チェーン | 乾き、さび、たるみ、固着、歯の摩耗 | 清掃・注油、必要なら調整や交換 |
| 5 | 消耗品 | オイル量と交換歴、プラグ、吸気部品 | 指定品で交換または点検 |
| 6 | エンジンと燃料系 | 警告灯、異音、白煙、失火、燃料臭 | 走行を控えて整備店へ相談 |
燃費が突然大きく落ちた場合と、数か月かけて少しずつ落ちた場合では、疑う場所が変わります。突然なら空気漏れ、ブレーキの固着、燃料漏れ、点火不良などを優先します。徐々に落ちたなら、空気圧の低下、チェーンやタイヤの摩耗、消耗品の劣化、積載物の増加が考えやすいです。
給油した直後から調子が変わったなら、燃料の入れ間違い、燃料の品質、給油量の記録ミスも確認します。異なる燃料を入れた、燃料に水や異物が混じった疑いがある場合は、むやみに走って消費しようとせず整備店へ相談してください。
また、タイヤ銘柄や歯車の丁数、マフラー、風防、リアボックスなどを変更した直後なら、純正状態との差も候補です。部品が正常でも、重さ、転がり抵抗、空気抵抗、ギア比が変われば燃費は動きます。
切り分けの基本は「自分の過去の燃費」と比べることです。ほかの人の記録は、型式、道、体重、速度、季節が違います。ネット上の最高値に届かないだけで、あなたの車両が故障しているとは限りません。
スーパーカブの燃費向上策

原因が分かったら、元の状態へ戻す整備と、燃料を無駄にしない運転を組み合わせます。特別な改造よりも、メーカーが想定した状態を保つほうが再現性は高く、安全面でも安心です。
目標は一回だけ最高燃費を出すことではありません。普段の使い方で安定して良い数値を保つことが、燃料代と部品代の両方を抑えるコツです。
空気圧とチェーンを適正に保つ
空気圧計を一つ用意すると、給油所へ行かなくても冷間時に測れます。選ぶときは、二輪車の小さなホイールでも口金を当てやすいこと、目盛りが読みやすいこと、測定範囲が車両の指定値を含むことを確認しましょう。調整用の空気抜きボタンがある製品も便利です。
測る目安は月に一度と、長距離走行や大きな荷物を積む前です。しばらく測っていない車両は、まず現在値を記録してから指定値へ戻し、走りの軽さや次回の燃費がどう変わるか確認すると違いを把握できます。
空気圧は高ければ高いほどよいわけではありません。一人乗りと二人乗りで指定が分かれている車種もあります。車体ラベルと取扱説明書を優先し、タイヤ側面にある最大値を日常の指定空気圧と勘違いしないでください。
チェーンは、汚れを落として状態を確認してから注油します。クリーナーと潤滑剤は、装着しているチェーンの仕様に適合するものを選びます。走行直後は部品が熱くなっているため、エンジンを止めて十分に冷まし、キーを抜いてから作業してください。
手で後輪を回しながら作業する場合も、エンジンは必ず停止したままにします。エンジンをかけ、ギアを入れてチェーンを回しながら清掃する方法は、指や衣服を巻き込む重大事故につながるため絶対に行わないでください。
| 用品 | 選ぶときの確認点 | 避けたい選び方 |
|---|---|---|
| 空気圧計 | 口金の角度、読みやすさ、対応範囲 | 表示の細かさだけで選ぶ |
| チェーンクリーナー | チェーンの種類への適合、扱いやすさ | 用途不明の強い溶剤を使う |
| チェーン潤滑剤 | 二輪車用、飛び散りにくさ、防錆性 | 大量に吹けば長持ちすると考える |
| エンジンオイル | 型式指定の粘度、規格、必要量 | 別年式の口コミだけで決める |
| プラグ | 取扱説明書記載の品番と仕様 | 形が似ている製品で代用する |
用品は、車両に合っていて正しく使えることが第一です。高価な製品をそろえるより、空気圧計で定期的に測り、必要なときにチェーンを整備できる環境を作るほうが、燃費向上につながりやすいかなと思います。
定速走行と早めの減速を心がける
発進ではアクセルを急に大きく開けず、交通の流れを妨げない範囲で滑らかに速度を上げます。エンジン音が高くなるまで低いギアを引っ張り続けず、車速に合わせて適切に変速すると、回転数を抑えやすくなります。
一方、早すぎる変速もよくありません。高いギアのまま低速でアクセルを大きく開け、車体がガクガクするような走り方は、エンジンへ負担をかけます。音と振動を感じながら、無理なく加速できるギアを選びましょう。
巡航中は、前の車との車間を十分に取り、速度の上下を小さくします。車間が短いと、前車のわずかな速度変化に合わせてアクセルとブレーキを繰り返すことになります。余裕のある車間は燃費だけでなく、安全にも効きます。
遠くの信号が赤になったら、後続車の状況を確認しながら早めにアクセルを戻します。直前まで加速して強くブレーキをかけるより、運動エネルギーを長く使えます。ただし、燃費を意識して不自然に遅く走ったり、周囲が予測できない減速をしたりするのは危険です。
下り坂でエンジンを切る、走行中に中立へ入れて惰性だけで走るといった方法も避けてください。エンジンブレーキを使いにくくなり、とっさの操作にも遅れが出ます。燃費より安全な車両操作を優先するのが大前提です。
長い停止暖機も燃料を使います。現代の燃料噴射式モデルでは、取扱説明書に従って始動し、調子を確かめながら穏やかに走り出す方法が基本です。ただし、冷間時にいきなり高回転まで回すのは避けましょう。古いキャブレター車は始動手順が異なるため、その車両に合った扱いが必要です。
◆ゆうのワンポイントアドバイス
燃費を良くしようと数字ばかり追うと、運転が窮屈になります。急がず、止まり過ぎず、エンジンに無理をさせない。この自然な走り方を続けるほうが、燃費も安全性も安定しやすいですよ。
スーパーカブの燃費が良すぎる理由

基本整備ができているスーパーカブの燃費が良いのは、軽い車体、小排気量の4ストローク単気筒エンジン、歯車とチェーンによる効率のよい動力伝達などが組み合わさっているからです。
スーパーカブ110は低い回転域から使いやすい力を出しやすく、交通の流れに合わせるために常に高回転を使う必要がありません。細身の大径タイヤも、日常走行での軽快さに貢献しています。
燃料噴射式では、走行条件に合わせて燃料の量とタイミングが電子制御されます。また、自動遠心クラッチと常時かみ合い式の変速機は、ベルト式の無段変速機とは異なり、歯車を介して力を伝える仕組みです。こうした設計の積み重ねが「スーパーカブは燃費が良すぎる」と感じる経済性を支えています。
最高燃費と100km走行の実態
「スーパーカブは1Lで100km走る」と聞くことがありますが、まずカタログの試験値と、日常の実燃費を分けて考える必要があります。
| モデル | 定地燃費値 | WMTCモード値 | 条件上の注意 |
|---|---|---|---|
| スーパーカブ50 | 105.0km/L | 69.4km/L | 定地値は30km/h・1名、 公式掲載の2024年11月時点諸元 |
| スーパーカブ110 | 68.0km/L | 67.9km/L | 定地値は60km/h・2名、 WMTCは1名乗車 |
表の数値は、Hondaが公表している主要諸元を参照しています。(出典:Honda「スーパーカブ50/110 主要諸元」)
定地燃費値は、決められた速度を保つ試験条件で測定した数値です。発進、坂道、信号、風などがある普段の走行をそのまま表すものではありません。WMTCモード値は発進や加速、停止を含むものの、実際の燃費は気象、渋滞、装備、整備状態、運転方法によって変わります。
そのため、スーパーカブ50の定地燃費値が105.0km/Lだからといって、通勤で毎回100km/Lを超えなければ異常という意味ではありません。反対に、条件のよい長距離や穏やかな走行で、普段より大きく伸びることもあります。
歴史上の記録では、1983年発売のスーパーカブ50スーパーカスタムが、30km/hの定地走行テスト値で180km/Lを達成しています。これは当時の特定モデルを一定条件で測った公称値で、現代の市街地を普通に走った実燃費とは比較できません。(出典:Honda「超低燃費リッター当り180Kmを実現『ホンダ スーパーカブ50シリーズ』」)
Hondaのエコマイレッジチャレンジには、2011年の全国大会で3,644.869km/Lという記録もあります。ただし、これはHonda製4ストローク150cc未満のエンジンを基にした競技専用車が、決められた条件で燃費を競った結果です。市販のスーパーカブで同じ距離を走れるという話ではありません。(出典:Honda「エコ マイレッジ チャレンジとは」)
スーパーカブの最高燃費は、どの試験、どの型式、どの走行条件を指すかで答えが変わります。あなたの車両を判断するときは記録競争の数値ではなく、同じ使い方をしていた過去の実燃費と比べてください。
各モデルの仕組みや燃費の違いをさらに知りたい場合は、スーパーカブ50・110の燃費が良い理由と向上術も参考にしてください。
添加剤を使う前に確認すること

ガソリン添加剤は手軽なので、燃費が落ちたときに試したくなりますよね。ただし、添加剤が直せる可能性があるのは、対応する製品で改善できる範囲の汚れなどに限られます。
空気圧不足、ブレーキの引きずり、乾いたチェーン、摩耗したプラグ、オイル量の異常、重い荷物は、添加剤では直りません。原因を確認せず投入すると、一時的な燃費の変動を効果だと勘違いしたり、本当の不具合を見逃したりする可能性があります。

燃料系の清浄を目的とした製品には、燃焼室や噴射装置の汚れに働きかける成分を含むものがあります。しかし、車両や汚れの状態によって結果は変わり、入れれば必ず燃費が回復するとは言えません。燃料タンクが小さいスーパーカブでは、少しの計量ミスが過剰な濃度につながりやすい点にも注意が必要です。
使う場合は、二輪車や搭載する燃料供給方式に対応しているかを確認し、製品に記載された混合比を守ります。複数の添加剤を同時に混ぜたり、効果を急いで規定量より濃くしたりしてはいけません。古い車両、長期放置車、燃料系統にさびがある車両では、投入前に整備店へ相談したほうが安心です。
エンジン内部を洗うフラッシング剤も同じです。堆積物が多いエンジンでは、はがれた汚れが別の場所へ影響する可能性があります。指定されていない処置を自己判断で行うより、まず指定オイルを正しい量へ交換し、必要なら整備士に状態を見てもらいましょう。
添加剤は基本点検の代わりにはなりません。空気圧、チェーン、ブレーキ、オイル、プラグを先に確認し、明確な異常がない場合に限って、適合と用量を守って検討してください。
スーパーカブの燃費に関するよくある質問(FAQ)
- スーパーカブの実燃費は何km/Lなら正常ですか?
-
型式、気温、速度、渋滞、坂道、積載、整備状態で大きく変わるため、全車共通の正常値は決められません。カタログ値は試験条件で測った目安であり、日常の実燃費そのものではありません。同じ給油方法で数回測り、同じ季節や使い方だった過去の自分の平均と比べるのが実用的です。
- スーパーカブで実燃費100km/Lは出せますか?
-
スーパーカブ50には105.0km/Lという30km/h定地燃費値がありますが、一定速度の試験値です。信号や坂道がある日常走行で、誰でも常に100km/Lを出せるという意味ではありません。燃費を無理に伸ばそうとして交通の流れを乱したり、不自然な低速走行をしたりせず、安全を優先してください。
- 冬だけ燃費が悪いのは故障ですか?
-
冬は暖機中の燃料供給、冷えたオイルやタイヤ、風などの影響で燃費が下がることがあり、季節差だけで故障とは言い切れません。ただし、始動不良、失火、強い異音、警告灯、燃料臭を伴う場合や、同じ冬の過去記録より大きく低下した場合は点検を受けましょう。
- ハイオクを入れると燃費は向上しますか?
-
レギュラーガソリン指定の標準車へハイオクを入れれば、必ず燃費や出力が上がるわけではありません。燃料代まで含めると経済的になるとも限りません。改造車を含め、使用燃料はその車両の取扱説明書や部品メーカーの指定を優先してください。
- 空気圧を高くすれば燃費は良くなりますか?
-
不足している空気圧を指定値へ戻せば、余分な転がり抵抗の改善が期待できます。しかし、指定値を大きく超える調整は、接地感、乗り心地、制動時の安定性に悪影響を与えるおそれがあります。冷間時に測り、車体ラベルまたは型式別の取扱説明書に示された値へ合わせてください。
改善しない場合は整備店へ相談
基本項目を確認しても燃費が戻らないなら、エンジン内部、燃料供給、点火、ブレーキ、軸受けなど、外から見ただけでは分からない部分の点検が必要です。
相談するときは「燃費が悪い」だけでなく、型式、走行距離、いつから変わったか、直近数回の実燃費、使用状況、最後に交換した部品を伝えます。記録があると、整備士が原因を絞り込みやすくなります。
目安として、同じ季節と走り方で測っているのに過去の平均から継続して大きく下がる、アクセルを開けても進まない、始動しにくい、アイドリングが安定しないといった場合は早めに相談しましょう。低下率だけで故障を断定はできませんが、複数回の測定でも戻らないなら点検する価値があります。
燃料のにおいや漏れ、エンジン警告灯、強い異音、白煙、失火、異常な発熱、ブレーキの固着がある場合は、燃費測定を続ける段階ではありません。安全な場所に停止し、必要に応じて販売店やロードサービスへ連絡してください。

スーパーカブの燃費が悪いときの確認順
- 同じ給油条件で数回測り、本当に悪化したか確認する
- 冷間時の空気圧とタイヤの状態を確認する
- 車輪、ブレーキ、チェーンの抵抗を確認する
- 不要な積載と短距離中心の使い方を見直す
- 指定オイル、プラグ、吸気系の整備履歴を確認する
- 改善しない場合や異常を伴う場合は整備店へ相談する
燃費向上の基本は、空気圧計やチェーンメンテ用品を使って、車両を本来の状態に保つことです。プラグやエンジンオイルも、安さだけではなく型式への適合を優先してください。添加剤は、その後に必要性を考えれば十分です。

燃費は車両から届く小さな変化のサインでもあります。あなたのスーパーカブは、以前と比べて音、押し歩き、加速、振動に変化がないでしょうか。数値と感覚の両方を記録しておくと、早めの整備につなげられますよ。
指定空気圧、使用油脂、交換時期などの正確な情報は、年式・型式別の取扱説明書をご確認ください。Hondaでは、車種と年式から取扱説明書を探せる公式ページを公開しています。(出典:Honda「取扱説明書/パーツカタログダウンロード」)。安全に関わる整備や原因が判断できない不調については、最終的な判断を販売店や二輪整備の専門家にご相談ください。
